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AIによるVOC収集・分析とは?AIを活用するからこそ分かることを解説

「AIを活用したVOC分析ってどういうもの?」
「VOC分析にAIを活用するとどうなるの?」

と疑問に感じていませんか?

VOC分析とは、顧客の意見や評価、要望などの「顧客の声(VOC)」を収集して分析し、商品・サービスの改善を図ることです。
VOC分析のなかでも、AIを活用した方法があります。AIを活用したVOC分析は、人工知能(AI)技術を用いて、膨大な「顧客の声」を自動的に収集、分類、分析する方法です。

AIを活用したVOC分析の概要

ただし、AIを活用したVOC分析の導入には、向いている企業がある一方で、導入しても思ったように効果を得られないケースもあります。

そこで本記事では、AIを活用したVOC分析の基礎知識はもちろんのこと、

・AIを活用したVOC分析のメリット
・AIを活用したVOC分析の導入に向いている企業

についても解説します。

本記事を読むことで、AIを活用したVOC分析の基礎知識、導入判断できる情報を得られ、自社にとって適切な意思決定ができるようになるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

VOC分析について、詳しくは以下の記事でも解説しています。

1.AIを活用したVOC分析とは?

まずはAIを活用したVOC分析に関する基礎知識について、以下3点を解説します。

・AIによるVOC分析とは人工知能(AI)で膨大な顧客の声を自動的に収集・分析する方法
・従来のVOC分析とAIによるVOC分析の違い
・VOC分析にAIを取り入れる方法

それぞれ見ていきましょう。

1-1.AIによるVOC分析とは人工知能(AI)で膨大な顧客の声を自動的に収集・分析する方法

AIを活用したVOC分析とは、人工知能(AI)技術を用いて、膨大な「顧客の声」を自動的に収集・分類・分析する方法です。

AIを活用したVOC分析を表した図

AI技術を取り入れることにより、顧客の声を効率的に精度高く分析し、ビジネス改善に役立つ情報を抽出することができます。

1-2.従来のVOC分析とAIによるVOC分析の違い

それでは「従来のVOC分析」と「AIを取り入れたVOC分析」は、どのような違いがあるのでしょうか。
従来のVOC分析では、全ての顧客の声を人の手によって収集・分析するため、課題がありました。

【課題】

・手作業によるデータ収集、分析に時間や業務負荷がかかる
・手作業や主観によるデータ解読が起こる可能性がある

そこでVOC分析にAIを取り入れることで、以下のようなことが可能になったのです。

・収集、分析を自動化して効率化
・AIの自然言語処理や機械学習によって、顧客の意見や感情を高精度で分類・分析

例えば、ある企業が新製品のスマートフォンを発売し、VOC分析をした場合を例に考えてみましょう。

例の中では、「従来の人によるVOC分析」と「AIによるVOC分析」が、以下の点においてどのような違いがあるのか比較します。

・VOC収集、分類、分析
・分析結果
・ビジネス改善

【従来の人にVOC分析とAIによるVOC分析の違い】

人による従来のVOC分析

AIを活用したVOC分析

収集

顧客の声を手作業で収集

以下から顧客の声を自動で収集

分類

●目視など手作業で顧客の声を確認
●人が主観的にポジティブな声、ネガティブな声を評価し分類

●機械学習アルゴリズムで自動的に分類
●AIによる感情分析を行い、客観的にポジティブ・ネガティブな声を詳細に解析し、分類

分析

担当者のスキル・知識に基づいた問題点・改善点を特定

高精度な分析で、より解像度の高い問題点や改善点を特定

分析結果

【ポジティブな声】
・デザインを賞賛する声が多い
・製品の使いやすさに満足している

【ポジティブな声】
<①デザインの賞賛ポイント>
・色が良く、手に取るたびに気分が上がる
・スタイリッシュなデザインが他社にはなく良い
・持ちやすい形状
<②使いやすさの賞賛ポイント>
・初心者でも使える直感的な操作性が良い
・画面の解像度が高く動画や画像が綺麗に見える
・指紋認証の速度が速く、ロック解除がスムーズ

【ネガティブな声】
・一部顧客がバッテリー寿命に不満
・製品の価格が高いという意見が散見される

【ネガティブな声】
<①バッテリー寿命に関する不満ポイント>
・数時間でバッテリーが切れる
・充電に時間がかかりすぎる
・バッテリーの劣化が早い
<②価格に対する不満ポイント>
・価格に対して性能が見合っていない
・同じ価格帯の他社製品の方が機能が充実
・もう少し安ければ購入を検討したい

ビジネス改善

●顧客満足度が高いデザインを維持
●バッテリー寿命の改善を提案・検討
●製品価格を見直、コスト削減策を検討する

●「スタイリッシュなデザイン」と「持ちやすさ」を強調した広告キャンペーンを展開
●バッテリー寿命に関する問題点を技術開発チームに共有し、要検討
・バッテリー充電速度を向上させる新技術を導入
・バッテリーの劣化を防ぐ為のソフトウェアアップデートを計画
●価格に関する問題点を改善
・他社製品と価格比較をし、価格設定を検討
・コストパフォーマンスの向上を図り、価格に見合う価値を提供する

このように比較してみると、AI活用によるVOC分析は効率的に精度の高いアウトプットができるのが分かるのではないでしょうか。

こうしたAI活用によるVOC分析ツール・サービスを活用して顧客の声をビジネス改善に活かしていくのです。

1-3.VOC分析にAIを取り入れる2つの方法

VOC分析にAIを取り入れる方法には、2つの方法があります。

・「AI搭載のVOC分析ツール」を利用する
・「AI搭載したVOC収集ツール+VOC分析ツール」を利用する

AI搭載のVOC分析ツールは、「1-2.従来のVOC分析とAIによるVOC分析の違い」でお伝えしたように、AIが収集から分析までを行うというものです。

一方で「AI搭載したVOC収集ツール+VOC分析ツール」を活用する方法は、

・音声認識AIを使用して顧客の声をリアルタイムでテキスト化して効率的に収集する
・他のVOC分析ツールを活用して分析を行う

というものです。

【分析の流れ】

1.音声認識のAI機能によって通話内容を自動でテキスト化
2.音声認識のAIが感情分析や要約を行うことで、効率的に顧客の声を収集・分類
3.音声認識で収集・分類したデータをBIツール(※)で分析する
4.BIツールによって商品・サービスの評価されているポイントや、改善点などの情報を抽出したり、グラフやレポートとしてデータをまとめる

「AI搭載したVOC収集ツール+VOC分析ツール」を活用する方法のメリットには、

・収集に特化したツールはデータの精度と量を最大化できる
・分析に特化したツールは精度の高い分析機能を持っている
・各ツールを独立させることで自社のニーズや要件に応じてツールを変更、アップグレードしやすくなる

といった点があります。

したがって、「AI搭載したVOC収集ツール+VOC分析ツール」を活用する方法は、

・収集の量、精度と分析の精度を最大化したい企業
・自社のニーズに合わせてツールを柔軟に変更(カスタマイズ)したい企業

に向いているといえるでしょう。

AI搭載のVOC分析に向いている企業については、「5.AIを活用したVOC分析の導入に向いている企業」で詳しく解説しています。

※BIツール:データを分析して、企業の経営に役立つ情報を抽出・加工し、グラフやレポートとしてまとめることができるツールのこと

2.VOC分析にAIを取り入れることで分かる3つのこと

AIを活用したVOC分析の大枠を理解したところで、具体的にVOC分析にAIを取り入れることで今まで見えなかったどの点が、分かるようになるのか、以下3点をご紹介します。

VOC分析にAIを取り入れることで分かる3つのこと

・高精度に分類された顧客の感情
・リアルタイムなトレンド
・これまで見逃してしまっていた顧客行動パターン・ニーズ

上記3つを知ることで、VOC分析にAIを活用するイメージがより具体的に描けるようになるでしょう。

2-1.高精度に分類された顧客の感情

1つめは高精度に分類された顧客の感情です。

AIによる感情分析が行えば、問い合わせをした顧客の感情分析が可能となります。

ポジティブ・ネガティブ・中立といった感情を、常に同じ基準で、主観なく判断することができるため、高精度な顧客の感情分析・分類ができるのです。 

2-2.リアルタイムなトレンド

2つめはリアルタイムなトレンドの把握ができることです。

AIを活用しないでVOC分析を行う場合、以下のような理由で、スピーディでリアルタイムなトレンドを抽出することは不可能です。

・データ収集は人間が手作業で行うため、データ分析に時間がかかる
・データが集まってから分析結果が出るまでにタイムラグが生じる
・SNSやレビューサイト、電話やメールなどからの情報をリアルタイムに収集できない

そこでVOC分析にAIを取り入れることで、

・大量のデータを瞬時に解析し、リアルタイムにトレンドになっている要素を抽出する
・SNSやレビューサイト、電話やメールなどからの情報を一斉にリアルタイムで収集する

といったことが可能となり、「まさに今この瞬間に顧客の間でトレンドになっている自社商品・サービスに関する情報」を抽出できます。

AIは、データ収集の自動化と高速なデータ処理ができ、瞬時に顧客の声を収集・分析できるため、こうしたリアルタイムなトレンドを明らかにするのが得意なのです。

2-3.これまで見逃してしまっていた顧客行動パターン・ニーズ

3つめはこれまで見逃してしまっていた顧客行動パターン・ニーズが把握できます。

従来のVOC分析では見逃してしまうようなデータの関連性を、AIを取り入れることで発見できるようになります。というのも、AIによって以下のような「深い分析」が可能になるため、顧客行動パターンやニーズを明らかにできるのです。

【AIによる深いVOC分析の内容】

AIによる分析

類似したデータをグループ化する

■ 顧客の声
■ 属性
■ 興味・関心

特定の商品・サービスに関する関心事(トピック)を抽出する

商品の満足している点の特定、商品の不満や問題点の特定

データ間の関連性を見つける

購買履歴データを分析し、関連性のある商品を特定

上記のような分析は、人の手によるVOC分析で行うのは簡単ではありません。

そこでAIを活用することで、これまでのVOC分析では見えてこなかった顧客の行動パターンやニーズが、AI技術の活用によって見えるようになるのです。

3.AIを活用したVOC分析が役立つ2つの領域

ここまでAIによるVOC分析の基礎知識を解説しましたが、ここでAIを取り入れたVOC分析の最新トレンドを以下2つご紹介します。

AIを活用したVOC分析が役立つ2つの領域

・カスタマーサポート部門向けのAI活用VOC分析
・CX改善に向けたAIによるVOC分析

上記のトレンドを知っておくことで、AIを活用したVOC分析が自社に導入した場合をイメージできるでしょう。

3-1.カスタマーサポート部門向けのAI活用VOC分析

1つめの役立つ領域は「カスタマーサポート部門向けのAIを活用したVOC分析」です。

カスタマーサポート部門に寄せられる顧客の声を、AIを活用して以下のような声を抽出します。

・商品、サービスの改善に役立つ情報
・トラブルになりそうな意見、問い合わせ

【AIによるVOC分析でできること】

顧客の声の種類別に自動仕分け

顧客の声をもとに「商品改良」「新製品開発の意見」「顧客の不満」などの特徴を抽出し、AIに学習させる

日々蓄積される大量の顧客の声を自動で分類することができる

「ブランドは好きだが製品やサービスの質が悪い」といった分析が難しい苦情情報についても、AIが文章全体を解析し、抽出・分類する

この事例では、VOC分析にAIを取り入れることで、人間が手間取る顧客の声の分類を自動化でき、業務効率化できるようになっています。

またAIによって一貫した基準で分類でき、人間が分析する際に判断に困るような「分析が難しい顧客の声」についても、AIによって解析できることがわかります。

こうしたことから、膨大な量の顧客の声が蓄積されるカスタマーサポート部門では、AIを活用して、自動的・客観的に顧客の声の分類ができるようにしている点がトレンドといえるでしょう。

3-2.CX改善に向けたAIによるVOC分析

2つめの役立つ領域はCX改善に向けたAIによるVOC分析です。

これは、従来、手作業で行われていたVOC分析をAIによって自動化し、顧客満足度向上や問い合わせ対応の最適化を図って、企業の顧客接点の改善を行うというものです。

人の手で全てのVOCデータの可視化し、課題の抽出を行うためには、業務負荷が高く、読み解く人の主観で分類することでブレが生じるなどの問題点があり、なかなか正確に行うのは簡単ではありません。

そこで構造化しにくいVOCのデータをAIで解析し、顧客接点における課題抽出、改善策の提示を行うというサービスがトレンドとなっています。

具体的には、以下のようにAIによってVOC分析が行われます。

【AIによるVOC分析でできること】

AIでVOCにタグを付け、分類する

・様々な顧客接点に集まったVOC声の内容をAIによってタグを付け、非構造データ(検索や集計、解析に不向きなデータ)であるVOCデータに分類
・全てのVOCデータを可視化、分析でき、解像度の高い高精度な分析を行う

VOCの分類の自動化

AIによって顧客の声の分類を自動化でき、部門や担当者の業務負荷を軽減でき、継続してVOC分析ができるようになる

このように、VOC分析にAIを取り入れることで、人間の業務負荷が高い顧客の声の分類を自動化でき、業務効率化できるようになっています。

また業務負荷が減ったことで、期限や範囲を限定的にしてVOC分析する必要がなくなったため、全てのVOCデータを対象に分析できるようになります。

分析するVOCデータが多ければ多いほど、顧客の解像度を上げた分析ができるようになるため、CX改善においてAIを活用したVOC分析がトレンドとなっているのです。

4.AIを活用したVOC分析 3つのメリット

AIを活用したVOC分析についてのイメージが湧いたところで、より具体的なAIによるVOC分析のメリットを以下3つお伝えします。

AIを活用したVOC分析 3つのメリット

・VOC分析を業務効率化できる
・感情分析をもとに顧客の満足度を向上できる
・トレンドの変化にも迅速に対応できる

自社への導入を検討している場合は、導入の判断材料になるため、上記3つのメリットを把握しておきましょう。

4-1.VOC分析を業務効率化できる

1つめのメリットはVOC分析を業務効率化できることです。

【従来の人にVOC分析とAIによるVOC分析の違い】 

人による従来のVOC分析

AIを活用したVOC分析

収集

顧客の声を手作業で収集

以下から顧客の声を自動で収集

分類

●目視など手作業で顧客の声を確認
●人が主観的にポジティブな声、ネガティブな声を評価し分類

●機械学習アルゴリズムで自動的に分類
●AIによる感情分析を行い、客観的にポジティブ・ネガティブな声を詳細に解析し、分類

分析

担当者のスキル・知識に基づいた問題点・改善点を特定

高精度な分析で、より解像度の高い問題点や改善点を特定

このようにAIによってVOC分析の業務を効率化できる点は、大きなメリットといえるでしょう。

4-2.感情分析をもとに顧客の満足度を向上できる

2つめは感情分析をもとに顧客の満足度を向上できることです。

AIによるVOC分析では、分析の過程で感情分析が行われ、顧客のポジティブ・ネガティブ・中立の感情を、正確に、詳細に把握できます。

そのため、顧客の具体的な不満点や要望を理解できるようになり、本質的な対策ができます。
その結果、顧客満足度を向上できるのです。

蓄積した顧客の声をうまく活用できていない場合は、AIによるVOC分析を導入することで企業にとってインパクトの大きいビジネス改善につながる可能性があるといえるでしょう。

4-3.トレンドの変化にも迅速に対応できる

3つめはトレンドの変化にも迅速に対応できることです。

AIによるVOC分析では、SNSやレビューサイトなどからリアルタイムで大量のデータを処理し、分析結果を出すことができます。そのため、顧客のトレンドの変化をすぐに把握でき、対応もスピーディに行えるのです。

例えばあるECショップが、新キャンペーンに対する顧客の反応をリアルタイムで把握するため、AIによるVOC分析を行ったケースを例に考えてみましょう。

【AIによるVOC分析で市場のトレンドの変化を把握】

キャンペーン開始直後は、ポジティブなコメントが多数投稿された。
しかし数日後に「商品の配送が遅い」というネガティブなコメントが急増。
AIによるVOC分析によって、このトレンドの変化をリアルタイムで検出。

【変化への対応】

◆運送業者と配送の遅延問題を協議し、追加リソース投入で配送スピードを向上させる対策を講じる

◆顧客の不安を軽減するための迅速な情報提供を行う
→公式SNSアカウントから「配送遅延に対する謝罪と調査・対応中である」ことを告知

◆公式サイトのFAQページに配送遅延に関する項目を追加する
→現在の対応状況と予想される解決までの時間を案内

このようにAIによるVOC分析を活用すれば、顧客のトレンド変化にもすぐに対応でき、これ以上事態が悪化しないようにスピーディな対応ができるようになります。

その結果、顧客満足度の低下を防げるため、顧客のトレンド変化を素早く察知できる点は大きなメリットといえるでしょう。

5.AIを活用したVOC分析の導入に向いている企業

ここまでAIを活用したVOC分析についてメリットをお伝えしましたが、AIを活用したVOC分析を導入するべきかしっかり判断するために、5章ではAIを活用したVOC分析の導入が特に向いている企業について解説していきます。

向いている企業

・多くのVOCが集まる企業
・顧客体験を強化したい企業

5-1.多くのVOCが集まる企業

1つめは多くのVOCが集まる企業です。

多くのVOCを収集できる企業は、VOC分析にAIを活用することで、以下のようなことが可能になります。

◆効率的に大量のデータを分析できる(業務効率化)
AIの活用によって一度に大量のVOCデータを迅速に処理・分析できる

◆膨大なデータから顧客行動・感情に関する「傾向」を抽出してトレンドを分析できる
AIの活用によって人の手では処理しきれなかった膨大なVOCデータから「傾向」を発見できる

AIは、これまでのVOC分析では処理しきれなかった膨大なVOCデータを処理できます。

そのため、膨大なVOCデータが収集できる企業は、VOC分析にAIを取り入れたほうが、効率的に質の良い分析結果を得られるでしょう。

5-2.顧客体験を強化したい企業

2つめは顧客体験を強化したい企業です。

VOC分析にAIを取り入れることで、

◆顧客の不満やニーズに迅速に対応できる
・AIによる効率的でスピーディな処理・分析によって、すぐに顧客の不満やニーズが分かる
・迅速に不満・ニーズに対応でき、顧客体験を向上できる

◆AIによる感情分析で深い顧客の不満・ニーズを把握し、本質的な対策ができる
・AIは顧客のフィードバックから感情を高精度で分析できる
・顧客満足度や不満の具体的な原因を正確に把握できる
・そのため、感情にもとづいた具体的で本質的な改善策を講じられる

など、スピーディで本質的な顧客体験を創造できるため、VOC分析においてAIの活用が有効といえます。

・顧客体験の向上をビジネス戦略の中心に据えているケース
・顧客の声を迅速に反映し、サービス改善に活かしたいケース

など、顧客体験を強化したいと考えている場合は、AIを活用したVOC分析の導入を検討してみましょう。

6.AIによるVOC分析の導入 3ステップ

AIによるVOC分析を導入する方向性で考えている場合、導入するまでの流れも気になるところです。

そこで、6章ではAIによるVOC分析導入の全体像を把握し、自社に導入するまでの道筋を明確化するために、AIによるVOC分析の導入の流れを以下3ステップで解説します。

AIによるVOC分析の導入3ステップ

【ステップ1】課題・目的を明確にする
【ステップ2】VOCを収集するチャネルを決める
【ステップ3】適切なVOCツールを選ぶ

6-1.【ステップ1】課題・目的を明確にする

ステップ1は「課題・目的を明確にする」ことです。

AIを活用したVOC分析を行う際には、多くの場合ツールを導入します。

AIを活用したVOC分析ツールは、以下のようにそれぞれ得意分野が異なるため、明確な課題や目的を定めておくことで、最適なツールを選定でき、VOC分析の効果を最大限に引き出せるのです。

【VOC分析ツールの得意分野別のタイプ3つ】

・「感情分析」に強いツール
・レビューの収集~分析の効率化に強いツール
・「コンタクトセンター(コールセンター)向け」の分析に強いツール

まずは、以下のような方向性を定めておきましょう。

どのような課題を解決するためにAIによるVOC分析を取り入れるのか
・なぜAIを活用したVOC分析を自社が取り入れるべきなのか
・AIを活用したVOC分析を取り入れることで、自社はどうなりたいのか

6-2.【ステップ2】VOCを収集するチャネルを決める

ステップ2は VOCを収集するチャネルを決める」ことです。

VOCデータが収集できるチャネルには、以下のように様々、

・コンタクトセンター(コールセンター)に寄せられる電話、メール、チャット
・アンケート
・SNS
・口コミサイト  など

チャネルによってデータの精度や情報量が異なるため、VOC収集するチャネルは限定的にしないで、複数のチャネルを収集対象にすることをおすすめします。

VOC収集するチャネルは、以下を参考にして選択しましょう。

【VOC収集するチャネルの選ぶ基準】

(1)収集するチャネルが、VOC分析の目的と課題にどれだけ関連しているか
(2)顧客が頻繁に利用するチャネルかどうか
(3)収集するチャネルがターゲットとする顧客に合っているかどうか

6-3.【ステップ3】適切なVOC分析ツールを選ぶ

ステップ3は「適切なVOC分析ツールを選ぶ」ことです。

AIによるVOC分析を導入する目的と、収集対象のチャネルを決めたら、いよいよツール選定に入ります。

先にもお伝えしたように、AIを活用したVOC分析ツールには以下のようなタイプがあります。

・「感情分析」に強いツール
・「レビューの収集~分析の効率化」に強いツール
・「コンタクトセンター(コールセンター)向け分析」に強いツール

自社にとってどれが適しているのか、以下を参考にして選ぶようにしましょう。

【AIを活用したVOC分析ツールの3つのタイプ】

(1)「感情分析」に強いツール
・大量のVOCデータからAIによって「感情分析」を使う
・何に対してポジティブ/ネガティブな発言がされているかを明らかにするのが得意

▼向いているケース
・顧客満足度の向上を図りたい企業
・ブランドイメージや評判を定量的に評価・改善したい企業

(2)「レビューの収集~分析の効率化」に強いツール
・VOCデータの収集から分析までを、AIを活用して効率的に行うのが得意

▼向いているケース
ECサイトや口コミサイトで大量のレビューが投稿される企業

(3)「コンタクトセンター(コールセンター)向け分析」に強いツール
・コンタクトセンターに集まるVOCデータの分析に強みがある
・コンタクトセンターならではのシーンで以下のように活用可

「リアルタイムで通話内容をテキスト化」
「通話内容の自動要約」
「ワンクリックでスーパーバイザーへ支援依頼」
「過去の通話内容の確認」

▼向いているケース
コンタクトセンターの品質向上を目指す企業

「AIによるVOC分析」の導入・運用相談はトランスコスモスにお問い合わせください

トランスコスモスが提供しているソリューションの概要

AIによるVOCを収集・分析をご検討中の場合は、トランスコスモスが提供しているソリューションがおすすめです。

・音声認識ソリューション「transpeech」
・VOCを一元化し統合分析できる「Insight BI」

【音声認識ソリューション:transpeech】
transpeechでは、音声認識によりテキスト化されたデータから特定のキーワードをAIが抽出するため、VOC収集に最適です。

その他以下のような機能も備えています。
◎AIによる感情解析
 通話中の顧客の感情を、「興味」「期待」「怒り」などに分けてパラメータ表示します
◎AIによる対話要約オプション
 音声認識された会話テキストを要約します

【VOCを一元化し統合分析できる:Insight BI】
Insight BIでは、埋もれがちなVOCを一元化し、色々なダッシュボードと掛け合わせながら顧客の声を分析できるため、

・思いもよらない重要な顧客の声の発見
・起きた出来事の真因・背景や想いを知る

といったことが可能となり、VOCを活用した施策実施や改善活動を強力に推進できます。

AIを活用したVOCを収集・分析をご検討中のご担当者様は、ぜひ一度、トランスコスモスへご相談ください。

まとめ

この記事では、AIによるVOC分析についての基礎知識やメリットなどを解説しました。

◆AIによるVOC分析とは人工知能(AI)で膨大な顧客の声を自動的に収集・分析する方法

◆VOC分析にAIを取り入れることで分かる3つのこと

・高精度に分類された顧客の感情
・リアルタイムなトレンド
・これまで見逃してしまっていた顧客行動パターン・ニーズ

◆AIを活用したVOC分析が役立つ2つの領域

・カスタマーサポート部門向けのAI活用VOC分析
・CX改善に向けたAIによるVOC分析

◆AIを活用したVOC分析 3つのメリット

・VOC分析を業務効率化できる
・感情分析をもとに顧客の満足度を向上できる
・トレンドの変化にも迅速に対応できる

◆AIを活用したVOC分析の導入に向いている企業

・日々、多くのVOCを収集できる企業
・顧客体験を強化したい企業

◆AIによるVOC分析の導入 3ステップ

【ステップ1】課題・目的を明確にする
【ステップ2】VOCを収集するチャネルを決める
【ステップ3】適切なVOCツールを選ぶ

本記事がAIによるVOC分析の導入検討に役立てば幸いです。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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