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音声コンテンツとは?市場規模が拡大する中でうまく活用するためには

「最近話題の音声コンテンツとはどのようなもの?」
「音声コンテンツをビジネス活用して成果を上げるためにはどうしたらよい?」

音声コンテンツについて、このような疑問をお持ちではありませんか?
音声コンテンツとは「音声で情報を伝える制作物」のことで、「音声メディア」と呼ばれることもあります。

音声コンテンツには主に以下の6種類があり、ユーザーは右肩上がりに増加市場規模も猛スピードで拡大している注目の分野です。

音声コンテンツの主な6つの種類

当然ビジネスチャンスも多く、うまく活用することで多くのターゲットにアプローチでき、消費者のエンゲージメント(企業に対する愛着や信頼)が向上します。

ただし、音声コンテンツの特性を理解しないまま闇雲に取り組んでも、期待する成果を上げることは難しいでしょう。

そこでこの記事では以下の内容について詳しく解説します。

▼音声コンテンツとは
▼音声コンテンツの種類と代表的なサービス
▼音声コンテンツの市場規模
▼音声コンテンツをビジネス活用するメリット・デメリット

この記事を読むことで、音声コンテンツとは何か理解できるでしょう。若い世代を中心に勢いを増す音声コンテンツの流行に乗り遅れることなく、自社ビジネス発展のためのツールとして有効活用できるよう、ぜひ最後までお読みください。

1.音声コンテンツとは

この章では、音声コンテンツを理解するために必要な以下の内容について解説します。

・音声コンテンツという言葉の意味
・音声コンテンツが注目される背景
・音声コンテンツの普及状況

1-1.音声で情報を伝える制作物のこと

音声コンテンツとは「音声で情報を伝える制作物」のことをいいます。音声を使って情報を発信する媒体という意味合いで「音声メディア」と呼ばれることもあります。

従来はラジオが音声コンテンツの代表的なものでしたが、近年はインターネットでの配信に特化した音声コンテンツが増加しています。

音声コンテンツには音楽配信サービスやポッドキャストなどいくつかの種類があります。大手企業が配信するサービスもあれば個人で配信することもでき、形式もライブ型やオンデマンド型などのバリエーションをもちます。

1-2.「ながら視聴」の浸透で注目されるようになった

音声コンテンツは、YouTubeなどの動画コンテンツの次に流行するものとして注目されています。その理由は、人々の生活に「ながら視聴」が浸透してきたことにあります。

コロナ禍に自宅での作業をしながらBGMとしてコンテンツを利用するといった経験をした方は少なくないでしょう。このように、動画よりもさらに「ながら視聴」に適している音声コンテンツが重宝され、利用者が増えているのです。

1-3.Z世代では4人に1人が利用している

現代の生活様式にうまくマッチするという理由で利用者が増えている音声コンテンツですが、実際にZ世代では4人に1人が利用しています。

第4回ポッドキャスト国内利用実態調査2024年3月』【オトナル・朝⽇新聞社調べ】によると、ポッドキャスト(インターネットで音声データを配信するサービス)を月1回以上聴取する人は全体の15.7%でした。

そのうち最も利用率が高いのが15~19歳の層で、32.8%でその年代の1/3がポッドキャストを利用しており、20代では1/4がポッドキャストユーザーなのです。若い世代を中心に、音声コンテンツが多くの人に利用されていることがわかります。

2.音声コンテンツの種類と代表的なサービス

次に、音声コンテンツの種類と代表的なサービスを見てみましょう。音声コンテンツとはどのようなものかがイメージしやすくなるはずです。

音声コンテンツには、聴いて楽しむだけのものと配信も可能なものの二通りがあり、全体としては以下の6種類に分類されます。

音声コンテンツの主な6つの種類

それぞれの内容について、解説していきます。

2-1.インターネットラジオ

インターネットラジオとは、AMやFMといった電波ではなく、インターネット回線を通じて配信されるラジオ番組のことです。スマートフォンやパソコンなど手持ちのデバイスで気軽に聴けることから、従来のラジオに比べて利用する人の層が広がっています。

また、インターネットに接続している環境であれば音質が安定している点や、居住地に関わらず日本全国、ひいては海外のラジオ番組まで聴ける点も魅力として挙げられます。

電波を使わないということで従来の放送局のように放送免許を取得する必要がなく、新規の制作者も参入しやすいため、自由度の高い番組が幅広く配信されています。

インターネットラジオ独自のコンテンツもありますが、従来のラジオ番組が電波とインターネットの両方で配信される(サイマル放送)ケースもあります。

2-2.オーディオブック

オーディオブックとは、本の内容を音声で聴けるサービスです。
スマートフォンのアプリを使ったり、Webサイトにアクセスしたりすることで、コンテンツを聴くことができます。

運動や家事をしながら読書を楽しみたい人や隙間時間を有効活用したい人などに人気で、新しい読書のスタイルとして注目されています。基本的にはプロの声優やナレーターが朗読するため、耳馴染みがよい点も魅力です。

2-3.音楽配信サービス

音楽配信サービスとは、インターネットを通じて楽曲のデジタルデータを提供し、スマートフォンや携帯音楽プレーヤーなどの再生機器で聴くことができるようにするサービスです。「デジタル音楽販売」「オンライン配信」なども同じ意味に使われます。

1曲・アルバム毎にダウンロードする形式や、定額制のストリーミングによる聴き放題の形式があります。
音楽配信サービスには無料と有料のプランがありますが、その主な違いは以下です。

・提供曲数
・再生方式の自由度
・広告非表示の可否
・オフライン再生の可否

近年、音楽配信サービスは人々の生活にすっかり定着しています。日本レコード協会の調査によると、2023年の音楽配信売上は1,165億円に上り、10年連続のプラス成長となりました。

2-4.ポッドキャスト

ポッドキャストとは、音声データをインターネット上に公開して配信する仕組みのことで、配信されるコンテンツの総称として使われています。

Appleのポータブルマルチメディアプレーヤーである「iPod(アイポッド)」と、放送を意味する英語「broadcast(ブロードキャスト)」を組み合わせた造語です。

現在では音声データだけではなく動画データの配信も行われているほか、電子書籍の配信にも対応しています。

ニュースやボイスドラマ・英会話など多種多様なコンテンツが配信されており、著名人が制作したものなども数多く存在します。

2-5.音声配信プラットフォーム

音声配信プラットフォームとは、その名の通り音声配信に特化したプラットフォームです。

一般的には、専用アプリをインストールしてコンテンツを聴くという形になります。また、ソフトウエアや特別な機材などを用意しなくても、簡単に音声コンテンツを配信することができます。

個人はもちろん企業で参入するユーザーも増えており、うまくファンをつかむことで収益化できるため、ビジネスチャンスが多い分野だといえるでしょう。

音声コンテンツを聴く場合は一部のプレミアムプラン以外は基本的に無料で、配信する場合は個人であれば無料・法人であれば有料というケースが多くなります。

2-6.音声SNS

音声SNSとは、音声コンテンツをユーザー同士でシェアしたり会話に参加したりするなど、コミュニケーションをとりながら聴くことができるサービスです。

「配信者とユーザー」「ユーザー同士」がやりとりできることで、音声コンテンツがライブ感をもって楽しめるという魅力があります。また、ビデオ通話のように映像を使う必要がないため、気軽にコミュニケーションに参加できる点も人気です。

特に「読む」よりも「聴く」方が得意なZ世代では、音声SNSが使いやすいコミュニケーションツールとして注目されています。

3.音声コンテンツの市場規模

音声コンテンツとは何かがわかったところで、市場の状況はどうなっているのかということを見てみましょう。
音声コンテンツの市場規模は速いスピードで拡大しており、ビジネス活用の可能性も高まっています

3-1.ユーザー数は右肩上がりに増加している

まず、音声コンテンツを利用するユーザーの状況としては、その数が右肩上がりに増加しています。

以下は、株式会社ICT総研による「2022年定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査」のうち、定額制音楽配信サービス利用者の数を表したグラフです。

定額制音楽配信サービス利用者の需要予測を表したグラフ

参考:株式会社ICT総研「2022年定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査」

2020年には2,390万人だった利用者数は、2025年には3,250万人に達すると予測されています。
このように、音声コンテンツのユーザーは今後増加の一途を辿る可能性が高いと考えられます。

3-2.デジタル音声広告も急速に成長している

また、増加する音声コンテンツユーザーへ向けたデジタル音声広告の市場も、急速に成長しています

株式会社デジタルインファクトの市場調査によると、デジタル音声広告の市場規模(出稿費)は、2019年の7億円から猛スピードで拡大し、2025年には420億円に達すると予測されています。

デジタル音声広告市場規模の推計を表したグラフ

参考:株式会社デジタルインファクトの市場調査

このように勢いを増す音声広告市場においては、ビジネスチャンスが多いと期待できるでしょう。

4.音声コンテンツをビジネス活用するメリット

音声コンテンツをビジネス活用する方法がわかったところで、それをすると何がよいのかということを確認しましょう。音声コンテンツをビジネス活用するメリットには、以下のようなものがあります。

音声コンテンツを活用するメリット

それぞれの内容について、解説していきます。

4-1.多くのターゲットに正確な情報を伝えられる

音声コンテンツをビジネス活用するメリットとしてまず挙げられるのは、多くのターゲットに正確な情報を伝えられることです。

3.音声コンテンツの市場規模」で解説したように、音声コンテンツを利用するユーザーの数は右肩上がりに増加しています。そのため、配信や広告を耳にしてくれる人の母数が大きくなります。それに加えて音声コンテンツには、完全聴取率が高いという特徴があります。

そのため、動画のように途中でスキップされてしまい情報が途中までしか伝わらなかったり、ディスプレイ広告のようにパッと見た印象しか残らなかったりという事態を避けることができるのです。

多くの人に正しい情報を伝えて認知を拡大したいという企業にとっては、とても魅力的なメリットではないでしょうか。

4-2.消費者のエンゲージメントを高めやすい

音声コンテンツをビジネス活用すると消費者のエンゲージメント(企業に対する愛着や信頼)を高めやすいというメリットもあります

音声コンテンツの自然で継続的な接触は、ユーザーの好感度を上げるからです。

BBC(英国放送協会)によると、ポッドキャストリスナーの94%は他のタスクを実行しながらコンテンツを聴いており、その行為がエンゲージメントの向上に寄与するとしています。そして実際に、他のコンテンツよりもエンゲージメントが高くなることを確認しました。

企業イメージの向上やリピーターの獲得などを目指す企業にとっては、注目すべきメリットだといえます。

5.音声コンテンツをビジネス活用する上でのデメリット

ビジネス活用の可能性が広がる音声コンテンツですが、一方でデメリットも存在します。取り組んでみたものの失敗したという事態を避けるために、おさえておきましょう。

音声コンテンツをビジネス活用する上でのデメリットには、以下のようなものがあります。

音声コンテンツをビジネス活用する上でのデメリットの一覧

それぞれの内容について、解説していきます。

5-1.視覚情報がないという特性に対する適否を検討する必要がある

音声コンテンツの活用に先立って注意すべきなのは、視覚情報がないという特性に対する適否を検討する必要があるということです。

本来は視覚情報が必要な内容を音声コンテンツにしてしまうと、ユーザーに正確な情報が伝わらず、ビジネス効果も得られないからです。

例えば、非常に高画質なテレビについて解説するコンテンツを作りたいとしましょう。どれほど素晴らしい映像かということを音声で表現するのは不可能ではありませんが、恐らく実際に見てもらう以上の効果を得るのは難しいでしょう。

音声コンテンツの制作を考えたときには、「音だけで伝わる内容か」という点をよく検討する必要があります。

5-2.ターゲットに応じて配信方法を吟味する必要がある

ターゲットに応じて配信方法を吟味する必要があるという点も、デメリットとして挙げられます

音声コンテンツは多種多様でユーザーも多いため、闇雲に発信しても狙ったターゲットに届かず埋もれてしまう危険性があるからです。

例えば人気のジャンルでいうと、ニュースは全年代がバランスよく接しているのに対し、コメディ・社会/文化・音楽解説・スポーツ・言語学習等は、15~39歳が6割以上を占めています。(【オトナル・朝日新聞社調べ】『第4回ポッドキャスト国内利用実態調査 / 2024年3月』)。

このように、ターゲットの属性や音声コンテンツとの付き合い方を把握した上で作戦を練ることが求められるのです。

まとめ

この記事では、音声コンテンツとは何かということと、ビジネス活用の方法について解説しました。以下に要点をまとめます。

音声コンテンツとは「音声で情報を伝える制作物」のことをいいます。人々の生活に「ながら視聴」が浸透してきたことに伴って、Z世代を中心に利用者が増えています。

音声コンテンツは、主に以下の6種類に分類されます。

・インターネットラジオ
・オーディオブック
・音楽配信サービス
・ポッドキャスト
・音声配信プラットフォーム
・音声SNS

音声コンテンツをビジネス活用するメリットには、以下のようなものがあります。

・多くのターゲットに正確な情報を伝えられる
・消費者のエンゲージメントを高めやすい

一方、音声コンテンツをビジネス活用する上でのデメリットには、以下のようなものがあります。

・視覚情報がないという特性に対する適否を検討する必要がある
・ターゲットに応じて配信方法を吟味する必要がある

音声コンテンツのユーザー数は右肩上がりに増加しており、市場規模も猛スピードで拡大しています。今後有望なビジネス分野だといえるため、参入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

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