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【図解で理解する】営業DXとは?5つの施策例を分かりやすく解説

営業DXとは、営業活動の中でデジタル技術を活用することで、「営業プロセス」「営業戦略」「営業体制」を変革させることです。

営業DXとはの概要

営業DXは、導入ツールや施策の内容によって営業プロセスだけ変革できる場合もあれば、営業戦略や営業体制も含めて改善し、より大きな変革を起こせる場合もあります。

そのため営業DXでは、営業プロセス・営業戦略・営業体制のうち、どれに変革をもたらしたいのか、あらかじめ把握しておく必要があるでしょう。

また、営業DXといっても、その施策はさまざまであり、使用するツールやシステムの組み合わせでどのようにも展開できます。

そこでこの記事では、営業DXとは何かを解説するだけでなく、具体的な施策例を以下5つご紹介します。

営業DXの5つの施策例

・SFAの導入による営業業務の促進・加速
・BI(ビジネスインテリジェンス)によるデータ解析
・CRMの導入による企業と顧客の関係性の可視化
・オンラインコミュニケーションサポートツールの導入
・商談分析ツールの導入

この記事を読むことで、営業DXという用語を理解できるだけでなく、「具体的に何をやることが営業DXなのか?」をイメージできるようになり、自社に導入するべきものか判断できるようになります。

ぜひ最後までお読みください。

目次 [非表示]

1.営業DXとは

まずは営業DXの基礎知識について、以下3つを解説します。

・営業DXとはデジタル技術を活用して、営業活動を根本から変革すること
・営業DXの全体像
・営業のデジタル化と営業DXの違い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1-1.営業DXとはデジタル技術を活用して、営業活動を根本から変革すること

営業DXとは、営業活動の中でデジタル技術を活用することです。

・営業プロセス
・営業戦略
・営業体制

を根本から変革し、顧客に感動されるほどの体験を提供することです。

例えば営業DXの第一歩としてよく活用される「CRM」を導入して、営業活動を変革させる施策があります。

CRMとは、以下のように顧客に関するデータの管理・分析ができる、顧客とより良い関係を構築・維持するためのシステム・ツールです。

CRMの概要

CRMを活用すれば、顧客一人ひとりに最適なアプローチを行い、関係を構築・維持することが可能です。

CRMの導入は、以下のような機能を持っており、活用することで営業活動を変革させ、営業DXを実現させます。

【CRM導入による営業DX】

CRMの機能

営業DXとして実現できること

顧客情報の一元管理

・顧客の連絡先、購買履歴、コミュニケーション履歴などを一元管理
・情報が分散しないため、どの担当者も最新情報をもとに対応
 →顧客情報の確認プロセスを効率化し、スピーディな顧客対応が実現
 →顧客ニーズが明確となり、最適な営業戦略へと変革

フォローの自動化

・自動フォロー機能を使い、顧客対応を自動化
・顧客フォローの遅延を防いで、フォローを効率化
 →顧客フォロープロセスを効率化し、迅速・確実なフォローが実現
※フォロー:顧客との関係を継続的に維持するために、定期的にメールやアンケート、電話などを行う一連の活動

データ分析と予測

・CRMの分析機能を活用し、顧客のニーズや購買パターン、成約率を予測し、営業戦略の立案に役立てる
 →営業戦略の立案プロセスを効率化
 →「経験や勘に頼る営業」から「科学的・分析的」な営業体制へと変革
 →効果的な営業戦略へと変革

このように営業活動の中でデジタル技術を活用することで、営業プロセスや営業戦略、営業体制を根本から変革し、顧客が感動するレベルの顧客体験の提供を目指すのが、営業DXなのです。

1-2.営業DXの全体像

CRMを例に営業DXを解説しましたが、営業DXにはそのほかにも、さまざまな導入できるツールがあります。

営業DXとして導入可能なツールの例

こうして図を見てみると、営業DXは「局所的に」ツールやシステムを導入して業務効率化を図るものではないことがわかります。

営業DXは、営業プロセス全体を通して行うことで、その効果を最大化できるのです。
何故なら、プロセス全体でDX化を実施することで、部署間・担当者間で統合・連携できるため、顧客に対して常に最適なアプローチができるようになるためです。

・各プロセスの顧客情報
(Web閲覧データ/Webサイト行動データ/購買データなど、ニーズの把握に役立つ情報)

・各プロセスの営業活動の情報
(メールの送付・開封状況/訪問回数/受注確度など、進捗が分かる情報)

営業活動はプロセスごとに部署が分かれているケースもありますが、営業プロセスごとに担当者が変わったとしても、常に顧客のことをよく理解し、アプローチできるようにしておかなければ、顧客により良い顧客体験をしてもらえないでしょう。

したがって、営業DXは営業プロセス全域で導入することが前提となります。

※SFA(Sales Force Automation):営業支援システムのこと。顧客管理や案件管理、営業担当者の行動や結果、売上予測、日報の管理などの機能が備わっている。

1-3.営業のデジタル化と営業DXとの違い

営業DXとよく混同されがちなものとして、営業のデジタル化という言葉があります。
両者の違いは以下のように、主に「範囲」「目的」「アプローチ」にあります。

【営業のデジタル化と営業DXの違い】

営業のデジタル化

営業DX

範囲

営業活動にまつわる業務の一部

営業活動全体

目的

業務プロセスの効率化を目指す

営業活動全体の変革を図り、顧客体験の向上を目指す

アプローチ

ITツールを導入する

ITツールを手段として活用し、営業活動全体の改善を行う

具体例

・紙の日報をExcel管理に変更
・請求書を郵送からメール送信に変更
・各自保存していた書類をクラウドサービス上に保存し、共有・検索を容易に

・CRM(顧客関係管理)を導入
顧客情報を一元管理し、顧客のニーズや購買パターンを分析して、それをもとに営業体制を変え、営業戦略を考える

この表から分かるように、営業のデジタル化はITツールを導入し、業務が効率化できればそれで成功です。一方で営業DXの場合、ITツールはあくまで手段でしかありません。

ITツールで業務効率化するだけでなく、ITツールを営業プロセス全体に活用して、これまでの営業活動を変革し、自社の営業力をパワーアップさせるところまでが、営業DXなのです。

こうしたことから、営業のデジタル化と営業DXは「まったく異なるもの」と捉えるのではなく「営業のデジタル化は営業DXの前段階として位置づけられる」と整理しておきましょう。

営業のデジタル化と営業DXの違い

2.営業DXの5つの施策例

「営業DXとは何か」、その輪郭をつかんだところで、2章ではさらに理解を深めるために、具体的な営業DXの施策例をご紹介します。

2章でご紹介する営業DXの施策は以下の5つです。

営業DXの5つの施策例

・SFAの導入による営業業務の促進・加速
・BI(ビジネスインテリジェンス)によるデータ解析
・CRMの導入による企業と顧客の関係性の可視化
・オンラインコミュニケーションサポートツールの導入
・商談分析ツールの導入

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1.SFAの導入による営業業務の促進・加速

1つ目は「SFAの導入による営業業務の促進・加速」です。
SFAを導入することで、営業DXを実現させます。

そもそもSFA(Sales Force Automation)とは、営業支援システムのことです。SFAには以下のような機能が備わっています。

【SFAの機能】

顧客管理

顧客情報を管理する機能
・顧客の担当者名、役職
・過去の商談履歴 などの管理

案件管理

営業活動における、案件ごとの進捗状況などを管理・確認できる機能
・商談の進捗ステータス
・受注確度
・見積もり、売上金額 などの情報を記録

行動管理

営業担当者の行動や結果を記録する機能
・担当者の訪問回数
・提案商材数
・受注率 などの情報を管理、蓄積

予実管理

各営業プロセスで蓄積されたデータをもとに「売上予測」と「実績」を可視化する機能

商談管理

営業担当者による活動報告(日報・週報)の入力・管理をサポートする機能
スマートフォンやパソコンからフォーマットに入力すると報告が簡単にでき、作業を簡略化できる

営業DXの施策として、こうしたSFAを営業活動に導入すれば、営業プロセスを大きく効率化でき、

・顧客への提案の質を向上させる時間を確保する
・より多くの顧客を定期的にフォローする

といったことができるため、結果として顧客の満足度を向上できるでしょう。

また一連の営業プロセス全体で、SFAに蓄積した営業活動データを共有できるため、属人的だった営業プロセスを標準化できます。その結果、営業担当者のスキルを底上げし、誰でも高い品質で営業活動ができる体制へと変革することができるのです。

このようにSFAを導入することで、営業活動の基盤が強化され、その後のDX推進がスムーズに進むため、「営業DX化の第一歩」として取り入れられる傾向にあります。

2-2.BI(ビジネスインテリジェンス)によるデータ解析

2つ目は、BIによるデータ解析です。

BI(Business Inteligence)とは、営業部門が蓄積している膨大なデータ(ビックデータ)を、収集・蓄積・分析できるツールです。

例えば営業活動で収集した以下のようなデータをBIで分析すれば、「雨の日は購入を先送りにする傾向がある」といったように、データの関連性を明らかにできます。

・顧客の購入状況や傾向
・その日の天気

また、電話のログ・Web会議のログ・メール履歴のログをBIに読み込ませて分析すれば、営業担当者の1日あたりの活動量を見える化でき、

「営業担当者の活動量がオーバーワークになっていないか」
「アポが不足していないか」
「顧客への行動量が不足していないか」

などを、上長が把握したうえで、マネジメントができるようになります。

このようにBIを導入すれば、これまで不透明だった営業にまつわる情報が明らかになるため、営業戦略の改善につながり、その積み重ねが営業戦略の変革となって、営業DXを実現することができるでしょう。

2-3.CRMの導入による企業と顧客の関係性の可視化

3つ目は、CRMの導入による企業と顧客の関係性の可視化です。

CRM(Customer Relationship Managemen)とは、顧客関係管理といい顧客に関するデータの管理・分析ができる、顧客とより良い関係を構築・維持するためのシステム・ツールのことです。
CRMを導入することで、営業プロセス・営業戦略・営業体制を変革させることができます。

【CRM導入による営業DX】

CRMの機能

営業DXとして実現できること

顧客情報の一元管理

・顧客の連絡先、購買履歴、コミュニケーション履歴などを一元管理
・情報が分散しないため、どの担当者も最新情報をもとに対応
 →顧客情報の確認プロセスを効率化し、スピーディな顧客対応が実現
 →顧客ニーズが明確となり、最適な営業戦略へと変革

フォローの自動化

・自動フォロー機能を使い、顧客対応を自動化
・顧客フォローの遅延を防いで、フォローを効率化
 →顧客フォロープロセスを効率化し、迅速・確実なフォローが実現
※フォロー:顧客との関係を継続的に維持するために、定期的にメールやアンケート、電話などを行う一連の活動

データ分析と予測

・CRMの分析機能を活用し、顧客のニーズや購買パターン、成約率を予測し、営業戦略の立案に役立てる
 →営業戦略の立案プロセスを効率化
 →「経験や勘に頼る営業」から「科学的・分析的」な営業体制へと変革
 →効果的な営業戦略へと変革

営業活動のあらゆる面を変革させることから、CRMもSFA同様、営業DX施策の第一歩として導入する企業が多い傾向にあります。

2-4.オンラインコミュニケーションサポートツールの導入

4つ目は、オンラインコミュニケーションサポートツールの導入です。

これは、顧客とのコミュニケーションの質を向上させる営業DXの施策のひとつです。
営業プロセスが効率化されるだけでなく、顧客とのコミュニケーションの仕方をより良くでき、営業戦略の改善も行えるでしょう。

またWeb会議ツールを導入することで、客先へ訪問しなくても、

・商談
・名刺交換
・資料共有

といったことが可能になります。

そのため商談効率がアップし、さらには顧客との日程調整もしやすいため迅速に対応できるようになり、営業プロセスを大幅に効率化させることができるのです。

このように、オンラインコミュニケーションサポートツールを充実させることが、営業DXにつながるといえるでしょう。

2-5.商談分析ツールの導入

5つ目は、商談分析ツールの導入です。

これは、Web会議ツールでの商談の録画データをもとにして、商談内容をテキスト化し、分析するというものです。

・話の抑揚
・相手と自分の話のバランス
・質問への受け答え
・クロージングのトーク

などが可視化され、中には発話者の声色から感情を分析するようなツールもあります。
この商談分析ツールを導入することで、

・上司がこれまで議事録でしか知りえなかったメンバーの商談の様子を把握できるようになり、的確なフィードバックをしやすくなる
・自動生成されたデータを見ながら、顧客へのアプローチ戦略を考えられる

といったことができるようになります。

そのため、商談分析ツールの導入は、企業の営業体制を整え、営業戦略の立案を助ける、営業活動に変革をもたらすようなツールなのです。

3.営業DXが進む背景と今後の営業DXの必要性

営業のデジタル化と営業DXの違い

ここまで営業DXの基礎知識をお伝えしましたが、3章では「営業DXが進む背景」や「今後の営業DXの必要性」について解説していきます。

3-1.【営業DXが進む背景】顧客自身が情報収集・選択できるようになってきている

営業DXが進んでいるのは、「顧客自身が情報収集・選択できるようになり、顧客と商品の間に営業担当者の介在が不要になってきている」という背景があるためです。

従来、顧客は商品やサービスに関する情報を、営業担当者を通じて得ていました。
ところがインターネットが普及すると、顧客は

・検索エンジン
・SNS
・口コミサイト

など、さまざまな情報源から商品・サービスの情報を簡単に入手できるようになっています。

そうした状況にあわせて企業も、自社サイト、ブログ、SNSを通じて、商品・サービスの詳細情報、レビュー、使用事例などを提供するようになっており、顧客は詳細な情報を簡単に調べられるようになりました。

こうして顧客は購入の判断材料を情報収集できるようになったため、顧客と商品の間に営業担当者(人)を介在させずとも、意思決定できるようになったのです。

こうした状況下においては、従来の対面営業では、顧客に刺さる商談が難しくなります。

そのため、以下のように顧客が情報収集する過程をデータで可視化し、顧客のニーズを見極め、購入の熱量が増大する機会を狙って営業を仕掛けること(=営業DX)が重要になるでしょう。

・顧客がどのページを訪問したか、滞在時間、クリックしたリンクなどの行動を追跡する
・顧客がダウンロードした資料、開封したメール、クリックしたキャンペーンリンクを追跡・分析する
・SNS上で顧客がどの投稿に反応したか、コメント、シェアの動向を追跡する   など

3-2.【今後の営業DXの必要性】競争力を高めるために営業DXの推進は必要

今後、営業DXは企業の競争力を高めるために、ますます必要な取り組みとなっていきます。
何故なら、商品・サービスそのもので差別化をするのが難しくなってきているためです。

新しい技術やアイデアはすぐに広まり、競合他社がすぐに模倣してしまうため、商品の機能だけでは差別化が難しいのです。

大手ブランドが新しいシーズンのデザインを発表すると、ファストファッションブランドがすぐに類似デザインを安い価格で売り出すといったシチュエーションを見たことがある人もいるのではないでしょうか。

そのため、商品・サービスの機能性や価格だけでなく、商品を購入するまでの過程で付加価値(顧客体験)を提供することが企業の競争力強化において重要になってきているといえます。

営業DXは、まさにそうした「付加価値」を提供できる取り組みなのです。

4.営業DXの3つのメリット

営業DXに取り組むかどうかを検討する場合、自社にどんなメリットがあるのかは知っておきたいところです。そこで4章では、営業DXのメリットを以下3つご紹介します。

営業DXの3つのメリット

・業務効率化によって生産性が向上する
・営業組織全体の営業力向上に期待できる
・顧客満足度、顧客維持率の向上に期待ができる

4-1.業務効率化によって生産性が向上する

1つ目のメリットは、業務効率化によって生産性が向上することです。
営業DXによって、以下のようにさまざまな場面で業務効率化が進み、生産性を向上させることができます。

【営業DXによって業務効率化、生産性向上が実現できる例】

データの一元管理・
共有

CRMやSFAツールなどを利用して、顧客の連絡先、購買履歴、コミュニケーション履歴などを一元管理し、営業チーム全体で共有。
情報の重複や見落としが減り、迅速で的確な対応が可能になる。

業務の一部を自動化

CRMやSFAツールを導入することで、顧客との関係を継続的に維持し、強化するための定期的なメールやアンケートの送付を自動化する。

進捗や効果を
データで可視化

以下のような営業活動の進捗や効果をデータで可視化することで、適切なタイミングでのアプローチができるようになる。
・メールの送付・開封状況
・訪問回数
・受注確度
その結果、無駄な活動を減らし、効率的な営業が可能となる。

顧客ニーズの
的確な分析・把握

CRMやSFAツールなどを活用することで、顧客の行動データや購買データを分析し、ニーズを的確に把握できるため、無駄のない効率的な営業活動ができる。

Web商談による
移動時間の削減

オンラインでの商談や打ち合わせが増えることで、移動時間やコストが削減され、営業担当者はより多くの顧客にアプローチする時間を確保できる。

このように、営業DXへの取り組みは業務を効率化させ、結果として生産性を向上させてくれるのです。

4-2.営業組織全体の営業力向上に期待できる

2つ目のメリットは、営業組織全体の営業力向上に期待できることです。

営業DXとしてCRMやSFAなどのツールを使用することで、顧客の連絡先、購買履歴、コミュニケーション履歴などが一元管理されます。

そうすれば、属人的な知識やノウハウが営業組織全体で共有され、個々の営業担当者に依存しない活動が可能になり、均一で高品質な顧客対応ができるようになります。

またWeb会議ツールで商談を行うようにした場合、上司が商談に参加しやすくなるため、

・商談中の適切な指導やフィードバックが可能になり、営業担当者のスキル向上に期待できる
・商談の録画や議事録をテキスト化するツールを導入することで、商談内容を振り返りやすくなり、関係者全員で戦略を立てやすくなったり、営業活動の改善点を明確にし、次回以降の商談に活かしたりすることができる

といったことができるでしょう。

このように営業DXを進めることで、営業組織全体の営業力をアップさせることができるのです。
営業組織全体の営業力の向上は、ひいては企業の利益向上に大きく貢献するため、営業DXの大きなメリットといえるでしょう。

4-3.顧客満足度の向上に期待ができる

3つ目のメリットは、顧客満足度の向上に期待できることです。

営業DXに取り組むことで、以下のように顧客ニーズに対応した営業ができるようになるため、結果として顧客満足度を向上できるのです。

【営業DXによって顧客満足度を向上できる具体例】

データの一元管理・
共有

CRMやSFAツールなどを利用して、顧客の購入履歴や行動パターン、コミュニケーション履歴などを一元管理することで、顧客のニーズや関心をデータ化。
各顧客にニーズに沿った顧客アプローチができるようになる。

オンラインコミュニケーションで対応を迅速化

Web会議ツールやチャットなどのオンラインコミュニケーションツールを活用することで、その都度、顧客と打ち合わせの席を設けなくても、迅速にコミュニケーションが取れる。
迅速な対応によって、顧客の満足度が向上する。

こうして、営業DXは顧客に喜んでもらえるような体験を提供できることから、顧客満足度向上を実現できるのです。

5.営業DXを推進するうえで直面する2つの課題

営業DXは企業にとってメリットの大きい取り組みではあるものの、推進するうえで以下のような課題に直面することがあります。

営業DXを推進するうえで直面する2つの課題

・成果が上がるまでに時間がかかる
・大規模なシステム変更に労力がかかる

この課題は今後、営業DXに取り組むうえで障壁となりうるため、あらかじめ具体的に把握しておきましょう。本章では、解決策もあわせて、2つの課題を解説します。

5-1.成果を上げるまでに時間がかかる

1つ目の課題は、成果が上がるまでに時間がかかることです。

営業DXでは、新しく導入するツールやシステムを営業部門の社員が使いこなす必要があります。
しかし初めからスムーズに活用するのは容易ではありません。

また営業DXは、営業プロセス・営業体制・営業戦略を変革することを目的としています。

新しいツールやシステムの導入によって、以下のような変革を求められるため、新たな企業風土の醸成が必要になります。

・新しい業務プロセスが従来と異なるため、社員が新しい働き方に適応する必要がある
・データ分析にもとづいた意思決定が求められるようになり、これまでの経験や直感に頼る意思決定の仕方を変える必要がある
・営業DXでは、部門間の情報共有と協力を促進するため、従来の縦割りの組織文化からの変革が求められる

このように新たな企業風土を醸成していくためには、ある程度時間がかかるでしょう。
そのため、成果を上げるまでの時間を少しでも短縮するためには、以下の対策を行うことがポイントになります。

対策

◆社員教育と研修を行う
デジタルツールの効果的な使い方を徹底的に教育しましょう。
定期的な研修とフォローアップを実施することで、新しいシステムへの適応ができるようになります。

◆社員同士のコミュニケーションを強化する
部門間や営業チーム内での情報共有を強化して、DXの進捗や課題を共有しましょう。
互いの状況を透明化することで、全員が同じ方向に向かって取り組むことができます。

5-2.大規模なシステム変更に労力がかかる

2つ目の課題は、大規模なシステム変更に労力がかかることです。

・データやファイル形式が異なるため、正確なデータ移行には時間と労力がかかる
・膨大なデータの場合、短期間では移行が難しく、連休などの長期休暇を利用する必要がある
・移行が失敗すると、データの見直しや再移行が必要になる

これらのように、営業DXに伴うシステム変更には大きな労力がかかる場合があります。
そのため、大規模なシステム変更の手間を少しでも削減するためには、以下の対策を行うことがポイントになります。

対策

◆不必要なデータを削除する
移行前にデータの整理・整合性を確認し、不必要なデータを除去することで、移行作業を効率化します。

◆試しに一部のデータを移行してテストを行う
移行前に一部のデータを移行してテストを行い、問題点を事前に洗い出して、テスト結果をもとに改善策を講じましょう。

◆外部サポートを活用する
システムの移行に専門的な知識と経験を持つ外部企業に依頼し、移行作業を支援してもらうことで、効率的に移行できるようにします。

6.営業DXを導入する流れ6ステップ

これまでの情報から、デジタル技術を導入して終わりにならないよう、そして意味のある営業DXを導入するための流れを、以下6ステップで解説します。

営業DXを導入する流れ6ステップ

【ステップ1】営業DX推進チームを発足する
【ステップ2】営業業務棚卸しをする
【ステップ3】課題の洗い出しをする
【ステップ4】実現したい理想イメージを決める
【ステップ5】ツールを導入する
【ステップ6】効果検証する

6-1.【ステップ1】営業DX推進チームを発足する

ステップ1は、営業DX推進チームを発足することです。

営業DXに特化したチームが一貫してDXプロジェクトを推進し、定期的に進捗を確認することで、営業活動の変革を効率的に進めることができます。推進チームを編成する場合には、以下のポイントを意識すると、より良い営業DXチームをつくりあげることができるでしょう。

営業DX推進チームを編成する際のポイント

◆営業活動に関連する部門から編成し、特定の部門に偏らないチームにする
特定の部門のみでメンバーを構築してしまうと、視野が狭くなる可能性があります。
そのため推進チームのメンバーは、フィールドセールス、インサイドセールス、マーケティングなど、営業活動にかかわるさまざまな部門から編成しましょう。

6-2.【ステップ2】営業業務の棚卸しをする

ステップ2は、営業業務の棚卸しをすることです。

業務の棚卸しとは、現在営業活動として行っている業務を洗い出し、整理することです。
棚卸しを行うことで、以下のようなことを明らかにでき、どのような営業DXを行うべきかの方針を定める際に役立ちます。

・現在の営業業務が効率的に行えているのか、無駄はないか
・どの業務がDX化によって最も効果を発揮するのか

営業業務の棚卸しをする際は、ポイントを意識して取り組むようにしましょう。

営業業務の棚卸しをする際のポイント

◆できる限り多くの社員、多くの視点から意見を取得する
複数の部門を経験した社員や、社歴の異なる社員など、できる限り多くの視点から意見を取得するようにしましょう。そうすることで、各部門が持つ「当たり前になっている業務」の洗い出しができ、属人的な業務を明らかにでき、営業DX化のポイントがつかめるようになります。

6-3.【ステップ3】課題の洗い出しをする

ステップ3は、課題の洗い出しをすることです。

ステップ2と同様に、現在の営業活動について課題に感じることを、営業にかかわる部門からヒアリングし、課題を洗い出しましょう。課題の洗い出しをする際には、以下のように取り組むと、その後の営業DX化がスムーズに進めることができます。

課題の洗い出しをする際のポイント

◆課題に優先順位をつける
社員に課題をヒアリングし、ある程度課題を把握したら、それぞれに優先順位をつけるようにしましょう。
そうすることで、営業DXの今後の方針を定めやすくなります。
優先順位が決まったら、DX化によってどこをどう解決できるのか検討していきます。

6-4.【ステップ4】実現したい理想イメージを決める

ステップ4は、実現したい理想イメージを決めることです。

理想のイメージを固めることで、営業DXを推進する方向性が明確になり、どのようなツールの導入をして、どのような改革を進めるのかを判断しやすくなります。

実現したい理想の営業活動イメージを設定する際には、以下のポイントを意識することをおすすめします。

実現したい理想イメージ(ゴール)を決める際のポイント

◆具体的かつ測定可能な目標を設定する
目標は具体的で測定可能なものであることが重要です。
例えば「売上を20%向上させる」や「顧客満足度を10ポイント向上させる」など、明確な指標を設定すると、あとから効果検証しやすくなります。

6-5.【ステップ5】ツールを導入する

ステップ5は、ツールを導入することです。

ツールを導入し、自社のための営業DXを行いましょう。

営業DXの入り口として導入するのにおすすめなのは「CRM/SFA」です。
営業DXとして効率化や業績アップにつなげるには、データを蓄積して分析し、有益な情報を抽出して営業活動に活かしていくことが重要です。

そうした中でCRM/SFAは、

・データの蓄積、分析、情報共有を得意としている
・CRM/SFAは導入から稼働までがスムーズで、成果を出すまでの道筋もイメージしやすい

といった特徴があり、営業DXの第一歩として最適なのです。
これまでCRM/SFAを導入したことがない場合は、一度検討してみましょう。

6-6.【ステップ6】効果検証する

ステップ6は、効果検証することです。

ツール導入後、営業プロセスや営業戦略、営業体制を見直し、改善できたかどうかを効果検証するようにしましょう。定期的に効果検証を行うことで、営業DXの施策・ツールが自社にとって効果のあるものかを定期的に把握でき、方向性を見直すといった対策を行えます。

「効果検証」「施策の見直し・修正」を繰り返しながら、より良い営業DXとなるように取り組みましょう。

営業DXについてご興味がある方は詳しくはトランスコスモスにお問い合わせください

トランスコスモスによる営業DXシステムの概要

トランスコスモスでは、Webサイト、チャット、コンタクトセンター(コールセンター)、SNSなど複数チャネルを横断した運用、データ活用により、顧客接点におけるDXを実現します。

具体的には、

・Webサイト・アプリ構築/運用
・チャットボット
・チャットオペレーション
・デジタルコンタクトセンター(コールセンター)
・ソーシャルリスニング

といった、さまざまな営業DXに関するシステム、ツールを活用しながら貴社サポートを行います。
営業DXをご検討中のご担当者様は、ぜひ一度、トランスコスモスへご相談ください。

まとめ

この記事では、営業DXの基礎知識や必要性、メリット・課題、導入するまでの流れを解説しました。

◆営業DXとはデジタル技術を活用して、営業活動を根本から変革すること

◆営業のデジタル化と営業DXとの違い

営業のデジタル化

営業DX

範囲

営業活動にまつわる業務の一部

営業活動全体

目的

業務プロセスの効率化を目指す

営業活動全体の変革を図り、顧客体験の向上を目指す

アプローチ

ITツールを導入する

ITツールを手段として活用し、営業活動全体の改善を行う

具体例

・紙の日報をExcel管理に変更
・請求書を郵送からメール送信に変更
・各自保存していた書類をクラウドサービス上に保存し、共有・検索を容易に

・CRM(顧客関係管理)を導入
顧客情報を一元管理し、顧客のニーズや購買パターンを分析して、それをもとに営業体制を変え、営業戦略を考える

◆営業DXの5つの施策例

・SFAの導入による営業業務の促進・加速
・BI(ビジネスインテリジェンス)によるデータ解析
・CRMの導入による企業と顧客の関係性の可視化
・オンラインコミュニケーションサポートツールの導入
・商談分析ツールの導入

◆営業DXが進む背景と今後の営業DXの必要性

【営業DXが進む背景】顧客自身が情報収集・選択できるようになってきている
【今後の営業DXの必要性】競争力を高めるために営業DXの推進は必要

◆営業DXの3つのメリット

・業務効率化によって生産性が向上する
・営業組織全体の営業力向上に期待できる
・顧客満足度、顧客維持率の向上に期待ができる

◆営業DXを推進するうえで直面する2つの課題

・成果が上がるまでに時間がかかる
・大規模なシステム変更に労力がかかる

◆営業DXを導入する流れ6ステップ

【ステップ1】営業DX推進チームを発足する
【ステップ2】営業業務棚卸しをする
【ステップ3】課題の洗い出しをする
【ステップ4】実現したい理想イメージを決める
【ステップ5】ツールを導入する
【ステップ6】効果検証する

営業DXを導入して、自社の営業活動に変革を起こす第一歩を踏み出しましょう。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションのノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。