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コールセンターのアウトソーシングとは?基礎知識と依頼先の選び方を解説

コールセンター

「コールセンターをアウトソーシングするメリットは何か?」
「コールセンターをアウトソーシングしたいが、依頼する会社の選び方は?」

コンタクトセンター(コールセンター)のアウトソーシングに興味がある方は、その是非や適切な会社をどう判断すればよいか悩んでいることでしょう。

コンタクトセンターのアウトソーシングは、顧客対応を外部の専門会社に委託することを指します。顧客対応の質が求められる現代において、自社のリソースを最小限に抑えつつ、高品質なサービスを提供し、コア業務に集中できる有効な手段です。

コンタクトセンターをアウトソーシングした場合の業務変化

本記事では、コンタクトセンターのアウトソーシングに関する基本的な知識を詳しく解説します。

この記事を読むことでわかること

コンタクトセンターのアウトソーシングとは
アウトソーシングのメリット・デメリット
アウトソーシングがおすすめのケースとそうでないケース
依頼する会社の選び方
アウトソーシングを成功させるためのポイント

この記事を通じて、アウトソーシングのメリットやおすすめケースを把握でき、適切な会社の選び方や成功のためのポイントも理解できるため、すぐに行動に移せるでしょう。

最適な顧客対応を実現し、顧客と自社の満足度を向上させるために、ぜひ最後までお読みください。

目次 [非表示]

1.コンタクトセンター(コールセンター)のアウトソーシングとは

コンタクトセンター(コールセンター)のアウトソーシングを検討する際、まずは基礎知識を確認しましょう。この章では以下の内容を解説します。

コンタクトセンターのアウトソーシングの定義
アウトソーシングの対象となる業務内容
アウトソーシングと自社運用・派遣会社利用の違い

1-1.顧客対応を外部の会社に業務委託すること

コンタクトセンターのアウトソーシングとは、顧客対応業務を外部の専門会社に委託することを指します。

コンタクトセンターのアウトソーシングの概要

電話やチャットによる顧客とのやり取りを自社で行わず、専門会社に代行してもらうことにより、自社の社員はコア業務に集中できます。

顧客からの問い合わせや苦情対応を代行してもらったり、コンタクトセンターの設立や運営自体を依頼したりすることが可能です。

コンタクトセンターをアウトソーシングした場合の業務変化

1-2.アウトソーシングの対象となる業務内容

通常のコンタクトセンター業務は、主にインバウンド業務(受信)とアウトバウンド業務(発信)に分けられます。

アウトソーシングできる業務内容の例

インバウンド業務

商品・サービスの注文・申込み受付
問い合わせ対応(カスタマーサポート)
修理やトラブル対応(テクニカルサポート)

アウトバウンド業務

顧客へのアフターフォローコール
営業電話によるアポイント獲得
市場調査やアンケート調査

近年では、チャットやSNSなどのマルチチャネル対応もアウトソーシングが可能です。
ただし、法律で許可や届出が義務付けられている業務(例:債権管理回収業、酒類販売)については、アウトソーシングできない場合がありますので、事前に確認が必要です。

1-3.アウトソーシングと自社運用・派遣の違い

コンタクトセンターの運用方法は主に以下の3つです。

自社運用:自社でコンタクトセンターを運営
アウトソーシング:専門会社がコンタクトセンターを運営
派遣会社活用:要員のみを派遣会社に依頼し、自社で運営

それぞれの方法によって、リソースの負担が異なります。

方法

設備

人材

自社運用

自社で準備

自社で準備

アウトソーシング

業務委託

業務委託

派遣会社活用

自社で準備

業務委託

自社運用や派遣会社活用は、設備を自社で準備する必要があるため、初期投資や準備時間がかかります。特に自社運用は、オペレーターの確保や教育も必要なため、負担が最も大きくなります。

一方、アウトソーシングでは設備と人材を自社で準備する必要がなく、費用対効果が良い場合には前向きに検討する価値があります。

コンタクトセンターアウトソーシングの料金形態
アウトソーシングの料金形態は主に「月額固定型」と「従量課金型」の2種類です。

月額固定型
月額料金が固定されている料金体系で、業務内容(オペレーターの人数や対応時間など)や設備に対して固定料金を支払います。通信費などの変動費が追加されることが多いですが、契約件数を超過すると割高なコールオーバー費用が発生する場合があります。

従量課金型
応対件数に応じて料金を支払う料金体系です。「1カ月のコール件数 × コール単価」が月額料金となります。月額固定型よりも1件あたりの費用が高くなることが一般的ですが、対応件数の予測が難しい場合には適しています。

2.コンタクトセンター(コールセンター)をアウトソーシングする企業が増えている理由

コンタクトセンター(コールセンター)をアウトソーシングする企業は年々増加しています。その主な理由は、質の高い顧客対応に対するニーズの高まりと慢性的な人材不足です。

2022年のコンタクトセンターの市場規模は、前年度比2.6%増の1兆1,547億円であり、今後も着実な成長が予測されています(参考:株式会社矢野経済研究所「2023 コールセンター市場総覧 ~サービス&ソリューション~」

顧客とのコミュニケーション窓口の重要性が増す中、その対応方法も多様化しており、マルチチャネルでの対応が不可欠になっています。しかしながら、コンタクトセンターの人材不足は深刻な課題で、企業が独自に優秀な人材を確保することが難しい状況です。

実際、オペレーターを「全拠点で十分な応募数を確保できている」とするコンタクトセンターはわずか22%です。(参考:月刊コールセンタージャパン編集部『コールセンター白書2024』,株式会社リックテレコム,2024年,P59

このように、顧客が良質なコミュニケーションを求める一方で、多くの企業が人材不足に直面しているため、アウトソーシングが注目されています。

アウトソーシングによって成果を上げている企業の事例

株式会社三井住友銀行では、200名以上のオペレーターが各種サービスに関するお問い合わせに対応しています。その応対品質が高く評価され、2015年には品質保証規格「COPC認証」を銀行として初めて取得しました。COPC認証は、コンタクトセンターが世界水準のパフォーマンスを実現していることを証明する規格です。

同社は電話だけでなく、さまざまなチャネルで顧客に満足してもらえるような環境を整え、現在はWebサイトの最適化もサポートしています。このように、機密性の高い情報を扱う業種でもコンタクトセンターのアウトソーシングは可能であり、大きな成果を上げることができます。

この事例について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
参考ページ:「導入事例 株式会社三井住友銀行

3.コンタクトセンター(コールセンター)をアウトソーシングするメリット

コンタクトセンターをアウトソーシングすることで、自社で設備や人材を準備する必要がなくなり、専門会社による高品質な顧客対応を実現できます。以下のようなメリットがあります。

コンタクトセンターをアウトソーシングするメリットの一覧

3-1.開設・運用にかかるコストが削減できる

アウトソーシングの最大のメリットの一つは、開設や運用にかかるコストが削減できることです。自社運用の場合に発生する初期投資や人材採用・教育にかかるコストが不要になります。

具体的には、電話やネットワークの回線整備、パソコンやインカムなどの機器購入、オフィスの確保が不要です。また、高い時給や複雑な研修にかけるコストも削減できます。必要最小限の初期費用でコンタクトセンターをスタートし、運用コストも最適化しやすくなります

3-2.コアビジネスに集中できる

アウトソーシングすることで、コアビジネスに集中できるのも大きなメリットです。
顧客対応とその周辺業務に時間や手間を取られることがなくなります。

自社運営の場合、専任のオペレーターを採用しても、教育や管理に担当者が必要です。社員がオペレーターを兼務すると、通常業務が中断したり遅延したりする可能性が高まります。

アウトソーシングであれば、コンタクトセンター運営を専門会社に任せることができ、コア業務に支障を来さずに済みます

3-3.応対品質が向上する

アウトソーシングのもう一つのメリットは、応対品質が向上することです。専門会社による運営により、質の高い顧客対応が実現します。

近年、CX(顧客体験価値)の向上が企業の重要な課題となっており、コンタクトセンターの専門会社はそのためのノウハウを持っています。また、アウトソーシングを利用すれば、自社の営業時間に関わらず24時間体制で顧客対応が可能です。

このように、アウトソーシングは顧客にとって便利で質の高い応対を提供することにつながります

4.コンタクトセンター(コールセンター)をアウトソーシングするデメリット

コンタクトセンターをアウトソーシングする際には、多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。これらをあらかじめ把握しておくことで、適切に対処できるでしょう。

コンタクトセンターをアウトソーシングするデメリットの一覧

4-1.運営のノウハウが蓄積しにくい

1つ目のデメリットは、運営のノウハウが蓄積しにくいことです。アウトソーシングでは外部の知見やノウハウを活用するため、自社でそれらを十分に把握するのは難しいと言えます。

依頼先の会社と連携しながら運営は行いますが、実際に顧客対応の最前線に立つわけではないため、実践から学ぶ機会は少なくなりがちです。

4-2.品質を直接管理できない難しさがある

2つ目のデメリットは、品質を直接管理できない難しさです。
アウトソーシングでは、自社運営に比べてオペレーターの対応やスタッフのモチベーションを把握しにくくなります。

また、専門の社員でなければ対応が難しい質問や、企業の責任者による判断が必要なケースなどは、アウトソーシング先が請け負える業務の範囲を超えることもあります。

このため、アウトソーシングで自社の方針を反映させるには、依頼先と密にコミュニケーションを取り、顧客対応の方針やイレギュラー対応の設計について共通理解を持つことが重要です。

5 コンタクトセンター(コールセンター)をアウトソーシングすべきかの判断基準

コンタクトセンター(コールセンター)をアウトソーシングするべきか迷った際には、自社のサービスや状況がそれに適しているかを考慮することが重要です。
この章では、アウトソーシングがおすすめのケースとそうではないケースについて解説します。

5-1.アウトソーシングがおすすめのケース

コンタクトセンターのアウトソーシングがおすすめなのは、以下のような状況です。

コンタクトセンターに配分できるリソースが社内にない
業務をプロに任せて、社内リソースをコア業務に集中させたい
CX(顧客体験価値)の向上を重視し、改善提案を受けながら運用したい
新たなコンタクトポイント(チャネル)への対応を行いたい

これらの条件のいずれかに当てはまる場合、コンタクトセンターのアウトソーシングを積極的に検討すべきです。アウトソーシングを利用することで、コンタクトセンター会社の知見やノウハウを活用し、社内リソースの不足を補うことができます。

これにより、社内リソースを本業に集中させ、よりよい商品・サービスを提供する好循環が期待できます。

また、自社だけでは進めにくい新たな領域への対応についても、他社の運用事例を参照しながらアドバイスを受けられます。

なお、コンタクトセンターのアウトソーシングは、業務の100%を委託する必要はなく、一部を委託することも可能です。まずは限定した範囲からスモールスタートするのも良いでしょう。

5-2.アウトソーシングがおすすめではないケース

一方、コンタクトセンターのアウトソーシングがおすすめではない状況は以下の通りです。

業務に法的制約がある(例:債権回収業、酒類販売など)
将来的には自社で運用したい

法的な制約がある場合、免許や特別な許可を持つアウトソーシング先を見つける必要があります。

また、将来的に自社運用を考えている場合は、全てを外部に委託してしまうと、将来自社運用する際に人材やノウハウの準備が困難になるため、一部のみをアウトソースするなどの検討が必要です。

6.コンタクトセンター(コールセンター)をアウトソーシングする会社の選び方

コンタクトセンター(コールセンター)のアウトソーシングでは、信頼できる会社に依頼することが不可欠です。専門会社によって実績やノウハウは異なるため、適切な選定が必要です。この章では、良いコンタクトセンター会社の選び方を解説します。

将来的にアウトソーシングの効果を感じられるよう、以下のポイントをチェックしてください。

コンタクトセンターをアウトソーシングする会社の選び方の一覧

6-1.実績や評判が豊富か

まず確認したいのは、その会社の実績や評判が豊富であるかどうかです。

アウトソーシングを請け負った数が多い会社は、それだけ多くのノウハウを有している可能性が高いです。また、顧客からの良い評判は、成果を上げている証拠となります。取引先の企業数や業種、顧客の声をホームページや問い合わせを通じて確認しましょう。

6-2.サービス内容が自社の希望とマッチしているか

サービス内容が自社の希望と一致しているかも重要なポイントです。

希望と異なる条件で契約すると、効果的な運用が難しくなります。例えば、運営業務を全面的に任せたいのに一部がアウトソーシングできない場合、社内リソースを割かなければなりません。

事前にサービス内容を確認し、アウトソーシングの実際をシミュレーションしてもらうことをおすすめします。

6-3.サービスに対する費用は妥当か

サービスに対する費用が妥当かどうかも検討が必要です。

アウトソーシングの料金は、サービス内容や契約形態、各会社の特徴によって異なります。将来的に自社運用を考える場合や長期的に依頼する場合は、負担なく支払える範囲で良質なサービスを探すことが重要です。

複数の会社に見積りを依頼し、内容を比較検討することで適正価格を見極められます。

6-4.セキュリティや法規制に対するコンプライアンスは適切か

セキュリティや法規制に対するコンプライアンスが適切であることを必ず確認してください。

アウトソーシングには、自社の情報をコンタクトセンターに提供する必要があり、依頼先のネットワークセキュリティや情報保護のリテラシーが不十分であれば、情報漏洩のリスクが高まります。

セキュリティ対策についても質問し、納得できる回答が得られるかを確認しましょう。

6-5.サポート体制が充実しているか

サポート体制が充実しているかにも注目しましょう。
手厚いサポートが受けられると、トラブルが発生する前の時点でリスクを回避することができ、高品質な顧客対応が実現します。

例えば、自社社員とコンタクトセンタースタッフ間の認識の違いが生じた場合、迅速に解決に向けて動いてくれる会社であれば、トラブルを未然に防げます。

また、VOC(顧客の声)分析やWebサイトの最適化をサポートしてくれる会社であれば、顧客対応のベストプラクティスを常に更新できます。

どのようなサポートが提供されるのか、具体的な内容や過去の対応事例を示してもらい、確認することをおすすめします。

7.コンタクトセンター(コールセンター)のアウトソーシングを成功させるためのポイント

コンタクトセンターのアウトソーシングは非常に有益な手段ですが、無計画に依頼するだけでは成果を最大化できません。成功させるためには、以下のポイントを押さえましょう。

コンタクトセンターのアウトソーシングを成功させるためのポイントの一覧

7-1.課題や目標を明確化し、アウトソーシング先の企業と共有する

アウトソーシングにあたっては、課題や目標を明確化し、それを依頼先企業と共有することが重要です。具体的な目標があれば、パフォーマンスを向上させやすく、効果の評価も行いやすくなります。

例えば、「半年間で顧客満足度スコアを80%に向上させる」という目標を設定することで、具体的な施策の議論が進みやすくなります。課題や目標の共有は成果向上に寄与するため、依頼先の会社と積極的にコミュニケーションを図りましょう。

7-2.丸投げせず主体的に運営にかかわる

アウトソーシング後も、依頼先に丸投げせず主体的に運営にかかわることが重要です。コンタクトセンター会社は顧客対応のプロですが、自社の商品やサービスの専門家ではありません。

情報提供が不十分であれば、オペレーターは顧客の問い合わせに正確かつ迅速に対応できなくなります。コンタクトセンター会社と自社が協力し合い、それぞれの強みを活かすことで優れた顧客体験(CX)が実現できます。

主体性を持ち、問題点を早期に発見し改善を重ねる姿勢が求められます。

7-3.継続的に伴走できる信頼度の高いパートナー企業を選ぶ

アウトソーシングを成功させるためには、信頼できるパートナー企業を選ぶことが欠かせません。顧客対応の品質は、依頼する会社の特性に大きく影響されます。

確かな顧客対応力をだけでなく、顧客のニーズやトレンドを察知するリサーチ力、企業の成長を支援するマーケティング力、先進技術を活用できるデジタルスキルを備えた会社を選びましょう。

6.コンタクトセンター(コールセンター)をアウトソーシングする会社の選び方」で紹介したポイントを確認し、自社のニーズに合致するパートナーを選定してください。

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まとめ

本記事では、コンタクトセンター(コールセンター)のアウトソーシングに関する基礎知識を詳しく解説しました。以下に要点をまとめます。

●コンタクトセンターのアウトソーシングとは
顧客対応を外部の会社に委託すること

●アウトソーシングのメリット

開設・運用にかかるコストの削減
コアビジネスへの集中
応対品質の向上

●アウトソーシングのデメリット

運営のノウハウが蓄積しにくい
品質を直接管理できない難しさ

●アウトソーシングがおすすめのケース

社内にコンタクトセンターに配分できるリソースがない
業務をプロに任せ、社内リソースをコア業務に集中させたい
CX(顧客体験)の向上を重視し、改善提案を受けながら運用したい
新たなコンタクトポイント(チャネル)への対応を行いたい

●アウトソーシングする会社の選び方

実績や良い評判が豊富か
サービス内容が自社の希望とマッチしているか
サービスに対する費用は妥当か
セキュリティや法規制に対するコンプライアンスは適切か
サポート体制が充実しているか

●アウトソーシングを成功させるためのポイント

課題や目標を明確化し、アウトソーシング先と共有する
丸投げせず主体的に運営にかかわる
継続的に伴走できる信頼度の高いパートナー企業を選ぶ

コンタクトセンターのアウトソーシングは、自社のリソースを最適化しながら顧客対応の品質を高めるための効果的な方法です。メリットが大きいと感じた場合は、ぜひ前向きに検討してみてください。

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