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LINEをビジネス利用する2つの方法・活用例・注意点を解説

この記事で学べること

10代から60代の90%以上が利用しているLINEを企業やブランド、店舗での活用をよく見かけます。ビジネスへの導入のメリットや注意点を理解し、集客や販促の参考にしてください。

  • LINEをビジネス利用する方法:「LINE WORKS」と「LINE 公式アカウント」の2つ方法があります。
  • LINE公式アカウントをビジネス利用するメリット:LINEの利用率の高さ、集客や販促につながる機能、メッセージの開封率の高さ、常に顧客とコミュニケーションが取れる状態を作れるといった4つのメリットがあります。
  • LINE公式アカウントを利用する際の注意点:友だち追加していない人やLINE利用していない顧客 へのアプローチ、メッセージ数に応じた費用発生、セキュリティ対策について注意が必要です。

「LINEをビジネス利用する方法が分からない」
「LINEを使って集客や販売促進活動を行いたい」

現在、10代から60代の90%以上がコミュニケーションツールとしてLINEを使用しています。
この多くの利用者を背景に、ビジネスシーンでも有効活用することが求められています。

年代別のLINE利用率を表したグラフ

参考:総務省情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

LINEをビジネス利用する方法として、「LINE WORKS」と「LINE公式アカウント」の2つがあります。

【LINEをビジネス利用する方法】

LINE WORKS

・ビジネス版のLINE
・ビジネスシーンで役立つ機能を搭載
・主に社内や面識のある社外の人とのコミュニケーション向け

LINE公式アカウント

・自社の商品やサービスのPR
・クーポン配信し、継続購入の促進
・LINEチャットで顧客とコミュニケーション

幅広い層の顧客をターゲットとしたビジネス利用には、LINE公式アカウントが適しています。
集客や販促活動に効果的な機能があり、すでに多くの企業やブランドで導入されています。

LINE公式アカウントの導入メリットや機能を理解し、導入の検討を行うことが重要です。
本記事では、LINE公式アカウントに焦点を当て、メリットや機能、事例を詳しく解説します。

この記事を最後まで読むことで、LINEをビジネス利用する方法が理解でき、集客や販促活動へ活用できるようになるでしょう。ぜひ、LINEをビジネスで活用してみてください。

1.LINEをビジネス利用する2つの方法

LINEをビジネス利用する2つの方法

冒頭でも解説した通り、LINEをビジネス利用する方法は、「LINE WORKS」と「LINE 公式アカウント」の2つがあります。

【LINEをビジネス利用する方法】

LINE WORKS

・概要:ビジネス向けのコミュニケーションツール。
・機能:個人のLINEと同様にチャット、音声・ビデオ通話、写真の共有が可能。
・用途:主に社内または面識のある社外の人とのコミュニケーションに適しています。

LINE 公式アカウント

・概要:顧客に自社の商品やサービスをPRし、顧客とコミュニケーションを取るマーティング手段。
・機能:メッセージ配信、クーポンやショップカードの他、チャット機能を使って顧客やユーザーとやり取りを行うことができます。
・用途:「友だち」となっている顧客やユーザーに直接メッセージを送り、集客や販促につながる施策を講じることができます。

それぞれのサービス内容やビジネスにおける活用方法について、以下で詳しく解説します。

1-1.LINE WORKS

LINE WORKSはビジネス向けのコミュニケーションツールで、基本的な使い方は個人用LINEと同じです。社員間でのチャット、音声通話、ビデオ通話、写真やファイルの共有が可能です。

よりLINE WORKSを理解するために、個人のLINEとの比較を行います。

【LINE WORKSとLINEの違い比較表】

機能/特徴

LINE WORKS

LINE

用途

ビジネス用

プライベート用

トーク

音声/ビデオ通話

アンケート/投票

掲示板

×

ユーザー管理

管理者が登録したユーザー

誰とでも自由につながる

ユーザーの登録方法

専用のID・パスワード

電話番号

データの保存先

クラウド

端末

監査機能

管理者がトークを確認可能

×

個別の既読確認
(グループチャット)

×

複数端末での利用

○(メイン端末・サブ端末)

このように、LINE WORKSはビジネス利用を前提に設計されており、ビジネスシーンでさまざまな活用が可能です。

【LINE WORKSをビジネス利用する場合の活用例】

◆戸建て住宅メーカー
・顧客と迅速にメッセージや資料の共有を実施。
・協力会社と工事の進捗状況や図面等をリアルタイムで共有。

◆地方自治体(市役所)
・市長や職員がチャットで気軽にコミュニケーション。
・予定の共有や会議室の予約をグループウェアとして活用。

◆機械メーカー
・掲示板機能を利用して、経営層のビジョンや案件受注報告、議事録、業務フローなどを一斉周知。
・外部の協力会社とのコミュニケーションにもチャットを活用。

◆建設業
・連絡手段を電話からLINE WORKSのトークに切り換え、職人との情報共有を円滑に。

◆NPO法人
・出退勤前の自動リマインド機能で打刻忘れを防止。

このように、LINE WORKSはさまざまな業界での活用が進んでいます。

LINE WORKSがおすすめのケース

・プライベートと分けて利用できる社内向けコミュニケーションツールを探している。
・ビジネスシーンで使いやすいコミュニケーション手段を希望している。

【料金プランの種類】

機能/特徴

フリー

スタンダード

アドバンスト

利用料金(月額契約)

0円

540円

960円

メンバー数上限

30人

制限なし

制限なし

共有ストレージ容量

5GB

1TB +
1GB追加/1メンバー

100TB +
1GB追加/1メンバー

トーク (チャット機能)

音声/ビデオ通話/画面共有

4人まで
最大60分

200人まで
時間制限なし

200人まで
時間制限なし

掲示板

○(上限:10個まで)

○(上限:300個まで)

○(上限:300個まで)

カレンダー

タスク

アンケート

アドレス帳

○(上限:500件)

○(上限:10万件)

○(上限:10万件)

メール

Drive

(オプション)

管理者機能

制限あり

1-2.LINE法人向けソリューション

LINEの法人向けソリュ―ションは、以下の4つのサービスに分かれています。

分類

概要

提供サービス

1.コミュニケーション

顧客と企業・店舗との距離を縮めるサービス。

・LINE公式アカウント
・LINE通知メッセージ
・LINEミニアプリ
・LINEマーケットプレイス
・LINEプロモーションスタンプ
・LINE STAFF START

2.広告

LINEやYahoo! JAPANに静止画や動画の広告を配信するサービス。

・Yahoo!広告
・LINE広告

3.販促

LINE上でチラシ表示や店舗集客、キャンペーン参加を行うサービス。

・LINEで応募
・LINEチラシ
・LINEポイントAD

4.データソリューション

Yahoo! JAPANと関連企業が保有するデータを活用やLINEのデータを統合・分析・活用するサービス。

・Yahoo!JAPANデータマーケティングソリューション
・LINE DATA SOLUTION

その中でも、LINE公式アカウントは、顧客に自社の商品やサービスをPRし、顧客とのコミュニケーションを取るためのマーケティング手段として利用できます

企業やブランドのLINE公式アカウントを開設し、顧客に友だち追加をしてもらうことで、以下のような活用ができます。

【LINE公式アカウントをビジネス利用する場合の活用例】

◆インテリアショップ(ECサイト)
・月に4~5回、インテリア商品の動画を配信し、リンクを送信して自社のECサイトへ誘導。
・友達追加をしてくれた顧客に対してクーポンを配布し、顧客維持を図る。

◆飲食店
・リッチメニューからテイクアウトや貸切予約を受け付ける。

◆金融・保険
・保険商品に関する情報など、自社に関連したお役立ち情報を発信。
・災害時にはLINEチャットで顧客とコミュニケーションを取り、保険金支払いまでの期間を短縮。

◆まつ毛エクステ専門店
・ショップカードのポイント付与を行う。
・LINEでの予約システムを導入。
・割引キャンペーン情報をLINEで配信。
・顧客とのコミュニケーションツールとしてLINEを活用し、顧客維持を実施。

◆化粧品メーカー
・顧客の購買履歴や属性データを分析し、個々のユーザーにパーソナライズされたメッセージを配信。
・LINEポイントを活用したキャンペーンを実施し、ポイント付与による購買意欲の向上を図る。
・定期的なクーポン配信や限定商品の案内など、LINE経由での特典を充実させる。
・チャットボットを導入し、顧客からの問い合わせに24時間対応できる体制を整備。

このように、LINE公式アカウントを活用することで、顧客との接点を持ち続けることが容易になります。

従来、ハガキDMやダイレクトメールなど一方的な情報配信が主流でしたが、継続した接触や顧客からのアクションの取得が大きなハードルとなっていました。

LINE公式アカウントを利用することで、顧客がブロックしない限り、手間やコストをかけずにクーポンや情報を継続的に配信できます。

さらに、LINEチャットやLINEコールを利用することで、顧客からの連絡にも対応でき、常にコミュニケーションを維持できます

【LINE公式アカウントの料金プランと機能】

コミュニケーションプラン

ライトプラン

スタンダードプラン

月額

0円

5,000円

15,000円

無料メッセージ

200通

5,000通

30,000通

追加メッセージ

×

×

○(~3円/通)

基本機能

・メッセージ配信
・LINEチャット
・ショップカード
・クーポン
・リッチメニュー
・プロフィール
・ステップ配信
・オーディエンス
・LINEコール
・リサーチ
・LINE VOOM
・メンバーシップ

オプション

・チャットProオプション
・プレミアムID

次の章からは、企業やブランド、店舗の販促、集客活動に役立つLINE公式アカウントについて詳しく解説していきます。

2.LINE公式アカウントをビジネス利用する4つのメリット

LINE公式アカウントをビジネス利用する4つのメリット

LINE公式アカウントをビジネス利用するメリットには、以下の4つがあります。

1.利用者数が多く顧客にアプローチしやすい
2.集客や販促につながる機能が備わっている
3.メールのように埋もれることなく開封率が高い
4.常に顧客とコミュニケーションが取れる状態を作れる

それぞれのメリットが、どのようにビジネスに役立つのかを詳しく見ていきましょう。

2-1.利用者数が多く顧客にアプローチしやすい

LINEは、FacebookやX(旧Twitter)などの他のSNSに比べて、利用者数が圧倒的に多いです。

総務省情報通信政策研究所の「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、LINEの利用率は10代~60代で90%を超えています

年代別のLINE利用率を表したグラフ

参考:総務省情報通信政策研究所「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

以下は、年代別の主なSNSの利用率の比較です。特に、50代や60代では、LINEの利用率が他のSNSの2倍以上となっています。

【年代別】主なSNSごとの利用率】

LINE

X(旧Twitter)

Facebook

Instagram

10代

93.6%

62.1%

13.6%

75.0%

20代

97.7%

78.0%

22.9%

78.0%

30代

97.9%

61.6%

39.2%

70.5%

40代

94.8%

48.7%

38.6%

67.0%

50代

94.5%

43.6%

32.1%

52.7%

60代

91.1%

22.1%

26.6%

34.7%

70代

71.8%

8.1%

8.1%

10.4%

参考:総務省情報通信政策研究所「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

利用者の少ないSNSで宣伝活動や集客活動を行っても、目に留まる機会が限られ、思ったような効果を得ることは難しいです。LINEは世代を問わず普及しているため、効率よく顧客にアプローチできる点が大きな魅力です。

2-2.集客や販促につながる機能が備わっている

LINE公式アカウントは、単にメッセージを発信するだけでなく、集客や販促に直結する機能を備えています。無料で利用できる集客や販促に役立つ主な機能は以下の通りです。

LINE公式アカウントの集客や販促に直結する機能

1.クーポン

メッセージやタイムラインに配信できるクーポンを作成可能。「〇〇円オフ」や「来店時にプレゼント贈呈」など、企業や店舗の戦略に合った特典を用意できます。顧客の目に留まりやすく、購入や来店のきっかけを作ることができます。

2.ショップカード

デジタルショップカードを発行し、利用回数や購入金額に応じてポイントを貯めることができます。顧客のロイヤルティを高めるのに役立ちます。

3.リサーチ

投票形式やアンケート形式でユーザーの嗜好や意見を集められるリサーチページを作成・配信できる機能です。
アンケート内容は自由に設定でき、回答者にはクーポンのプレゼントなども可能です。顧客のニーズや不満を把握することは、マーケティングにおいて重要です。

顧客からの情報収集に悩む企業が多い中、LINE公式アカウントを活用することで、自由に質問を設定し、簡単にアンケートを実施できます。これにより、販促活動や商品開発、集客活動に有効なデータを得ることが可能です。

このように、集客や販促に役立つ機能を兼ね備えているのは、LINE公式アカウントならではの特長です。

2-3.メールのように埋もれることなく開封率が高い

LINE公式アカウントの開封率

少し前までは、LINEではなく、メールでの販促活動や集客活動が主流でした。
しかし、メールの開封率は15~20%程度と低く、多くの顧客に一斉送信しても、目に触れない可能性が高いことが大きな課題でした。

さらに、メールでの販促活動を行う企業が増えた結果、顧客に届くメール数が増加し、以下のような問題が生じています。

・自社のメールが埋もれてしまう
・迷惑メールフォルダに振り分けられることで、販促や集客効果が見込めない

一方、LINE公式アカウントでは、その日のうちの開封率が約80%と非常に高いです。このため、大切な情報が顧客の目に触れやすく、メールよりも高い反響率が期待できます。

LINEには通知機能があるため、配信の確認ができ、情報が埋もれることはありません。また、迷惑メールフォルダが存在しないため、顧客が意図的にブロックしない限り、確実に情報が届きます。

このように、LINE公式アカウントはメールによる販促活動や集客活動の欠点をカバーし、より効果的な販促・集客活動を実現することができます。

2-4.常に顧客とコミュニケーションが取れる状態を作れる

LINE公式アカウントは、顧客に友だち登録をしてもらうことで、情報発信や問い合わせ対応を通じて、常にコミュニケーションが取れる関係を構築できます。

近年、スマートフォンやインターネットの普及により、SNSやホームページなど顧客との接点が増えました。リアルで会わなくても、オンライン上での接点が顧客体験(CX)となり、そこに価値を見出す顧客が増えています。

・どのように商品やサービスを購入できるのか
・どのようなフォローが受けられるのか

といった情報が、企業やブランドとの関わりを通じて価値ある顧客体験となります。

LINE公式アカウントを利用することで、一斉メッセージ送信だけでなく、通常のLINEと同様に顧客と一対一でのコミュニケーションが可能になります。顧客との常時コミュニケーションを実現できるのは、LINE公式アカウントならではの大きなメリットです。

3.LINE公式アカウントのビジネス利用が向いているケース

LINE公式アカウントのビジネス利用が向いているケース

LINE公式アカウントの魅力が十分に理解できたところで、ビジネス利用を検討している方も多いかと思います。ここでは、LINE公式アカウントのビジネス利用が特に向いている4つのケースをご紹介します。

LINE公式アカウントのビジネス利用が向いている4つのケース

・できるだけ多くの顧客にアプローチしたい場合
・再購入や再来店など次の行動につなげたい場合
・顧客とのつながりを強化したい場合
・コストを抑えながらサービスや商品のPRをしたい場合

これらのケースに該当するかどうかを確認し、LINE公式アカウントのビジネス利用を検討してみてください。

3-1.できるだけ多くの顧客にアプローチしたい場合

LINE公式アカウントは、多くの顧客と情報共有やコミュニケーションを取りたい場合に非常に適しています。

2-1.利用者数が多く顧客にアプローチしやすい」でも述べたように、LINEは他のSNSに比べて格段に利用率が高いです。特に、10代~60代の利用率は90%を超えているため、この世代をターゲットにした場合、より多くの顧客にアプローチできるでしょう。

また、LINEは開封率が高いため、一度接点を持てれば、ブロックされない限りクーポンや情報を継続的に提供できます。高い開封率で多くの顧客にアプローチすることで、反響率を高めることが期待できます。

・一人でも多くの顧客に情報を拡散したい
・多くの顧客の目に留まる方法でアプローチし、反響率を高めたい

このようなニーズがある場合には、LINE公式アカウントの活用をおすすめします。

3-2.再購入や再来店など次の行動につなげたい場合

一度サービスや商品を購入した顧客をターゲットに、再購入や再来店を促したい場合にもLINE公式アカウントが効果的です。LINE公式アカウントには、リピーター獲得や顧客の購買、来店を促進する以下の機能が備わっています。

顧客の購買、来店を促進する機能

1.ショップカード

LINE上でポイントカードの発行管理ができます。
利用データの分析も可能です。
サービス利用や来店に応じてポイントが貯まり、再来店や再購入のきっかけを提供します。

2.クーポン

来店時に使用できるクーポンを作成し、メッセージとして配信することができます。
特に、割引クーポンや次回来店クーポンを活用することで、顧客の次の行動を促進できます。

初回購入時や来店時にLINE公式アカウントを友だち追加してもらうフローを組み込むことで、より効果的な運用が可能です。

・リピーターや再来店、再購入を増やしたい
・初回購入や初回来店が多く、その後のフォローができていない

このような課題を抱えている場合には、LINE公式アカウントを活用してみることをおすすめします。

3-3.顧客とのつながりを強化したい場合

LINE公式アカウントは、友だち追加をしてもらうことで、ブロックされない限り顧客とのつながりを維持できます。一度商品を購入した顧客や店舗に来店した顧客といつでもコミュニケーションを取れる関係を維持するのは難しいものです。

メールやハガキなどのDMは一方的なつながりになることが多く、顧客からのアクションが少ない傾向があります。一方、LINE公式アカウントにはLINEトークやチャット機能があり、顧客が気になることや質問があるときに手軽に連絡できます。

企業や店舗と顧客の双方が発信できるため、より深いつながりを感じられます。顧客とのコミュニケーションの質は、顧客満足度の向上に直接影響を与えます。

・顧客と手軽に連絡できるツールを設けたい
・いつでも顧客とコミュニケーションが取れる環境を整えたい

このようなニーズがある場合には、LINE公式アカウントが非常に向いています。

なお、顧客との接点については、こちらの記事で詳しく解説しています。

3-4.コストを抑えながらサービスや商品のPRをしたい場合

企業や店舗の集客や販促活動は、意外とコストがかかります。一時的なコストならまだしも、店舗やブランド、企業を存続させるには継続的な投資が必要です。そのため、どのような方法を選ぶべきか悩むことも多いでしょう。

メッセージ送信数によって料金が決まるため、友だち登録者数が増えてもメッセージ送信回数を調整することでコストを抑えられます。

サービスや商品のPRのためにイベントやチラシ作成、メディア露出を行うと膨大なコストがかかりますが、LINE公式アカウントなら低コストで顧客一人ひとりにアプローチすることが可能です。

4.LINE公式アカウントをビジネス利用するときの注意点

LINE公式アカウントをビジネス利用するときの注意点

LINE公式アカウントを開設する前に知っておきたい注意点は以下の3つです。

・LINEを利用していない人にはアプローチできない
・1ヵ月に送信するメッセージ数に応じてコストがかかる
・セキュリティ対策が必要

これらの注意点を理解しておくことで、開設後に慌てることがなくなります。

4-1.LINEを利用していない人にはアプローチできない

LINE公式アカウントは、LINEを通じて友だち追加をした顧客に対して情報を発信する運用です。
そのため、次のような顧客にはアプローチできません。

・LINE公式アカウントを友だち登録していない人
・LINEを利用していない人
・スマートフォンを持っていない人

このような場合、友だち追加をしてもらうのに時間と手間がかかり、顧客にとって負担となる可能性があります。

2-1.利用者数が多く顧客にアプローチしやすい」でも述べたように、LINEの利用率は非常に高いですが、すべての人が必ずしも使用しているわけではないことを念頭に置いておきましょう。

4-2.メッセージ数に応じてコストがかかる

LINE公式アカウントは無料で始められますが、プランにより配信可能なメッセージ数が異なります

【LINE公式アカウントのプラン一覧】

コミュニケーションプラン

ライトプラン

スタンダードプラン

月額

0円

5,000円

15,000円

無料メッセージ

200通

5,000通

30,000通

追加メッセージ

×

×

○(~3円/通)

ここで注意したいのは、メッセージ数のカウント方法です。

「メッセージを送った回数」×「送った友だちの数」を「通数」としてカウントするため、LINE公式アカウントの登録者数が1,000人いる場合、月に1回一斉にメッセージを送信するだけで1,000通に達します。

LINE公式アカウントの目標登録者数を設定する際には、どのくらいのコストがかかるかをあらかじめ検討しておくことが重要です。

4-3.セキュリティ対策が必要

LINE公式アカウントを作成することで、多くの顧客と接点を持つことができます。しかし、情報漏えいや不正利用などが発生すると、企業やブランドのイメージダウンや信頼関係の損失につながる恐れがあります。

LINEヤフー社は再発防止策に取り組んでいますが、2023年9月から10月にかけて不正アクセスによる情報漏えいが発生し、約30.3万人(うち日本ユーザー13.0万人)の 個人データが流出しました。

2023年11月時点では、ユーザー情報や取引先情報を利用した二次被害は見受けられませんでしたが、身近なところで不正ログインや乗っ取りが起きている事実は無視できません。

企業やブランドのLINE公式アカウントを運用する以上、セキュリティ強化などの対策を導入する必要があります。

参考:LINEヤフー社「不正アクセスによる情報漏えいへの再発防止策及び進捗状況

5.LINE公式アカウントを有効活用している4つの事例

LINE公式アカウントを有効活用している4つの事例

最後に、トランスコスモスがLINE公式アカウントを活用した具体的な事例をご紹介します。トランスコスモスはLINEの認定パートナーであり、豊富な経験と知識を持っています。

実際にどのようにLINE公式アカウントを活用しているのかを知ることで、参考になる情報が得られるでしょう。ぜひチェックしてみてください。

5-1.九州産業大学キャリア支援センターLINE公式アカウント

九州産業大学キャリア支援センターでは、長引く新型コロナウイルスの影響で対面式の就職支援が難しくなったという課題に直面しました。

そこで、トランスコスモスとLINE株式会社、株式会社セールスフォース・ドットコムの合弁会社であるtranscosmos online communications株式会社が開発・提供しているDXツール「KANAMETO」とLINE公式アカウントを併用し、学生の進路選択や就職活動をサポートする情報発信を開始しました。

「KANAMETO」とLINE公式アカウントを併用した情報発信システムの概要

主な取り組み内容は以下の通りです。

・学生の進路に合わせて送信する情報を変更するセグメント配信
・就職活動に関するFAQの設置
・24時間対応可能なチャットボットの搭載
・求人票や必要書類をすぐに確認できる導線の確保

これにより、学生の不安や悩みを解消し、必要な情報を受け取れる環境を整えました。特に、チャットボットやFAQをLINE公式アカウントのリッチメニューに配置することで、必要なときにすぐにアクセスできる点が特徴です。

「KANAMETO」とLINE公式アカウントを上手に活用することで、課題解決を目指す好事例と言えます。

参考:トランスコスモス「九州産業大学の在学生向け就職支援におけるLINEの活用を支援」

5-2.ドモホルンリンクルLINE公式アカウント

株式会社再春館製薬所は、ドモホルンリンクルをはじめとする基礎化粧品や医薬部外品の製造・販売を行っています。

顧客とのやり取りの中で、購入チャネルが電話からインターネットに移行していることを実感し、デジタルでも顧客の気持ちに寄り添える質の高いコミュニケーションの実現を検討していました。

そこで提案したのが、LINE公式アカウントでの有人チャット対応や既存会員向けID連携などのLINE活用施策です。

トランスコスモスが独自開発したAPI連携プラットフォーム「DEC Connect」をハブとして、LINEのMessaging API や、トランスコスモスが提携する米国Reply, Inc.の「Reply.ai」、オラクルの「Oracle Service Cloud」を接続し、LINE上での問い合わせに対応できるシステムを構築しました。

ドモホルンリンクルLINE公式アカウントでの問い合わせ対応システムの概要

顧客はまずLINE公式アカウントでチャットボットとやり取りを行い、その後有人チャットに引き継ぐことで、質の高いコミュニケーションを実現しています。他にも、LINE公式アカウントではメッセージ送信やFAQへの案内、既存会員向けのID連携機能を備えています。

ドモホルンリンクルLINE公式アカウントでは、サービス開始から半年間で、LINEで相談した顧客の翌月リピート率が従来より3.4%増加し、翌月の購入単価が平均500円増加、クリック率はメールとの比較で最大17.9倍に向上するなどの成果が見られています。

参考:トランスコスモス「再春館製薬所の「LINEでお肌相談」導入を支援」

5-3.淡路市LINE公式アカウント

淡路市では、市政情報の配信を通じて市民とのつながりを深め、「住み続けたい」「訪れたい」と感じる街づくりを推進することを検討していました。

そこで、トランスコスモスとLINE株式会社、株式会社セールスフォース・ドットコムの合弁会社であるtranscosmos online communications株式会社が開発・提供しているDXツール「KANAMETO」とLINE公式アカウントを併用し、市民向けの市政情報配信だけでなく、市外に住む人々への情報発信も開始しました。

市民向けの情報発信では、子育て、医療、福祉など利用者が知りたい情報に応じてセグメント配信を実施しました。また、「KANAMETO」の防災メール連携ソリューションを活用し、災害などの緊急情報をLINE経由で迅速に発信できるようにしています。

淡路市LINE公式アカウントのリッチメニュー

市外に住む人々向けの情報発信では、観光、ふるさと納税、移住支援など、興味を持てる情報を提供しています。1つのアカウントを上手に活用し、異なる2つのターゲット層に向けた情報発信を実現している好事例と言えます。

参考:トランスコスモス「兵庫県淡路市の市民・関係人口向け情報配信におけるLINEの活用を支援開始」

5-4.ENOTECA(エノテカ)LINE公式アカウント

「FOR ALL WINE LOVERS 」という理念のもと、ワインショップ事業、通販事業、卸事業を展開しているエノテカ株式会社は、以前より店舗や ECへの送客を目的に LINE 公式アカウントを活用しています。

セール情報の配信や、チャットボットを利用したおすすめワインを紹介するソムリエ機能を実装し、店舗やECへの送客を行っていました。

LINEアカウントの利便性を高め、来店動機をさらに促進するために、トランスコスモスのAPI連携プラットフォーム「DEC Connect」を導入しました。

このプラットフォームにより、デジタル会員証や店舗検索、お気に入り店舗登録など、アカウント内の機能を拡充し、「DEC Connect」とCRM、ECとの連携を実現しています。

エノテカLINE公式アカウントに「DEC Connect」を導入

「DEC Connect」を導入したエノテカLINE公式アカウントのシステム概要

紙の会員証をLINE上でデジタル会員証として実装した結果、アプローチできる新規会員数が約300%増加し、LINEアカウントの友だち登録数も大幅に増加しました。

LINE法人向けサービスにおいて、TechnologyおよびPlanningのパートナーであるため、バックヤードを理解した上で様々な支援が可能となっています。 

参考:トランスコスモス「【導入事例】デジタル会員証で店舗とECをつなぐワインショップ ENOTECA(エノテカ)/ LINE公式アカウント活用事例」

まとめ

いかがでしたか?この記事を通じて、LINEをビジネス利用する方法について理解が深まり、LINE公式アカウントの導入を検討できるようになったかと思います。

最後に、この記事の内容を以下にまとめます。

・LINEをビジネス利用する方法は次の2つ

1.LINE WORKS

ビジネス版のLINEで、社内や面識のある社外の人とのコミュニケーションに役立つ機能を搭載しています。

2.LINE公式アカウント

顧客に自社の商品やサービスをPRしたり、顧客とコミュニケーションを取ったりするためのマーケティング手段として利用できるサービスです。

・LINE公式アカウントをビジネス利用するメリット
LINE公式アカウントをビジネスで利用することには、以下の4つのメリットがあります。

1.利用者数が多く顧客にアプローチしやすい
SNSの中でも利用者数が多いため、顧客にアプローチしやすい。
2.集客・販促につながる機能が備わっている
クーポン送付やショップカードなど、集客や販促に繋がる機能が備わっています。
3.メッセージの開封率が高い
メールに比べて開封率が高く、顧客の目に留まりやすい。
4.常に顧客とコミュニケーションが取れる状態を作れる
LINEコールやLINEチャットの機能があるため、常に顧客とコミュニケーションを取ることができます。

・LINE公式アカウントのビジネス利用が向いているケース
LINE公式アカウントのビジネス利用が特に向いているのは、以下の4つのケースです。

1. できるだけ多くの顧客にアプローチしたい場合
利用者が多いため、できるだけ多くの顧客にアプローチしたい場合。
2.再購入や再来店など次の行動につなげたい場合
クーポンやショップカードを活用し、再購入や再来店など次の行動に繋げたい場合。
3.顧客とのつながりを強化したい場合
顧客とのつながりを強化したい場合。
4.コストを抑えながら商品やサービスのPRをしたい場合
メッセージ送信数によって料金が決まるため、友だち登録者数が増えてもメッセージ送信回数を調整することでコストを抑えられます。

・LINE公式アカウントをビジネス利用する際の注意点
LINE公式アカウントをビジネス利用する際には、以下の3つの注意点があります。

1.友だち登録、 LINEを利用していない顧客にアプローチできない
2.メッセージ数に応じたコスト
3.セキュリティ対策が必要

この記事を通じて、LINEを活用した戦略的な集客や販促活動が実現できることを願っています。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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