問い合わせフォームとメール利用実態調査2024
企業への問い合わせ方法は、デジタルチャネルも導入され、ユーザーは自分の好みに合わせて手段を選んでいます。
本調査では企業に問い合わせをする際、“問い合わせフォームとメール”を活用する場面において、ユーザーが求める対応の速さや、問い合わせ手段による満足度の違いについて調査をしました。
回答時間の早さがユーザーの評価や購買意欲に影響を与えることがわかり、迅速な対応が企業にとって重要な課題であることが浮き彫りになりました。
2022年度の結果はこちらからご確認いただけます。
調査概要
調査名:問い合わせフォームとメール利用調査2024
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年1月24日~2024年1月31日
調査対象:企業に商品やサービスについて問い合わせたことがある、全国20代~70代の男女11,519名
調査結果
ユーザーのストレス要因と業界別分析:待ち時間と問い合わせ方法の改善が重要
過去に問い合わせをした際に、「一度でもストレスを感じたことはある」と回答した人に対して、どのような時にストレスを感じたか調査しました。
その結果、前回の2022年の調査と同様、「電話が繋がらず待たされた」が37.2%と最も多い結果となりました。この割合は前回よりも約6ポイント増加しています。
また2番目に多かった「回答までに時間がかかった」を選んだ人は21.6%であり、前回の調査と比べ15ポイント以上減少しています。
この結果から、企業はユーザーを待たせない対策が引き続き求められていることがわかります。一方で、電話などで企業へ問い合わせ・コンタクトを取ることができれば、回答の速度は2年前の前回調査時よりも改善していることが確認されました。
次に業界別で見たストレスの要因について、一部特徴的な業界をご紹介します。
全体の集計では4番目に多かった「通信料や通話料等お金がかかった」という要因に関しては、カード業界( 40.9% ) と家電業界( 24.8% )で高い割合となっています。
また「問い合わせ先や問い合わせ方法がわかりづらい」という要因は全体では5番目に多い結果であり、ソフトウェア業界 ( 23.7% )で特に高い割合でした。
その他、「転送やたらい回しにあった」を選んだ人が多かったのは、携帯キャリア業界( 19.1% )であり、「ストレスを感じたことはない」を選んだ人が多かったのは保険業( 16.6% )とライフライン業界( 24.8% )でした。
問い合わせフォームとメールの回答時間:早いと感じるのは3時間以内が約70%
問い合わせフォームやメールでの問い合わせた場合、回答までにかかる時間について調査しました。その結果、回答が早いと感じる時間としては1時間以内が 51.7% 、3時間以内が 16.4% となりました。
つまり、約70%の人が3時間以内に回答が届くと早いと感じることがわかりました。
この割合は、前回の2022年度の調査とほぼ変化はありませんでした。
問い合わせフォームとメールの対応時間とユーザーの評価:「親切に感じる」「ユーザーのことを考えている」との回答が半数以上
問い合わせフォームやメールで問い合わせに対し、対応が早いと感じた企業について調査しました。その結果、「親切に感じる」が 60.2% 、「ユーザーのことを考えている」が 53.6% となりました。
また企業の売上につながる要素として「購入したい」という割合や「リピートしたい」という割合は20%弱となりました。さらに、他者に対して良い評価を伝える選択肢である「家族や友人に薦めたい」「SNSで発信したい」「ブログに書き込みたい」においては、10%前後という結果となっています。
回答までの遅さに不満を持つユーザー:1時間以内が21.7%
一方、回答までにかかる時間が遅いと感じる時間においても調査しました。
その結果、1時間以内が 21.7% となりました。この割合は前回の2022年度の調査と同数となっています。
対応が遅い企業の評価とユーザー満足度:「不親切に感じる」「ユーザーのことを考えていない」との回答が半数以上
対応が遅いと感じた企業に対しては、「不親切に感じる」が 56.3% 、「ユーザーのことを考えていないと思う」が 49.8% でした。
対応が早い企業に対して感じる「親切に感じる」「ユーザーのことを考えている」割合とほぼ同数であることがわかります。
また企業の売上につながる要素である「購入したくない」という割合や「解約したい」という割合は20%弱となりました。さらに、他者に対して低評価を伝える「家族や友人に伝える」「SNSで発信したい」「ブログに書き込みたい」という選択肢においては10%弱の結果となりました。
この結果から、問い合わせフォームやメールでの問い合わせに対し、回答速度次第で、ユーザーの約20%は購入するかの判断を行い、約10%は他社に対して発信したいと思っていることがわかります。
問い合わせ手段のストレス度と選定基準:自己解決手段を選択する人は約1割
問い合わせをする際に最もストレスを感じない手段(チャネル)について、電話/オペレーターが 45.9% と最も多い結果となりました。
問い合わせフォームやメールにおいても、電話/オペレーターに次いで多い結果となり、問い合わせフォームが 14.0% 、メールが 12.9% でした。
また自己解決の手段である「FAQで解決」は 9.6% 、「Webで検索して解決」は 2.7% 、「チャットボット」が 1.5% と、全体の約1割のユーザーが自己解決の手段(チャネル)を選んでいます。
さらに、チャネルの選定基準についても伺ったところ、「的確な回答が得たい」「素早く回答がほしい」という理由が半数以上の方に共通して感じられることであるがわかりました。
まとめ
調査結果から、ユーザーが問い合わせで感じる主なストレス要因は「電話が繋がらず待たされた」(37.2%)が最も多く、前回よりも増加していることがわかりました。一方で、「回答までに時間がかかった」という不満は減少しており、電話対応の速度は改善傾向にあります。
さらに、問い合わせフォームやメールでの対応については、約70%の人が3時間以内に回答を受け取ると「早い」と感じています。対応が迅速な企業に対しては、「親切」「ユーザーを大切にしている」という評価が高く、これが売上やリピート意向にも影響を与えていることが示されました。
また、対応が遅い企業には「不親切」「ユーザーのことを考えていない」と感じるユーザーが多く、購入意欲や解約意向にもつながっています。
問い合わせ手段では電話が最も好まれる一方、約1割のユーザーはFAQやチャットボットなどの自己解決手段を選んでおり、迅速かつ的確な対応が重要視されていることがわかりました。
この調査結果から、企業はユーザーを待たせない対応の強化と、多様な問い合わせチャネルの改善が必要であることが示されています。
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