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コールセンター業務委託の基礎知識|メリット・デメリットを徹底解説

「コールセンター(コンタクトセンター)の業務委託ってどういうものなのかイメージがつかめない」
「コンタクトセンターの業務委託ってどうなの?自社に取り入れるべきか悩む…」

と感じていませんか?

コンタクトセンターの業務委託は、コンタクトセンターが担う「お問い合わせ対応」などの業務を、外部の専門会社に代行してもらうことです。

コンタクトセンターの業務委託を利用することで、以下のようなメリットを得られます。

・運営コストを削減できる
・高い応対品質で顧客満足度を高められる
・短い期間でコンタクトセンターの立ち上げができる
・社内の生産性が向上する
・災害時のリスクヘッジができる

ただしコンタクトセンターの業務委託には、デメリットも存在します。

また、コンタクトセンターの業務委託に向いている企業もあれば向いていない企業もあり、判断を誤ると「委託したのに、結局望んでいたような効果を得られなかった…」と後悔することになりかねません。

そのためさまざまな視点から自社にとって「コンタクトセンター業務を委託するべきかどうか」を判断する必要があるのです。

そこで本記事では、コンタクトセンターの業務委託の基礎知識やメリットだけでなく、以下の情報についても詳しくお伝えします。

・コンタクトセンターの業務委託のデメリット
・コンタクトセンターを業務委託するのに向いている企業
・コンタクトセンターを業務委託した場合の成功事例

また本記事の内容は以下のとおりです。

【本記事の内容】

・コンタクトセンターの業務委託の基礎知識
・コンタクトセンターの業務委託の5つのメリット
・コンタクトセンターの業務委託の3つのデメリット
・コンタクトセンターを業務委託するのに向いている企業
・コンタクトセンターを業務委託した場合の成功事例
・【顧客満足度・売上向上を狙える】コンタクトセンターを業務委託する際の選定ポイント

この記事を最後まで読むことで、コンタクトセンター業務委託の基礎知識を理解したうえで、自社にとって業務委託という選択が良いのかどうかを判断出来るようになります。

またコンタクトセンターを業務委託すると判断した場合に、より良い委託先を選べるようになります。

ぜひ最後までお読みください。

目次 [非表示]

1.コンタクトセンター(コールセンター)の業務委託の基礎知識

まずはコンタクトセンター(コールセンター)の業務委託について具体的なイメージを持てるよう、以下の視点からコンタクトセンターの業務委託の基礎知識を解説します。

・コンタクトセンターの「業務委託」とは
・専門会社に委託できるコンタクトセンター業務(例)

それではそれぞれ詳しく見ていきましょう。

1-1.コンタクトセンター(コールセンター)の「業務委託」とは

コンタクトセンター(コールセンター)の業務委託とは、外部の専門会社にコンタクトセンターの業務を代行してもらうことです。

お問い合わせや受注など、コンタクトセンターが担っている業務を対応してもらうことができます。

コンタクトセンターの業務委託について理解するために、コンタクトセンターの運営パターンを簡単にご説明します。コンタクトセンターの運営パターンには「内製」「人材派遣」「業務委託」の3つがあり、以下のような違いがあります。

設備

管理者

オペレーター

内製

自社で準備

自社の社員

自社の社員

人材派遣

自社で準備

自社の社員

派遣会社や専門会社の社員

業務委託

自社で準備

業務委託先が雇用した社員

業務委託先が雇用した社員

業務委託先が準備

内製(自社運営)においては、コンタクトセンター向けの部屋、電話や電話回線、顧客管理システムなどの設備も、コンタクトセンターで実際に顧客応対を行うオペレーターや、オペレーターを管理する管理者も自社で手配することになります。

人材派遣の場合は、設備や管理者は「内製」と同様に自社で手配します。
オペレーターに関しては、派遣会社や専門会社から派遣されたスタッフが電話応対を行います。派遣されたオペレーターは自社の管理者から直接業務の指揮命令を受けて、業務を遂行します。

業務委託については、厳密にいうと2パターンに分かれます。

設備やコンタクトセンターの人材(管理者、オペレーター)を全て専門会社に手配してもらうパターンと、設備のみ自社で準備するパターンです。

設備を含めてすべてを業務委託するパターンは、起業して間もないスタートアップ企業やもともと自社にコンタクトセンター機能のない企業が利用する傾向にあります。

一方で設備のみ自社で準備するパターンについては、もともとコンタクトセンター部門を自社に保有している企業に多く見られます。

本記事においては、設備、管理者、オペレーター全てを専門会社に委託するパターンを前提として、コンタクトセンターの業務委託を解説します。

1-2.専門会社に委託できるコンタクトセンター(コールセンター)業務(例)

コンタクトセンター(コールセンター)を外部に委託する場合、以下の業務を依頼することができます。

【コンタクトセンターを業務委託する際に委託できる業務例】

コンタクトセンターの
業務の種類

説明

委託できる業務の例

インバウンド業務

顧客からの電話に応対する業務

・商品の受注
・問い合わせ(インフォメーション)
・予約の受付
・カスタマーサポート テクニカルサポート
・応募の受付(キャンペーンなど)

アウトバウンド業務

顧客へ電話をかける業務

・テレアポ(新規顧客の開拓)
・テレマーケティング・テレセールス
 ※受注まで行うケースもある

・市場調査
・新商品、キャンペーン、イベントの告知
・督促・催促などの確認業務

コンタクトセンターの業務内容は上記のように「インバウンド」「アウトバウンド」の2種類に大別できます。ここでは業務内容ごとに、委託できる業務について詳しく解説します。

インバウンド業務

インバウンド業務は、顧客からの電話に応対する業務のことです。
業務委託する場合、以下の業務を委託することができます。

【コンタクトセンターを業務委託する際にインバウンド業務で委託できること】

委託できる業務

説明

商品の受注

電話で通信販売の注文を受け、商品の在庫確認、料金や発送手順などを顧客に案内する業務。

問い合わせ
(インフォメーション)

商品の内容やサービスの利用方法など、顧客の質問や疑問に回答する業務。苦情対応が含まれることもある。

予約の受付

ホテルの宿泊、交通、診療など商品やサービスの予約を受け付ける業務。場合によっては時間や場所などもヒアリングして決定する。

カスタマーサポート
テクニカルサポート

商品の使い方やサービスの仕組みなどに関する質問や相談に対応する業務。委託する際には商品やサービスの基礎知識を提供する必要がある。

応募の受付

キャンペーンの応募や新商品のトライアル申込みなど、一定期間のみ発生する業務。大量の応募件数を効率的に処理するために、委託をするケースが多い。

アウトバウンド業務

アウトバウンド業務は、企業から顧客に架電を行う業務のことです。
電話を使って営業活動をすることが目的であり、業務委託をする場合は以下のような業務を委託できます。

【コンタクトセンターを業務委託する際にアウトバウンド業務で委託できること】

委託できる業務

説明

テレアポ(新規顧客の開拓)

見込み客への電話によるアプローチで新規顧客の開拓を行い、商品やサービスの提案から商談の設定までを担当する。

テレマーケティング
テレセールス

企業と接点を持った顧客に対して能動的な情報提供をしながら、ニーズの収集や製品に対するフィードバックなどを実施し、顧客一人ひとりとのエンゲージメントを高めていく業務。
場合によっては受注まで行うケースもある。

市場調査

電話を通して商品やサービスに関する顧客の意見やニーズを収集し、分析に役立てる業務。

新商品、キャンペーン、イベントの告知

新規顧客や既存顧客に対し、新商品や期間限定のサービスの実施を周知し、購入や利用の促進を行う業務

督促・催促などの確認業務

顧客への電話連絡により、期限切れの料金の支払いを促し、債務回収をサポートする業務。

2.コンタクトセンター(コールセンター)の業務委託の5つのメリット

コンタクトセンター(コールセンター)の業務委託を利用するかどうか検討するためには、そのメリット・デメリットを知っておきましょう。

そうすることで、自社にとって委託することがベストな選択かどうか、適切な判断ができるようになります。

そこでまずは、コンタクトセンターの業務委託のメリットを以下5つご紹介します。

コンタクトセンターの業務委託5つのメリット

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1.運営コストを削減できる

1つめのメリットは「運営コストを削減できる」ことです。

自社でコンタクトセンター(コールセンター)を運営する場合、人件費、設備費、教育費、固定費など、あらゆる運営コストが発生します。

そこでコンタクトセンターを外部委託すれば、こうした運営コストを一部削減することができます。
具体的には、コンタクトセンターを委託することで以下のようなコストを削減することができます。

【コンタクトセンターを業務委託することで削減できる運営コスト】

初期設備費

・高価な通信交換機(PBX)
・パソコン
・ヘッドセット
・システム導入・構築費
・CRM(顧客関係管理)ツール
・オフィス機材費
・オフィス構築費
・インターネットや電話回線の工事、設置

採用費、教育・研修費

・オペレーターの採用費
・顧客応対スキル
・通信機器の操作方法などの教育

固定費

・オフィススペースの賃料
・インターネット利用料
・光熱費
・システムの保守費用
・各種ソフトやツールの使用

人件費

・オペレーターの給与
・社会保険料
・福利厚生コスト

オペレーターの数が多ければ多いほど、またスキルや経験によってもコストは変動します。

委託費用に含まれる場合もありますが、自社で運営するよりはコンタクトセンターの業務委託で、運営のためのコストを削減できる点は大きなメリットといえるでしょう。

2-2.高い応対品質で顧客満足度を高められる

2つめのメリットは「高い応対品質で顧客満足度を高められる」ことです。

自社でコンタクトセンター(コールセンター)を運営する場合、オペレーターのスキルにばらつきが生じることがあり、高い応対レベルを維持するのは簡単ではありません。

それに対して業務委託を請け負うコンタクトセンターでは、オペレーターの教育・品質管理に力を入れているため、経験豊富な専門オペレーターによる高品質な応対が期待できます。

具体的には、以下のような研修をオペレーター向けに行っています。

【業務委託を請け負うコンタクトセンターが一般的に行うオペレーター向けの研修】

①座学研修による応対の基礎知識を学ぶ
コンタクトセンターで扱う商品に関する知識や、顧客の個人情報の管理のルールや注意点、顧客に好印象を与える言葉遣いや正しい敬語、使うべきでない言葉などを学びます。

②電話機や端末の操作研修
オペレーターは顧客との会話と並行して、顧客情報を確認して入力したり、電話応対のログを入力したり、必要な情報を調べたりしています。

正確でスピーディーな端末操作ができるよう、電話機やパソコン、タブレットなどに触れながら操作方法を学び、スピーディーに顧客に関する情報を書き起こしたり、顧客が求める情報を調べて回答できるようにしたりする研修を行います。

③ロールプレイング
顧客とのやり取りを想定したトークスクリプト(台本)をもとにしてロールプレイングを行います。
まずはトークスクリプトをすらすら読めるようになるように練習。

その後、研修担当者が顧客役、研修生がオペレーター役となり、研修生は顧客とのやり取りを疑似体験します。そして、研修担当者からフィードバックをもらったうえで、さらにロールプレイングを重ね、応対品質レベルを高めます。

④OJT研修
ロールプレイングの結果、顧客対応ができるレベルに達したら、実際の受電を開始しますが、いきなり1人で対応するわけではなく先輩社員に横に座ってもらいながら、電話応対を研修生が進めます。

そしてその都度先輩社員から、改善点やアドバイスを受け、一歩一歩着実に応対スキルを身につけていきます。

こうした高いスキルを身につけたオペレーターが顧客への応対を行うため、業務委託を請け負うコンタクトセンターでは顧客対応における顧客満足度を向上させることができるのです。

また多くの業務委託先では、土日・祝日や業務時間外でも応対できるようサービスを提供しています。そのため、顧客のニーズに柔軟に対応し、満足度を高めることができています。

顧客の満足度が向上することは、ひいては既存顧客の維持、売上向上につながるため、魅力的なメリットといえるでしょう。

2-3.短期間でコンタクトセンター(コールセンター)の立ち上げができる

3つめは「短期間でコンタクトセンター(コールセンター)の立ち上げができる」ことです。

コンタクトセンターの業務委託においては、必要な設備やツール、人員が揃っています。またコンタクトセンター立ち上げノウハウもあります。そのため、コンタクトセンターの導入期間を大幅に短縮できるのです。

一般的なコンタクトセンターの立ち上げでは、

・目的やゴールの設定
・現状調査と課題の明確化
・業務設計
・マネジメント設計
・コンタクトセンター構築(設備・ツールの手配)
・マニュアル作成
・人材確保と教育

といった動きが必要になります。

顧客が満足できる品質を維持してコンタクトセンターを運営するためには、上記のようなステップを確実にこなして、コンタクトセンターの土台を整えることが重要なのです。

そのため、社内で実施するためには時間と手間がかかります。

そこでコンタクトセンターを委託することで、必要な設備やツール、人員も揃っているプロに、センターを立ち上げてもらい、そのまま運営をしてもらえます。

こうして短期間でのコンタクトセンター立ち上げが実現するのです。
早急なコンタクトセンターの立ち上げが必要な状況の場合、とくにコンタクトセンターの業務委託はおすすめだといえるでしょう。

2-4.社内の生産性が向上する

4つめのメリットは「社内の生産性が向上する」ことです。

自社でコンタクトセンター(コールセンター)業務を行うと、従業員は電話応対と本来の業務(コア業務)の両方を担うことになり、重要な業務に集中しにくくなってしまいます。

電話応対は「聞くこと」「伝えること」に集中しなければならないため、ほかの業務はすべて中断しなければなりません。また電話応対にかかる時間は数分以上であることがほとんどです。

その結果、電話応対業務にリソースを割かれてしまい、コア業務が滞ってしまうこともあります。

そこでコンタクトセンターを外部に委託することで、電話応対などの業務を専門の外部チームに任せることができ、自社の従業員はコア業務に集中できるようになるのです。

IT企業であるA社を例に、コンタクトセンターを業務委託するメリットを考えてみましょう。

A社は「自社サービスの電話応対」を、営業担当者が担っており、多くの時間が電話対応業務に割かれていました。

売上拡大のため新規顧客の獲得が必要でしたが、日々の問い合わせ対応業務に追われ、新規開拓やアポイントなどの営業活動が滞ってしまう状況でした。

そこでA社はカスタマーサポート業務を専門会社のコンタクトセンターへと委託。その結果、営業担当者は新規顧客獲得のための営業活動に専念できるようになり、売上げが大幅に改善されました。

このように顧客との電話応対とコア業務を兼任している部署がある場合は、コンタクトセンターを外部へ委託することで、生産性を大きく向上させることができるでしょう。

2-5.災害時のリスクヘッジができる

5つめのメリットは「災害へのリスクヘッジができる」ことです。

地震や感染症、異常気象、火災といった有事が発生し自社施設が機能停止した場合であっても、委託先のコンタクトセンター(コールセンター)を別施設にしておけば、顧客からの問い合わせに対応し続けることができます。つまり災害時に機能不全になることを防げるのです。

小売業のA社が、自社コンタクトセンターを持たずに、専門会社にコンタクトセンター業務を委託している場合を例にしてみましょう。

ある年、大規模な台風により、A社の本社が位置する地域が甚大な被害を受けてしまいました。
しかしコンタクトセンター業務は別の安全な地域で継続されており、顧客からの問い合わせ対応や緊急の連絡業務を途切れることなく行うことができました。

こうしてA社は災害による被害があったのにもかかわらず、顧客サポートを継続し、信頼性を保つことができました。

このように、コンタクトセンターの業務委託は災害時のリスクヘッジにもつながるというメリットがあります。

3.コンタクトセンター(コールセンター)の業務委託の3つのデメリット

次にコンタクトセンター(コールセンター)の業務委託のデメリットを以下3つご紹介します。

コンタクトセンターの業務委託3つのデメリット

3-1.コンタクトセンター(コールセンター)運営ノウハウが蓄積できない

1つめのデメリットは「コンタクトセンター(コールセンター)運営ノウハウが蓄積できない」ことです。

コンタクトセンター業務を委託すると、社内にはないコンタクトセンター運営の専門知識や経験を活用できます。

しかし一方で、社内にコンタクトセンター運営の経験や知識の蓄積は進んでいきません。これは将来的にコンタクトセンターを内製化したいと考えている場合にはデメリットとなるでしょう。

自社で運営していきたいという経営戦略がある場合は業務委託ではなく、はじめから内製したほうが、スムーズにコンタクトセンターを立ち上げられるでしょう。

なお「これからも業務委託先のコンタクトセンターと協働して、CX向上を図りたい」という場合は、「運営ノウハウが蓄積できない」ことはデメリットにはならないため、気にする必要はないでしょう。

3-2.直接の指示や評価はできない

2つめのデメリットは「直接の指示や評価ができない」ことです。

コンタクトセンター業務を委託する場合、専門会社で管理者やオペレーターを用意します。
そのため、オペレーターへの指示は専門会社の管理者が行い、オペレーターの評価も専門会社で判断します。

業務に関する指示や新規の情報も専門会社の管理者を通してオペレーターへ伝える必要があり、オペレーターの対応についての評価も直接行うことはできません。

そのため、コンタクトセンターを委託する際、重要視する項目や必要な応対スキルなどを専門会社と協議し、自社の方針に沿ったコンタクトセンターの条件をしっかりと伝えておく必要があります。

3-3.高度な専門知識が必要な業務は委託が難しい

3つめのデメリットは高度な専門知識が必要な業務については、委託が難しい傾向にあることです。

というのも、オペレーターが持つスキルや知識、経験を超えてしまうため、委託先コンタクトセンターのサービスの範囲内で対応するのは簡単ではないからです。

たとえば以下のような業務は、高度な専門知識を必要とするため、業務を委託するのは難しいといえます。

【委託するのが難しいと考えられる高度な専門知識が必要な業務の例】

◆高度な専門分野に関するサポート
高度な技術で作られた製品や専門的なソフトウェアを扱う場合、深い製品知識や技術的な理解が必要であり、コンタクトセンターの業務委託には向いていないケースがあります。

顧客からの問い合わせ対応をする際に高度な技術に関する知識が必要な場合は、業務委託に適しているとはいえないでしょう。

◆法律や金融に関する認可が必要な相談
法律相談や投資商品の詳細説明、保険契約に関する専門的な問い合わせなど、法律的なアドバイスや金融商品に関する詳細な説明など、専門的な知識や資格が必要な業務は委託に向いていないでしょう。

また、債権回収業の場合、そもそも法務省の認可を受けた企業のみが営業できるため、借金の回収に関するやり取りなど法的制約のある企業は、外部のコンタクトセンター(コールセンター)業者に100%委託することはできません。

◆直接の医療行為に該当する相談
医療機関では、患者からの特定の健康状態や症状に関する問い合わせがあります。

しかしそうした問い合わせに対応するためには医学的な知識や資格が必要です。医療機関の場合、患者に対して正確な情報提供が重要なため、専門的な医療資格を持つスタッフが必要であり、業務委託は難しいといえるでしょう。

4.コンタクトセンター(コールセンター)の業務委託に向いている企業

ここまでコンタクトセンター(コールセンター)の業務委託にまつわるメリット、デメリットをご紹介しました。

4章では、さらに自社においてはコンタクトセンターを業務委託するべきかどうか、しっかり判断できるよう、コンタクトセンターを業務委託するのに向いている企業の特徴を以下3つご紹介します。

コンタクトセンターの業務委託に向いている企業

それぞれ詳しく見ていきましょう。

4-1.短期間でのサービス展開が求められる企業

1つめは「短期間でのサービス展開が求められる企業」です。
とくに新規事業やキャンペーンの立ち上げなど、迅速な対応を求められる場合におすすめです。

コンタクトセンターの業務委託は、既に設備やツール、人員が整っているため、立ち上げ期間を大幅に短縮できます。そのため、自社でコンタクトセンターを設置するよりも、スピーディーに開設できるのです。

新商品発売などに併せてキャンペーン窓口の立ち上げが必要な場合や、イベントに合わせた特設窓口の用意が必要になることが多い企業はその都度、場所や設備を準備したり、人員を確保したりすることは難しいでしょう。

しかし、業務委託であれば、問い合わせに必要な情報を渡すだけでその他の準備はコンタクトセンター専門会社が行うため、効率よくコンタクトセンターを開設することができます。

短期間でのサービス展開が求められる企業にとって、コンタクトセンターの業務委託は向いているといえるでしょう。

4-2.コア業務に集中したい企業

2つめは「コア業務に集中したい企業」です。

コンタクトセンターを業務委託する場合、委託先ではオペレーターの教育や品質管理に特化しており、経験豊かなオペレーターによる高品質な応対が期待できます。

企業は専門業者に委託することでコンタクトセンターを運営するために必要な時間だけでなく、オペレーターの品質維持のための研修や教育などの時間もほかの時間に充てることができるようになります。

特に「顧客の電話応対」と「コア業務」を兼任している部署が自社にある場合は、コンタクトセンターを外部へ委託することで、重要な業務に社内リソースを集中させることができるようになるでしょう。

コア業務に専念し、高品質な応対はコンタクトセンターのプロに任せたいという企業には、コンタクトセンターの業務委託がおすすめです。

4-3.初期コストや固定費の削減が重要な企業

3つめは「初期コストや固定費の削減が重要な企業」です。

自社でコンタクトセンター(コールセンター)を運営する場合、初期設備費、採用費、教育・研修費、固定費、人件費など多額のコストが発生します。こうしたコストは、とくに「スタートアップ企業」や「コンタクトセンター運営に予算を割けない企業」にとっては大きな負担となってしまうでしょう。

そこでコンタクトセンターを委託すれば、「2-1.運営コストを削減できる」でも紹介したようにコストの一部を削減できるため、その分費用を抑えることができます。

またコンタクトセンターを委託する際月額決まった費用で行う契約にすると、発生する費用を、ある程度固定することができるため予算の管理がしやすいのも、シビアにコスト管理を行っている場合に有効です。

コンタクトセンターを設置したほうが良いと考えているものの、それほど運営に予算が割けないという場合には、コンタクトセンターの業務委託をおすすめします。

5.コンタクトセンター(コールセンター)を業務委託した場合の成功事例【フジドリームエアラインズ様】

コンタクトセンター(コールセンター)を業務委託するべきかどうか判断する場合、実際の事例を見ることも大切です。
より具体的に自社に導入した場合のイメージを持つことができ、判断材料にすることができます。

そこで5章ではトランスコスモスがフジドリームエアライン様のコンタクトセンター構築を支援した事例をご紹介します。

5-1.【課題】搭乗や予約に関する問い合わせ件数の増加による応答率低下の改善

株式会社フジドリームエアラインズ様(以下、略称:FDA様)は、富士山静岡空港や名古屋小牧空港などを拠点に国内10都市を小型ジェット機で結ぶフライトサービスを提供する航空会社です。

FDA様は、2009年7月の就航開始に向けて新規予約・問い合わせ・受付まで行うコンタクトセンター(コールセンター)を立ち上げ、オペレーターの採用から教育・研修・運用まで、すべて自社で対応していました。

しかし、便数や路線網の拡大によって利用者数の大幅に増加し、搭乗や予約に関する問い合わせ件数が急増。当時のオペレーター人員だけでは対応しきれず、応答率が低下してしまいました。

「電話がつながりにくい状況」はお客様へのサービス品質に影響を与えかねないため、一刻も早い改善を必要とされていたFDA様は、課題解決のため、コンタクトセンターの業務委託を決断しました。

トランスコスモスは、こうした状況を改善するため、入電数や入電時刻などを細かく分析、数値化して1コールにかかる費用を割り出しました。

その結果に基づき、繁忙期にあわせた最適な人員配置と問い合わせの難易度にあわせた業務の切り分けをご提案し、FDA様の課題解決をサポートすることになりました。

5-2.【施策】業務レベルに沿ったスキルアップ研修

業務レベルに沿ったスキルアップ研修

トランスコスモスの名古屋センターを活用し、まずはオペレーターの人員拡充を進めました。

FDA様の静岡センターと連携した2拠点での運用体制を短期間で構築。また、人員を増やすことで応答品質が低下しないよう、各問い合わせ内容の難易度にあわせて業務を切り出し、3つのフェーズに分類。

研修期間が短く基本的な問い合わせからスタートし、段階的にレベルの高い業務を習得していく体制で運用しました。

さらに、フェーズごとにオペレーターのスキルアップ研修を実施。マニュアルに沿った受け応えだけでなく、言葉遣いやイントネーションの標準化や教育を強化することでスキルアップを図り、応対品質の向上に努めました。

拠点間のコミュニケーションにおいても、密な連携と共有フォルダでの情報共有など、スムーズな業務推進を促進するための取り組みも行っています。

5-3.【成果】応答率の大幅アップで顧客満足度向上

施策に取り組んだ結果、トランスコスモスのコンタクトセンター(コールセンター)運用開始後から、応答率が飛躍的にアップ。これにより、お客様からの「電話がつながりにくい」といった不満の声がなくなり、顧客満足度が大きく向上しました。

また業務の最適化や要員確保の効率化を図ったことにより、自社ですべて対応していたときよりも、低コストでの運用を実現しています。

6.【顧客満足度・売上向上を狙える】コンタクトセンター(コールセンター)を業務委託する際の選定ポイント

検討の結果、コンタクトセンター(コールセンター)を業務委託すると決断した場合、「どのようなポイントに気を付けて業者に依頼するべきか」悩むものです。

そこで6章では、顧客満足度、売上向上を狙える「コンタクトセンターを業務委託する際の選定ポイント」を以下4つご紹介します。

コンタクトセンターを業務委託する際の4つの選定ポイント

それぞれ見ていきましょう。

6-1.得意とする業務を確認する

1つめは「得意とする業務を確認する」ことです。

先にもお伝えしたとおり、コンタクトセンター(コールセンター)の業務は大きく「インバウンド」「アウトバウンド」に分けられ、業務パートナーによって得意とする分野が異なります。

それぞれの業務には特有のスキルや経験が必要です。委託先の得意分野が自社のニーズと合致しない場合、顧客への効果的なサービスの提供が難しくなってしまうのです。

コンタクトセンターを選定する際は、自社の具体的なニーズに合った業務委託先を選ぶことが、顧客満足度と売上向上を目指すうえでの重要なポイントとなります。

自社のニーズが「インバウンド」なのか「アウトバウンド」なのかは、以下を参考にして明らかにしましょう。

【コンタクトセンターを業務委託する際に委託できる業務一覧】

コンタクトセンターの
業務の種類

説明

委託できる業務

インバウンド業務

顧客からの電話に対応する業務

・商品の受注
・問い合わせ
・予約の受付
・カスタマーサポート テクニカルサポート
・応募の受付(キャンペーンなど)

アウトバウンド業務

顧客へ電話をかける業務

・テレアポ(新規顧客の開拓)
・テレマーケティング
・市場調査
・新商品、キャンペーン、イベントの告知
・未納料金の催促

6-2.セキュリティ対策が万全か確認する

2つめは「セキュリティ対策が万全か確認する」ことです。

コンタクトセンター(コールセンター)の委託においては、企業の機密情報や顧客の個人情報を取り扱う業務を委託することになるため、高いセキュリティ体制が求められます。

もしも顧客の情報が漏えいしてしまうと、責任を問われるだけでなく、企業の信頼さえも損ねてしまう可能性があるのです。

そのため委託先のセキュリティ対策が万全かどうかを事前チェックしておく必要があります。

下記を取得している業務委託業者であれば、情報セキュリティの厳格な基準を満たしており、顧客情報の安全な管理が保証されると判断できます。必ず確認しておきましょう。

【セキュリティ対策を適正に行っているかどうか判断できるポイント】

◆プライバシーマーク
個人情報保護の標準を満たすルールを定め、守っていることを示すマークです。

◆ISO27001(ISMS)
国際標準化機構(International Organization for Standardization)が定める ISO認証のひとつ。
取得していれば、情報セキュリティの管理に関する国際規格をクリアしていることになります。

6-3.オペレーターの応対レベルが高いか確認する

3つめは「オペレーターの応対レベルが高いか確認する」ことです。

コンタクトセンター(コールセンター)は企業の窓口であり、顧客と直接対話をすることになるため、その応対品質が重要です。

そのためコンタクトセンターを業務委託する際には、オペレーターの応対品質レベルが高いかどうかを確認することをおすすめします。

オペレーターの質が良いかどうかは、「オペレーターへの教育体制が整っているかどうか」が一つの判断基準となります。

オペレーターの応対品質維持のための教育カリキュラムや認定制度などがしっかりできていれば、適切なオペレーターの配置を実施できるため、品質の高い応対が期待できます。

なおかつ、必要人員をきちんと確保できていればオペレーターの業務量が適正になるため、オペレーターへ負担がかかりすぎることなく、レベルの高い応対ができる可能性が高くなります。

6-4.サポート体制が充実しているかどうか確認する

4つめは「サポート体制が充実しているかどうか確認する」ことです。

「電話応対」以外のサポートも充実している業務委託パートナーを選ぶことで、さらに顧客満足度や、自社の商品・サービス向上に活かすことができるのです。

コンタクトセンター(コールセンター)におけるサポートには、たとえば、

【コンタクトセンターにおける電話応対以外のサポートの例】

◆FAQの作成
蓄積した問い合わせ内容をもとにして、問い合わせの傾向を分析。企業公式サイトに掲載できる「FAQ」「よくあるご質問」を作成してくれる

◆改善提案
日々の業務や顧客対応の中で案内方法やwebサイトの表記、利用方法などの改善点をみつけ、より良い方法を提案してくれる

◆VOC分析
VOC分析をし、顧客の商品・サービスに対するニーズを共有してくれる

といったものがあります。

上記のようなサポートを活用すれば、顧客の生の声を活かして自社にノウハウを蓄積していくことができます。自社のサービスや商品の改善にもつながるため、結果として顧客の満足度を向上させ、売上拡大にもつながるでしょう。

そのため、サポート体制が充実しているかどうかを確認しておくことをおすすめします。

7.コンタクトセンター(コールセンター)の業務委託ならトランスコスモスをご検討ください

コンタクトセンター(コールセンター)の業務を委託する際には、トランスコスモスの「Digital Customer Communication Platform」をご検討ください。

「Digital Customer Communication Platform」は、「顧客コミュニケーションの現場を知り尽くしたトランスコスモスだから蓄積できるノウハウ」を結集し、顧客が企業に期待する体験に合わせてサービスを提供できるプラットフォームです。

電話の応対だけでなく、以下のようにあらゆるチャネルで高いオペレーション力を発揮し、良質な顧客体験を生み出します。

トランスコスモスの「Digital Customer Communication Platform」

トランスコスモスの調査によると、カスタマーサポートの体験において感動体験を受けた顧客の84%は、サービス継続意向を持っているという結果があります。

また、カスタマーサポートの感動体験により、その企業の他の商品も買いたいと思った人の割合は、82%にのぼりました。

カスタマーサポートの感動体験により顧客の84%はサービス継続意向を持つ

つまりコンタクトセンターにおいて良質な顧客体験の提供が、企業の成長につながるのです。

具体的にトランスコスモスが良質な顧客体験を生み出すために行うことは、以下の5つです。

トランスコスモスが良質な顧客体験を生み出すために行うこと

トランスコスモスでは、過去5年間で1700社以上のお取引があり、コンタクトセンター、在宅での提供席数は18,000席以上さらに、提供機能は25以上と、充実したサポートでコンタクトセンター運営を行うことができます。

コンタクトセンターの業務委託をお考えなら、トランスコスモスへお気軽にお問い合わせください。

まとめ

この記事ではコンタクトセンター(コールセンター)の業務委託に関する基礎知識やメリット・デメリット、業務委託に向いている企業、成功事例などを解説しました。

ここで改めて本記事の内容をおさらいしましょう。

◆コンタクトセンターの業務委託とは
外部の専門会社にコンタクトセンターの業務を代行してもらうこと

◆コンタクトセンターの「内製」「人材派遣」「業務委託」の違い

設備

管理者

オペレーター

内製

自社で準備

自社の社員

自社の社員

人材派遣

自社で準備

自社の社員

派遣会社や専門会社の社員

業務委託

自社で準備

業務委託先が雇用した社員

業務委託先が雇用した社員

業務委託先が準備

コンタクトセンターを業務委託する際に委託できる業務

コンタクトセンターの
業務の種類

説明

委託できる業務

インバウンド業務

顧客からの電話に応対する業務

・商品の受注
・問い合わせ
・予約の受付
・カスタマーサポート テクニカルサポート
・応募の受付(キャンペーンなど)

アウトバウンド業務

顧客へ電話をかける業務

・テレアポ(新規顧客の開拓)
・テレマーケティング
・市場調査
・新商品、キャンペーン、イベントの告知
・未納料金の催促

◆コンタクトセンターの業務委託の5つのメリット

・運営コストを削減できる
・高い応対品質で顧客満足度を高められる
・短期間でコンタクトセンターの立ち上げができる
・社内の生産性が向上する
・災害時のリスクヘッジができる

◆コンタクトセンターの業務委託の3つのデメリット

・コンタクトセンター(コンタクトセンター)運営ノウハウが蓄積できない
・直接の指示や評価はできない
・高度な専門知識が必要な業務は委託が難しい

◆コンタクトセンターを業務委託するのに向いている企業

・短期間でのサービス展開が求められる企業
・コア業務に集中したい企業
・初期コストや固定費の削減が重要な企業

◆【顧客満足度・売上向上を狙える】コンタクトセンターを業務委託する際の選定ポイント

・得意とする業務を確認する
・セキュリティ対策が万全か確認する
・オペレーターの応対レベルが高いか確認する
・サポート体制が充実しているかどうか確認する

本記事を読んでコンタクトセンターの業務委託について知ることができ、自社の業務効率向上や顧客満足度向上のお役に立てていただければ幸いです。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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