コンテンツマーケティングとは、Webサイト内の記事やメールマガジンなどのコンテンツを活用したマーケティング手法です。
コンテンツマーケティングを実施すると、下記のようなメリットが得られます。
たとえば、コンテンツマーケティングを実施すると、潜在顧客や新規顧客、既存顧客と顧客の段階に応じたアプローチが可能です。その結果、潜在顧客は新規顧客へ、既存顧客はロイヤルカスタマーへと顧客の成長を促せます。
これらのメリットは何となくコンテンツを制作しても、思ったような成果が実感できません。コンテンツを通じてユーザーとって価値のある情報を発信し、企業の目的や目標を達成するマーケティングの視点やコンテンツマーケティングの基礎を把握しておく必要があります。
そこでこの記事では、コンテンツマーケティングの概要や種類、具体的な手順などの基礎知識をまとめて解説していきます。
◎コンテンツマーケティングとは
◎コンテンツマーケティングが重要視される背景
◎コンテンツマーケティングの種類
◎コンテンツマーケティングを活用する4つのメリット
◎コンテンツマーケティングを活用するときの注意点
◎トランスコスモスのコンテンツマーケティングスタートプラン
◎トランスコスモスのコンテンツマーケティングスタートプランの手順
◎コンテンツマーケティングを成功させるための3つのポイント
◎ユーザーの悩みや問題に応じた情報を発信「Cotra」
この記事を最後まで読めばコンテンツマーケティングの基礎知識が把握でき、実際に取り組めるようになるはずです。積極的な情報を発信が求められる昨今はコンテンツマーケティングが欠かせないので、ぜひ参考にしてみてください。
1.コンテンツマーケティングとは
冒頭でも述べたように、コンテンツマーケティングとは簡単に言うとWebサイト内の記事やメールマガジンなどのコンテンツを活用したマーケティング手法です。
自社から情報発信をするコンテンツは、何となく作っても効果や成果が得られません。例えば、オウンドメディアに掲載する記事コンテンツではあればどのようなターゲットに向けた記事を書くのか、どのような情報が求められているのか分析して、戦略的に制作をする必要があります。
また、誰でも手軽に情報発信ができるようになった現在では、情報を発信するだけでは他社との差別化ができません。せっかくコンテンツを作成しても、ユーザーの目に止まらない可能性があるでしょう。
そこで、コンテンツを通じてユーザーとって価値のある情報を発信し、企業の目的や目標を達成する施策がコンテンツマーケティングです。
新規顧客を獲得したい、既存顧客をファン化させたいなど企業の目的に応じて適切なコンテンツを活用し、ユーザーに刺さる情報を発信します。
たとえば、自社のファンを獲得するという目標を決めて記事コンテンツを作成するとしましょう。このときに、自社のファンが欲しい情報や自社のファンと同様のペルソナを持つユーザーが求めている情報を分析します。
その結果やSEO対策を踏まえながら、ファン化させたいユーザーに向けて情報発信をします。その結果、一定数のファンを獲得できればコンテンツマーケティングの成功だと言えます。
「3.コンテンツマーケティングの種類」で詳しく解説していますが、新規顧客獲得や認知度の自社のブランディングなどの目的に応じて、適切なコンテンツを選び施策を行います。
2.コンテンツマーケティングが重要視される背景
コンテンツマーケティングが重要視される背景には、次の3つが挙げられます。
コンテンツマーケティングが重要視される背景 |
①Googleがコンテンツの質を重視している |
なぜ今、コンテンツマーケティングが注目されているのか把握するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
2-1.Googleがコンテンツの質を重視している
1つ目は、検索エンジンであるGoogleがコンテンツの質を重視していることです。検索エンジンには複数の種類がありますが、Googleのシェア率は世界で1位となっています。
記事コンテンツでは検索結果で上位表示されることが重要ですが、そのためにはGoogleの評価基準や考え方を把握し取り入れなければなりません。
Googleはユーザーファーストを掲げ、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを評価しています。
Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。 |
そのため、コピーコンテンツや質の低い記事は評価されず、ユーザーの欲しい情報を精査し信頼性のある情報を発信している記事が評価されるのです。
コンテンツの質を高めるには、ユーザーの検索意図や求める情報を分析しコンテンツを最適化することが欠かせません。ユーザーは、自社商品の使い方や自社商品と同分野のマーケットの傾向、自社商品のお手入れ方法など自社商品の周辺情報に価値を見出している可能性があります。
コンテンツマーケティングを実施すればユーザーが求める情報やユーザーにとって価値のある情報を精査しながら、自然とGoogleが求める質の高いコンテンツが制作できるようになります。
2-2.企業側からの情報発信が必要となった
2つ目は、企業側からの積極的な情報発信が必要になったことです。その理由は、大きく2つあります。
①ユーザーは情報収集の段階で商品やサービスの購入を決断している
Googleが提唱した顧客行動のマーケティング理論に「ZMOT」があります。ユーザーは店舗で商品やサービスの購入を決断するのではなく、情報を収集している段階で決断をしているという理論です。
情報化社会では、ユーザーが店舗やECショップを訪れなくても商品やサービスの情報が手に入ります。ユーザー自らの情報収集によって、自分の望む商品や自分が欲しいサービスを決定できるようになりました。
つまり、店舗やPCサイトに訪れてからのマーケティングだけでは顧客を逃していることになります。ユーザーの意思決定の段階に必要な情報を積極的に発信し、選んでもらえるような施策が必要となったのです。
②競合他社との差別化
昨今は、企業側からの情報発信が積極的に実施されています。企業のSNSアカウント運営やオウンドメディア運営、動画配信など多彩な方法を駆使し自社のブランディングを実施しています。
この現状の中で企業側からの情報発信を怠ると、競合他社との差別化ができないことは容易に想像がつくでしょう。自社の魅力を伝えたり他社との違いを明確化したりするためにも、コンテンツマーケティングは欠かせません。
2-3.ユーザーの行動が「パルス型消費行動」へと変化した
3つ目は、ユーザーの行動がパルス型消費行動へと変化したことです。パルス型消費行動とは、出会った情を機に突発的に購買意欲が刺激され、その場で購入に踏み切るものです。
従来は一定期間をかけて購買意欲を醸成させる「ジャーニー型消費行動」が主流でしたが、コロナ渦を機にインターネットや情報に触れる機会が増えて「パルス型消費行動」が目立ち始めました。
画像参照:買いたくなるを引き出すために – パルス消費を捉えるヒント (2)
ユーザーの突発的な購買意欲を刺激するには、有益で最適なコンテンツが欠かせません。動画を見て「欲しい」と思わせたり、記事を読み「使ってみたい」と感じさせたりするコンテンツが必要と不可欠となったのです。
では、実際にどのようなコンテンツを用いてコンテンツマーケティングを実施すればいいのでしょうか?次の章では、コンテンツマーケティングの種類を詳しく解説していきます。
3.コンテンツマーケティングの種類
コンテンツマーケティングの主な種類としては、下記の6つがあります。
コンテンツマーケティングの種類 | |
記事コンテンツ | ブログやオウンドメディア、コーポレートサイトなどに掲載する記事 |
ホワイトペーパー | 自社の商品やサービスに関する情報や関連する調査結果をまとめた資料 |
メールマガジン | Eメールを使い定期的に情報発信を行う方法 |
動画配信 | 動画配信プラットフォームや自社Webサイトなどで動画を配信する方法 |
SNS | 企業やブランド用のSNSアカウントを作成し情報発信を行う方法 |
セミナー・ウェビナー | 顧客が興味のある情報や、自社の商品・サービスの情報を講演する方法 |
コンテンツマーケティングの種類によって向いているケースが異なるため、ターゲットや課題に応じた使い分けが必要です。ここでは、それぞれのメリットや注意点を含めて解説してきます。
3-1.記事コンテンツ
記事コンテンツとは、ブログやオウンドメディア、コーポレートサイトなどに掲載する記事のことです。トランスコスモスの「Cotra」も、記事コンテンツに当てはまります。
ユーザーの欲しい情報や求めている情報を発信することで、企業や商品、サービスに興味や関心を持ってもらうきっかけが作れるところが特徴です。
また、記事コンテンツはブログやオウンドメディア上に蓄積されていくため、自社の資産となります。一度掲載して終わりではなく、長期的な効果が期待できます。
【記事コンテンツのメリット】
記事コンテンツのメリットは汎用性があり、業種や目的問わず活用できるところです。記事コンテンツの内容の一例としては、下記が挙げられます。
記事コンテンツの内容の一例 | |
自社の強みや商品、サービスを発信する | BtoB企業の場合は自社の強みを発信する機会が少ないためブランディングや差別化につながる |
自社と同業界や同分野のノウハウを発信する | ファッション業界の場合は今期のトレンドなど |
自社商品やサービスと関連性のある分野の情報を発信する | 飲食店の場合は飲食業界だけでなく農業や漁業など食べ物に関する情報を発信する |
自社の商品やサービスの使い方、お手入れ方法を発信する | 既存顧客に向けたロイヤリティ、顧客満足度の向上につながる |
自社の商品やサービスを使っているユーザーの声を発信する | インタビューや座談会記事で実際の使い心地を発信して購買意欲を高める |
用語集 | 同業界に興味がある人の訪問につながる |
自社と関連性のある分野や同分野の情報を発信すると、より多くのユーザーに興味や関心を持ってもらえる可能性があります。また、自社の商品やサービスの使い方やアレンジ方法を発信すると、既存顧客のロイヤリティ向上につながるでしょう。
このように、自社の課題やターゲットに応じて広く活用することが可能です。
【記事コンテンツの注意点】
記事コンテンツの注意点は、継続してコンテンツ作成ができる基盤が必要なところです。記事コンテンツは1記事、2記事掲載しただけでは成果が出ません。
継続して新たなコンテンツを作り続けることで、ユーザーの目に留まる機会が増えます。社内に記事コンテンツを制作する部署を設ける、記事コンテンツを外注する仕組みを整えるなどあらかじめ長期的に運営するための準備を行いましょう。
【記事コンテンツが向いているケース】
記事コンテンツは汎用性があるため、企業の課題や問題が明確になっていればどのようなケースでも活用が可能です。
例えば、自社のブランディングをしたい場合は、自社の強みや他社との違いを発信できます。新規顧客の獲得に課題がある場合は、ユーザーの興味や関心のある分野を分析しニーズに合う情報を発信することで新たな流入経路を構築できるでしょう。
記事コンテンツ | |
メリット | 汎用性があり、業種や目的問わず活用できる |
注意点 | 記事コンテンツ作成の制作を継続できる仕組みが必要 |
向いているケース | 企業の課題や問題が明確になっていればどのようなケースでも活用が可能 |
向いていないケース | 記事コンテンツ作成の制作を継続できる仕組みを整えることが難しい場合 |
3-2.ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、自社の商品やサービスに関する情報や関連する調査結果をまとめた資料です。自社の商品やサービスに興味や関心を持った顧客の獲得や購買意欲の促進を目的として使用します。
【ホワイトペーパーの一例】 |
自社メディアにダウンロードの設置をするやケースや、セミナー時の特典として配布されるケースが多いです。ホワイトペーパーを見たユーザーにアプローチをする、ホワイトペーパーを見たユーザーからの問い合わせを増やすなどの導線設計が可能です。
【ホワイトペーパーのメリット】
ホワイトペーパーは、新規顧客の獲得や育成に活用できるところがメリットです。自社メディアからホワイトペーパーをダウンロードするときには、個人情報の記入欄を表示させることが一般的です。
営業活動をしなくても、自社の商品やサービスに興味がある顧客情報が収集できるのです。ホワイトペーパーをダウンロードした顧客には商談やセミナー参加など次のステップを案内することができ、顧客の育成にも役立てられます。
【ホワイトペーパーの注意点】
ホワイトペーパーは、情報の質とターゲット選定が重要です。想定したターゲットが興味を持つ情報ではないと、なかなかダウンロードしてもらえません。ターゲットがどのような悩みや課題を抱えているのか調査をして、解決できる資料制作ができるといいでしょう。
また、一度ダウンロードされたホワイトペーパーの内容は変更できません。情報のミスがあっても一定の顧客の手元に残ってしまうので、慎重に制作しましょう。
【ホワイトペーパーが向いているケース】
ホワイトペーパーは、BtoB企業が新規顧客を獲得する目的で使用することが多いです。他にも、自社の商品やサービスに興味がある顧客の購買意欲を促進したい場合やホワイトペーパーのダウンロードを機に顧客情報を獲得したい場合に向いています。
ホワイトペーパー | |
メリット | 新規顧客の獲得や育成に活用できる 商品やサービスの強みを存分にアピールできる |
注意点 | 想定したターゲットが興味を持つ情報ではないと、ダウンロードしてもらえない 一度ダウンロードされたホワイトペーパーの情報は書き換えできない |
向いているケース | 新規顧客の獲得 自社の商品やサービスに興味がある顧客の購買意欲を促進したい |
向いていないケース | 変化の大きい内容を扱う場合 新規顧客や潜在顧客以外へのアプローチ |
3-3.メールマガジン
メールマガジンとは、Eメールを使い定期的に情報発信を行う方法です。新商品のお知らせや店舗の情報など、企業側のタイミングで必要な情報を送信できます。
他のコンテンツマーケティングの手法は企業側から不特定多数のユーザーに対して情報発信をしていますが、メールマガジンは特定の個人を対象に情報発信ができるところが特徴です。
個人と継続的な接点を持てるため、リピーターの獲得や顧客満足度の向上、購買促進などさまざまな目的で活用できます。
【メールマガジンのメリット】
メールマガジンのメリットは、メールアドレスを取得している顧客をセグメントし戦略的な情報発信ができるところです。記事コンテンツやSNSなどは、ターゲットは選定するものの企業側で情報発信をする顧客を選別できません。
例えば、Twitterで情報発信をする場合は、未購入者にはツイートしないなどの対応はできません。メールマガジンなら顧客の購入頻度やロイヤリティに応じて、配信する内容を変えることが可能です。
・未購入者には商品やサービスの魅力を発信
・初めての購入者には次回使えるクーポンの配布
・リピーターには特別セールの案内
・ロイヤリティの高い顧客には新商品の情報を先行して発信
など、メールマガジンの内容を明確に分けてターゲットに応じたマーケティングができます。その結果、顧客と良好な関係を築きやすくなります。
【メールマガジンのデメリット】
メールマガジンは、一定数のメールアドレスを保有していないと開始できません。そのため、顧客の個人情報を収集することが難しい業種には向かないでしょう。
また、メールマガジンは顧客に開封してもらわないと効果を発揮しない側面があります。メール操作やメールの確認に不慣れな世代やターゲットには、効果が薄いでしょう。
【メールマガジンが向いているケース】
メールマガジンは、顧客との関係構築を目指す場合に向いています。ファッション業界や飲食業界などリピーター獲得が重要な業界では、メールマガジンを活用して顧客との関係が構築できます。
また、メールマガジンは特別なツールを導入しなければ低コストで始められるので、手軽にコンテンツマーケティングを始めたい場合にも向いています。
メールマガジン | |
メリット | メールアドレスを取得している顧客をセグメントし戦略的な情報発信ができる 個人を対象として接点を維持できる |
注意点 | 一定数のメールアドレスを保有していないと開始できない メール操作やメールの確認に不慣れな世代やターゲットには向いていない |
向いているケース | 顧客との関係構築 手軽にコンテンツマーケティングを始めたい |
向いていないケース | メールアドレスの獲得が難しい場合 メール操作やメールの確認に不慣れな世代ターゲットとする場合 |
3-4.動画配信
動画配信とは、YouTubeなどの動画配信プラットフォームや自社のWebサイトなどで動画を配信する方法です。記事コンテンツやホワイトペーパーは文字でしか情報を伝えられませんが、映像を活用することで発信できる情報の幅が広がります。
録画済みの動画を定期的に配信するのはもちろんのこと、生配信を行いリアルタイムで顧客とコミュニケーションを取り販売促進や新規顧客の獲得につなげることも可能です。
【動画配信のメリット】
動画配信は文字だけでは伝わらない情報を発信することで、企業のブランディングや顧客獲得ができるところがメリットです。
例えば、ファッションブランドの場合、服のサイズや質感、色味は写真や文字だけでは伝わらないところがあります。動画を通して商品の特徴やサイズ、コーディネートを発信すると、利用時のイメージが沸きやすくなり購入へとつながります。
また、商品の開発現場や工場の様子など、普段は見せられない裏側を配信することも可能です。商品作りへの思いや姿勢を伝えることができ、信頼性や安心感が向上します。
このように、企業の目的に応じて動画だからこそ伝えられることを配信すれば、ターゲットの心を動かせるでしょう。
【動画配信の注意点】
動画配信には、機材やスキルが必要です。動画は視認性が重要なので、一目見ただけで関心や興味を抱けるクオリティでなければなりません。
質の低い映像や編集の動画では顧客に見てもらえないので、動画編集や動画配信に特化した人材が必要です。また、動画配信には撮影用の機材などコストがかかるため、費用対効果を考えて検討する必要があるでしょう。
【動画配信が向いているケース】
動画配信は動画にすることで商品やサービス、自社の魅力が伝わる場合に向いています。写真や文章だけでは伝わらない訴求ポイントがある場合は、動画にしたほうが顧客の興味や関心を引くことができるでしょう。
使用するプラットフォームにもよりますが不特定多数の人が目にできる場合は、テレビ広告のようにより多くの人に情報を伝える目的にも活用できます。
動画配信 | |
メリット | 文字だけでは伝わらない情報を発信することで、企業のブランディングや顧客獲得につながる |
注意点 | 動画を撮影するスキルと知識が必要 |
向いているケース | 動画にすることで商品やサービス、自社の魅力が伝わる場合 |
向いていないケース | 運用コストを抑えたい場合 |
3-5.SNS運用
SNS(Social Networking Service:ソーシャルネットワーキングサービス)とは、インターネット上でコミュニケーションが取れるサービスのことです。
・Twitter
・Instagram
・Facebook
などが当てはまります。
SNS運用では企業やブランド用のSNSアカウントを作成し、情報発信を行います。記事コンテンツや動画配信などの蓄積型コンテンツとは異なり、絶えず情報が入れ替わるフロー型コンテンツであるところが特徴です。
リアルタイムな情報発信ができ顧客の購買意欲を刺激して、パルス型消費行動につなげることも可能です。
【SNS運用のメリット】
総務省が公表している「令和3年通信利用動向調査」によると、SNSの利用者の割合は78.7%に達しています。不特定多数が利用しているプラットフォームで情報発信をすることで、自社や商品、サービスを知らない人にもアプローチできるところが特徴です。
日々の情報発信を機に自社に興味を持ってもらえれば、商品やサービスを具体的に検討するきっかけ作りができます。また、拡散力があるので、情報の二次拡散も期待でき一言の呟きがより多くの顧客に届く可能性があります。
他にも、SNSはリアルタイムでの情報発信が強みです。現在の店舗の状態やイベント情報など鮮度の高い情報を発信することで、来店促進やイベント予約など行動を促すことも可能です。
【SNS運用の注意点】
SNSは流動性のあるコンテンツなので、運用を怠ると思ったような成果が出ません。できるだけ欠かさず情報発信ができる運用体制を整える必要があります。
また、SNSは拡散力があるからこそ、小さなミスや誤った言葉遣いが大きなトラブルを引き起こす可能性があります。発信する情報は精査をして、企業やブランドのブランディングから逸脱しないよう注意しましょう。
【SNS運用が向いているケース】
SNS運用は、B to C企業など流動性のある情報を活用して集客や購買促進を行いたい場合に向いています。例えば、店舗情報やイベント情報、新商品の開発過程など日々鮮度の高い情報が生み出せる環境だと情報発信がしやすいでしょう。
また、新規顧客の獲得や顧客と継続的な接点を持ちたい場合も、有効活用できるでしょう。
SNS運用 | |
メリット | 自社や商品、サービスを知らない層にもアプローチできる 鮮度の高い情報を発信できる 基本的にランニングコストがかからない |
デメリット | 運用を怠ると思ったような成果が出ない 拡散力が高いからこそ小さなミスがトラブルにつながる可能性がある |
向いているケース | 流動性のある情報を活用して集客や購買促進を行いたい場合 新規顧客の獲得や顧客と継続的な接点を持ちたい場合 |
向いていないケース | 流動性のある情報が少ない場合 日々の運用にコストや人員をかけられない場合 |
3-6.セミナー・ウェビナー
セミナーとは、顧客の興味のある情報や、自社の商品・サービスの情報を講演する方法です。会議室や会場に一定の人数を集めて対面で実施する場合と、Zoomなどのオンライン上で開催する場合があります。
マーケティングツールを販売している場合はマーケティング業界に精通する方を呼んだり市場の動向を分析した結果を発表したりと、ターゲットとなる顧客の興味や関心を引く内容を意識して計画をします。
直接顔を見て話ができることと、セミナーの内容によっては直接企業へ質問をするなどコミュニケーションを取ることができる手段であるため信頼関係が構築しやすく、商品やサービスの購入につなげやすいところが特徴です。
【セミナー・ウェビナーのメリット】
セミナーやウェビナーは商品やサービス、業界にある程度興味を持っている顧客が対象です。そのため、セミナーの内容もしっかりと聞いてくれる可能性が高く、商品やサービスの購入へとつなげやすいところがメリットです。
例えば、動画配信では、動画を視聴する人全員が自社の商品やサービスに興味や関心を持っているとは限りません。場合によって、途中で離脱する可能性もあるでしょう。
セミナーやウェビナーは、そもそも興味がなければ申し込みをしないため、一定以上の期待や興味を持った顧客が集まります。上手に情報を伝えられれば、購買意欲はぐんと高まります。参加者が多ければ多いほど、営業効率がよくなる可能性もあります。
【セミナー・ウェビナーの注意点】
セミナーやウェビナーは、準備から開催までに労力を要します。とくに対面の場合は、登壇者の選定や会場の確保、当日の整備などやらなければならないことが数多くあります。
また、セミナーやウェビナーの効果は、登壇者の話術や訴求に左右されます。そのため、セミナーやウェビナーの内容や登壇者は事前に精査する必要があるでしょう。
【セミナー・ウェビナーが向いているケース】
セミナーやウェビナーは、一定数の見込み客がおり商品やサービスの購入を後押ししたいときに向いています。企業や商品、サービスの認知目的にも活用できますが、規模によっては費用対効果が薄くなる可能性があります。
セミナー・ウェビナー | |
メリット | 商品やサービスの購入へとつなげやすい |
注意点 | 準備から開催までに労力を要する 登壇者のスキルにより成果が左右される |
向いているケース | 一定数の見込み客がおり商品やサービスの購入を後押ししたい場合 企業や商品、サービスの認知(規模によっては費用対効果が薄い) |
向いていないケース | 目標や目的に応じた登壇者やテーマがない場合 セミナーやウェビナーの準備や開催にコストと労力をかけられない場合 |
4.コンテンツマーケティングを活用する4つのメリット
コンテンツマーケティングの種類が把握できたところで、気になるのはコンテンツマーケティングを活用するメリットです。コンテンツマーケティングを活用するメリットとしては、次の4つがあります。
コンテンツマーケティングを活用するメリット |
①顧客の段階に応じたアプローチができる |
具体的に、どのようなメリットがあるのか確認してみましょう。
4-1.顧客の段階に応じたアプローチができる
コンテンツマーケティングは、顧客のロイヤリティや段階に応じて適切なアプローチができます。
潜在顧客 | 自社の商品やサービスを知らない層に向けて、商品やサービス、自社の存在をアピールする |
見込み客 | 商品やサービスの良さや競合他社との差別化ポイントを発信 |
既存顧客 | リピーター、ロイヤルカスタマーとなるように信頼感や安心感につながる情報を発信 |
ロイヤルカスタマー | 既存顧客とは差別化をした情報を発信して特別感を与える |
例えば、見込み客が少ないと感じている場合は、コンテンツマーケティングを活用して他社と差別化できるポイントや自社の商品やサービスを使うメリットを訴求し購買意欲を高めます。 リピーターを増やす目的でコンテンツマーケティングを活用する場合は、商品やサービスの使い方やお手入れ方法など安心や信頼につながる情報を発信するといいでしょう。
もちろん、コンテンツ内やコンテンツごとにターゲットを変えてアプローチすることも可能です。このように、自社の課題や顧客との関係性を分析したうえで、適切なアプローチができるところは大きなメリットです。
4-2.コンテンツを資産として蓄積できる
一度作成した記事コンテンツや動画は、削除しない限りはどんどん蓄積されていきます。必然的に自社の商品やサービスに関連した内容になるため、自社の資産となるでしょう。
とくに、記事コンテンツは蓄積されることでWebサイト自体の価値が高まる可能性があります。例えば、50本ある記事コンテンツの中で1記事が検索エンジンから高く評価されたとしましょう。
該当記事があるWebサイトの評価も上がるため、より多くの顧客の目に留まりやすくなります。このように、一過性のコンテンツではなく、蓄積されることで価値が高められるのはコンテンツマーケティングならではなのです。
4-3.広告費の削減につながる
コンテンツマーケティングは、新規顧客やリピーターの獲得、自社の商品やブランドの認知などさまざまな目的で活用できます。
新商品のアピールを行うときにチラシやWeb広告、雑誌広告などを使うと膨大な費用がかかりますが、SNSや動画配信、記事コンテンツなどのコンテンツマーケティングを活用すれば低コストでアピールができます。
とくに、SNSやメールマガジンは低コストで始められるので、費用対効果を高められるでしょう。コンテンツマーケティングを上手に活用できるようになれば広告費を投資しなくても、的確なマーケティングが可能です。但し、コンテンツを蓄積していくまでは、それなりのコストはかかります。一方で、一度コンテンツを制作してしまえば自社資産になるので、一過性の広告よりは費用対効果が高くなっていくでしょう。
4-4.自社のブランディングができる
コンテンツマーケティングは、自社のブランディングに活用できます。商品やサービスが溢れる成熟した市場では、他社との違いを明確に打ち出さないと顧客に選んでもらえません。
自社の強みや考え方を自発的に発信することで、ブランディングが可能です。 自社商品の素材や製造過程など質の高さをアピールできれば、高品質な商品を提供している企業としてのイメージが定着します。その結果、価格よりも品質を重視する顧客から支持を得られるようになるでしょう。
とくに、BtoB企業は自社の商品やサービスについて情報発信をする場がない課題がありました。
コンテンツマーケティングを導入すれば他社との違いを明確にでき、顧客から選ばれやすい状態を構築できます。
5.コンテンツマーケティングを活用するときの注意点
コンテンツマーケティングを活用するときには、次の2つの注意点があります。
コンテンツマーケティングを活用するときの注意点 |
①中長期的に取り組める基盤を整える ②コンテンツに応じた知識や技術が必要 |
コンテンツマーケティングを開始する前に知っておくと適切な対処ができるため、ぜひ確認してみてください。
5-1.中長期的に取り組める基盤を整える
コンテンツマーケティングは、一度実施しだけで効果を実感できる即効性のある施策ではありません。記事コンテンツや動画配信はある程度コンテンツを蓄積する必要がありますし、SNSやメールマガジンはまず認知をしてもらうところからスタートです。
中長期的に時間をかけて取り組まなければならないことを念頭に置いて、継続して取り組める基盤を整えましょう。例えば、記事コンテンツでは定期的に新規記事を公開できるように、記事の作成やキーワード選定などを継続しなければなりません。
・社内でコンテンツマーケティングの担当者を選出する
・専門的な知識のある外部に外注する
など、運用しやすい方法を決めて、結果が出る前に辞めないことが大切です。
5-2.コンテンツに応じた知識や技術が必要
コンテンツマーケティングは、それぞれのコンテンツに応じた知識や技術が必要です。
記事コンテンツならライティングスキルやSEOの知識、動画配信なら撮影技術などコンテンツよって必要な知識が異なります。知識がない人が担当してしまうとマーケティング効果が薄れてしまい、思ったような成果を得られません。
コンテンツマーケティングを継続する基盤を整えることが難しい場合は、実施そのものが向いていないでしょう。
トランスコスモスでは、コンテンツマーケティングをサポートするサービスを用意しています。次の章からは、トランスコスモスが提供する「コンテンツマーケティング」について解説していきます。
6.コンテンツマーケティングを成功させるための3つのポイント
つづいて、コンテンツマーケティングを成功させるための3つのポイントをご紹介します。
コンテンツマーケティングを成功させるためのポイント |
①ターゲットとゴールを明確にする |
コンテンツマーケティングの成果を最大化するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
6-1.ターゲットとゴールを明確にする
まずは、コンテンツマーケティングのターゲットとゴールを明確にしましょう。ターゲットとゴールが不明確なままでは、どの手法を使用するべきか判断できません。
例えば、新規顧客をターゲットとして見込み客へのランクアップをゴールとする場合は、新規顧客が欲しい情報を発信する必要があります。商品のお手入れ方法や購入頻度など既存顧客向けの情報を発信しても、意味がありません。
また、ターゲットはできるだけ細かく設定したほうが、コンテンツ内容の軸がぶれずに運営できます。新規顧客という大きな枠組みだけでなく、年齢や趣味、買い物の傾向などのペルソナを明確にすると的確なコンテンツや興味を持ってもらえる内容か判断できます。
6-2.ユーザーのアクションにつながる導線を考える
コンテンツマーケティングは、ゴールへとつながる導線設計が重要です。記事コンテンツから新規顧客を獲得したい場合は、記事だけを掲載していても顧客が次の行動を起こしにくいです。
問い合わせやメールマガジンの登録、ECサイトへの誘導などにつながる導線を考えましょう。例えば、記事の最後にホワイトペーパーのダウンロードを設ける、メールマガジンの登録欄を設置するなど、顧客が具体的な行動を起こせる状態にしておくことが大切です。
6-3.コンテンツを複合的に組み合わせる
コンテンツマーケティングは1つのコンテンツだけに注力すればいいのではなく、SNSや動画、ホワイトペーパーなど複数のコンテンツを組み合わせることで相乗効果が狙えます。
例えば、下記のような活用が検討できるでしょう。
・動画や記事コンテンツの更新をSNSやメールマガジンで周知して流入経路を増やす
・セミナーの様子を記事コンテンツや動画で紹介して次回開催の集客をする
・SNSでメールマガジンの登録者を募集する
動画や記事コンテンツはただ更新するのではなく、SNSなどでお知らせをすると流入経路を増やせる可能性があります。その結果、新たな層に自社の商品やサービスを訴求できるかもしれません。
このように、複数のコンテンツを複合的に組み合わせて運用できる基盤の構築も検討してみてください。
7.トランスコスモスのコンテンツマーケティングサービス
トランスコスモスでは、コンテンツマーケティングのサービスを提供しています。
Webサイト内のコンテンツや対象キーワード分析などのキーワードリサーチからサポートができ、コンテンツマーケティングの実施前に現状把握が可能となります。
キーワードリサーチをもとに、コンテンツの新規制作やリライトなどオウンドメディア制作をサポートします。その後コンテンツの評価を行うためサイト分析を実施し、分析結果をコンテンツ制作に活用する仕組みを構築しています。
またコンテンツマーケティングを行うことで一定のユーザーを獲得することができるようになった際には、訪問したユーザーに対しインサイドセールスも併せて実施できるサービスも提供しています。
トランスコスモスでは自社の課題や目的に応じて、コンテンツマーケティング前の分析から運用までを支援します。コンテンツマーケティングを検討している場合や取り組み方にお悩みの場合は、お気軽にお問い合わせください。
またコンテンツマーケティングだけでなく、コンタクトセンターの運営ノウハウを活かし、獲得総量を最大化させていくためにコンタクトセンターを活用したセールス支援を実施することも可能です。BtoC向けであれば、セールスチャット。BtoB向けであれば、インサイドセールスの活用など様々なご支援が可能です。
興味のある方は一度お問い合わせください。
7-1.コンテンツマーケティング事例:Cotra
「Cotra」は、トランスコスモスが運営するコンタクトセンター(コールセンター)に携わる方への情報サイトで法人向けのサイトです。開設は2021年6月、コンテンツマーケティングの成長を図るために、トランスコスモスのコーポレート配下でスタートせず、いわゆるドメインパワー0から構築しています。
コンテンツとしては、下記のようなものを作成しています。
・ユーザーの知りたい情報を発信するコラム / 企業対談
・コンタクトセンターのCX向上やDX推進のカギとなるDCC-X
・コンタクトセンターの用語集
・コンタクトセンターのよくある課題と解決方法
など、さまざまなユーザーの悩みや課題を解決できるコンテンツとなっており、新規顧客の獲得や潜在顧客の創出に活用しています。
Cotraは開設1年でコンテンツ約100本配信、月間UU約1万、月間PV約2万、自然流入約80%のメディアに成長し、CVRもUU対比0.1%と現在も成長し続けているオウンドメディアです。
まとめ
いかがでしたか?コンテンツマーケティングの概要や種類が把握でき、自社の課題に応じて活用を検討できるようになったかと思います。
最後に、この記事の内容をまとめてみると
◎コンテンツマーケティングとはコンテンツを通じてユーザーとって価値のある情報を発信し、企業の目的や目標を達成するための施策
◎コンテンツマーケティングが重要視されている理由は次の3つ
1)Googleがコンテンツの質を重視している
2)企業側からの情報発信が必要となった
3)ユーザーの行動がパルス型消費行動へと変化し積極的な情報発信が必要となった
◎コンテンツマーケティングの種類は下記のとおり
記事コンテンツ | ブログやオウンドメディア、コーポレートサイトなどに掲載する記事 |
ホワイトペーパー | 自社の商品やサービスに関する情報や関連する調査結果をまとめた資料 |
メールマガジン | Eメールを使い定期的に情報発信を行う方法 |
動画配信 | 動画配信プラットフォームや自社のWebサイトなどで動画を配信する方法 |
SNS | 企業やブランド用のSNSアカウントを作成し情報発信を行う方法 |
セミナー・ウェビナー | 顧客の興味のある情報や自社の商品、サービスの情報を講演する方法 |
◎コンテンツマーケティングを活用するメリットは次の4つ
1)見込み客や既存顧客など顧客の段階に応じたアプローチができる
2)動画や記事コンテンツは資産として蓄積できる
3)広告費の削減につながる
4)自社のブランディングができる
◎コンテンツマーケティングを活用するときの注意点は次の2つ
1)即効性のある施策ではないので長期的に取り組める基盤を整える
2)コンテンツに応じた知識や技術が必要
◎コンテンツマーケティングを成功させるためのポイントは次の3つ
1)ターゲットとゴールを明確にする
2)ユーザーのアクションにつながる導線を考える
3)コンテンツを複合的に組み合わせる
◎トランスコスモスのコンテンツマーケティング
トランスコスモスでは、コンテンツマーケティングの事前準備から運用までをサポートしています。コンテンツマーケティングにお悩みの場合は、お気軽にお問い合わせください。