CXプラットフォームとは、顧客との接点チャネルをまとめて管理し分析できるプラットフォームのことです。
昨今はSNSやWebサイト、チャットなど複数チャネルを導入し優れたCXを提供することに注力している企業が増えています。複数チャネルを運用していると管理をする負担が大きく、分析や改善に至らない悩みを抱えているケースもあります。
CXプラットフォームを活用すると複数チャネルをまとめて管理できるため、管理や分析の手間が大幅に削減できます。
それだけでなく、下記のように顧客の育成や評価の向上にも活用することが可能です。
ただし、CXプラットフォームの導入を検討するときにはメリットや注意点を把握し、自社の課題や目的に合うのか判断する必要があります。
そこで、この記事では、CXプラットフォームの概要やメリット、導入時の注意点などをまとめて解説していきます。
◎CXプラットフォームとは |
この記事を最後まで読めばCXプラットフォームとはどのようなものなのか理解でき、導入するべきか判断できるようになります。
CXの向上や業務効率化を推進するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
1.CXプラットフォームとは
冒頭でも触れたようにCXプラットフォームは、顧客との接点チャネルをまとめて管理し分析できるプラットフォームのことです。
昨今、顧客との接点チャネルはSNSやWebサイト、コンタクトセンター(コールセンター)で対応する電話・チャットなど多様化しています。
それぞれの接点チャネルを独立して管理はできても、カスタマージャー二ー全体を横断的に管理しデータを統合できないことが課題となっていました。
<例> |
以上のような接点チャネルから収集したデータを有効活用できていない現状を抱えているケースがあります。
CXプラットフォームではWebサイトやSNSを始めあらゆる接点チャネルのデータを統合して、全体像を可視化できます。
CXプラットフォームを活用することにより各チャネルの可視化項目を一元管理できるのはもちろんのこと、集計済みのレポートを使い高い精度で現状を把握することが可能です。
その結果、スピード感を持ちPCDAサイクルを回せるようになり、CXの最適化を実現します。競合他社との差別化や顧客満足度の向上、ロイヤルカスタマーの育成など自社の課題に応じた活用もできるのです。
2.CXプラットフォームを利用すると実現できること
CXプラットフォームを利用すると、主に次の3つのことが実現できます。
2-1.顧客評価の向上
CXプラットフォームでは、各接点チャネルの活きたデータを自動で収集できます。
例えばSNSでの顧客のリアルな声をいち早く可視化し、他のチャネルでも同じような声が上がっていないか、どこに課題があるのかといった点など把握しやすくなります。
課題を把握したうえですぐに改善策を実施できるため、顧客評価の向上へとつながります。
2-2.顧客の育成
顧客の育成には下記のようなステージがあり、ステージごとに顧客が求めていることが異なります。
例えば、商品やサービスに興味を持ち始めたばかりの顧客には、接点を維持するための各チャネルへのたどり着きやすさが重要です。商品やサービスを実際に利用し始めた顧客は、継続した情報提供や迅速な対応が求められます。
ステージごとの顧客の心情に寄り添うには各チャネルの状況を網羅的に把握し、顧客の声や行動を常に拾う必要があるでしょう。
CXプラットフォームは接点チャネルの全体像を把握できるため、各ステージの顧客が必要とするアプローチが可能です。その結果、効率よく顧客の育成ができるようになります。
2-3.進化したチャネル体験サービス
CXプラットフォームを活用すると、接点チャネルごとに顧客が求めていることが可視化できます。接点チャネルを横断的に分析すると、顧客が欲しい情報や質問が多い情報などが把握できるでしょう。
このような情報を踏まえて接点チャネルを改善していくと、今までよりも一歩前に進んだチャネル体験サービスが提供できるようになります。
このように、CXプラットフォームを活用すると、どの接点チャネルを利用してもCXを最適化できるようになります。
3.CXプラットフォームを導入する3つのメリット
CXプラットフォームを導入するメリットとしては、次の3つがあります。
CXプラットフォームを導入するメリット |
①カスタマージャーニー全体の顧客接点を一元管理できる |
CXプラットフォームを導入するときに知っておきたいポイントなので、ぜひチェックしてみてください。
3-1.カスタマージャーニー全体の顧客接点を一元管理できる
1つ目は、カスタマージャー二ー全体の顧客接点を可視化できるところです。
カスタマージャー二ーとは、顧客が商品やサービスに興味を持ち購入するまでの一連の体験を時系列に可視化したものです。
下記のように、顧客行動ごとに接点となるタッチポイントを設定していきます。
顧客が商品やサービスを購入するまでにはSNSやWebサイト、コンタクトセンター(コールセンター)で対応する電話・チャットなどさまざまな接点があるものの、すべての接点を分析し可視化するには時間と労力がかかります。
とくに、接点チャネルごとに情報の収集方法や分析方法が異なる場合は、それぞれで分析をした後に散在したデータを統合する手間がかかるでしょう。
CXプラットフォームを活用すれば、カスタマージャーニー上の接点チャネルを一元管理できます。
たとえば、SNSやコンタクトセンター、Webサイトの分析をまとめて行えます。情報の収集や分析に費やす時間を削減でき、接点チャネルの問題点の改善に時間を費やせるでしょう。その結果、スピード感を持ち現状の改善に取り組めるようになります。
カスタマージャーニーの作り方は、下記の記事を参考にしてみてください。
3-2.顧客の購買行動が明確になり戦略を立てやすくなる
2つ目は、顧客の購買行動が明確になり戦略が立てやすくなるところです。
接点チャネルが点在していると、それぞれの顧客体験は分断されてしまいます。SNSとWebサイト、コンタクトセンターがそれぞれ分断された状態で管理されていると、共通する情報や購買行動に移るまでの足取りが把握しにくいです。
CXプラットフォームを導入すると接点チャネルを横断的に分析できるため、顧客の購買行動の全体像が掴みやすくなります。
今まで可視化できていなかった接点チャネル同士の共通点や顧客の購買行動との関係性が明確になるでしょう。
その結果、顧客の購買行動に合わせた戦略を立てやすくなり、CXの向上や利益拡大が見込めます。
3-3.顧客の状況に応じた個別対応がしやすくなる
3つ目は、顧客の状況に応じた個別対応がしやすくなるところです。
例えば、Web接客やチャットでサポートをするときに、顧客の望むタイミングが理解できていないと利用してもらえないことがあります。CXプラットフォームを活用しWebサイトでの行動やVOCを分析できれば、個別対応が必要となるタイミングを見計らうことができるでしょう。
また、顧客に応じたコミュニケーションを実現するには、複数チャネルの最適化が欠かせません。Webサイトのみ最適化されておりFAQやSNSに注力できていなければ、該当チャネルを利用する顧客のCXが低下します。
CXプラットフォームを導入すると複数のチャネルを導入していても、各チャネルに応じた最適化ができるようになります。
4.CXプラットフォームを導入するときの2つの注意点
CXプラットフォームを導入するメリットが把握できたところで、気になるのは注意したいポイントです。CXプラットフォームを導入するときの注意点としては、次の2つがあります。
CXプラットフォームを導入するときの注意点 |
①社内に浸透させる必要がある |
CXプラットフォームを導入する前に把握しておくと対策が取れるため、参考にしてみてください。
4-1.社内に浸透させる必要がある
CXプラットフォームを導入するときには、社内に浸透させる工夫が必要です。
とくに現在活用している複数のチャネルが分断されておりそれぞれ担当部署や責任者が異なる場合は、どのように管理や分析をしていくのか認識を合わせておかなければなりません。
一部の部署がまとめて管理や分析を行う、各部署で管理や分析を行い全体的な方向性の打ち合わせを定期的に行うなど運用しやすい方法を検討しましょう。
また、CXプラットフォームを導入する意義やメリットが見出せないと「管理の手間が増える」「使用ツールが増えて複雑になる」と感じる従業員が出てくる可能性があります。
あらかじめ導入の意図やメリット、使い方を共有し、理解を得たうえで計画的に導入を進めるといいでしょう。
4-2.長期的な施策が必要
CXプラットフォームを活用して行う施策は、すぐに成果が出るわけではありません。CXを改善するには顧客の行動や声を分析しながら、改善を重ねていくことが大切です。
例えば、FAQを追加しただけでは、一部の顧客のCXが向上したに過ぎません。全ての顧客がFAQを確認するとも限らないため、他の接点チャネルの改善も必要です。
一度の改善だけではCXの向上に直結するとは考えにくいので、時間をかけてじっくりと取り組まなければならないことを把握しておきましょう。
5.CXプラットフォームを導入するときの3つのポイント
ここでは、CXプラットフォームを導入するときに知っておきたいポイントをご紹介します。
CXプラットフォームを導入するときのポイント |
①自社の課題に応じた機能が備わっているか確認する |
CXプラットフォームの成果を最大化するためにも、あらかじめチェックしておきましょう。
5-1.自社の課題に応じた機能が備わっているか確認する
CXプラットフォームを導入する目的や解決したい課題に応じて、必要な機能が備わっているか確認しておきましょう。
マーケティングに活用したい場合は、アンケート機能が備わっていると便利です。顧客が回答したアンケート結果をCXプラットフォームで分析し、どのような要望や課題があるのか検討できます。
CXや顧客満足度の向上を目的としている場合は問い合わせの分析ができると、顧客がどのようなことを望んでいるのか理解しやすいでしょう。CXプラットフォームにより備わっている機能は異なるため、有効活用できそうかチェックしておくと安心です。
5-2.管理しやすい設計のプラットフォームを選択する
CXプラットフォームは、データの管理や分析を効率化できるかどうかが重要です。
そのため、管理しやすいプラットフォームを選択しましょう。一例としては、使い方に応じて記のような機能が備わっているといいでしょう。
<例> |
自動でデータ収集や分析ができれば、レポートを作成する手間やデータを統合する労力を省けます。また、複数アカウントで管理ができると、複数の部署に渡り利用しやすくなります。
5-3.CXプラットフォームで得た情報を基に改善を繰り返す
CXプラットフォームは複数接点チャネルの情報を統合し、手間をかけずに管理や分析ができるところが大きな強みです。情報収集や分析に費やしていた時間を省けるため、スピード感を持ちPDCAサイクルを回せます。
このメリットを最大限に生かすためにも分析結果をそのままにせず、改善点や課題を見つけ出し次の施策を実施しましょう。
たとえば、問い合わせに利用されているキーワードが把握できた場合には、SEO対策への活用を検討できます。また、問い合わせが多い質問が分かった場合には、FAQやチャットボットのシナリオ改善に活用できるでしょう。
このように、改善と分析を繰り返すことで、CXの向上や課題の解消、他社との差別化につながります。
6.DXやCXを推進するCX最適化支援ダッシュボード「Insight BI」
トランスコスモスはDXやCXを円滑に推進するためのCX最適化支援ダッシュボード「Insight BI」を提供しています。
「Insight BI」は、カスタマージャーニーにおける顧客接点チャネルのオペレーショナルデータを自動で統合していくダッシュボードです。チャネルを横断することでVOCを一元化でき、あらゆる年代や属性のユーザーの声を網羅的に収集分析できます。
また、顧客体験やコスト収益などの観点で各チャネルのKPIを横断管理でき、CXの最適化を目指せます。
実際に「Insight BI」を導入した通販ギフト企業さまでは、レポート作成時間が70%削減、CX定常アクションが5本増加する成果を収めています。
「Insight BI」でレポート作成を自動化し多様なチャネルを把握できるようになったことで、CX全体最適の視点での施策を加速化できました。
複数接点チャネルの管理に困っている場合や複数チャネルのレポート作成が負担になっている場合など、CXプラットフォームの活用を視野に入れている企業さまは、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
いかがでしたか?
CXプラットフォームを導入するメリットや導入するポイントが把握でき、自社の課題に応じて導入を検討できるようになったかと思います。
最後に、この記事の内容をまとめましょう。
◎CXプラットフォームとは、顧客との接点チャネルをまとめて管理し分析できるプラットフォームのこと
◎CXプラットフォームでできることは次の3つ
1)顧客評価の向上 |
◎CXプラットフォームを導入するメリットは次の3つ
1)SNSやWebサイトなどカスタマージャーニー全体の顧客との接点を一元管理できる |
◎CXプラットフォームを導入するときの注意点は次の2つ
1)有効活用できるように社内に浸透させる必要がある |
◎CXプラットフォームを導入するときのポイントは次の3つ
1)自社の課題に応じた機能が備わっているか確認する |
トランスコスモスでは、CX最適化支援ダッシュボード「Insight BI」を提供しています。
「Insight BI」を導入することで、顧客接点チャネルの統合や可視化、分析ができるようになります。複数チャネルの管理やCXの向上に課題を抱えている場合は、お気軽にお問い合わせください。