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オムニチャネル戦略の成功ガイド|企業が押さえるべき7ステップと事例

この記事で学べること

オムニチャネル戦略とは、店舗・EC・アプリ・SNS・コンタクトチャネルなど複数の接点を連携させ、データを一元管理して顧客体験(CX)を一貫化・最適化し、売上拡大と顧客ロイヤルティ向上を目指す企業戦略のことです。

  • オムニチャネル戦略導入の7ステップ:ロードマップで目的・役割・スケジュールを定め、カスタマージャーニーで接点と課題を可視化。そこから必要チャネルを選定し、導線とデータ連携を設計してCDP等の分析基盤を導入。限定的なテスト運用で課題を潰してから本格運用に移し、PDCAで継続改善します。
  • オムニチャネル戦略導入のポイント:顧客行動を基準にチャネル優先度を決め、データを横断統合して意思決定に活用すること。段階的な導入で検証・拡大しつつ、全チャネルでブランド一貫性を保ち、カスタマーサポート体制を整えて顧客体験を途切れさせない運用を確立することが成功の鍵です。

「オムニチャネルで販路拡大や売上拡大を目指しているが、戦略的に進めるには何から着手すべきか分からない」
「競合との差別化を図るためにオムニチャネル戦略を導入することになったが、複数チャネルを運用していても効果的な連携方法が見えない」

オムニチャネル戦略は、顧客体験の向上と売上拡大を目指す企業にとって重要な取り組みです。
しかし、複数チャネルを運用していても「どのように戦略的に進めるべきか」「成功のために何が必要か」が不明確なケースは少なくありません。

本記事では、企業がオムニチャネル戦略を計画的に進めるための7ステップを具体例とともに解説します。さらに、実際に戦略を導入した企業の事例も紹介。最後まで読めば、オムニチャネル戦略の全体像と実践のポイントが明確になり、失敗を防ぐためのヒントが得られます。

▼オムニチャネルに関する基礎知識は、下記の記事で詳しく解説しています。概要の理解にお役立てください。

1.ステップ1:ロードマップを策定し、戦略全体像を明確化する

ステップ1:ロードマップを策定し、戦略全体像を明確化する

オムニチャネル戦略を成功させるためには、まず全体像を把握できるロードマップを策定することが重要です。

オムニチャネル戦略は長期的に取り組みであり、計画が曖昧なまま進めると、「担当者が決まっていない」「課題が山積みで進まない」など、プロジェクトが停滞するリスクがあります。

【ロードマップ策定の目的】

・誰が、どのタイミングで、何を実行するのかを明確化
・各ステップの責任者と課題を事前に把握し、計画的に進める

この段階では、詳細を固める必要はありません。全体像が分かるレベルで構成し、後続のステップに備えます。

項目

書くべき要素

具体例

戦略の目的

・なぜ取り組むのか
・目指すゴール

店舗・EC・アプリを連携し、顧客体験を最適化。売上150%増を目指す

顧客接点の整理

・誰がカスタマージャーニーを作成するか

TO DO:顧客接点を整理
担当部署:マーケティング部門

必要なチャネルの整理

・追加チャネルの検討
・責任者の明確化

TO DO:現状チャネル+追加チャネルを整理
課題:費用・担当者

チャネル連携方法

・連携設計の責任者

TO DO:導線設計
課題:技術的問題・外部業者選定

データ管理・分析体制

・導入ツールと責任者

TO DO:分析ツール導入
課題:費用・技術対応

実施体制

・戦略全体の責任者
・長期運用体制

TO DO:PDCA体制構築

懸念事項を事前に書き出すことで、計画の遅延を防げます。
たとえば、アプリの導入を検討する場合、業者選定やコストがネックになることがあります。早期に把握しておけば、初期設計と並行して調整が可能です。

次のステップに進む前に、関係部署が戦略全体像を共有し、共通認識を持つことが成功の鍵です。

2.ステップ2:カスタマージャーニーマップで顧客接点を可視化し、課題を抽出する

ステップ2:カスタマージャーニーマップで顧客接点を可視化し、課題を抽出する

オムニチャネル戦略を成功させるためには、顧客体験を正しく把握することが不可欠です。そのために有効なのが、カスタマージャーニーマップの作成です。

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを認知し、検討・購入・利用し、他者に推薦するまでの一連の流れを時系列で整理するレームワークです。これにより、「どのタイミングで・どのチャネルを利用し・どのような感情を抱いているか」を可視化できます。

カスタマージャーニーマップの例

この手法を使うことで、ECサイトや店舗、SNSといったチャネル単位ではなく、顧客体験を一連のストーリーとして横断的に把握できるため、課題のボトルネックを的確に見つけやすくなります

【カスタマージャーニーマップから見える課題の例】
・認知やリサーチ段階で接点が不足している
・店舗とアプリの連携が弱い
・再購入につながる導線が不十分

たとえば、認知段階で接点を強化するためにアプリでクーポンを配布したり、SNSからLINE問い合わせへの導線を追加するなど、新しいチャネル活用が検討できます。

計画性を持ってチャネルを選定し、顧客行動に基づいた判断を行うことが重要です。そのためにも、早い段階でカスタマージャーニーマップを作成し、顧客接点を明確化しておくとよいでしょう。

【カスタマージャーニーマップの作成手順】

ステップ

概要

1. ペルソナ設定

自社商品を最も利用してほしい顧客像を明確化(名前・属性・悩みなど)

2. 行動の洗い出し

ペルソナ視点で商品利用までの行動を整理し、マップに反映

3. タッチポイント抽出

顧客が接触するチャネルを網羅的に把握(自社・外部含む)

4. 感情の可視化

タッチポイントごとの感情を想定し、ネガティブ要素を改善ポイントに

オムニチャネル戦略は複数部門が関与するため、カスタマージャーニーマップを共有することで現状認識を揃え、チャネル選定や導線設計をスムーズに進められます。

詳しいカスタマージャーニーマップの作成方法は、下記の記事、動画で解説しているので、参考にしてみてください。

3.ステップ3:必要なチャネルを整理し、戦略的に選定する

ステップ3:必要なチャネルを整理し、戦略的に選定する

カスタマージャーニーマップで顧客行動と課題を把握したら、次はオムニチャネル戦略に必要なチャネルを整理します。

チャネルの選定は、戦略の目的や業種によって異なりますが、整理の際には、「顧客行動の視点」と「業務軸の視点」の両方を取り入れることで、より実現性の高い戦略を構築できます。

まず、顧客行動の視点から整理する方法です。
カスタマージャーニーマップをもとに、顧客がどの段階でどのチャネルを利用しているかを確認し、現在のチャネルと追加候補を比較します。

【顧客行動の視点から整理する方法】

カスタマージャーニーの項目

現在使用しているチャネル

検討できるチャネル

認知

SNS・Web広告・口コミ

興味・比較

メールマガジン
比較サイト

アプリ・Webサイト・LINE

購入

店舗・ECサイト

アプリ・電話・チャット・チャットボット

アフターサポート

電話

チャット・チャットボット

再購入

店舗・ECサイト

アプリ

たとえば、購入段階で店舗とECサイトしかない場合、アプリやチャットを追加することで顧客体験を向上できます。ただし、チャネルを増やしすぎると選択肢が複雑になり、顧客が迷うリスクがあります。

そのため、顧客との相性・市場動向・利用率を基準に優先順位をつけることが重要です。

次に業務軸の視点です。
社内体制を踏まえ、販売・マーケティング・サポートなどの業務ごとにチャネルを整理します。

【業務軸の視点から整理する方法】

業務内容

現在使用しているチャネル

検討できるチャネル

販売

店舗・ECサイト

アプリ・コンタクトセンター

マーケティング

SNS・Web広告
メールマガジン

Webサイト

サポート

電話

チャット・チャットボット

再購入促進

店舗・ECサイト

アプリ

業務軸で整理することで、実現可能性や社内体制への影響を事前に把握できます。
たとえば、販売チャネルを増やす場合、アプリ運用のための部署や、コンタクトセンター(コールセンター)への販売業務追加、在庫管理や配送体制の整備が必要になるでしょう。

こうした課題を踏まえ、顧客体験の向上と社内運用のバランスを取ることが、オムニチャネル戦略の成功につながります。

4.ステップ4:チャネル同士の連携を設計し、顧客体験を最適化する

ステップ4:チャネル同士の連携を設計し、顧客体験を最適化する

必要なチャネルを整理した後は、それぞれのチャネルをどのように連携させるかを検討します。
オムニチャネル戦略では、チャネルを単独で運用するのではなく、顧客が複数の接点を自由に行き来できる仕組みを整えることが重要です。

こうした連携により、顧客体験はよりスムーズで一貫性のあるものになります。

オムニチャネル戦略の考え方

たとえば、店舗とアプリの両方で商品購入が可能な場合、両チャネルが完全に独立していると、店舗利用者がアプを活用する機会を失い、顧客体験が分断されてしまいます。

結果として、購買頻度やロイヤリティの向上が難しくなるでしょう。このような事態を避けるためには、顧客が複数のチャネルを自然に活用できる導線を設計する必要があります。

【連携の具体例】

ケース

連携方法

小売業

店舗でアプリをダウンロードできる環境を整備し、アプリ経由で購入可能にする。その後、アプリでクーポンを配信し、店舗で利用できるようにする。

カスタマーサポート

チャットボットで自己解決を促し、解決できない場合は有人対応へスムーズに移行する導線を設計する。

こうした連携を進める際には、技術的な実現可能性も確認しておくことが欠かせません。

たとえば、アプリで貯めたポイントをECサイトや店舗で利用する場合、システム改修や追加設計が必要になることがあります。コストや開発負担を踏まえ、実現可能な範囲を見極めることが重要です。

さらに、複数の連携施策を一度に導入するのではなく、段階的に進めることをおすすめします。

たとえば、購入チャネルの連携では、まず全チャネルでポイントやクーポンを共有できる仕組みを導入し、その後アプリと店舗の顧客情報を紐づけるなど、範囲を絞って進めるとよいでしょう。こうすることで、課題を検証しながら次のステップに進め、コストや負担を分散できます。

5.ステップ5:データ管理・分析ができるツールを導入する

ステップ5:データ管理・分析ができるツールを導入する

チャネルの整理と連携方針が決まったら、次に取り組むべきはデータ管理と分析の体制づくりです。

オムニチャネル戦略では、複数チャネルの利用状況や顧客行動を正確に把握し、改善につなげることが不可欠です。そのためには、データを一元管理し、分析できるツールの導入が必要になります。

ツールを導入しない場合、各チャネルの利用状況や課題が見えず、データに基づいた判断ができません。結果として、施策の効果検証や改善が遅れ、戦略全体のパフォーマンスに影響します。

導入するツールは、運用しているチャネルや目的によって異なりますが、代表的なものを以下にまとめます。

ツール・システム

概要

活用シーン

CDP
(Customer Data Platform)

顧客データを統合・収集・整理する基盤。属性情報や購買履歴、Web行動などを一元管理できる

オムニチャネル全体の顧客データを統合し、戦略の現状把握や課題抽出を行いたい
場合

Web・アプリ分析ツール

特定のWebサイトやアプリでの顧客行動を収集・分析

ECサイトやアプリ内でのユーザー行動を詳細に把握したい場合

データマイニングツール

大量データからパターンや傾向を抽出し、改善に活用

膨大なデータから新しい発見や相関関係を見つけたい場合

BIツール

複数チャネルのデータを分析し、ダッシュボードで可視化

経営層や関係部署に分かりやすくデータを共有したい場合

たとえば、CDPを導入すれば、顧客にIDを付与してチャネル横断の行動を追跡できます。どのチャネルがよく利用されているのか、どの導線に課題があるかを把握できるため、改善策を迅速に検討できます。

アプリを導入したものの利用率が低い場合も、データ分析によって導線設計の問題を特定し、改善につなげることが可能です。

こうした分析基盤を整えることで、オムニチャネル戦略の現状を可視化し、PDCAを回しやすくなります。本格運用を始める前に、計測できる環境を整えておくことが成功の鍵です。

ツール導入時には、既存システムとの連携や運用体制も忘れずに確認しましょう。新しいツールが既存の仕組みと連携できないと、データが分断され、運用負担が増えるリスクがあります。

また、データ管理・分析は継続的な取り組みが必要なため、担当者や部署を明確にし、運用ルールを定めておくことも重要です。

6.ステップ6:テスト運用をする

ステップ6:テスト運用をする

オムニチャネル戦略の体制が整ったら、いきなり全面展開するのではなく、まずはテスト運用から始めることが重要です。一気にすべての施策を導入すると予期せぬトラブルが発生した際に対応が難しくなり、顧客体験に悪影響を及ぼす可能性があります。

テスト運用は、戦略の内容に応じて範囲を限定して実施します。
たとえば、特定のチャネル連携から始める方法として、LINEとECサイトの連携を試すケースがあります。また、地域を絞って導入する方法も有効です。

店舗とアプリの連携を関東地区のみで開始し、顧客の反応やシステムの安定性を確認することで、リスクを最小化できます。さらに、顧客層を限定する方法もあります。まずはリピーターを対象にアプリのダウンロードを促し、利用状況を分析することで、改善点を見つけやすくなります。

こうしたスモールスタートを行うことで、顧客からのフィードバックやエラーの有無を確認しながら改善を重ねることができます。問題が解消され、運用が安定した段階で、対象範囲を広げていくのが理想的な進め方です。

段階的な導入は、コストや運用負担を分散しながら、オムニチャネル戦略を着実に推進するための有効な手法といえるでしょう。

7.ステップ7:本格的に開始し、PDCAを回しながら改善を続ける

ステップ7:本格的に開始し、PDCAを回しながら改善を続ける

オムニチャネル戦略は、導入して終わりではありません。

本格的に運用を開始した後でも、顧客行動や市場環境の変化に合わせて改善を繰り返すことが成功の鍵です。戦略を実施したことで顧客体験がどのように変化したのか、売り上げや新規顧客獲得といった成果が出ているかを継続的に確認する必要があります。

ここで重要になるのが、前のステップで導入したデータ管理・分析ツールの活用です。

ツールを使って、各チャネルの利用状況や顧客行動を可視化し、課題を抽出します。

たとえば、ECサイトと店舗、アプリを連携した結果、ECサイトやアプリから「実物を見たい」という声が増えた場合、店舗で試着した顧客にアプリやECサイトで使えるクーポンを配布するなど、新しい導線設計を検討できます。

オムニチャネル戦略を進める中で、机上の計画では見えなかった課題や新しいニーズが必ず出てきます。こうした発見をもとに、PDCAを回しながら改善を重ねることで、顧客体験の質を高め、戦略の目的達成に近づけることができます。

短期的な成果だけでなく、長期的な顧客ロイヤリティや売上拡大を視野に入れ、継続的な改善を組み込むことが重要です。

8.オムニチャネル戦略の事例

オムニチャネル戦略の事例

ここまででオムニチャネル戦略の進め方が理解できたところで、実際に企業が取り組んだ事例をご紹介します。
具体的な事例を知ることで、自社で導入する際のイメージがより鮮明になるはずです。

企業名

概要

株式会社ニトリ

・EC・アプリ刷新・リアル店舗との連動」を強化するオムニチャネル戦略を実施
・2026年3月期末までにアプリ会員2,500万人を目指す

株式会社鹿島アントラーズ・
エフ・シー

・オフラインでの接点以外としてファンコミュニティサイトを運営
・オンラインとオフラインを連携したオムニチャネル戦略でファンの熱量向上を目指す

ユーシービージャパン株式会社

・LINE公式アカウントとLINE WORKSを相互連携
・オムニチャネル戦略で必要なデータの一元管理ができるようになった

8-1.株式会社ニトリ|複数のチャネルを連動させて顧客体験を最適化

家具やインテリア雑貨を販売する株式会社ニトリ(以下、ニトリ)は「EC・アプリ刷新・リアル店舗との連動」を強化するオムニチャネル戦略を推進しています。2026年3月期末までにアプリ会員2,500万人を目指すなど、デジタルとリアルを融合した施策が特徴です。

各チャネルの取り組みは以下の通りです。

チャネル

オムニチャネル戦略のポイント

テレビCM

重点販売商品とテレビCMを連動させ、店舗とECサイトで期間限定価格を設定

ECサイト

店舗在庫を表示し、店舗受取と配送の選択を可能に。暮らしの課題解決を意識した総合サイト設計

アプリ

ECサイトと店舗の架け橋として、顧客属性に応じた情報配信やプッシュ通知を実施

参考:株式会社ニトリホールディングス「2025年3月期決算説明会」

ニトリでは顧客を「個客」として捉え、店舗とECを併用する顧客体験を重視。
アプリを通じて最適化された情報を提供し、店舗とECサイトの両方で購入しやすい導線を設計しています。複数チャネルを戦略的に連動させ、売上拡大につなげている好事例です。

8-2.株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー|オンラインとオフラインを融合し、ファンの熱量を向上

サッカーチームを運営している株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーは、ファンとの接点を試合会場だけに留めず、温ラインでの交流を強化するためにファンコミュニティサイトを運営しています。

「子どもたち・家族にとってのより良い環境を一緒に創る広場」をコンセプトに、ファン同士のコミュニケーションやアイデア共有を促進する仕組みを導入しました。

【ファンコミュニティサイトの機能例】
・ファン同士がコミュニケーションを取れる機能
・ファミリー向け企画のアイデア・意見を集めて新たなコンテンツを共創していく機能
・ポイントランク機能

コミュニティサイトの機能には、ファン同士の交流機能、ファミリー向け企画のアイデア募集、ポイントランク機能などがあります。

こうしたオンラインで生まれたアイデアを試合会場で実施するなど、オンラインとオフラインを行き来するオムニチャネル戦略で、ファンの熱量を高めています。

参考:PRTIME「株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーがロイヤル顧客プラットフォーム「coorum(コーラム)」を導入」

8-3.ユーシービージャパン株式会社|LINE公式アカウントとLINE WORKSを連携し、データを一元管理

製薬会社の日本法人であるユーシービージャパン株式会社は、医療従事者との接点を強化するため、LINE公式アカウントと、LINE WORKSを連携させるオムニチャネル戦略を導入しました。

目的は、オンラインシフトが進む中で、顧客とのコミュニケーションを効率化し、データを一元管理することです。

トランスコスモスが支援し、独自開発したAPI連携プラットフォーム「trans-Re:Connect」を導入。

「trans-Re:Connect」はLINEなどの各種コミュニケーションチャネルと顧客情報、購買履歴、サイトログなどのデータベースなどを適切に組み合わせるコミュニケーション管理プラットフォームです。

「trans-Re:Connect」を各チャネルのハブとして導入することで、別々に管理していたLINE公式アカウントとLINE WORKSのデータを一元管理できるようになりました。

また、そうしてtrans-Re:Connect に集まった情報を医薬情報担当者が利用するCRM(顧客管理システム)と連携することで、各医療従事者に適切な情報を適切なタイミングで届けられるようになりました。

LINE WORKS・LINE公式アカウント連携コミュニケーション例

これにより、LINE公式アカウントとLINE WORKSのデータを統合し、CRMと連携することで、医薬情報担当者が適切な情報をタイムリーに提供できる体制を構築しました。

この事例は、複数チャネルのデータを連携させることで、情報発信の精度を高め、顧客体験を向上させる好例といえます。

「trans-Re:Connect」の詳しい機能、導入方法などは、お気軽にお問い合わせください。

▼ユーシービージャパン株式会社の事例は、下記でも詳しく解説しています。

9.オムニチャネル戦略を実践するときは、すべてのチャネルで一貫したブランドイメージを持つことが重要

オムニチャネル戦略を実践するときは、すべてのチャネルで一貫したブランドイメージを持つことが重要

オムニチャネル戦略を進める際に注意したいのは、顧客がどのチャネルを利用しても同じブランド体験を得られるようにすることです。

チャネルごとにデザインや言葉遣いが異なると、ブランドの印象が分散し、認知や信頼の醸成が難しくなります。場合によっては「同じブランドだと思わなかった」という誤解を招き、売上やロイヤリティ向上の機会を失う可能性もあります。

そのため、顧客が複数の接点を行き来したときに「このブランドを利用している」と自然に認識できるよう、ブランドの一貫性を設計段階から意識することが大切です。

【一貫したイメージを持つポイント】
・どのチャネルでも同じカラー、フォントを使う
・全チャネルにブランドロゴやイメージキャラクターを使用する
・どのチャネルでも同じトーン、言葉遣いをする

成功事例として紹介した株式会社ニトリでは、全チャネルでカラーや言葉遣いを統一し、どのチャネルから流入しても「ニトリらしさ」を感じられる設計を実現しています。このような取り組みは、顧客に安心感を与え、ブランドへの信頼を高める効果があります。

さらに、販売チャネルごとの商品やサービスにも注意が必要です。ECサイトと店舗で在庫表示が異なる、アプリとECサイトで扱う商品が違うといった不整合は、顧客の不信感につながります。

もしオンライン限定の商品がある場合は「オンライン限定」と明記し、どのチャネルで何が購入できるのかを明確にすることが重要です。こうした配慮により、顧客は複数チャネルを安心して利用でき、オムニチャネル戦略の効果を最大化できます。

10.オムニチャネル戦略にはカスタマーサポートが不可欠。運用はトランスコスモスにお任せください

オムニチャネル戦略にはカスタマーサポートが不可欠。運用はトランスコスモスにお任せください

ここまで、オムニチャネル戦略の進め方を詳しく解説してきました。

複数のチャネルを連携させ、顧客体験を最適化することは、売上拡大や顧客ロイヤリティ向上に直結します。しかし、戦略を成功させるためには、商品やサービスの検討から購入後まで、顧客の課題を解決するカスタマーサポートの体制が欠かせません。

カスタマーサポートは、顧客が安心して複数チャネルを利用できるようにする重要な役割を担います。電話やチャット、チャットボット、FAQなどを活用し、購入前の相談から購入後のフォローまでをサポートすることで、顧客満足度を高められます。

チャネル

概要

電話

オペレーターによる直接対応で、課題解決や購入サポートを実施

チャットボット

24時間対応可能な自動応答で、顧客の自己解決を促進

チャット

テキストベースでオペレーターが対応し、ECサイトでの購入支援も可能

FAQ

よくある質問をWebサイトに掲載し、顧客の自己解決をサポート

たとえば、購入を検討している顧客が店舗にしか問い合わせできない場合、問題解決が遅れ、購入意欲が低下する恐れがあります。

一方でチャットやチャットボット、電話など複数のサポートチャネルを用意すれば、顧客の悩みに迅速に対応でき、購入体験を損なうことなくサポートが可能です。

ただし、複数チャネルを設けると運用負担が増えるため、「どのように体制を構築すべきか」「効率的に運用するにはどうすればよいか」という課題が生まれやすいのも事実です。

トランスコスモスでは、カスタマーサポートの設計や運営などのサービスを提供しています。
3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績があり、豊富な経験、ノウハウをもとにオムニチャネル戦略の成功を力強くサポートします。

オムニチャネル戦略を実現するためのカスタマーサポート運営に課題がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

本記事では、オムニチャネル戦略を実践するための7つのステップと、成功事例、注意すべきポイントについて解説しました。最後に、内容を振り返ってみましょう。

オムニチャネル戦略は、複数のチャネルを連携させて顧客体験を最適化し、売上拡大や顧客ロイヤリティ向上を目指す取り組みです。しかし、漠然とチャネルを増やすだけでは効果は期待できません。計画的に進めることが成功の鍵です。本記事で紹介したステップは以下の通りです。

ステップ

概要

ステップ1

ロードマップを策定し、戦略全体像を明確化

ステップ2

カスタマージャーニーマップで顧客接点を可視化

ステップ3

必要なチャネルを整理し、顧客視点と業務軸で選定

ステップ4

チャネル同士の連携を設計し、導線を最適化

ステップ5

データ管理・分析ができるツールを導入

ステップ6

限定的な範囲でテスト運用を実施

ステップ7

本格運用を開始し、PDCAを回して改善を継続

〇オムニチャネル戦略を実践するときはどの接点でも一貫したイメージを持つ
オムニチャネル戦略は、漠然と開始するのではなく計画的に進めることが大切です。今回ご紹介したステップに沿って、1つずつ確実に進めていきましょう。

顧客との重要な接点になるカスタマーサポート領域での体制構築、運用に課題がある場合は、トランスコスモスにお気軽にお問い合わせください。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションのノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。