「LINEをビジネス利用する方法が分からない」
「LINEを利用し集客や販促活動を行いたい」
今や10代~40代の90%以上がコミュニケーションツールとして利用しているLINE。利用者が多いからこそ、ビジネスシーンでも有効活用したいものですよね。
LINEをビジネス利用する方法としては、LINE WORKSとLINE公式アカウントの2つが主流です。
LINE | ビジネス版のLINEでビジネスシーンで役立つ機能を搭載している |
LINE公式 | 顧客に自社の商品やサービスをPRしたり顧客とコミュニケーションを取ったりするマーティング手段として使えるサービス |
顧客をターゲットにビジネス利用する場合は、LINE公式アカウントが向いています。すでに多くの企業やブランドで導入されており、新たな顧客との接点として集客や販促活動に有効活用されています。
LINE公式アカウントを導入するとできることやメリットを把握したうえで、導入すべきか検討することが大切です。
そこでこの記事ではLINEをビジネス利用する方法としてLINE公式アカウントに焦点をあててメリットや機能、事例などを詳しく解説していきます。
◎LINEをビジネス利用する2つの方法
◎LINE公式アカウントをビジネス利用する5つのメリット
◎LINE公式アカウントをビジネス利用するときの注意点
◎LINE公式アカウントを利用するとできる8つのこと
◎認定パートナーを活用したLINEビジネスの拡張
◎LINE公式アカウントの活用事例
◎LINE公式アカウントの導入が向いているケース
この記事を最後まで読めばLINEをビジネス利用する方法が把握でき、集客や販促活動にLINEを活用できるようになるはずです。
ぜひ、LINEをビジネス利用できるよう参考にしてみてください。
1.LINEをビジネス利用する2つの方法
冒頭でも解説したようにLINEをビジネス利用する方法は、LINE WORKSとLINE公式アカウントの2つが主流です。
LINE | ビジネス版のLINE、ビジネスシーンで役立つ機能を搭載している |
LINE公式 | 顧客に自社の商品やサービスをPRしたり顧客とコミュニケーションを取ったりするマーティング手段として使えるサービス |
それぞれどのようにビジネス利用ができるのか、簡単に解説していきます。
1-1.LINE WORKS
LINE WORKSとは、簡単に言うとビジネス版のLINEです。基本的な使い方は個人で利用しているLINEと同じで、社員間でのチャットや音声通話、ビデオ通話、写真やファイル共有ができます。
LINE WORKSを使用すればプライベートとビジネスの切り替えができ、社内や社外のビジネスグループでの円滑なコミュニケーションが叶います。LINE WORKSとLINEとの主な違いには、下記の4つがあります。
①セキュリティが強化されている
LINE WORKSは会社の機密情報や個人情報を守るために、LINEよりも厳格なセキュリティ対策をしています。
LINEでは情報セキュリティマネジメントシステムの国家規格であるISO27001をしていると公表していますが、LINE WORKSではさらにISO27017(クラウドセキュリティに関する国際規格)やISO27018(パブリッククラウド上で管理する個人情報保護に焦点を当てた国際規格)SOC2、SOC3(セキュリティ、内部統制の監査)を取得しています。
LINE | LINE WORKS | |
取得規格 | ・ISO27001 | ・ISO27001 |
LINE WORKSでは第三者機関の厳格な基準をクリアしさまざまな監査を受けることで、高水準のセキュリティを維持しています。
②カレンダーやタスク管理、アンケート機能などビジネスで役立つ機能を搭載
LINE WORKSには、ビジネスシーンで役立つ下記のような基本機能が搭載されています。
機能 | 概要 |
アンケート | 日程調整や災害時の安否確認、満足度調査などのテンプレートが用意されており、簡単にアンケートを実施できる機能。 |
タスク | やるべきことを登録し管理できる機能。他メンバーとのタスク共有やタスク担当の変更も可能で、ビジネスシーンで活用しやすい。 |
カレンダー | 個人の予定だけでなく、社内やチームでの共有ができるカレンダー機能。社内のスケジュールを可視化でき、効率よく業務が進められる。 |
掲示板 | 社内の重要な情報を表示させて、一斉に周知できる機能。下書き保存や予約投稿もでき、運用しやすくなっている。 |
アンケートやタスク、スケジュール管理はすべてLINE WORKS上で行えるため、複数のアプリやソフトウェアを活用する必要がありません。
ビジネスシーンで必要な機能をLINE WORKSにまとめることができ、効率よく運用できるところもポイントです。
③アドレス帳からのコンタクト申請が可能
LINE WORKSでは、コミュニケーションを取りたい社内、社外のメンバーをアドレス帳で一括管理できます。
連絡が取りたい場合はアドレス帳経由で申請ができるため、LINEのように友達追加をしてもらう手間がかかりません。
そのため、グループ作成やプロジェクト管理がしやすくなり、ビジネスで繋がりたい社員とすぐにコンタクトが取れるようになります。
④プレミアムプランでは10年間のデータ保存が可能
LINE WORKSのプレミアムプランでは、最大10年分のデータを保管できます。過去のやり取りから必要なデータを探し出すことができるところが特徴です。
社内の知的財産やデータを適正に管理できるため、大切な企画のやり取りやアイデアの共有にも安心して活用できます。
このように、LINE WORKSは個人利用のLINEと異なり、ビジネスシーンで円滑なコミュニケーションが取れるよう工夫されています。
・プライベートと分けて利用できる社内用のコミュニケーションツールを探している
・ビジネスシーンで利用しやすいコミュニケーションを使いたい
という場合におすすめです。
LINE WORKS | ||
基本機能 | トーク・掲示板・カレンダー・タスク・アンケート・アドレス帳・メール・ドライブ・管理 | |
プラン | フリー:0円 | 人数:100人まで |
ライト:1人300円 | 人数:無制限 | |
ベーシック:1人500円 | 人数:無制限 | |
プレミアム:1人1,000円 | 人数:無制限 |
1-2.LINE法人向けソリューション
LINE法人向けソリュ―ションは大きく分けて、コミュニケーション・広告・販促・決済・CRMのサービスが存在します。
LINE法人向けソリュ―ション | |
コミュニケーション | LINEを活用して顧客と企業、店舗との距離を縮めるサービス |
広告 | LINEに静止画・動画の広告を配信するサービス |
販促 | LINEでのチラシ表示など店舗集客やキャンペーン参加をLINE上で行うサービス |
決済 | LINE payなどLINE経由で決済をするサービス |
CRM | LINEを活用して顧客管理を行うサービス |
その中でもLINE公式アカウントは、顧客に自社の商品やサービスをPRしたり顧客とコミュニケーションを取ったりするマーティング手段として使えるサービスです。
企業やブランドのLINE公式アカウントを開設し顧客に友達追加をしてもらうだけで、下記のような基本機能が利用できます。(基本機能については「4.LINE公式アカウントを利用するとできる8つのこと」で詳しく解説しています)
LINE公式アカウントの基本機能 | |
メッセージ送信 | 友達追加した顧客に対してメッセージの送信ができる |
LINE上での | 友達追加をした顧客と一対一でのチャット対応ができる |
タイムラインへの投稿 | LINEのタイムライン上への投稿ができる |
LINEコール | 友達追加した顧客と無料通話ができる |
ショップカード利用 | LINE公式アカウント上でショップカードの発行、管理ができる |
クーポンの送付 | 友達追加した顧客に対して割引やプレゼントなどのクーポンを送付できる |
リッチメニューの表示 | トーク画面の下部分に大きくメニュー表示ができる |
分析 | LINE公式アカウント利用顧客の分析ができる |
LINE公式アカウントが登場するまでは、顧客と接点を持ち続けることはとても難しいことでした。ハガキDMやダイレクトメールなどで一方的な情報配信ができても、継続することや顧客側からアクションをもらうことが大きなハードルとなっていました。
LINE公式アカウントを活用すれば顧客がブロックしない限りは、手間やコストをかけず継続してクーポンや情報配信ができます。
それだけでなく、顧客側からの連絡に対応できるLINEコールやチャット機能が備わっているため、常にコミュニケーションが取れる状態を維持できるのです。
LINE公式アカウント | ||
基本機能 | メッセージ送信・チャット・タイムラインへの投稿・LINEコール・ショップカード・クーポン送付・リッチメニューの表示・分析 | |
プラン | フリー:0円 | 無料メッセージ数:1,000通 |
ライト:5,000円 | 無料メッセージ数:15,000通 | |
ベーシック:15,000円 | 無料メッセージ数:45,000通 |
次の章からは企業やブランド、店舗の販促、集客活動に一役買ってくれるLINE公式アカウントに焦点を充てて、どのようなサービスなのか詳しく解説していきます。
2.LINE公式アカウントをビジネス利用する5つのメリット
LINE公式アカウントをビジネス利用するメリットには
・利用者数が多く顧客にアプローチしやすい
・集客や販促につながる機能が備わっている
・メールのように埋もれることなく開封率が高い
・常に顧客とコミュニケーションが取れる状態を作れる
・無料プランがあるため費用をかけなくてもスタートできる
の5つがあります。それぞれどのような部分がメリットとなるのかご紹介します。
2-1.利用者数が多く顧客にアプローチしやすい
LINEはFacebookやTwitterなど他のSNSに比べて、利用者数が多いです。
総務省情報通信政策研究所が公表している「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、LINEの利用率は10代~40代で90%を超えていることが分かりました。
50代と60代でも75%を上回っており、世代問わず有効なアプローチができます。下記のように他のSNSと比較すると、LINEがいかに普及しているのか一目瞭然です。とくに、50代や60代になるとLINEの利用率は他のSNSの2倍以上となっています。
【年代別】SNSごとの利用率 | ||||||
10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | |
LINE | 93.7% | 97.7% | 95.6% | 96.6% | 85.4% | 76.2% |
67.6% | 79.8% | 48.4% | 38.0% | 29.6% | 13.5% | |
19.0% | 33.8% | 48.0% | 39.0% | 26.8% | 19.9% | |
69.0% | 68.1% | 55.6% | 38.7% | 30.3% | 13.8% |
参考:総務省情報通信政策研究所「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
そもそも利用者の少ないSNSで宣伝活動や集客活動をしても目に留まる機会が少なく、思ったような効果が得られません。LINEは世代問わず普及しているSNSなので、効率よくアプローチできるところが大きな魅力の一つです。
2-2.集客や販促につながる機能が備わっている
LINE公式アカウントはメッセージを発信するだけでなく、集客や販促に直結する機能が備わっています。無料で利用できる集客や販促に活かせる機能としては、下記のようなものがあります。
LINE公式アカウントの集客や販促に直結する機能 | |
クーポン | メッセージやタイムラインなどに配信できるクーポンを作成できる。 |
ショップカード | デジタルショップカードの発行が可能。利用回数や購入金額に応じてポイントを貯めることができる。 |
リサーチ | 顧客を対象にLINE上でアンケートを取れる機能。アンケート内容を自由に設定でき、回答者にはクーポンのプレゼントなども可能。 |
クーポンは「〇〇円オフ」「来店時にプレゼント贈呈」など、企業や店舗の戦略に合う特典を用意できます。顧客へのメッセージやタイムラインに表示できるので目に留まりやすく、購入や来店のきっかけが作れます。
また、リサーチでは顧客を対象にLINE上でアンケートを取得できます。顧客のニーズや不満を集めるのは、マーケティングをするうえで欠かせません。しかし、思ったように情報が集まらない、顧客の声が分からないという悩みを抱えていることが多いです。
LINE公式アカウントを使えば自由に質問を設定し簡単にアンケートを実施できるため、販促活動や商品開発、集客活動に有効なデータを取得できます。
このように、販促や集客に役立つ機能を兼ね備えているのはLINE公式アカウントならではだと言えるでしょう。
2-3.メールのように埋もれることなく開封率が高い
少し前まではLINEではなく、メールでの販促活動や集客活動が主流でした。しかし、メールは開封率が17%前後と低く、多くの顧客に一斉送信をしても目に触れない可能性が高いことが大きな課題でした。
また、メールで販促活動をする企業が増えたことで顧客に1届くメール数が多く自社のメールが埋もれてしまうことや、迷惑メールフォルダに入ってしまうと販促や集客効果が見込めないという問題もありました。
LINE公式アカウントは開封率が60%と非常に高く、メッセージやクーポンを送信すると2人に1人は開封していることになります。
大切な情報が顧客の目に触れるため、メールよりも高い反響率が期待できるでしょう。LINEは通知機能があるため配信の確認ができ埋もれないのはもちろんのこと、迷惑フォルダが存在しないので顧客が意図的にブロックしない限りは確実に情報が届きます。
このように、LINE公式アカウントはメールでの販促活動や集客活動の欠点をカバーし、より効果の高い販促、集客活動ができるようになります。
2-4.常に顧客とコミュニケーションが取れる状態を作れる
LINE公式アカウントは顧客に友達登録をしてもらうことで、情報発信や問い合わせ対応など顧客と常にコミュニケーションが取れる関係を構築できます。
昨今はスマートフォンやインターネットの普及により、SNSやホームページなど顧客との接点が増えました。リアルで会わなくてもオンライン上での接点が顧客体験(CX)となり、そこに価値を生み出す顧客が増えています。
・どのように商品やサービスを購入できるのか
・どのようなフォローが受けられるのか
など、企業やブランドとの関わりが価値のある顧客体験だと感じてもらえるのです。
LINE公式アカウントを使うと一斉メッセージ送信だけではなく、通常のLINEと同じように顧客と一対一でコミュニケーションが取れるようになります。顧客と常にコミュニケーションが取れるチャネルを用意できるのは、LINE公式アカウントならではの大きなメリットです。
2-5.無料プランがあるため費用をかけなくてもスタートできる
LINE公式アカウントには料金がかからないフリープランが用意されているため、無料で始められます。
フリープラン | |
費用 | 0円 |
無料メッセージ数 | 1,000通(追加メッセージ不可) |
フリープランを使えば、1ヵ月に1,000通のメッセージまでなら無料で運用できるのです。集客活動や販促活動のために広告を出したりイベントを開催したりすると、それだけで多額の費用がかかります。
LINE公式アカウントなら無料で始めることができ、登録者数が増えたら有料プランに切り替えることが可能です。コストを抑えて効果的なアプローチができるところも、LINE公式アカウントならではの強みだと言えます。
3.LINE公式アカウントのビジネス利用が向いているケース
LINE公式アカウントの魅力が充分分かったところで、LINE公式アカウントをビジネス利用しようか検討している人も多いかと思います。
ここでは、LINE公式アカウントのビジネス利用が向いている4つのケースをご紹介します。
LINE公式アカウントのビジネス利用が向いている4つのケース |
・できるだけ多くの顧客にアプローチしたい場合 |
LINE公式アカウントのビジネス利用が向いているのか判断するためにも、ぜひチェックしてみてください。
3-1.できるだけ多くの顧客にアプローチしたい場合
LINE公式アカウントは、できるだけ多くの顧客と情報共有やコミュニケーションを取りたい場合に向いています。
「2-1.利用者数が多く顧客にアプローチしやすい」でも解説したように、LINEは他のSNSに比べて格段に利用率が高いです。とくに、LINEの利用率は10代~40代で90%を超えているため、この世代の客層であればより多くの顧客にアプローチできるでしょう。
また、LINEは開封率も高いため、一度接点が持てればブロックされない限りクーポンや情報を提供し続けることができます。より多くの顧客に開封率の高い方法でアプローチができれば、反響率が高くなることが想像できるでしょう。
・一人でも多くの顧客に情報を拡散したい
・多くの顧客の目に留まる方法でアプローチし、反響率を高めたい
という場合には、LINE公式アカウントを活用してみるのがおすすめです。
3-2.再購入や再来店など次の行動につなげたい場合
一度サービスや商品を購入したことがある顧客をターゲットに、再購入や再来店を促したい場合にもLINE公式アカウントを活用できます。
LINE公式アカウントには、リピーター獲得や顧客の購買、来店を促進する下記の機能が備わっています。
顧客の購買、来店を促進する機能 | |
ショップカード利用 | LINE公式アカウント上でショップカードの発行、管理ができる |
クーポンの送付 | 友達追加した顧客に対して割引やプレゼントなどのクーポンを送付できる |
ショップカードはサービス利用や来店によりポイントが貯まるため、再度来店や再購入のきっかけとなります。
クーポンの送付では割引クーポンや次回来店クーポンなど次の行動につながる施策を打てるため、リピーター獲得や再来店、再購入促進につながるでしょう。
初回購入時や来店時にLINE公式アカウントに登録してもらうフローを作れば、より効果的な運用ができます。
・リピーターや再来店、再購入を増やしたい
・初回購入や初回来店が多く、その後のフォローができていない
という場合にも、LINE公式アカウントを活用してみましょう。
3-3.顧客とのつながりを強化したい場合
LINE公式アカウントは友達追加さえしてもらえば、ブロックされない限り顧客とのつながりを維持できます。一度商品購入をした顧客や店舗に来店があった顧客と、いつでもコミュニケーションを取れる関係を作るのは難しいことです。
メールやハガキなどのDMは一方的なつながりになることが多く、顧客側からアクションを起こすことが少ないです。
LINE公式アカウントはLINRトークやチャット機能があるので、顧客が気になることや聞きたいことがあったときに手軽に連絡ができるようになります。企業や店舗側と顧客側の双方の発信が成り立つので、つながりを感じられるのです。
企業や店舗とのコミュニケーションの質は、顧客満足度の向上に関わります。
・顧客と手軽に連絡ができるツールを設けたい
・いつでも顧客とコミュニケーションが取れる環境を整えたい
という場合にも、LINE公式アカウントが向いています。
顧客との接点についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
3-4.コストを抑えながらサービスや商品のPRをしたい場合
企業や店舗の集客や販促活動は、意外とコストがかかります。一時的なコストならまだしも店舗やブランド、企業を存続させるには継続して行う必要があり、どのような方法を取るべきか悩むことも多いでしょう。
「2-5.無料プランがあるため費用をかけなくてもスタートできる」でも解説したとおり、LINE公式アカウントなら初期費用や月額費をかけず無料で導入できます。
もちろん、無料で利用できるフリープランであっても基本機能はすべて利用できるため、サービスや商品のPRがしっかりと実施できます。
友達登録者数が増えて有料プランになったとしても、月額数十万かかるとは考えにくいです。メッセージ送信数が料金を左右するので、友達登録者数が増えたとしてもメッセージ送信回数を調整すればコストが抑えられます。
サービスや商品のPRをするためにイベントやチラシ作成、メディア露出をすると膨大なコストがかかります。LINE公式アカウントならコストを抑えながらも、顧客一人一人にアプローチをすることが可能です。
4.LINE公式アカウントをビジネス利用するときの注意点
LINE公式アカウントを開設する前に知っておきたい注意点としては
・LINEを利用していない人にはアプローチできない
・1ヵ月に送信するメッセージ数の応じコストがかかる
・セキュリティ対策が必要
という3つがあります。LINE公式アカウントを開設した後に焦らなくてもいいように、チェックしてみましょう。
4-1.LINEを利用していない人にはアプローチできない
LINE公式アカウントは、LINE経由で友達追加をした顧客に対してアプローチをする運用をします。
・LINEを利用していない
・スマートフォンを持っていない
という場合には、利用対象外となってしまうところがデメリットです。LINEを利用していない場合は友達追加をしてもらうのに時間と手間がかかり、顧客の負担感が大きくなるでしょう。
「2-1.利用者数が多く顧客にアプローチしやすい」でも解説したようにLINEの利用率はとても高いですが、すべての人が必ずしも利用しているとは限らないことは念頭に置いておきましょう。
4-2.メッセージ数に応じてコストがかかる
LINE公式アカウントは無料で始められますが、1ヵ月のメッセージ数が増えた場合には下記のように月額料金が発生します。
1ヵ月に1,000通以上15,000通以下のメッセージを配信する場合はライトプランが、1ヵ月に15,000通以上配信する場合はスタンダードプランが適用されます。
フリープラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
費用 | 0円 | 5,000円 | 15,000円 |
無料 | 1,000通 | 15,000通 | 45,000通 |
ここで注意したいのは、メッセージ数のカウント方法です。1人に対して1メッセージとカウントするため、LINE公式アカウントの登録者数が1,000人いる場合は月に1回一斉にメッセージ送信をするだけでメッセージ数は1,000回に到達してしまいます。
ライトプランやスタンダードプランの場合は無料メッセージ数で足りなくなると、1メッセージあたり3~5円程度の追加料金が発生するので注意が必要です。
LINE公式アカウントの目標登録者数を定めるときに、どれくらいのコストがかかりそうかあらかじめ検討してみてください。
4-3.セキュリティ対策が必要
LINE公式アカウントを作成すると、多くの顧客と接点が持てます。しかし、情報漏えいや不正利用などが起こると、企業やブランドのイメージダウンや信頼関係の損失につながりかねません。
LINEはセキュリティ強化に取り組んではいますが、2020年7月から9月にかけて不正ログインが多発し約74,000のアカウント情報が流出しました。
この件における具体的な悪用は見受けられていませんが、身近なところで不正ログインや乗っ取りなどが起きていることは事実です。
企業やブランドのLINEアカウントとして運用する以上、セキュリティ強化などのセキュリティ対策を導入する必要があるでしょう。
参考:LINE「LINEアカウントへの不正アクセスに対する注意喚起」
5.LINE公式アカウントを利用するとできる8つのこと
LINE公式アカウントの基本機能としては、下記の8つがあります。
LINE公式アカウントの基本機能 | |
メッセージ送信 | 友達追加した顧客に対してメッセージの送信ができる |
LINE上での | 友達追加をした顧客と一対一でのチャット対応ができる |
タイムライン | LINEのタイムライン上への投稿ができる |
LINEコール | 友達追加した顧客と無料通話ができる |
ショップカード利用 | LINE公式アカウント上でショップカードの発行、管理ができる |
クーポンの送付 | 友達追加した顧客に対して割引やプレゼントなどのクーポンを送付できる |
リッチメニューの表示 | トーク画面の下部分に大きくメニュー表示ができる |
分析 | LINE公式アカウント利用顧客の分析ができる |
どの機能も有効活用することで、販促や集客活動に役に立ちます。実際にどのように活用するのか、詳しく解説していきます。
5-1.メッセージ送信
LINE公式アカウントに友達追加した顧客に対して、メッセージの送信ができます。メッセージの送信方法には、下記の3種類があります。
①すべての登録者に一斉送信
LINE公式アカウントに友達追加した顧客全員に、一斉にメッセージを送信する方法です。
・営業時間・定休日の変更
・新商品や新サービスの案内
・セールやイベントの案内
など、顧客の属性問わず多くの顧客に知って欲しい情報を送信したいときに向いています。
②属性による絞り込みをしてメッセージを送信
LINE公式アカウントには、5つの属性が用意されています。属性を細かく設定することで、ターゲットを絞り込みメッセージを送信することが可能です。
LINE公式アカウントの5つの属性 | |
友達期間 | LINE公式アカウントに友達登録をしてからの期間で絞り込みをする |
性別 | 性別によって絞り込みをする |
年齢 | 年齢により絞り込みをする |
OS | androidやiOSなどLINE公式アカウントを使用しているOSにより絞り込みをする |
エリア | 関東地方や中部地方、関西地方など住まいのエリアにより絞り込みをする |
例えば、エリアを絞り込めば、地域のイベントやセール情報を必要なターゲットにのみ送信できます。年齢で絞り込めば、年齢層に合う商品紹介や提案をすることも可能です。
このように、属性を絞り込みメッセージ送信をすることで、送信する情報を必要とするターゲットにのみ有効な情報を届けられます。
③オーディエンスによる絞り込みをしてメッセージ送信
LINE公式アカウントには、オーディエンスと呼ばれるセグメント機能が備わっています。絞り込みができる設定は次の4つです。
オーディエンスのセグメント機能 | |
クリックリターゲティング | 過去に配信したメッセージに含まれるリンクをクリックした顧客を絞り込む |
インプレッションリターゲティング | 過去に配信したメッセージを開封した顧客を絞り込む |
チャットタグオーディエンス | 事前に顧客に割り当てたタグを利用し顧客の絞り込みをする |
追加経路オーディエンス | 友達追加の経路によって顧客の絞り込みをする |
クリックリターゲティングとインプレッションリターゲティングの場合は、配信から60日以内のメッセージを対象にリンクをクリックした、開封をした顧客のみを絞り込みます。
チャットタグオーディエンスは、企業やブランド側が顧客にタグをつけて管理している場合に、タグでの絞り込みができる機能です。
例えば、「1月来店」というタグを使用していれば、1月に来店した顧客のみを絞り込みメッセージ送信ができます。
②と③の方法は併用することもでき、ターゲットを細かく指定したメッセージ送信も可能です。また、②と③の方法に限り、絞り込み結果で100人以下になるとメッセージ送信ができないので注意しましょう。
このように、メッセージ送信では一斉送信と絞り込み送信によって、ターゲットに合わせた情報発信ができます。
5-2.LINE上でのチャット対応
LINE公式アカウントでは、友達追加をした顧客と一対一でのチャット対応ができます。チャットは対応時間やチャット対応の有無を設定できるため、LINE公式アカウントの導入目的に合わせて有効活用できます。
例えば
・電話での対応が難しい時間帯の問い合わせ窓口にする
・リアルタイムでの予約受付・キャンセル窓口にする
・顧客が抱えている問題を気兼ねなく相談できる窓口にする
など顧客と一対一でやり取りができるメリットを活かし、集客や顧客満足度の向上に利用することが可能です。
ただし、チャット機能を使うにはLINE公式アカウントを友達追加した顧客側から、最初にメッセージを送ってもらう必要があります。
企業やブランド側からチャットを開始できないため、チャット対応をしていることを周知し利用顧客を増やすことが大切です。
チャットについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
5-3.タイムラインへの投稿
LINE公式アカウントではメッセージ送信だけではなく、タイムラインへの投稿ができます。LINEのトーク画面を見ると下部分のタブに「タイムライン」が出てきます。
ここを押すと、友達追加している全員の投稿が時系列で表示されます。タイムラインとメッセージの大きな違いは、友達追加されていない人にもアプローチができるところです。
既に友達追加している顧客がタイムラインへの投稿をシェアしてくれると、シェアしてくれた顧客の友達のタイムラインに情報が渡ります。シェアを繰り返していけばより多くの人の目に触れるようになり、友達追加の増加や集客効果が見込めます。
また、タイムラインにはいいねボタン機能やコメント機能が備わっているため、気軽にコミュニケーションが取れるところもメリットです。
タイムラインへの投稿は
・より多くの人に情報を拡散したい
・顧客のリアクションをすぐに確認したい
という場合に向いている機能です。
5-4.LINEコール
LINEコールとは、友達追加した顧客と無料通話ができるサービスです。企業や店舗の電話番号を知らなくてもLINE経由で通話ができるため、迅速な対応ができます。
LINEコールは、下記の設定ができるところが特徴です。
①いつでも顧客側から通話ができる設定
LINE公式アカウントのプロフィール画面に通話ボタンを表示し、いつでも顧客側から通話を開始できるようにする設定です。
LINEコールはURLやQRコードの発行ができるため、LINEコールでの通話を広く周知させることも可能です。固定電話の代わりに使いたい場合や、常に顧客とコミュニケーションを取れる状態にしたい場合に向いています。
②必要に応じて企業や店舗側から通話申請をする設定
常に顧客の通話対応をすることが難しい場合は、企業や店舗側から通話申請をする設定ができます。
方法としては顧客とのチャットとのチャット画面に、通話リクエストを送信します。顧客が通話リクエストを承認することで、通話が可能です。
チャットだけでの問題解決が難しい場合や迅速な対応を必要とする場合に、臨機応変な対応ができます。
このように、企業や店舗の活用方法に応じてLINEコールを使い、顧客と円滑なコミュニケーションが取れるようになります。
5-5.ショップカード利用
LINE公式アカウントには、ショップカード機能が備わっています。ショップカードとは購入金額や来店回数などに応じてポイントを付与するもので、ポイントが貯まると特典やプレゼントを受け取れるところが大きな魅力です。
LINE公式アカウントなら紙面のショップカードを用意しなくてもLINE上で発行、管理ができます。ポイントの付与方法は、顧客がポイント付与専用のQRコードを読み取るだけです。手間がかからないので、簡単に導入できます。
紙面のポイントカードは顧客側に管理の手間がかかり、紛失や再発行が起こりやすい問題点がありました。LINE公式アカウント上で管理できるようにすれば顧客の負担感が軽減でき、集客やリピーター獲得に有効活用できます。
5-6.クーポンの送付
LINE公式アカウントでは、タイムラインの投稿やメリット送信時にクーポンを付けることができます。例えば、「来店時に〇〇円引き」「来店時にプレゼント」「〇〇円以上の購入でキャッシュバック」など、顧客が思わず利用したくなるクーポンを用意できます。
クーポンは下記のような設定ができ、販促や集客などの目的に応じた適切な設定が可能です。
クーポンの設定 | |
クーポンタイプ | クーポンの種類は割引・無料・プレゼント・キャッシュバック・その他より選択ができる |
公開範囲 | 「全体」と「友達のみ」の設定ができ、ターゲットを絞り込める |
使用可能回数 | 送付したクーポンの1人あたりの使用可能回数を設定できる |
抽選 | 抽選により当選した人のみクーポンが利用できる設定にできる |
クーポンコード | 店頭ではなくECサイトで利用する場合は、バーコードに代わりコードを発行できる |
中でも、注目したいのは抽選の設定です。一律にクーポンを配布するのではなく当選した人のみが利用できるようにすることで、付加価値を高めます。抽選確率を1%~99%で自由に設定できたり当選人数の条件を設けたりすることが可能です。
クーポンはイベントや新商品発売時など他の集客、販促活動と組み合わせて発行することもでき、戦略的な集客、販促活動ができます。
5-7.リッチメニューの表示
リッチメニューとは、下記のようにトーク画面の下部分に大きく表示されるメニューのことです。必要なメニューを分かりやすくタイル状に表示できるため、顧客の目に留まりやすくなります。
リッチメニューの内容は自由に設定できるため
・問い合わせ先やホームページへの誘導
・クーポンへの誘導
・ショップカードの表示
など、他の機能と組み合わせて顧客を誘導する導線が作れます。ターゲット層に合わせた設定にすることで、集客や販促効果に繋げることができるでしょう。
5-8.利用顧客の分析
LINE公式アカウントでは、友達追加した顧客の分析ができます。顧客の動向を分析することで、より効果の高い集客や販促活動につながります。
分析では、主に下記のような情報を得ることができます。
LINE公式アカウントで分析できる内容の一例 | |
メッセージ送信 | 開封した人数・URLをクリックした人数・動画などのコンテンツを再生した回数などが把握できる |
タイムライン | いいね数・タイムラインへの表示数・「もっと見る」を押して投稿を見た人の数などが把握できる |
クーポン | クーポン表示数・クーポンの利用者数・クーポンを表示した経路などが把握できる |
ショップカード | カード発行枚数・使用率・現在有効なカード枚数などが把握できる |
例えば、クーポンごとの使用枚数を把握していれば、どのようなクーポンを配布すると反響があるのか把握できるようになります。
また、メッセージやタイムラインの閲覧数を把握することで、顧客の好みや気になる情報の傾向が把握できるようになるでしょう。
このように、LINE公式アカウントでは分析もしっかりとできるため、今後の対策や策略に役立てることが可能です。
今回ご紹介した機能は、どのプランでも利用できる基本機能となります。この他にもオプション機能や拡張機能があるので、導入時にはチェックしてみてください。
6.ビジネス利用で差をつける!認定パートナーを活用したLINEビジネスの拡張
6-1.LINE法人向けサービスの認定パートナーとは
LINEの法人向けサービス認定パートナーとは、サービスの拡販や機能追加、改善を積極的に推進する目的で導入された認定プログラムです。
認定パートナーはLINEから豊富な実績と高い信頼性があることを認められているので、安心して依頼ができます。認定パートナーは下記の3つのジャンルに分かれており、支援内容に合わせてパートナーを選ぶことになります。
LINE法人向けサービスの認定パートナーの種類 | |
Sales | 広告商品やアカウントサービスの販売代理資格を持っており、LINEの法人向けサービスの導入支援をするパートナー |
Technology | コミュニケーションや広告、販促やOMOの各領域でLINEが提供するサービスの技術支援を行うパートナー |
Planning | LINE公式アカウントを中心軸とした広告商品、API関連サービスの企画、運用支援をするパートナー |
トランスコスモスは、Sales PartnerとTechnology Partner、Planning Partnerすべての領域において認定パートナーとして認められています。
6-2.認定パートナーにビジネス導入を依頼する3つのメリット
LINE公式アカウントなどLINEの法人向けサービスを導入するときに認定パートナーに依頼すると
・LINEのサービスに精通している
・すでに豊富な実績がある
・課題や目的に合わせて機能拡張ができる
というメリットがあります。どのようなメリットなのか、具体的に見ていきましょう。
6-2-1.LINEのサービスに精通している
認定パートナーは、LINEが提供しているサービスに精通した知識と技術を持っています。認定パートナーになるには、下記のような基準を満たしている必要があります。
認定パートナーになるための基準 | |
Sales | LINEが提供する広告サービス群を対象に累計売上実績等を基準に認定 |
Technology | LINEと連携するツールの仕様共有ができるか、LINEの仕様変更時に対応するスキル・リソースがあるか、要求される技術仕様を保つことができるかなどを基準に認定 |
Planning | LINEの仕組みを活かしたビジネスソリューションの提案ができているか、LINEの勉強会へ積極的に参加する意欲とリソースがあるかなどを基準に認定 |
どの基準もLINEが提供しているサービスを熟知していないと、クリアできません。とくに、Technology PartnerはLINEのサービス仕様や他ツールとの連携方法などを把握していることが必要です。
LINEのサービスに精通しているからこそできることとできないことを事前に把握しており、企業の課題に合わせた的確な提案ができます。
6-2-2.すでに豊富な実績がある
認定パートナーになるには一定の実績があり、実績が高い評価を受けている必要があります。既に豊富な実績があり多くの企業のLINE公式アカウントの導入や改善に携わっているため、安心して依頼できるところが大きなメリットです。
実績が不足していると、どうしても提案できることや拡張の幅が狭くなってしまいます。認定パートナーなら過去の事例や導入方法を参考に提案を受けることができるのはもちろんのこと、どのような導入方法が最善なのか豊富な知識や技術をもとに提案してもらえます。
6-2-3.課題や目的に合わせて機能拡張ができる
LINE公式アカウントの導入なら自力でできるかもしれませんが、課題に合わせた活用方法や他のシステムとの連携は専門的な知識がないと実施できません。
認定パートナーは今までの経験や知識を活かして、課題や目的に応じた提案ができます。場合によってはLINE公式アカウントと他チャネルを組み合わせることで機能を拡張し、価値の高いサービスを構築できる可能性があります。具体的な事例は、次の章で詳しくご紹介します。
7.LINE公式アカウントを有効活用している4つの事例
最後に、トランスコスモスのLINE公式アカウントを活用した事例をご紹介します。トランスコスモスはLINEの認定パートナーなので、豊富な経験と知識があります。
実際にどのようにLINE公式アカウントを活用しているのか参考になるかと思うので、ぜひチェックしてみてください。
7-1.九州産業大学キャリア支援センターLINE公式アカウント
九州産業大学キャリア支援センターでは長引く新型コロナウイルスの影響により、対面式での就職支援がしにくくなったという課題を抱えていました。
そこで、「KANAMETO」(トランスコスモスとLINE株式会社、株式会社セールスフォース・ドットコムの合弁会社であるtranscosmos online communications株式会社が開発・提供しているLINEを活用したDXツール)とLINE公式アカウントを併用し、学生の進路選択や就職活動をサポートする情報発信を始めました。
・学生の進路に合わせて送信する情報を変更するセグメント配信を実施
・就職活動に関わるFAQを設置
・24時間問い合わせができるチャットボットの搭載
・求人票や必要書類がすぐに確認できる導線の確保
などを行い、学生の不安や悩みを解消し希望の情報を受け取れる導線を重視しました。チャットボットやFAQをLINE公式アカウントのリッチメニューに配置することで、必要なときにすぐに利用できるところが特徴です。
「KANAMETO」とLINE公式アカウントを上手に活用することで、課題解決を目指す好事例だと言えます。
参考:「九州産業大学の在学生向け就職支援におけるLINEの活用を支援」
7-2.ドモホルンリンクルLINE公式アカウント
株式会社再春館製薬所では、ドモホルンリンクルを始め基礎化粧品や医薬部外品の製造、販売を行っています。
顧客とのやり取りの中で購入チャネルが電話からインターネットに移行していることを肌で感じており、デジタルでも顧客の気持ちに寄り添える質の高いコミュニケーションの実現ができないかと検討していました。
そこで提案したのが、LINE公式アカウントでの有人チャット対応や既存会員向けID連携などのLINE活用施策です。
トランスコスモスが独自開発したAPI連携プラットフォーム「DEC Connect」をハブとして、LINEのMessaging API やトランスコスモスが提携する米国Reply, Inc.の「Reply.ai」、オラクルの「Oracle Service Cloud」を接続し、LINE上での問い合わせに対応できるシステムを構築したところが特徴です。
顧客はまずLINE公式アカウントでチャットボットとやり取りをします。その後有人チャットに引き継ぐことで、質の高いコミュニケーションを実現。この他にLINE公式アカウントではメッセージ送信やFAQへの案内、既存会員向けのID連携機能も備わっています。
ドモホルンリンクルLINE公式アカウントではサービス開始から半年間で、LINEで相談した顧客の翌月リピート率が従来の3.4%増加、翌月購入単価が平均500円増加、クリック率はメールとの比較で最大17.9倍に向上したなどの成果が見られています。
7-3.淡路市LINE公式アカウント
淡路市では市政情報配信を通じて市民とのつながりを深め、将来にわたり住み続けたい、訪れたいと感じる街づくりを推進できないか検討していました。
そこで、「KANAMETO」(トランスコスモスとLINE株式会社、株式会社セールスフォース・ドットコムの合弁会社であるtranscosmos online communications株式会社が開発・提供しているLINEを活用したDXツール)とLINE公式アカウントを併用し、市民向けの市政情報配信はもちろん、市外に住み地域との関わりや関心を持つ人向けの情報発信を開始しました。
市民向け情報発信では、子育てや医療、福祉など利用者が知りたい情報に合わせてセグメント配信を実施。「KANAMETO」の防災メール連携ソリューションを活用し、災害等の緊急情報をLINE経由で発信できるようにしました。
市外に住み地域との関わりや関心を持つ人向けの情報発信では、観光やふるさと納税、移住支援など興味が持てる情報の発信を実施しています。
1つのアカウントを上手に活用し、2つの異なるターゲット層に向けた情報発信ができている事例だと言えます。
参考:「兵庫県淡路市の市民・関係人口向け情報配信におけるLINEの活用を支援開始」
7-4.ENOTECA(エノテカ)LINE公式アカウント
「FOR ALL WINE LOVERS 」の理念の下、ワインショップ事業、通販事業、卸事業を展開されているエノテカ株式会社は、以前より店舗・ ECへの送客を目的に LINE 公式アカウントを活用され、セール情報の配信やチャットボットを利用したおすすめワインを紹介するソムリエ機能などを実装、店舗・ECへの送客を実施していました。
LINEアカウントの利便性を高め来店動機を更に高めていくために、トランスコスモスのAPI連携プラットフォーム「DEC Connect」を導入いただき、デジタル会員証や店舗検索、お気に入り店舗登録などアカウント内の機能を拡充、「DEC Connect」とCRM、ECと連携することでお気に入りに登録した店舗別の情報発信などを実施されています。
これまでの紙の会員証をLINE上にデジタル会員証として実装することで、アプローチできる新規会員数が約300%にアップし、LINEアカウントの友達登録数も大幅に増加しています。
LINE法人向けサービスにおいて、Technology、Planningにおける Partnerであるからこそ、バックヤードを理解したうえで様々な支援が可能になっております。
参考:「【導入事例】デジタル会員証で店舗とECをつなぐワインショップ ENOTECA(エノテカ)/ LINE公式アカウント活用事例」
まとめ
いかがでしたか?LINEをビジネス利用する方法が把握でき、LINE公式アカウントの導入を検討できるようになったかと思います。
最後にこの記事の内容をまとめてみると
◎LINEをビジネス利用する方法は次の2つ
LINE | ビジネス版のLINEでビジネスシーンで役立つ機能を搭載している |
LINE | 顧客に自社の商品やサービスをPRしたり顧客とコミュニケーションを取ったりするマーティング手段として使えるサービス |
◎LINE公式アカウントをビジネス利用するメリットは次の5つ
1)SNSの中でも利用者数が多いので顧客にアプローチしやすい
2)クーポン送付やショップカードなど集客や販促につながる機能が備わっている
3)メールに比べて開封率が高く顧客の目に留まりやすい
4)LINEコールやチャット機能があるので常に顧客とコミュニケーションが取れる状態を作れる
5)無料プランがあるため月額費や初期費用をかけなくてもスタートできる
◎LINE公式アカウントのビジネス利用が向いているのは次の4つのケース
1)LINEは利用者が多いのでできるだけ多くの顧客にアプローチしたい場合
2)クーポン送付やショップカードを活用し再購入や再来店など次の行動につなげたい場合
3)顧客とのつながりを強化したい場合
4)フリープランからスタートしてコストを抑えながらサービスや商品のPRをしたい場合
◎LINE公式アカウントをビジネス利用するときの注意点は次の3つ
1)利用者は多いがLINEを利用していない一部の人にはアプローチできない
2)1ヵ月に送信するメッセージ数に応じてプランが変わりコストがかかる場合がある
3)顧客情報を取り扱うのでセキュリティ対策が必要
◎LINE公式アカウントの基本機能は次の8つ
LINE公式アカウントの基本機能 | |
メッセージ送信 | 友達追加した顧客に対してメッセージの送信ができる |
LINE上での | 友達追加をした顧客と一対一でのチャット対応ができる |
タイムライン | LINEのタイムライン上への投稿ができる |
LINEコール | 友達追加した顧客と無料通話ができる |
ショップカード利用 | LINE公式アカウント上でショップカードの発行、管理ができる |
クーポンの送付 | 友達追加した顧客に対して割引やプレゼントなどのクーポンを送付できる |
リッチメニューの表示 | トーク画面の下部分に大きくメニュー表示ができる |
分析 | LINE公式アカウント利用顧客の分析ができる |
◎LINEの法人向けサービス認定パートナーとは、サービスの拡販や機能追加、改善を積極的に推進する目的で導入された認定プログラム。
認定パートナーはLINEから豊富な実績と高い信頼性があることを認められているので、安心して依頼ができる。
◎LINEの法人向けサービス認定パートナーを利用するメリットは次の3つ
1)LINEの認定水準をクリアした技術と知識がありLINEのサービスに精通している
2)認定パートナーになるには実績が必要なのですでに豊富な実績がある
3)企業や店舗が抱えている課題や目的に合わせて機能拡張ができる
この記事をもとに、LINEを活用した戦略的な集客、販促活動ができるようになることを願っています。