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AI BPOとは?活用シーン、導入事例、メリットを解説

「AI BPOとはどんなもの? 通常のBPOやデジタルBPOとはどう違う?」
「AI BPOを検討したいけれど、どんな業務を委託できるの?」

業務のアウトソーシングを検討している方々にとって、これらの疑問を持った方は多いのではないでしょうか。

AI BPOとは、業務プロセスアウトソーシン(BPO)にAI技術を活用したサービスのことです。
BPOは企業の業務プロセスの一部を外部に委託する手法であり、AIを用いることで業務の効率化が図れます。

AI BPOは、さまざまな業務に活用されます。
以下は主要な活用シーンとAIが行える機能です。

活用シーン

機能

AIができること

カスタマーサポート

チャットボット

AIボットによる自然言語処理を用いた顧客対応

音声認識

電話対応をテキスト化し記録

感情分析

顧客の発言や声のトーンなどを分析し感情を理解

データエントリー

自動データ
キャプチャー

AI-OCRで、手書き文書を正確にテキスト化

インテリジェント
ドキュメント処理

複雑な文書の分類・整理をAIで実施

財務・会計処理

自動請求処理

請求書の作成・送付やデータ抽出の自動化

財務データ分析

データ分析を通じたトレンドやリスクの予測

保険金算定

保険金算定

過去のデータを基に適正なな保険金額を算定

人事管理

採用プロセスの自動化

履歴書解析による適切な候補者の選定

従業員エンゲージメント

行動パターン分析による早期リスク察知

AI BPOを導入することで、以下のようなメリットが得られます。

【AI BPOの導入メリット】

・業務の効率化
・コスト削減
・人材不足の解消
・スケーラビリティの向上
・業務精度の向上

また、AI BPOは以下のような企業に特に適しています。

【AI BPOの導入が向いている企業】

企業のタイプ

向いている理由

単純作業が多い企業

単純作業をAIに任せることで、コア業務に集中

ユーザー・顧客とのやりとりが発生する企業

AIによる24時間対応で顧客満足度向上

この記事では、AI BPOに関する基礎知識を以下の通りお伝えします。

◎「AI BPO」とは?
◎「BPO」「デジタルBPO」との違い
◎AI BPOの活用シーン
◎AI BPOの導入事例
◎AI BPOの導入メリット
◎AI BPOの注意点
◎AI BPOの導入が向いている企業

最後までお読みいただければ、AI BPOに関する理解が深まり、導入を検討する手助けになるでしょう。

1.AI BPOとは

「BPO」とは「Business Process Outsourcing」の略で、企業の業務プロセスの一部を外部に委託することを指します。

では、「AI BPO」とは何でしょうか?
まずはその意味から考えてみましょう。

1-1.「AI BPO」とは?

「AI BPO」とは、端的に言えば「BPOにAI技術を活用したサービス」です。
業務を外部に委託した際、委託先のスタッフが行っていた作業のうち、AIで代替可能な部分はAIに任せることを意味します。

このアプローチにより、効率化やコスト削減、人手不足の解消といった多くメリットが得られるため、AIを導入する企業が増加しています。

Digital BPOにおけるAI

1-2.「BPO」「デジタルBPO」との違い

「AI BPO」とはまた別に、「デジタルBPO」という用語も存在します。
この2つはどのように異なるのでしょうか?

「BPO」「デジタル BPO」「AI BPO」の関係性は以下の通りです。

「BPO」「デジタル BPO」「AI BPO」の関係性を表した図

デジタルBPOでは、以下のようなITシステムやツールが活用されます。

・RPA:Robotic Process Automation(ロボティックプロセスオートメーション)
人間が行う単純作業や反復作業を自動化するシステム
データ入力やメール送受信、レポート作成などを自働化する

・ボット:
特定のタスクを自動化するソフトウェア
顧客対応のチャットボット、Webサイトのパフォーマンスを監視する監視ボットなどがある

・BPM:Business Process Management(ビジネスプロセス管理)
業務プロセスを管理、最適化するツール
業務プロセスの可視化、改善状況の監視を行う

このデジタルBPOの中でも、特にAIを活用して効率化を図っているのがAI BPOです。

AI技術の進化により、以前は「人間にしかできない」とされていた業務もAIに任せられるようになっています。具体的には、複雑な条件を考慮した判断やそれにもとづく意思決定が可能です。

判断と意思決定をAIに委ねることで、一連の業務プロセスを人間が関与せずにAIで完結できるようになりました。そのため、デジタルBPOの中でも特にAIを取り入れている企業が増加しています。

2.AI BPOの活用シーン

このようにAI BPOは、業務のアウトソーシングにおいて広がりを見せていますが、実際に導入するとどのようなことができるのでしょうか?

AI BPOに任せられる主な業務は以下の通りです。

・カスタマーサポート
・データエントリー
・財務・会計処理
・保険金算定
・人事管理

これらの業務にAIを導入することで、効率化や精度向上を実現し、企業の競争力を高めることが可能になります。

2-1.カスタマーサポート

カスタマーサポートは、AI BPOに非常適した業務です。AIが得意とする以下の3つの作業が活用できるためです。

機能

AIができること

AI BPOに任せるメリット

チャットボット

AIボットが自然言語処理を用いて、人間のように顧客と対話

・24時間365日、顧客対応が可能
・同時に複数の顧客に対応
・顧客データを収集可能

音声認識

電話での顧客対応をテキスト化し記録する

・人間の記録作業を不要とし、後処理時間を短縮
・テキストデータを蓄積し、オペレーターの指導やマーケティング分析に役立つ

感情分析

顧客の発言内容や声のトーンなどを分析、感情を読み取る

・顧客の不満をリアルタイムでキャッチし、適切な対応で不満解消
・オペレーターの感情も分析し、ストレスを早期に察知

AIチャットボットは、人間に近い自然な対話が可能であり、多くの顧客対応をボットで完結できるようになります。

また、オペレーターは一度にひとりの顧客対応しかできませんが、AIチャットボットは同時に多数の顧客に対応ができるため、業務の効率化や人件費削減、顧客の待ち時間短縮が実現します。

ただ、すべての対応をAIに任せるのではなく、有人対応とのハイブリッドにすることで、顧客満足度が高まります。例えばAIチャットボットが対応できる内容は任せ、複雑な問い合わせはオペレーターに引き継ぐ、という方法が推奨されます。

【トランスコスモスが提供しているカスタマーサポートにおけるBPOサービス】

トランスコスモスが提供しているカスタマーサポートにおけるBPOサービス

2-2.データエントリー

データエントリー業務は、AI BPOで大幅な効率化が図れる分野です。
データ入力においては、人力よりもAIのほうが速く、膨大なデータを扱う場面には時間とコストを大幅に削減できるでしょう。

従来は、手書きや印刷された文字を人間が読み取ってデータ入力を行っていました。
しかし、OCR(光学文字認識機能)が登場したことで、手書きの文字やPDF文書もデータ化できるようになりましたが、誤認識が発生することが課題でした。

現在、AIを活用した「AI-OCR」によって、認識精度が格段に向上しています。以下のような活用が可能です。

機能

AIができること

AI BPOに任せるメリット

自動データ
キャプチャー

AI-OCRを用いて手書き文書を正確にテキストデータ化する

・従来のOCRより高い認識精度
・データ入力にかかる時間を大幅に短縮

インテリジェント
ドキュメント処理

AIの機械学習や自然言語処理を利用して、複雑な文書も分類・整理・処理する

・請求書など、個々に書式の異なる文書も正確に分類、処理が可能

2-3.財務・会計処理

AI BPOは、精度の高いデータ処理が可能なため、財務や会計の分野でも有用です。
主に、以下の作業を自動化します。

機能

AIができること

AI BPOに任せるメリット

自動請求処理

請求書の作成・送付、支払い状況の管理を自動化。請求書からデータを抽出し、適正な勘定科目に分類する

・請求書関連業務の効率化
・未回収請求の減少

財務データ分析

財務に関する膨大なデータを分析し、将来のトレンドやリスクを予測する

・市場動向や経営リスクのリアルタイム把握
・財務業務の効率化により、人間は重要な意思決定に集中可能

特に請求に関する業務を大幅に自動化することで、ペーパーワークが効率化され、従業員は資金管理に関わる重要な意思決定に集中できるようになります。これにより、企業全体の業務効率が向上し、経営戦略の精度も高まるでしょう。

2-4.保険金算定

保険業界でも、AI BPOを活用できます。

自動車保険や生命保険などで保険金請求においては、さまざまな情報を客観的に評価し、適切な保険金額を査定する必要があります。このプロセスをAIで自動化することが可能です。

具体的には、以下のようなサービスがあります。

機能

AIができること

AI BPOに任せるメリット

保険金算定

過去の請求データ、事故の損傷写真の解析、修理費用の見積もり、健康保険請求時の診断書読み取り、医療記録の評価などをAIが行い、公正で適切な保険金額を算定する

・査定時間の大幅短縮
・過去データに基づく公正な査定
・ヒューマンエラーや不正請求の見逃しを減少

保険金請求は、さまざまな状況や事情が複雑に絡むため、人が査定するには手間と時間がかかります。

また、金額が大きくなることも多いため、ミスや不正請求が発生すると、企業にとっては大きな損失を負うリスクとなります。

AIによる算定であれば、データを客観的に解析するため、効率的でかつ公正性も保てるはずです。これにより、保険業務の信頼性を高め、顧客満足度向上にも寄与します。

2-5.人事管理

人事管理でもAI BPOを活用することができます。
採用や従業員管理などを自動化し、効率的に業務を行えるでしょう。

AI BPOが担当できるのは、以下のようなことです。

機能

AIができること

AI BPOに任せるメリット

採用プロセスの自動化

応募者の履歴書を解析、採用条件に合った適切な候補者を絞り込む

・人材採用のスピードアップ
・多数の応募者から条件に合致する人を効率的に選定可能

従業員エンゲージメント

従業員の行動パターンや感情の動きを分析、モチベーションの低下や離職のリスクを早期に察知する
従業員に適した研修プログラムを提案する

・離職リスクのある従業員を見落とさずにサポートできる
・従業員満足度を向上させることができる

人事業務では、多数の従業員を管理する必要がありますが、一人ひとりの状況を把握してフォローするのは大変な労力が必要です。AIを活用することで、効率的でありながらきめ細かい対応が可能になるでしょう。

このほかにも、企画開発、物流、販売などさまざまな分野でAI BPOを活用することができますので、業務効率化を図りたい企業は、BPOサービスを提供している企業に一度相談してみてください。

【トランスコスモスが提供しているBPOサービス】

トランスコスモスが提供しているBPOサービス

3.AI BPOの導入事例

では、実際にAI BPOを導入した企業では、どのように活用してどんな成果をあげているのでしょうか?
トランスコスモスが手がけた事例をご紹介しましょう。

3-1.味の素株式会社:AIを活用した経費精算システム導入などで、経費処理業務を大幅に効率化

味の素株式会社

課題

経営に対する参謀機能や、グループ会社に対する統率・支援機能を強化

施策

・業務調査・分析で経費処理業務の適正工数とコストを可視化、業務プロセスを再構築
・各部門による会計伝票の起票と、経理部門による内容確認業務(を「BPOセンター長崎」へ集約、標準化
・クラウド型経費生産システム「Concur Expense」を導入、従業員の精算プロセスを効率化

成果

・BPO活用で経費処理業務の安定化
・経理・財務部門の実務工数(※)8割解放でリソースシフト実現 (※一般会計業務)

味の素株式会社様では、さらなるグローバル展開のため、経営・財務部門での参謀機能や、グループ会社に対する統率・支援機能の強化が課題となっていました。

中でも経費処理は、各部門の経費担当者が会計伝票を起票し、経理部門が内容をチェックするフローであったため、経費担当者が業務知識を身につけために一定の工数がかかっていました。

そこで、経理実務の負荷を軽減して安定化を図り、経理・財務人材を別の強化が必要な機能に再配置することを目指し、トランスコスモスのBPOサービスに委託されたのです。

トランスコスモスはまず、業務を調査・分析し、経費処理業務の工数とコストを可視化しました。その上で、業務集約、フローの見直し、標準化を行った場合の効率化効果を試算し、業務プロセスを再構築しました。

結果として、各部門で行っていた会計伝票の起票と、経理部門が担当していた伝票の内容確認(仕訳、消費税の取扱いなど)は、トランスコスモスのBPOセンターに集約・標準化されました。

特に、仕訳に判断が必要な勘定科目入力の作業は、ツールを導入してミスと工数を削減するようにしています。

また、AIを活用したクラウド型経費生産システム「Concur Expense」を導入し、従業員の精算プロセスの効率化を図りました。

これらの施策により、経理・財務部門をはじめ各部門の業務負荷が軽減、安定化され、経理・財務人材が担当していた実務工数の8割が解放されたため、強化が必要だった統率・支援機能にリソースシフトすることもできたのです。

3-2.A社・修理問い合わせ窓口:対話要約AI導入による後処理時間を大幅削減

A社・修理問い合わせ窓口

課題

・オペレーターのログ作成時間短縮
・ログ内容のわかりやすさ向上と平準化

施策

音声認識ツール「transpeech」と生成AIを組み合わせ、ログ作成を自動化

成果

・生産性の向上:
-導入1か月で後処理時間を280時間/月 削減
-導入3か月で後処理時間を785時間/月 削減 → ログ作成時間は12%削減
・ログの標準化

A社では、コンタクトセンター(コールセンター)に製品の修理問い合わせ窓口を設けていました。

通話後、オペレーターが手動で応対内容のログを入力していましたが、その後処理に多くの時間がかかり、内容のわかりやすさにばらつきがありました。

この課題を解決するため、A社はトランスコスモスに業務改善を依頼しました。
トランスコスモスでは自社の音声認識ツール「transpeech」を導入し、生成AIと組み合わせることでログ作成を自動化しました。

具体的には、以下のようなプロセスです。

1)音声認識
– transpeechで通話の開始から終了までをテキスト化、通話が終了した時点でその全文をコピーする

2)AIによる対話要約
– transpeechでコピーした会話テキスト全文を対話要約AIに貼り付けて「要約スタート」を実行
– 要約結果やVOCが出力され、要約結果を確認し、必要に応じて手修正や追加をする

これにより、導入1か月で後処理時間を280時間/月 削減し、3か月後には785時間/月 削減することができました。これは、ログ作成時間の12%が削減できた計算です。

また、ログの内容も標準化され、どれを読んでもわかりやすくなりました。

transpeech x AIで生み出した成果 修理問合せ窓口での事例

AI BPOの導入を検討中の方は、
トランスコスモスにお問い合わせください!

トランスコスモスでは、さまざまなAI BPOサービスを提供しています。

業務効率化、生産性向上、顧客満足度向上などビジネスの課題を最新技術で解決しますので、是非一度ご相談ください。

4.AI BPOの導入メリット

このように、AI BPOを導入することで、企業はさまざまなメリットを得られます。
その主なものは、以下の5点です。

・業務の効率化
・コスト削減
・人材不足の解消
・スケーラビリティの向上
・業務の精度向上

これらのメリットにより、企業は競争力を高め、持続的な成長を実現することが可能になります。次に、各メリットについて詳しく説明していきます。

4-1.業務の効率化

AI BPOを導入する最大のメリットは、業務の効率化です。

データ入力や伝票の処理はもちろん、顧客対応や人材採用などこれまで人間にしかできないとされていた複雑な判断を要する業務でも、AIに任せられるようになりました。

AIは人間よりも遥かに速くタスクを処理し、短時間で大量の業務をこなすことが可能です。

また、チャットボットを活用することで、同時に複数の顧客と対話でき、複数のタスクを並行して実行することができます。24時間365日休みなく稼働するため、生産性は飛躍的に向上するでしょう。

4-2.コスト削減

AI BPOは、コスト削減にも大きく寄与します。

例えば、カスタマーサポートでAI BPOを導入した場合、コンタクトセンター(コールセンター)では人件費や設備費を圧縮することができるでしょう。

AIチャットボットは複数の顧客と同時に対話できるため、人間のオペレーターが対応する件数が大幅に減少し、少人数でも業務が回せるようになります。

オペレーターの人数が減少すれば、パソコンなどの設備にかかるコストも削減できます。
また、AIチャットボットは24時間365日稼働しますので、オペレーターに深夜手当を払う必要もなくなります。

AI BPOの導入には初期費用が必要ですが、その後のランニングコストを考慮すると、長期的にはトータルでコスト削減につながるでしょう。このように、AI BPOは短期的な投資がもたらす長期的なコストメリットを実現する手段として、企業にとって非常に有益です。

4-3.人材不足の解消

近年、多くの企業が人手不足に悩んでいます。
そんな状況において、AI BPOは非常に有用です。

従来の人によるBPOであれば、委託先企業も人材不足に陥る恐れがあります。
しかしAIを活用すれば、人の手を借りずにさまざまな業務を代行でき、さらに人間の何倍もの業務をこなすことも可能です。

「人が足りない」と感じる業務こそ、AIの活用を検討してみてください。AI BPOを導入することで、業務を円滑に進めることができ、人材不足の課題を解消する手助けとなるでしょう。

4-4.スケーラビリティの向上

AI BPOのもう一つの大きなメリットは、高いスケーラビリティです。
業務量が増減した場合にも、AIなら柔軟に対応できます。

ECサイトや通信販売など、季節や時間帯によって繁閑の差が激しい業務の場合、業務量に合わせて人員を配置するのはなかなか難しいものです。

急に人手が必要になった場合でも、すぐに十分な人員を集められるとは限りませんし、もし集まったとしても、研修やトレーニングが必要です。

その点AIはもともと高い処理能力を持ち、必要に応じて能力を拡張することもできます。
「これから事業をどんどん拡大したい」と考えている企業にとって、AI BPOが増大する業務をスムーズにこなす手段となります。

このように、AI BPOの導入により、業務に対する柔軟な対応が可能になり、企業の成長をサポートします。

4-5.業務の精度向上

さらに、AI BPOは人間よりも高い精度で業務を遂行します。

人間はどうしてもミスをするものです。
特に、データ入力や伝票処理といった同じ作業を繰り返す業務では、集中力の低下や疲労によりミスが発生しやすくなります。

それに比べてAIは、同じ作業を正確に繰り返すことができ、データに基づいた臨機応変な判断も可能です。
業務の精度は、人間より高いと言えるでしょう。

また、AIは学習機能を持っているため、業務を実行するごとにデータが蓄積され、精度が向上していきます。

最初は正確性に課題があったとしても、正しいデータを用いてトレーニングすることで、時間と共に精度を高めることが可能です。

このように、AI BPOの導入により、業務の精度が向上し、企業の信頼性や効率性を一層高めることができます。

5.AI BPOの注意点

ここまで読んで、「わが社でもAI BPOを利用したい」と考える方も多いでしょう。
しかし、AI BPOを導入する際には、事前に知っておくべき注意点があります。

・精度の高い学習データが必要
・導入に時間がかかる場合がある
・情報セキュリティの管理強化が必要
・ある程度AIの知識がある人材も必要

これらの注意点を十分に理解し、計画的にAI BPOを導入することで、効果的な活用が可能になります。次に、それぞれの注意点について詳しく説明します。

5-1.精度の高い学習データが必要

まず、AI BPOを活用するためには、事前に精度の高い学習データを準備し、AIを学習させる必要があります。AIの性能は学習データの質に大きく依存するからです。

もし、間違ったデータが混じっていたり、必要なデータが不足していたりすると、AIは誤った動作や不適切な回答をする可能性があります

この問題を避けるためには、AIの利用目的に応じた正確なデータを、大量に用意することが重要です。

5-2.導入に時間がかかる場合がある

またAI BPOは依頼してすぐに業務を任せられるわけではありません。
導入には少なくとも数か月かかると考えてください。

その理由は、AIに学習データを与えてトレーニングを行うためには一定の時間を要すること、さらにBPOに際して業務プロセスの見直しや再構築が必要になるからです。

BPOを検討する際には、「スタートまでどの程度時間がかかるか」を確認し、余裕をもったスケジュールで進めることが重要です。計画的に取り組むことで、スムーズな導入が図れます。

5-3.情報セキュリティの管理強化が必要

AI BPOを利用する際には、情報セキュリティの管理を強化することが必要です。
業務をアウトソーシングする際、顧客情報や財務情報、人事情報など機密性の高い情報を外部企業と共有しなければならないためです。

さらに、AIは膨大なデータを学習、処理するため、その中に個人情報などが含まれている場合、サイバー攻撃による漏洩リスクに備える必要があります。

これまでセキュリティ対策を講じていたとしても、AI BPO導入前に再度見直しを行い、十分なセキュリティレベルを確保することが重要です。また、スタッフに対するセキュリティ教育も併せて行うことで、情報保護の意識を高めることができます。

5-4.ある程度AIの知識がある人材も必要

また、ある程度のAIに関する知識をもった担当者を用意する必要もあるでしょう。

AIに学習させたりチューニングしたりといった作業は、BPOの委託先企業に専門の人材がいるため、こちらで専門家を確保する必要はありません。

しかし、委託先とAIの活用について議論したり、チューニングされたAIの結果を確認したりする場面が出てくるでしょう。

特に注意が必要なのは、AIが事実と異なる情報を生成する「ハルシネーション」という現象です。
これは、学習データに偏りや不足があった場合に発生します。このような状況に対処できる体制やチームを整えておくことで、問題発生時に迅速に対応できるようになります。

AI BPOを効果的に活用するためには、知識を持つ人材が重要な役割を果たすことを理解しておきましょう。

6.AI BPOの導入が向いている企業

ここまで読んで、「AI BPOの有用性はわかったけれど、自社で導入すべきかどうか判断がつかない」という方もいらっしゃるかと思います。
そこで最後に、どのような企業がAI BPOに向いているかを挙げておきましょう。

該当する企業は、ぜひ前向きに導入を検討してください。

【AI BPOの導入が向いている企業】

企業のタイプ

向いている理由

単純作業が多い企業

・単純な作業をAIに任せることで、人がコア業務に集中できる

ユーザー・顧客とのやりとりが発生する企業

・対応が必要な件数が多いため、AIに対応を任せることで業務効率が向上する
・AIは24時間365日対応可能で、顧客が営業時間を気にせずに問い合わせができるため、利便性が向上する
・電話が苦手な人や、簡単な質問をしたい人にとって、AIによる対応はありがたく、顧客満足度の向上につながる

AI BPの導入を検討中の方は、
トランスコスモスにお問い合わせください!

トランス・コスモスでは、さまざまなAI BPOサービスを提供しています。

業務効率化、生産性向上、顧客満足度向上などビジネスの課題を最新技術で解決しますので、是非一度ご相談ください。

まとめ

いかがでしたか?
AI BPOとはどんなものか、よくわかったでしょう。

では最後にもう一度、記事のポイントをまとめておきましょう。

◎「AI BPO」とは「BPOにAI技術を活用したサービス」

◎AI BPOの活用シーンは、

・カスタマーサポート
・データエントリー
・財務・会計処理
・保険金算定
・人事管理

◎AI BPOの導入メリットは、

・業務の効率化
・コスト削減
・人材不足の解消
・スケーラビリティの向上
・業務の精度向上

◎AI BPOの導入が向いている企業は、

・単純作業が多い企業
・ユーザー・顧客とのやりとりが発生する企業

以上を踏まえて、あなたがAI BPOの導入を前向きに検討できるよう願っています。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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