「ライブコマースとは、どのようなものだろう?」
「ライブコマースをどのように活用できるのか知りたい」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
ライブコマースとは、以下のようなことを指します。
多額の初期投資の必要がなく、配信する環境と機材さえ整えれば、手軽に配信できるライブコマースは、中国ではすでに定着している販売手法となっています。
一方で、視聴者の確保や配信者の質の維持など、下準備を十分にしないと、ライブコマースが有意に働かないので、注意が必要です。
この記事では、ライブコマースについて十分に理解を深め、どのように活用するべきか判断できるように、以下のことについてお伝えしています。
この記事でわかること |
・ライブコマースとは |
1.ライブコマースとは?
ライブコマースとは、ライブ配信を活用してユーザーの購買を促すオンライン販売の形です。配信は、専用のプラットフォームや自社ECサイト、InstagramなどのSNSのアカウントを介して行います。
ライブコマースが従来のEC販売の形と違う点は、これまでのEC販売では実現できなかった、インタラクティブな接客が提供できる点です。
企業はライブ配信で商品やサービスを紹介するとともに、コメント機能やチャット機能を利用して、リアルタイムに視聴者の質問に回答します。
ECサイトで買い物をする際に、「商品に対してちょっとした疑問を感じて購入をためらう」という経験は誰にでもあるはずです。
ライブコマースでは、消費者と配信者がリアルタイムにコミュニケーションを取ることで、このような消費者の疑問や不安を取り除き、購買につなげることができる点が強みです。
また、テキストや画像では伝えづらかった使用感やサイズ感など、細かい情報を提供できる点も、ライブコマースの魅力と言えます。
ライブコマースの形態は、視聴方法や商品の販売への導線の違いなどで、大きく3種類に分けられます。
種類 | 内容 | 例 |
ECモール型ライブコマース | ECモールの | 楽天ショッピングチャンネル |
SaaS型ライブコマース | 自社のオンラインサイトや | Bambuserなど |
SNS型ライブコマース | SNSに設定されているライブ配信機能を使用する方法 | Instagram・YouTubeなど |
ECモール型ライブコマースでは、ECモールを利用しているユーザーを集めやすいことから、比較的簡単に集客ができるのがメリットです。
Saas型ライブコマースは、自社のオンラインストアやアプリを活用するので、既存顧客へのアプローチがしやすい=CVRが上げやすいというのが大きいメリットです。
SNS型ライブコマースは、一番手軽な方法で、ほとんどのSNSが無料な上に、スマホが一台あれば簡単に導入することが可能です。
このようにライブコマースにはさまざまな導入の仕方があるので、自社の商品はどの方法が向いているのかを見極めた上で、活用しましょう。
2.ライブコマース市場の動向
ライブコマース市場の動向は、実際にはどのような動きになっているのでしょうか。
ここでは、ライブコマースが盛んな中国の動向と、日本の動向をご紹介します。
2-1.ライブコマース事業の動向〜中国〜
中国では、ライブコマースがすでに定着していて、大きな市場に成長しています。
SNS上で多くのフォロワーを持ち、消費者に対して影響力がある「KOL(Key Opinion Leader)」と呼ばれるインフルエンサーによるライブコマースが非常に盛んです。
KOLがライブコマース形式で商品を紹介して、それを視聴した消費者が商品を購入するという行動が、一般的になっています。
経済産業省が2020年に実施した調査によると、KOL経由でのEC市場規模は、約3,000億元。日本円に換算すると6兆円以上に達しているとのことです。(参照:経済産業省「令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査))
また、2020年以降もその勢いは衰えておらず、2022年現在においても、多くの消費者が当たり前のようにKOLによるライブコマース形式で、商品を購入しています。
では一体、中国ではどのような分野の商品が、ライブコマースで購入されているのでしょうか?購入されている商品のジャンルのランキングは、以下のようになっています。
順位 | 商品名 |
1位 | 食品・飲料 |
2位 | 衣類・靴 |
3位 | 化粧品・美容関連製品 |
4位 | 日用品 |
5位 | スポーツ用品 |
出典:経済産業省「令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)
食品や飲料という、日常に欠かせない商品が1位にランクインしていることからも、中国でいかにライブコマースが定着しているかということを、うかがい知ることができます。
2-2.ライブコマース市場の動向〜日本〜
日本でも、2017年頃からライブコマースの提供が浸透し始めています。
しかし、まだそこまで大きな市場には成長していないというのが現実ですが、2020年の新型コロナウィルスの流行をきっかけに、ライブコマースで収入を伸ばした企業が多数存在しているという事実もあります。
店舗の休業や外出の自粛が進む中、店舗スタッフによるライブ配信を行い、非接触でありながらも対面で販売しているような接客が受けられるとして、需要が高まりました。
特に、Instagramのライブ配信機能を使って成功を納めた事業者が多く、SNSを積極的に利用する世代には、ライブコマースが一般的な販売方法として受け入れられています。
日本では化粧品やファッションブランドから導入が広がってきましたが、家具・家電・旅行等のあたらしい業界でも利用が拡大しつつあります。
3.ライブコマースのメリット
ライブコマースのメリットは、以下の通りです。
ライブコマースのメリット |
・EC販売のデメリットを解消できる |
それぞれの内容をご紹介します。
3-1.EC販売のデメリットを解消できる
ライブコマースの最大の魅力は、EC販売のデメリットである「実際に商品を手に取れない不安感」を解消できる点です。
ライブコマースでは、ライブ配信者が実際に商品を手に取った感想や、使用してみた感想を消費者に直接伝えるので、静止画やテキスト以上に商品がどのようなものかをイメージしやすくなります。
また、チャット機能などを利用して、視聴者はリアルタイムに質問ができるので、実店舗で接客を受けるのと同じ感覚で、購入するかどうかを判断できます。
例えば、洋服の場合、「素材の伸縮性はどうですか?」「毛羽立ちそうな素材ですか?」といった、商品自体に関する質問はもちろんのこと、「黒い服が多いのですが、何色が合わせやすそうですか?」「白とベージュで迷っていますが、どちらがおすすめですか?」など、幅広いコミュニケーションが取れることで、視聴者を購入へと促すことができます。
従来のEC販売ではあと一歩で購入に至らなかった人が、不安を解消して購入に移ることができ、また生配信終了後にアーカイブ動画を残しておけば、ライブ終了後にECサイトを訪れたお客様に対しても継続的な販売促進効果が得られます。
実際、生配信中とアーカイブを比較すると、全体の売上半分以上がアーカイブ経由で獲得されている傾向があります。
ライブコマースにはそんなメリットもあります。
3-2.配信自体を楽しみにしている消費者が多くいる
ここ数年、ライブコマースに限らず、ライブ配信自体がとても人気があり、注目されています。特に10代、20代の若い世代を中心に、熱いコンテンツであることは間違いありません。
InstagramやFacebookをはじめとするSNSでも、ライブ配信機能が必ずついていて、その機能に人気が集まっています。また、ライブ配信アプリも数多く存在していて、中には数億から数十億ダウンロードされているアプリもあるほどです。
このトレンドの波に乗り、買い物目的でライブ配信を視聴する視聴者だけではなく、配信自体を楽しみにしている人が数多くいるので、ライブコマースという販売形式は、若者を中心に受け入れられやすくなっていると言えます。
3-3.顧客とのコミュニケーションで、ブランドのファンを獲得できる
リアルタイム配信は、配信者とユーザーが同じ時間を共有することで、その瞬間にしか味わえない臨場感やドキドキ感が生まれ、ユーザーを引き付けています。
さらに、自分のコメントを読んでもらえたり、名前を呼んでもらえたり、リアルタイムにコミュニケーションが取れると、視聴者は嬉しくなり、どんどん魅了されていきます。
このような感覚を視聴者に与えることは、「また楽しい時間を過ごしたい」「次回の配信も見たい」という気持ちを生み出し、企業の好感度を上げることやファンを獲得することに繋がっていきます。
また、コミュニケーションを取る中で、販売者やメーカー、開発者の熱い想いや商品の魅力が視聴者に直に伝わることで、視聴者の信頼を得ることができます。
ライブコマースには、単に商品を販売する効果だけではなく、ブランドや企業ファンを獲得する効果も期待できます。
4.ライブコマースのデメリット
ライブコマースには、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
デメリットは、以下の通りです。
ライブコマースのデメリット |
・視聴者の確保が難しい |
デメリットをしっかり把握することで、さらに理解を深めていきましょう。
4-1.視聴者の確保が難しい
ライブ配信は、視聴者あってこそ価値があるものであり、成果を出すためには、視聴者の確保は必須です。視聴者が集まらないと、ライブ配信をしても購入に繋がらないからです。(視聴者数≧購入者)
しかし、視聴者を集めることは、簡単なことではありません。
予告なしで突然ライブ配信を開始しても、視聴者がなかなか集まらないのは当然のこととして、事前に告知をした場合でも、どれほど多くの人にライブ配信を周知できるかは疑問であり、一つの課題と言えます。
ライブ配信を予告し、ある程度の視聴者を確保するためには以下のような環境を整える必要があります。
・SNSである程度のフォロワー数を獲得する |
もともと上記のようなアカウントやサイトを持っている企業は、比較的簡単にライブコマースをはじめることができます。しかし、事前告知をして、視聴者を集めるためのアカウントなどがない企業は、視聴者の確保が難しく、ライブコマースを始めるハードルが高くなると言えます。
4-2.ライブ配信者のスキルが必要
ライブ配信で成果を上げるためには、ライブ配信者のスキルが必要になります。
相手が聞き取りやすいように話すトーク技術、販売する商品やサービスに対する十分な知識、視聴者を引きつける雰囲気など、ライブ配信者に求められることは意外多くあります。
細かいことですが、商品を美しく魅力的に画面に映す技術や、上手な見せ方なども、配信者に必要なテクニックです。加えて、ライブ配信では、視聴者から寄せられたコメントに上手に対応する技術も求められます。
商品を紹介しながら、質問に回答したり、リクエストに答えたり、視聴者の相談に乗りつつ、うまく商品をお勧めすることは、誰にでもできることではありません。
ライブコマースで成果を得るためには、このような人材を準備する必要があります。
4-3.場合によっては企業のイメージが損なわれるケースもある
ライブ配信の準備が十分ではない場合、機器のトラブルや通信障害などが起こることがあります。
このような事態がたまに起こるのは仕方がありませんが、トラブルが繰り返されると、せっかく配信を楽しみにしていた視聴者は、残念な気持ちになってしまします。
また、セットや配信者のイメージが、ブランドや企業のイメージとかけ離れていた場合、その配信内容に視聴者が戸惑うことも考えられます。実際に、ブランドの世界観とかけ離れた配信をして、ユーザーの戸惑う声がSNSに多数投稿された例もあります。
そう多く起こるではありませんが、ライブ配信を行うことによって、企業イメージが損なわれるケースもあるということを念頭に置いて、配信の準備を進めましょう。
5.ライブコマースの導入事例
ライブコマースをすでに導入して、成功を納めている事例は多数あります。ここでは、アパレル事業、化粧品事業、食品事業での導入事例をご紹介します。
5-1.アパレル事業
アパレル事業では、自社ECサイトを利用してライブ配信を行ったり、InstagramやYouTubeといったSNSアカウントを利用したライブコマースの事例が多数あります。
多くのケースでは、タレントやインフルエンサーを起用するのではなく、ショップスタッフが配信者となり成功を納めています。
配信の中で洋服を着用して、着用感やサイズ感、コーディネートなどを紹介したり、着こなしのポイントについて解説します。
また、さまざまな体系、身長の人が商品を着用することで、実際に試着しているかのようにイメージを膨らませることができます。
スタッフとのコミュニケーションを通して、まるで店舗で買い物をしているかのような臨場感を味わえる点も魅力です。
5-2.化粧品事業
化粧品会社のライブコマースは大変人気があり、売上を増加させている企業が多数あります。
ビューティーコンサルタントや美容家、プロのメイクアップアーティストによる配信や、インフルエンサーによる配信を中心としていて、商品を購入したい人に限らず、美容好きの人にとっての楽しみとなっています。
商品の特徴の紹介をするのはもちろんのこと、化粧品の効果的な使い方や効果を最大限に引き出す方法、美肌の作り方など、美容に関する知識を得られることで人気が集まっています。
5-3.食品事業
食品事業では、お歳暮やお中元、限定商品や特別なお取り寄せ商品などを中心に、ライブコマースが活用されています。
バイヤーやスタッフが、商品の魅力や受け取った人が喜ぶポイントなどをリアルタイムに紹介し、実際に店頭に足を運び以上に細かい情報を得て商品を選ぶことができると、その反響は多大です。
お勧め商品を厳選して紹介しているライブ配信は、贈り物を自分で選ぶのが苦手な人にも好評を得ています。
6.ライブコマースを導入する流れ
ライブコマースを導入するか判断するためには、どのような流れでライブコマースを導入できるのかについても把握しておきたいですよね。ここでは、ライブコマースを導入する流れをご紹介します。
ライブコマースを導入する流れは、以下の通りです。
ライブコマースを導入する流れ |
1.目標を設定する |
それぞれの項目の内容を、みていきましょう。
6-1.目標を設定する
ライブコマースの導入を決めたら、まずはライブコマースを通じて達成したい目標を設定します。
売上やファンづくり、ブランディングなど、達成したい目標を明確にしましょう。
そして、どのような顧客に対して、どのような商品・サービス・体験を提供するのかも考えましょう。さらに、目標達成に向けた期間や指標(売上、視聴者数、エンゲージメントなど)も明確にし、計画を立てることが重要です。
6-2.ライブコマースで販売する商品を決定する
次に、ライブコマースで販売する商品を決定します。
自社商品のなかから、ライブコマースに向いている商品を選ぶことが重要です。
ライブコマースに向いている商品とは、以下のようなものがあります。
・トレンドを押さえている商品 |
以上の点を意識して、ライブコマースで販売する商品を決定しましょう。
6-3.使用するプラットフォームを決定する
商品が決定したら、どのようなツールを利用してライブ配信を行うか決定します。
ライブコマースに利用できるプラットフォームには、以下のようなものがあります。
・ライブ配信専用プラットフォーム |
ライブ配信専用プラットフォームには、SHOWROOMやRakuten LIVEなどがあります。自社のECサイトや販売方法がない場合は、専用プラットフォームを活用するといいでしょう。
SNSのライブ機能としては、InstagramやYouTubeなどが多くのユーザーに活用されています。すでにフォロワーがいるアカウントがある場合は、そちらを活用するといいでしょう。
6-4.配信者を決定する
配信者を選ぶ際には、以下のような選択肢が考えられます。
・インフルエンサーに依頼する |
ターゲットや目的、視聴者へのアプローチ方法、予算などによって、適切な配信者を起用しましょう。
インフルエンサーを起用する場合は、起用したいインフルエンサーをSNS上で見つけて、ダイレクトメッセージなどで直接連絡を取る手段が一般的とされています。
また、開発者や製作者、ショップ店員など、自社のスタッフを起用する場合は、配信に向けて練習を繰り返す必要があります。ある程度コミュニケーション能力がある人材を採用した方が、配信にまでスムーズに進みやすくなるでしょう。
6-5.商品の購入導線を決定する
ライブ配信で「この商品が欲しい!」と思った視聴者を、自社の公式販売サイトや購入ページに誘導する購入導線を準備します。
ライブ配信の視聴者専用の販売ページを作るのか、リンクで自社サイトに飛んでもらうのか、いずれにしても、視聴者がスムーズに購入ページにたどり着ける導線が必要です。
その際、ライブコマース限定のキャンペーンや、特典があると、視聴者はさらに購買の意思決定がしやすくなるので、用意するのも良い方法です。
7.ライブコマースツール「Bambuser」
ライブコマースを導入する流れの中に、「6-3.使用するプラットフォームを決定する」という項目がありましたが、これからライブコマースを導入しようと考えている企業様におすすめしたいのが、トランスコスモス株式会社が提供するライブコマースツール「Bambuser(バンブーザー)」です。
「Bambuser」は、ライブコマースの世界的リーディングカンパニーであり、Samsung(サムスン)、Tommy Hilfiger(トミーフィルフィガー)など、世界の300ブランド以上の企業で利用されています。
このツールは世界的に評価されていて、LVMHが主催するLVMHイノベーションアワード2021では、最優秀賞を受賞しました。
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