ビジネスシーンにおける生成AI利用実態調査
生成AIは、企業の競争力を左右する重要な要素となりつつあります。本レポートでは、モニター調査を通じて、利用頻度や目的の変化、業務プロセスへの組み込み度合い、導入時の判断基準を分析。さらに、社内の障壁や今後の活用領域、仕事への影響までを明らかにしました。生成AI戦略を検討する企業にとって、意思決定の指針となる内容です。
2024年度の結果はこちらからご確認いただけます。
調査概要
調査名：ビジネスシーンにおける生成AI利用実態調査 2025
調査方法：インターネット調査
調査期間：2024年9月5日～2025年9月24日
調査対象：生成AIを仕事で利用したことのある、全国20代～60代の男女3,211名
調査内容：生成AIの利用頻度の変化
1年前の生成AI利用目的と成果
生成AIの利用目的の変化
生成AIが業務プロセスに組み込まれている度合い
生成AIの導入・活用における社内の障壁
生成AI利用に関するガイドラインやルールの有無
ビジネスシーンにおける生成AI活用に対する意識
生成AIを活用しているツール導入時の判断基準
今後ビジネスシーンで生成AIに期待する活用領域
生成AIの利用が拡大してきたことによる自身の仕事への影響
調査結果
生成AIの利用頻度の変化
本調査では、生成AIを仕事で利用したことのある全国の20代～60代男女3,211名を対象に、過去1年間の利用頻度の変化を尋ねました。
結果として、「利用頻度が増えた」と回答した人は65.9％と、過半数を大きく上回りました。一方で、「変わらない」25.1％、「減った」2.4％、「利用をやめた」1.0％と、利用を減らす動きは限定的です。
これにより、生成AIの業務利用はこの1年で着実に拡大していることが確認されました。
次に、現在の利用頻度を見ていきます。
「週に1～3日」31.0％が最も多く、次いで「毎日」23.2％、「週に4～6日」21.8％と、週単位で継続的に利用している層が過半数を占めています。一方で、「月に1～3日」12.4％や「数か月に1回程度」6.1％、「1回使っただけ」4.9％と、スポット利用にとどまる層も一定数存在します。
この結果から、「毎日」または「週複数回」利用するヘビーユーザーが約45％に達し、生成AIが日常業務に深く組み込まれていることが示唆されます。
また以下のグラフは昨年の生成AIを利用する頻度を調査した際の結果と比較したグラフです。
生成AIの利用頻度を前年と比較すると、「毎日」利用は12.8％から23.2％へ増加し、「週に4～6日」も18.6％から21.8％へ大幅に伸びました。加えて、「週に1～3日」も27.8％から31.0％へ増加し、週単位で継続的に利用する層は全体の約76％に達しています。
一方、「数か月に1回程度」や「1回使っただけ」などのスポット利用は減少しており、生成AIが試験的なツールから、業務に不可欠な存在へと進化していることが確認されます。
次に、年代別の傾向を確認します。
生成AIの利用頻度は全年代で大幅に増加しており、特に30代では67.5％が「利用頻度が増えた」と回答しました。一方、60歳以上は「もともと使っていない」が（9.5％）と高く、世代間で浸透度に差が見られます。「減った」「利用をやめた」の割合はいずれも数％にとどまり、全体として生成AIはビジネスシーンで定着しつつあることが明らかになりました。
続いて、業界別の特徴を見ていきます。
ソフトウェア・通信（72.4％）を筆頭に、メーカー（70.5％）、官公庁・公社・団体（69.9％）、マスコミ（68.8％）で「利用頻度が増えた」と回答した割合が非常に高いことが分かりました。
これらの業界では、生成AIの導入が業務効率化やコンテンツ制作、情報処理に直結するため、積極的な活用が進んでいると考えられます。一方で、金融（57.5％）、商社（55.9％）、小売（55.4％）では増加率がやや低めであり、規制や業務特性による慎重な導入姿勢が影響している可能性があります。
さらに、生成AIを毎日、または週4日以上利用する割合が最も高いのは商社で60.1％に達し、業務への深い組み込みが進んでいます。次いでソフトウェア・通信（52.0％）、メーカー（51.5％）が続き、いずれも半数以上が高頻度で活用中です。
これらの業界では、生成AIが日常業務に不可欠なツールとなりつつあり、競争力強化に直結する活用が進展していることがうかがえます。
一方、官公庁・公社・団体で、毎日または週4日以上の利用は25.7％にとどまり、公共分野では比較的低頻度の利用傾向が見られます。
最後に、業種別の利用状況を確認します。
技術職（71.7％）、クリエイター・クリエイティブ職（71.2％）、企画・管理職（70.7％）で「利用頻度が増えた」と回答した割合が高いことが分かりました。これらの職種は、情報処理やアイデア創出、コンテンツ制作など生成AIの強みが直接業務に結びつくため、活用が進んでいると考えられます。一方、経理（49.0％）や販売・サービス職（54.0％）では増加率が低めであり、業務特性上、AI導入のハードルや必要性が異なることが示唆されます。
利用頻度の詳細では、専門職（コンサルや監査法人など）と営業職で「毎日」利用が31.6％と最も高く、週単位での利用も含めると過半数が継続的に活用しています。一方、企画・管理職やクリエイター職では「月に1～3日」利用が比較的多く、業務特性に応じて利用頻度が分かれる傾向が見られます。また、経理職では「週に1～3日」34.2％が最多で、毎日利用は13.3％にとどまるなど、定型業務中心の職種では利用頻度が低めです。
その他の調査内容については、資料を準備しています。こちらからお問い合わせください。
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