
カスタマーサポートに対するカスタマーニーズ調査
カスタマーサポートは、単なる問い合わせ対応の場から、顧客体験を左右する重要な接点へと変化しています。チャネルの多様化やAI技術の進展により、企業側の選択肢は広がる一方で、「顧客が本当に求めているサポート像」との間にズレが生じているケースも少なくありません。
本調査では実際にカスタマーサポートを利用した顧客の行動や評価に着目し、どのチャネルが選ばれ、どこで満足や不満が生まれているのかを明らかにしました。
表面的な満足度だけでなく、ストレス要因や感動体験、継続・推奨といった行動変化までを分析することで、これからのカスタマーサポートに求められる本質を読み解いていきます。
2024年度の結果はこちらからご確認いただけます。
調査概要
調査名:カスタマーサポートに対するカスタマーニーズ調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年2月18日~2026年2月23日
調査対象:全国の20代~60代以上の男女3,302名
調査内容:カスタマーサポート利用の背景
利用チャネルと解決プロセス
満足度・ストレス体験
ストレスが継続利用に与える影響
感動体験とロイヤルティ行動
AIサポートに対する評価
調査結果サマリー:2025年を読み解く5つの視点
Insight | Summary |
電話は依然として“主導チャネル” | 利用開始・解決ともに電話が最多。顧客は「即時性・確実性」を求め、最も確実な手段として電話を選択 |
ストレス体験が顧客離脱を加速 | カスタマーサポート利用者の65.7%がストレスを経験し、そのうち54.1%がサービス利用を停止。サポート品質は顧客維持率に直結 |
課題は対応品質ではなく“解決までの時間” | 担当者対応の満足度は高い一方、「解決までにかかった時間」が最大の不満要因。体験価値はプロセス設計に左右される |
自己解決チャネルは機能不全に陥りがち | FAQ・チャットボットは初期利用されるものの、解決に至らず電話へ回帰する傾向。チャネル連携の不備がストレスを生む |
感動体験がCXとロイヤルティを押し上げる | 感動体験者の81.6%が継続利用意向を示し、約半数が他者に推奨。解決スピードと寄り添う対応がロイヤルティ行動を創出 |
本調査から、カスタマーサポートに対する顧客ニーズは、チャネルの多さよりも、どの手段でも迷わず短時間で確実に解決できることに集約されていることが分かりました。
電話は依然として主要な解決チャネルであり、FAQやチャットボットなどの自己解決手段も活用されている一方で、解決に至らない場合には最終的に有人対応へ移行する傾向が見られます。
また、カスタマーサポート利用時のストレス体験は顧客評価に大きく影響しており、解決までにかかる時間や導線の分かりにくさが主な不満要因となっています。
一方で、迅速かつ的確な対応や寄り添いのあるコミュニケーションは感動体験につながり、継続利用や紹介意向といったロイヤルティ行動を高めています。
これらの結果から企業には、チャネル単体の最適化にとどまらず、顧客がどの接点から始めてもスムーズに解決へ導ける一貫したサポート体験の設計が求められていることが示唆されます。
調査結果
カスタマーサポート利用の背景
カスタマーサポートは、顧客が不安や疑問を感じた際に最初に接触する重要な窓口です。まずは直近でどのような業種に問い合わせが行われているのかを見ていきます。
問い合わせた業種

通信業界(インターネット、携帯電話・スマートフォンなど)への問い合わせが24.3%と最も多く、次いでメーカー(20.4%)、金融(14.3%)が続きました。上位3業種で全体の約6割を占めており、特定の業種に問い合わせが集中していることが分かります。
これらの業種は、サービス内容や契約条件、料金体系が複雑になりやすく、利用者自身で状況を判断することが難しい傾向があります。その結果、不具合やトラブル発生時だけでなく、内容確認や理解を目的とした問い合わせが日常的に発生していると考えられます。
問い合わせ内容

問い合わせ内容では、「製品不良(初期不良・不具合・故障)」が15.5%と最も多く、次いで「製品・サービスの機能や内容に関する問い合わせ」(10.5%)、「設定や操作方法に関する問い合わせ」(10.1%)が続きました。
不具合対応だけでなく、製品やサービスを正しく使うための確認・サポートへの需要が高いことが分かります。
これらの結果から、問い合わせは突発的なトラブル時だけでなく、利用の過程で生じる疑問や不安を解消する目的でも発生していることがうかがえます。
カスタマーサポートは、問題解決の場であると同時に、顧客がサービスを安心して利用し続けるための支援機能として重要な役割を果たしています。
カスタマーサポート利用プロセス
カスタマーサポートでは、どのチャネルから問い合わせを始め、どの手段で解決に至るかによって体験が大きく左右されます。本章では、利用開始から解決までのプロセスに着目します。
カスタマーサポート利用開始チャネル

カスタマーサポートの利用開始チャネルとしては、「電話」が34.6%と最も高く、次いで「メール(Webサイトの問い合わせフォーム等)」が18.1%、「チャットボット(機械が対応していると思われるもの)」が12.6%となりました。
問い合わせの入口として、電話が依然として主要な選択肢となっていることが分かります。
電話は、すぐに人とつながり、状況を説明しながらやり取りできる点で安心感があり、最初から確実な解決を求める顧客に選ばれやすいチャネルと考えられます。一方で、メールやチャットボットも一定数利用されており、内容や緊急度に応じてチャネルを使い分けている様子がうかがえます。
利用開始チャネルに電話が選ばれる理由

電話が利用開始チャネルとして選ばれる理由としては、「急いでいたのでとにかく電話で解決したかった」が32.0%と最も多く、次いで「他の手段だと解決までに時間がかかる」(27.6%)、「電話でしか対応できない内容だった」(27.1%)が続きました。
これらの結果から、顧客はスピードや解決確度を重視して電話を選択していることが分かります。
また、「曖昧な問い合わせでも会話の中で意図を理解してもらえる」といった理由も一定数見られ、テキスト入力では伝えにくい内容を補完できる点も評価されていると考えられます。電話は単なる連絡手段ではなく、複雑な状況を整理しながら解決に導く手段として認識されています。
最終的に解決したチャネル

最終的に解決したチャネルでも、「電話」が40.2%と最も高い結果となりました。次いで「メール(Webサイトの問い合わせフォーム等)」が18.5%、「チャット(人が対応していると思われるもの)」が14.1%と続いています。
利用開始時と同様に、解決段階においても電話が中心的な役割を果たしています。
一方で、FAQやチャットボット、コミュニティサイトなどの自己解決手段は、解決チャネルとしては割合が低い結果となりました。
自己解決チャネルは試されるものの、最終的な判断や対応は有人チャネルに委ねられるケースが多いことが読み取れます。
最終的に電話を利用することになった理由

最終的に電話を利用することになった理由として、「他の手段を利用したが電話でしか解決できない内容だった」が23.8%で最も多く挙げられました。次いで「他の手段を利用したが電話での問い合わせに誘導された」「他の手段を利用したが分かりにくく解決しなかった」と続いています。
これらの結果から、自己解決チャネルやテキストチャネルが解決に至らず、電話へ移行せざるを得ない状況が一定数存在していることが分かります。顧客は意図的に電話を選び直しているだけでなく、途中で行き詰まり、最終手段として電話にたどり着いているケースも多いと考えられます。
その他調査内容については、資料を準備しています。こちらからお問い合わせください。
・カスタマーサポート体験の評価 |
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