
「モニタリングってどんなことをするもの?」
「コンタクトセンター全体の品質を上げたいけれど、どうすればいいの?」
本記事では、こうした疑問にお答えします。
コンタクトセンター(コールセンター)でモニタリングといえば、「オペレーターと顧客との電話などでのやりとりを、管理者がリアルタイムあるいは録音・記録して後日にチェックし、応対内容や応対品質を評価・分析すること」を指します。
実施には、以下のような方法があります。
・SVが電話やメール、チャットなどの応対ログをチェックする |
上記を実施することで、コンタクトセンターでは以下のようなメリットが得られるでしょう。
・応対品質が向上する |
そこでこの記事では、コンタクトセンターでモニタリングを実施したい方に向けて、知っておきたいことをお伝えします。
◎「モニタリング」とは |
最後まで読めば、知りたかったことがわかるはずです。
本記事が、貴社コンタクトセンターでのモニタリング運用の参考になれば幸いです。
1.モニタリングとは

まずは、「モニタリング」の基本的な意味を整理します。
1-1.「モニタリング」とは
「モニタリング」とは、英語の「monitor/監視する」+「〜ing(動詞の名詞化)」=「監視」を意味する言葉です。
一般的には、「対象の状態を、継続的あるいは定期的に監視・観察し記録すること」という意味で使われます。
また、いくつかの業種や分野では、特定の業務・作業を指して「モニタリング」と呼ぶ場合もあります。
たとえば以下のようなケースです。
・医療:患者の状態を、バイタルサインや各種の検査などで定期的に観察すること |
いずれの場合も、「状態に問題がないかを観察する」のがモニタリングで、「もし問題があれば改善などの対処をする」ことを目的としています。
1-2.コンタクトセンター(コールセンター)におけるモニタリングとは
前項では、さまざまな業種でのモニタリングについて簡単に触れましたが、ここからは特に「コンタクトセンターでのモニタリング」にフォーカスして説明していきましょう。

具体的には、以下のようにモニタリングを行います。
・SVが、自分の担当するオペレーターの電話対応をリアルタイムで聴き、終話後に「今の対応では、こう答えたほうがいい」など指導をする |
その際には、チェック項目をリスト化したチェックシートを作成し、各項目の達成度を何段階かに数値化して評価するのが一般的です。
複数のチャネルを持っているセンターであれば、電話に限らずメールやチャットなどでのやりとりについてもモニタリングを実施する場合もあります。
1-3.コンタクトセンター(コールセンター)でモニタリングをする目的
では、コンタクトセンターではなぜモニタリングを行うのでしょうか?
目的は、オペレーターの応対スキルを判定、改善し応対品質と顧客満足度を高めることです。
そもそもコンタクトセンターのミッションは、顧客の疑問や要望に適切に応えることで顧客満足度を向上させ、企業へのロイヤルティを高めることにあります。
それには、オペレーターの応対スキルが重要です。
顧客の問い合わせに適切な回答を与えて、満足した状態で切電させるような対応が求められます。
そのために各センターでは、最適な対応をトークスクリプトやマニュアルにして共有をしたり、オペレーターをトレーニングし、日々応対品質の向上を図っています。
モニタリングは、応対品質向上のために、課題を把握し改善につなげる施策のひとつです。
2.コンタクトセンター(コールセンター)でのモニタリング方法

モニタリングの意味と目的がわかったところで、ここからは、実際のモニタリング方法を紹介します。
モニタリングの実施方法には、主に以下のようなものがあります。
・SVが電話やメール、チャットなどの応対ログをチェックする |
では、順番に説明します。
2-1.SVが電話やメール、チャットなどの応対ログをチェックする
もっとも一般的なモニタリング方法のひとつが、「SVや管理者が電話、メール、チャットなどの応対ログをチェックする」ことです。
たとえば電話の場合は、オペレーターと顧客とのやり取りを録音しておきます。
あとでそれをSVなどが聴き、チェック項目をリスト化したチェックシートに評価を記録していきます。
それをもとに、後日にオペレーターそれぞれにフィードバックを行って改善点を指導したり、モニタリング結果を集計してセンター全体の業務フローやトークスクリプトなどを見直したりする、という方法です。
録音環境があればすぐに始められる、取り組みやすい方法です。
ただ、現実的にはSVは日々の運営業務で忙しく、オペレーター全員のログを聴いたりフィードバックしたりする時間がとれないというセンターも多いようです。
この方法を実施する際には、SVの業務フローに無理なく組み込めるよう、業務計画にあらかじめモニタリング時間を確保することが重要です。
2-2.SVがリアルタイムで応対をチェックする
もうひとつ手軽な方法として、「SVがリアルタイムでオペレーターの通話を聴き、応対内容をチェックする」ということも可能です。
これならSVが後日に録音を聴き直す必要がないので、より取り組みやすいでしょう。
SVや管理者は、コンタクトセンター(コールセンター)システムの「リアルタイムモニタリング機能」などを使って任意のオペレーターの通話を聴き、チェックシートで評価して、のちほどフィードバックします。
またこの方法は、その場でオペレーターにアドバイスをしたり指導をしたりすることができるのも利点です。
コンタクトセンター(コールセンター)システムの中には、そのための機能が備わっていて、通話中に顧客には聴こえずオペレーターだけに聴こえるようにSVが話をすることができるものがあります。
まだ経験が浅いオペレーターなどには、リアルタイムモニタリングで何かあればすぐにSVがアドバイスする、という方法でサポートするのもいいでしょう。
2-3.外部業者のモニタリングサービスを利用する
前述したように、コンタクトセンターの中には「モニタリングをしたいけれど、SVが忙しくて時間がとれない」というところも多いでしょう。
そのようなセンター向けに、モニタリングを代行するサービスを提供している企業がありますので、それを利用するのもひとつの手です。
モニタリングサービスを行う企業に依頼すると、専門のスタッフがオペレーターの対応を客観的に評価してくれます。
分析結果をレポートにするだけでなく、改善提案などのアドバイスや、オペレーターの研修まで請け負う企業もあり、モニタリングに関するすべての工程を任せることも可能です。
ただその場合でも、「モニタリングを何のために実施したいのか」「モニタリングによってどんなセンターにしていきたいのか、理想のセンター像とはどんなものか」といった目的、ゴールの設定は、コンタクトセンター側で明確にしておかなければなりません。
委託を受ける企業はそれをもとに、チェック項目を定めて評価を行ってくれるでしょう。
ただ、人手によるモニタリングは有効な手法である一方、対応できる件数や実施頻度には限界があります。そこで注目されているのが、音声認識やAIによるモニタリング自動化です。
2-4.音声認識やAIによるモニタリング自動化サービスを利用する
また、モニタリングを自動化できるサービスやシステムもあります。
たとえば、オペレーターのリアルタイムでの対応や録音ログを、音声認識ツールでテキスト化します。
それに対して、システムがあらかじめ設定しておいたチェックポイントを自動で評価、数値化するというしくみです。
音声をテキスト化することで、フィードバックの理解度も高まります。
さらに、テキストデータから特定のキーワードを抽出する機能が備わっているものもあります。
これを活用すれば、「顧客満足度が下がりやすいワード」や「クレームにつながるNGワード」を使ってしまっているオペレーターを効率的にピックアップ、指導することが可能です。
また、成約率や満足度の高い通話から共通表現を抽出し、人事評価やトークスクリプト改善に活用できます。
モニタリングの自動化により、運用効率とデータ活用の幅が広がります。
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3.コンタクトセンター(コールセンター)でモニタリングをするメリット

では、実際にモニタリングをすることで、センター運営にどんなメリットが得られるのでしょうか?
それは主に以下の6点です。
・応対品質が向上する |
それぞれ説明していきましょう。
3-1.応対品質が向上する
前述したように、モニタリングを実施することで、応対品質を向上させることができます。
一般的にモニタリングを実施する際には、評価基準となるチェック項目を定めてチェックシートを作成、評価を点数で記録します。
チェックするのは、オペレーターの対応が「正しい内容を伝えているか」「顧客の抱える課題を解決できているか」「言葉遣いなどのマナーは正しいか」といった項目です。
そこで各オペレーターごとに点数が低い項目があれば、SVなどの管理者がそれについて指導などのフィードバックを行い、改善をしていくわけです。
このように、「チェックシートの作成」→「モニタリング」→「評価」→「改善」のPDCAサイクルを繰り返すことで、オペレーターの応対スキルが向上していきます。
3-2.顧客満足度がアップする
オペレーターそれぞれの応対スキルが向上することで、コンタクトセンター全体の応対品質も向上します。
その結果、センターのミッションである「顧客満足度アップ」も期待できるでしょう。
顧客がコンタクトセンターを利用するのは、「わからないことがあるので、その回答が知りたい」「製品の故障など困ったことが発生したため、それを解決してほしい」「製品やサービスなどに関して、不満を伝えたい」といった理由からです。
その疑問が解決されたり、要望が聴き入れられたりすれば、顧客は満足を感じますし、反対にそれが不十分であれば、企業自体に不満や不信感を持つ恐れがあります。
モニタリングを実施することで、「顧客が満足する対応」をオペレーターに徹底することができ、センター全体の顧客満足度が向上するはずです。
3-3.課題が見える化され業務改善・効率化に役立つ
また、コンタクトセンターに潜在している課題やトラブルの芽を早期発見し、改善するためにも、モニタリングが役立ちます。
モニタリングをしたあとには、結果の分析が必須です。
チェックシートを集計した際に、たとえば「オペレーターの対応はスクリプト通りなのに、顧客の疑問が十分に解決されていない」ということがわかったとしたら、それはスクリプト自体に問題があるのかもしれません。
その場合は、トークスクリプトの改訂が必要になるでしょう。
あるいはクレームにつながった応対に共通の問題点があれば、それを潰していくことでクレームの芽を未然に摘むことができるはずです。
モニタリングを定期的に行うことで、顧客満足度向上につながります。
3-4.オペレーターごとのスキル格差が平準化される
また、モニタリングによってオペレーターそれぞれのスキル格差をなくし、対応を平準化することも可能です。
多くのコンタクトセンターでは、マニュアルやトークスクリプトを作成しています。
オペレーターはそれに従って顧客対応すれば、間違った内容を伝えてしまったり、返答に詰まって答えられなくなったりすることを避けられるわけです。
ただ、オペレーターは人間なので、スクリプトに従っていても全員が同じ応対スキル、応対品質を発揮できるとは限りません。
ちょっとした言葉の違いや声のトーン、あいづちや話す速度などが違うだけでも、顧客の理解度や満足度は変わってきます。
そこでモニタリングを行うことで、オペレーター個人によるスキルの差をできるだけ解消します。
応対の様子をチェックすることで、スキルが低い人やマニュアルとは違った対応をしている人を見つけ出し、指導することでセンター全体の応対品質の平準化をはかることができるでしょう。
3-5.オペレーターのモチベーションが向上する
さらに、オペレーターのモチベーション向上にもつながります。モニタリング後にはオペレーターにフィードバックを行いますが、その場をうまく利用することでやる気や意欲をかき立てることができるのです。
たとえば、スキル不足を指摘するのはもちろんですが、その際にはネガティブな表現は避け、ポジティブに伝えます。
「言葉遣いがよくない」ではなく、「『◯◯』ではなく『△△』と言ったほうが、お客さまが理解しやすい」というようにです。
また、モニタリングの結果で優れたところがあれば、「共感の言葉をタイミングよくはさめているので、これからも意識して使っていきましょう」など、強みとして伸ばしていくのもいいでしょう。
フィードバックを「叱責の場」ではなく「成長の場」にすることで、モチベーション向上に役立てることができます。
3-6.オペレーターに対して公正な人事評価ができる
モニタリングによって、オペレーターの応対スキルを公正に評価することもできます。
一般的にコンタクトセンターでは、応対品質を管理するために、さまざまなKPIを設定しています。
たとえば「応答率」や「放棄呼率」、「平均応答速度(ASA)」や「平均後処理時間(ACW)」などを定期的に算出して、目標値を達成できるように努めているセンターは多いです。
ただ、コンタクトセンターにとって非常に重要な要素でありながら、KPIとして数値化しづらいのが「オペレーターの応対スキル」です。
「スキル」という定性的な評価基準は、ともすればSVの主観に左右されてしまう恐れもあります。
オペレーター自身も、「あの人と自分は同じスクリプトで話しているのに、なぜあの人のほうが顧客からもSVからも評価されるのかわからない」と疑問や不満を抱くでしょう。
そこで、モニタリングを活用するのです。
モニタリングでは、評価基準となるチェック項目を定めてチェックシートを作成、評価を点数で記録します。
スキルという定性的な要素を定量的化することができるため、客観的な評価ができるようになります。
人事評価もより公正にできるため、オペレーターの定着にもつながるでしょう。
4.コンタクトセンター(コールセンター)でのモニタリングチェックシートの例

前述したように、モニタリングには4つの方法がありますが、いずれにも共通しているのが「モニタリングで効果を得るにはチェックシートが重要」ということです。
モニタリングのチェックシートは、オペレーターの応対に関して評価する項目をリスト化したものです。
一般的に、「0〜4点の5段階」など評価を点数化し、モニタリングを行うSVや管理者、または自動モニタリングシステムが点数をつけます。
この評価項目は、そのコンタクトセンターが何を目標としているか、どんな理想像を目指しているかによって異なってきます
「高齢の顧客が多いので、ある程度時間がかかってもきちんと理解されるまで対応する」のであれば、聴き取りやすさや復唱確認などが重視されるでしょう。
あるいは「企業のイメージ向上につなげたい」なら、傾聴スキルや問題解決力が求められるでしょう。
そのため、どのセンターにも適用できる万能なチェックシートを作成するのは難しいですが、ここでは一般的に使われるチェック項目の例でシートをつくってみました。
これを参考に、自社のコンタクトセンターに合ったものを作成してください。
【コンタクトセンターでのモニタリング用チェックシートの例】
NO. | カテゴリー | 項目 | 評価基準 | 評価 |
1 | 基本応対 | オープニング | 第一声で明るく感じのよい名乗りができた | |
2 | クロージング | 最後に不明点がないか確認し、再度名乗って終話した | ||
3 | 敬語・マナー | 適切な敬語を使い、電話のマナーを守っていた | ||
4 | 話すスピード | 相手が聴き取りやすいスピードで話していた | ||
5 | 明瞭さ | 言葉をはっきりと聴き取りやすく発していた | ||
6 | 声のトーン | 低すぎず高すぎず、相手に合わせた適切なトーンで話した | ||
7 | 明るいトーンや真剣なトーンなど、話の内容に適したトーンで話した | |||
8 | 話し方のくせ | 「あのー」「えっと」などを多用していない | ||
9 | 自分の口ぐせが出ていない | |||
10 | 傾聴 | 聴く姿勢 | 相手の話を遮らず、よく聴いていた | |
11 | あいづち・復唱 | 適切なタイミングであいづちをしたり、相手の言葉を復唱したりした | ||
12 | 共感 | 相手に共感しながら話を聴いていた | ||
13 | 促し | 相手が話に詰まったとき、適切に促せていた | ||
14 | 質問 | 相手の話を理解するため、適切な質問をしていた | ||
15 | 理解 | 相手の話をオペレーターがよく理解できていた | ||
16 | 説明 | わかりやすさ | 相手に合わせたわかりやすい説明ができた | |
17 | 表現 | 専門用語などを使わず、理解しやすい言葉で説明ができた | ||
18 | 肯定表現 | 相手の言葉を否定せず、肯定表現で話ができた | ||
19 | 語順 | まわりくどくならないよう、最初に結論を話し、次いで理由など詳細を説明した | ||
20 | 理解 | 相手はオペレーターが一度説明したら理解できた | ||
21 | ルール | トークスクリプト | トークスクリプトに沿って、抜け漏れなく案内ができた | |
22 | マニュアル | マニュアル通りの説明・回答ができた | ||
23 | 正確性 | 製品やサービスについて、正しい案内ができた | ||
24 | 完全性 | 顧客情報など決められたことをすべて確認できた | ||
25 | 顧客満足 | 状況把握 | 相手の状況が正しく理解できた | |
26 | ニーズ把握 | 相手が何を求めているのか、課題は何かを把握できた | ||
27 | 回答・提案 | 相手の疑問や課題に対して適切な回答・提案ができた | ||
28 | 満足度 | 相手はその回答や提案に満足して終話した |
これに加えて、顧客側の反応を評価項目に加える例もあります。
たとえば「不安や不満のない口調で話していた」「最後はリラックスした様子で終話できた」などです。
センターによっては、数十項目のチェックを行うケースもありますが、項目をむやみに増やせばいいというものではありません。
多すぎるとチェックも分析も大変ですので、そのセンターの目標に関連しない項目であれば、リストに入れる必要はないでしょう。
まずは一度、チェックシートを作ってモニタリングしてみてください。
何回か繰り返す中で、「もっとこういう項目を評価したほうがいい」「逆にこの項目は不要」という改善点が見えてきます。
それを踏まえて、チェックシートも改善しながら、より効果を得られるモニタリングに変えていきましょう。
5.コンタクトセンター(コールセンター)でのモニタリングの流れ

チェックシートができたら、いよいよモニタリングです。
外部のモニタリングサービスを利用する場合は、委託先にすべて任せることができますが、それ以外の場合は、以下のような流れで進めるとよいでしょう。
【モニタリングの流れ】 1)モニタリングの目的を明確化する |
5-1.モニタリングの目的を明確化する
まず最初に、モニタリングを何のために実施するのか、その目的を明確化しましょう。
モニタリングの目的は、「1-3.コンタクトセンター(コールセンター)でモニタリングをする目的」で説明したように、「オペレーターのスキルをチェック、改善してセンターの応対品質を向上させ、顧客満足度をアップさせる」ことです。
ただ、センターごとにもっと具体的な目標があるでしょう。
たとえば以下のようなものです。
・顧客満足度を向上させて、企業のブランドイメージを高める |
この目的によって、モニタリングで何を評価するかのポイントが異なりますので、あいまいなままスタートしないようにしてください。
5-2.チェック項目を定めてチェックシートを作成する
次に、チェックする評価項目をリストアップして、チェックシートを作成します。
項目は、前項で定めた目的を達成するには何が必要か、を踏まえて考えます。
また、すでにコンタクトセンター内にお手本となるような理想の対応をするオペレーターがいれば、その人の応対のよいところをリストアップしてチェック項目のたたき台にするのもいいでしょう。
ここで重要なのは、最初から細かく作り込みすぎない、ということです。
ここであまり時間をかけたり考えすぎたりしても、実際に運用してみると修正したいポイントがいろいろと出てくるはずです。
項目が細かすぎると集計や分析にも工数がかかるため、始めた時点で「こんなに手間をかけられない」と頓挫してしまう恐れもあります。
チェックシートは「徐々に改訂していくもの」と考えて、まずは基本的な項目で作成、運用してみてください。
5-3.モニタリングを実施する
チェックシートができたら、いよいよモニタリングを実施します。
オペレーターそれぞれの応対品質を向上させるには、すべてのオペレーターについてひとりあたり数回分をモニタリングしてじっくりフィードバックするのが理想です。
ただ、それにはかなりの時間と工数を要しますので、実現できるコンタクトセンターは多くはないでしょう。
一般的にモニタリングを実施しているセンターでは、ひとりのオペレーターに対して3〜6か月に1回チェックするケースが多いとも言われています。
しかし、センターの応対品質を向上させるには、1か月に1回はオペレーターがモニタリングを受けられる体制作りが必要になってきます。
また、実施に際しては、事前にすべてのオペレーターにモニタリングについて理解を得ましょう。
何のために行うのか、どのような手段で、何を評価するのかを十分に説明することが必要です。
理解が不十分だと、オペレーターの中には「粗探しをされて責められるのではないか」と不安に感じる人も出てきます。
事前に「このセンターではこのような応対を目指している」という理想像や、重視している評価ポイントをよく説明しておけば、オペレーターもモニタリングを受ける心構えやモチベーションができるでしょう。
5-4.評価する
モニタリングを実施したら、結果を評価します。
全体の点数を集計して項目ごとの平均値を出し、各オペレーターの数値を比較すれば、それぞれの強みと改善点が可視化されます。
それを踏まえて、個々にフィードバックを行いましょう。
また、センターとしては重視しているポイントなのに、全体的に点数が低い項目があるかもしれません。
それについては、センター全体での改善施策を考える必要があります。
これ以外にも、「成約率や満足度が高いのはどんな応対か」「逆に成約率や満足度が低い場合はどんな応対がマイナスに働いているのか」を分析して、トークスクリプトに反映するなど、モニタリング結果を活用してください。
5-5.フィードバックする
モニタリングの評価をもとに、各オペレーターにフィードバックを行います。
この際には、悪い点の指摘だけをしないよう注意してください。
オペレーターが萎縮してしまい、モチベーションも下がります。
まずはよかった点を褒めて、強みを伸ばすアドバイスから始めるといいでしょう。
その上で、改善点について指摘します。
これも、「指導者から改善を指示する」という一方的な上位下達よりも、「一緒に改善を考える」というアプローチの方が受け入れられやすいものです。
たとえば評価が低い点について、その部分の録音や文字起こししたテキストを一緒に確認して、まずはオペレーター自身に「自分が顧客なら、この対応をどう感じるか」や「なぜこのミスが起きたか」を考えてもらいます。
それをもとに、SVや管理者からアドバイスをしていきましょう。
「自分で改善策を考えた」となれば、納得度も高いので改善しやすいはずです。
ちなみにフィードバックの際に、ベテランオペレーターの「いい対応」を参考として聴かせるのも有効です。
言葉では伝えにくい声のトーンや表情、間の取り方などがよくわかるでしょう。
その際は、もちろんベテランオペレーターには事前に許可をとってください。
弊社のサービスtranspeechを利用すると、顧客との対応中に自動で文字起こしされたものをそのままフィードバックに活用することが可能です。
5-6.必要に応じて研修やトレーニングを実施する
モニタリングの結果、多くのオペレーターが同じような課題を抱えていたり、センター自体の業務フローやトークスクリプトを変える必要が生じたりすることもあります。
その場合は、必要に応じて研修やトレーニングを実施しましょう。
たとえば、「高齢者からの問い合わせが急増しているが、説明のしかたや話し方が従来通りだと伝わりにくい」ということがわかれば、「高齢者向けの対応研修」や「高齢者向けトークスクリプト」が必要になるでしょう。
あるいは、「最近入職した新人が多く、まだスキルにバラつきがある」という場合は、「新人向け研修」を新たに実施したほうがいいかもしれません。
モニタリングは評価して終わりではなく、応対品質が改善されてこそ目標達成に近づきます。
そのためには、フィードバックとその後のスキルアップ施策までていねいに取り組んでください。
6.コンタクトセンター(コールセンター)でモニタリングする際の注意点

ここまでで、モニタリングが実施できるようになったと思います。
ただ、実施に際してはいくつか注意してほしいことがあります。
・特殊なケースより一般的なケースを選ぶ |
わかりやすく説明しましょう。
6-1.特殊なケースより一般的なケースを選ぶ
モニタリングでは、各オペレーターが応対した多数の通話の中から1〜数件を選んで評価します。
その際には、評価の公平性を担保するために、特殊な問い合わせ内容のものではなく、そのセンターで一般的によくある通話内容のものを選びましょう。
たとえば、「Aさんの場合は難しいクレーム対応、Bさんの場合は特殊な故障に関する問い合わせ、Cさんの場合はよくある単純な問い合わせ」というように、大きく異なる内容で評価すると仮定しましょう。
Aさんは、相手が怒っているので対応が難しく、評価点数は低めになってしまうでしょう。
Bさんも、マニュアルにない説明を求められ、うまく答えられずに説明関連の評価は低くなりそうです。
一方でCさんは、慣れた対応をすればいいので高い点数を得られます。
これでは公正だとは言えません。
人事評価や全体評価を行うには、モニタリングのサンプルができるだけ同じ条件で揃えられている必要があるのです。
6-2.ひとりではなく複数人で評価する
また、同じく公平性や客観性を保つために、評価はひとりではなく複数人で行いましょう。
モニタリングは、オペレーターの応対品質を数値化して評価するものですが、応対品質というのは前述したように本来数値化しづらい定性的なものです。
人がチェックシートに点数をつける方式だと、どうしてもそこで主観を排除しきれません。
たとえば同じ対応を聴いても、「明るいトーンで信頼できる」と感じる人もいれば、「言葉が軽く聴こえて頭に入りづらい」と感じる人もいるでしょう。
1件の通話をひとりが評価する方法では、担当SVがAさんかBさんかで評価が異なってしまう恐れがあるのです。
それを避けるには、1件の通話をふたり以上で評価することが必要です。
その上で、各項目の平均点をそのオペレーターの評価としていきましょう。
6-3.定期的に実施して変化をみる
最後に重要なのは、モニタリングは1回きりではなく、定期的に繰り返し実施する必要があるということです。
前述したように、モニタリングはコンタクトセンターの応対品質を向上させるために行うものですが、1回実施しただけでは大きな改善にはつながりません。
変化の様子を見ながら、定期的に繰り返し実施していくことで、徐々に応対品質が向上していきます。
そのためには、「チェックシートの作成・改訂」→「モニタリング」→「評価」→「改善」のPDCAサイクルをセンターの業務に組み込み、できれば最低でも毎月1回は各オペレーターがモニタリングを受けるようにスケジュールを組むといいでしょう。
また、オペレーター個人の評価とは別に、センター全体の改善がどの程度進んでいるかも、モニタリング結果から分析しましょう。
その上で、トークスクリプトやマニュアルの見直し、研修の実施、業務プロセスの改善といった施策を講じながら、応対品質向上を目指してください。
コンタクトセンターのモニタリングをお考えなら、 |
まとめ
いかがでしたか?
コンタクトセンター(コールセンター)でのモニタリングについて、よく理解できたかと思います。
では最後にあらためて、要点をまとめましょう。
◎コンタクトセンターにおけるモニタリングとは、「オペレーターと顧客との電話などでのやりとりを、管理者がリアルタイムで、あるいは録音・記録して後日にチェックし、応対内容や応対品質を評価・分析すること」
◎コンタクトセンターでモニタリングをするメリットは、
・応対品質が向上する |
◎コンタクトセンターでのモニタリング方法は、
・SVが電話やメール、チャットなどの応対ログをチェックする |
◎コンタクトセンターでのモニタリングの流れは、
1)モニタリングの目的を明確化する |
◎コンタクトセンターでモニタリングする際の注意点は、
・特殊なケースより一般的なケースを選ぶ |
この記事で、あなたのコンタクトセンターが適切にモニタリングを実施して、応対品質と顧客満足度を向上させることができるよう願っています。
