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昨今、耳にする機会が増えた「メタバース」や「Web3.0」。どのようにビジネス活用できるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
2022年10月に実施したオンラインセミナーでは、「バーチャルシティコンソーシアム」「一般社団法人メタバースジャパン」のアドバイザリーメンバーである道下 剣志郎氏をお招きし、メタバースの定義や利用動向、今後の展望や克服すべき法的課題などを伺いました。
第3部ではNTTグループが提供するXRサービス「XR coworking」の特徴や、NTTグループのXRへの取り組みについてお話をしていただきました。
第2部ではトランスコスモスがリリースをした「バーチャルコンタクトセンター」と「バーチャルコミュニケーションサービス」について紹介しています。
メタバースへの理解を深めるのはもちろんのこと、最新の事例やビジネス活用のヒントも掴める非常に有意義なセミナーとなりました。今回は、オンラインセミナーの内容をレポートとしていち早くお届けします。
◎メタバースとは |
この記事を最後まで読めば、メタバースの意義や最新動向はもちろんのこと、どのようにビジネス活用したらいいのか検討できるようになります。
メタバースはまだまだ発展途上だからこそ、多くのビジネスチャンスがあります。メタバースとどのように向き合いビジネスを作っていくのか考えるヒントとなるセミナーなので、ぜひ参考にしてみてください。
【オンラインセミナー】
バズワード「メタバース」を解説~メタバース市場の発展と利用動向、コミュニケーション領域におけるメタバースビジネスについて~ |
【登壇者紹介】
SAKURA法律事務所 NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスソリューション部門ソリューションサービス部 トランスコスモス株式会社 執行役員 |
1.メタバースとは
メタバースとは、超越したという意味の「META」と宇宙を指す「UNIVERSE」を合わせた造語です。
1992年にNeal Stephenson(ニール・スティーヴンスン)さんが書いたSF小説「Snow Crash」の中で、世界で初めて「メタバース」という言葉が使用されました。小説に使われてから30年の時を経て世界中のバズワードとなるのは、非常に興味深いことです。
メタバースとは現実世界と異なる三次元の仮想空間上で、人々がアバターを介したコミュニケーションができる空間だと理解されている方が多いのではないでしょうか。
ただこれでは抽象的ですので、バーチャルシティーガイドラインの中で定義をさせていただきました。詳しくは、次の章で解説していきます。
1-1.メタバースの要素
メタバースの要素は、全部で7個ほどあります。メタバースを理解するうえで重要な要素になるのではないかと、私なりに定義付けをした次第です。
まずは、マルチデバイスから恒常的にアクセスできることです。ある一定の時間だけしかつながらない場合は、メタバースの要素に該当しません。たとえば、昔のファミコンのようなゲームは、カセットを切ると切断されてしまいます。メタバースは自分が電源を切ったとしても他の人が入り続けているため、その空間は常に生きています。
また、メタバースは、今まで見ていた二次元から変わった三次元の空間で構成された仮想環境です。ただ画面が動くのではなく、自分がアバターになってその空間で活動できることもメタバースの大きな要素です。
たとえば、今私がアバターのXさんに話しかけたら、アバター道下さんとXさんはすぐに会話ができます。アバターを介したリアルタイムでの相互作用も重要です。
さらに、仮想環境内には自律的経済圏が存在します。簡単にいうと、ビジネスができるということです。
他にも、別の仮想環境との相互運用性があります。最近ではインターオペラビリティと言われるところですが、メタバースAとメタバースBは全く別のものであっても、全く相容れないわけではありません。
メタバースAとメタバースBは断絶されるのではなく、メタバース空間上での活動として他の環境にいってもつながっているということも非常に重要な要素となります。
あとは、超多人数が同時接続していることです。このゲームは4人同時接続、4人プレイまでしかできないとなると従来のゲーム同様となりますが、メタバースは多人数が同時に接続できます。ぜひさまざまなメタバースを見たときに「あの要素あるな」や「この要素ないな」などを判断する1つのメルクマールにしていただければと思います。
1-2.メタバースの波
メタバースの最初の波は、2000年代半ばに到来しています。
2003年にアメリカのLinden Lab社が作った「Second Life」をプレイしていた方もいるのではないでしょうか。実はかなりよくできており、時代が追いついていなかったことが非常に大きいのではないかと思っています。
Snow Crashのインスパイアゲームでアバターが3D世界を移動し、専用通貨のLinden Dollar(リンデンドル・L$)を使い取引をします。ゲーム内では、イベントを行うことができました。日本企業も出店しているところがありましたが、まだまだ大きな波にはなりませんでした。
まさに今、メタバースの2回目の波が来ているのではないかと思っています。「あつまれどうぶつの森」も、すべてではありませんがメタバースの要素をある程度満たすゲームです。
今メタバースが注目される大きな理由は2つあります。
1つ目は、技術の進化です。UGC(User Generated Contents=ユーザー生成コンテンツ)のようにユーザーが自らメタバース空間でものを作る時代が来ています。
2つ目は、新型コロナウイルスの世界的な流行です。リアルで会えない人々がメタバースで会うことができるようになりました。ある小学生は「今日の放課後はメタバースで待ってるね」と約束し、メタバース内で遊ぶことができています。
この小学生がメタバース内のどこで会っているのかと言うと、世界的に非常に大きなメタバースの波を作っている「FORTNITE」です。
「FORTNITE」は、Epic Gameが2017年にリリースしたオンラインゲームです。
企業価値は日本円で4~5兆円程度に到達しました。CEOのTimothy Dean Sweeney(ティモシー・ディーン・スウィーニー)さんは「うちの「FORTNITE」はまさにメタバースなんだ」と表現しています。
Travis scottさんやAriana Grandeさん、日本では米津玄師さんなどがライブを行い、ただのゲームとして割り切るにはおこがましいベルまで成熟してきています。
ライブをするときに東京ドームツアーで5万人集まると凄いことだと話題になりますが、メタバースはその次元ではありません。Travis scottさんのライブは1,000万人以上が視聴しました。リアルの空間では1,000万人を同時にライブに招待することは、非常に難しいです。
リアルを超越したことができるのが、このメタバースです。
2.メタバースのメリットとデメリット
メタバースのメリットは、場所や空間、人数等の物理的な制限がないところです。
ドームであれば何万人などの人数の制限がありますが、メタバースでは制約がありません。他者との空間の共有や非現実的、非日常的な体験も可能です。空飛ぶメタバースもあり、現実ではできないことができます。
今後は現実世界と連携したメタバースも、多く登場してくるでしょう。現実世界の延長線上にあるようなメタバースで、非常に現実味を持ったメタバースです。今まではゲーム好きな人たちだけが使う世界のイメージがありましたが、バーチャル○○都市のようなものも増えてきています。
半年後、1年後には私がメタバースドームでメタバース講演会を行い皆様が着席をして聞くような体験も、おとぎ話ではないところまで来ています。
デメリットについては、メタバースに没入して抜け出せなくなることが出てくるのではないかと言われています。実際私の知っている方で、リアルにいる時間よりメタバースにいる時間のほうが長い人も出てきています。
2-1.メタバースを活用する目的
メタバースは、ビジネスへの有用性があります。
まずは、新規事業です。メタバース内で新規事業を展開する事例は非常に多いです。
たとえば、コロナ渦により旅行に行けない状況が続いています。日本に旅行に来た方が東京観光はリアルで行くけど、沖縄と京都はメタバースで行く選択ができるようになってきています。
また、アパレル業では自分と同じ身長のアバターを作成し、アバターがTシャツを試着して注文することも可能です。アバターで円滑なコミュニケーションを取ることで、リモートであっても生産性の向上が期待できます。
メタバースの市場動向は非常にポジティブだと捉えられており、国内市場だけでも4年後の2026年までには1兆円に達する見込みです。世界的に見ると、10年以内に100兆円に到達するだろうと言われています。
メタバースがビジネスに与える影響はチャンスだと捉えている方が極めて多く、新規ビジネスの創出や営業力の強化、顧客サービスの向上などさまざまな面での活用が検討されています。
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まとめ
メタバースは趣味や娯楽の範囲を越えて、積極的にビジネスに活用されるフェーズに到達しています。セミナーでもご紹介したように、イベントの開催や接客、コミュニケーションの場としてなどさまざまな活用が見受けられるようになりました。
一方で、立法やガイドラインの整備が追いついてない側面があるので、リスクを把握したうえで対策を取りながら進めることも欠かせません。
トランスコスモスでは、セミナーでも触れたバーチャルコミュニケーションサービスとバーチャルコンタクトセンターサービスに取り組んでいます。メタバースを活用することで、リアルでの課題を解決し業務効率化や利益の最大化をサポートできればと考えています。興味をお持ちのご担当者様はお気軽にお問い合わせください。