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DX戦略とは?5ステップの策定方法と参考事例・成功ポイントを解説

「DX戦略を策定しなければならないが、何から始めればいいのかわからない」
「DXプロジェクトをスタートしたものの、成果を感じられない」

DX戦略について、このようなお悩みを抱えていませんか?

DX戦略とは、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するにあたり、どんなビジョンに向かってどのように施策を講じていくかを定めたものであり、DXを成功させるためには必須となる指針です。

新たな価値の創出に向けてビジネスを変革するDXでは、予測が難しい状況の中でも、道筋を見失わずに長期的な取り組みを継続することが求められます。このプロセスにおいてロードマップとなるDX戦略が不適切だと成果が得られないということは、容易に想像できるでしょう。

そこでこの記事では、以下の内容について詳しく解説します。

▼DX戦略とは
▼DX戦略の策定方法
▼DX戦略策定の参考になる3つの事例
▼【業種別】DX戦略のビジョンと施策の5つのモデルケース
▼DX戦略を成功させるためのポイント

この記事を読むことで、DX戦略を策定するためには何をどうすべきかということがわかります。また、自社に適したDX戦略はどのようなものかというイメージも具体化するはずです。

デジタル化が加速する現代社会の中で優位性を確保し、業績を伸ばしていくための第一歩として、ぜひ最後までお読みください。

1.DX戦略とは

まずは、DX戦略の基本概念をおさえておきましょう。この章では、以下の内容について解説します。

・DX戦略とは何か
・DX戦略が必要とされる理由
・DX戦略を策定するメリット

1-1.DXを推進するにあたりどんなビジョンに向かってどのように施策を講じていくかを定めたもの

DX戦略とは、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するにあたり、どんなビジョンに向かってどのように施策を講じていくかを定めたものです。

DX戦略とは

DX推進においては非常に重要な概念であり、実際にDX推進の準備が整っている企業を国が認定する「DX認定制度」では、適切なDX戦略の策定が求められます。

1-2.DX戦略はDXの本当の目的を達成するためには必須の指針

DX戦略が必要とされる理由は、DXの本当の目的を達成するためには必須の指針となるからです。

DXの本質は、包括的なビジネスの変革です。ただ業務をIT化したり、自動化したりすることではありません。DXとは文化の変革であり、自社のあらゆる業務プロセスとビジネス手法を見直すことを意味します。

そのためDXは、短期的・場当たり的な対応では実現しないのです。DX戦略によって道筋を明らかにし、長期的な取り組みを継続していくことが不可欠になります。

1-3.DX戦略は一貫性のあるDX推進に役立つ

DX戦略を策定するメリットは、一貫性のあるDX推進に役立つという点です。

DX戦略が明確であれば、長期的な取り組みをぶれずに継続することができます。また、DXについて全社員が共通理解することも可能になるからです。

DX戦略の策定は、目指すべき方向を見失うことなく、企業全体でDXを推進するという意味での一貫性の確保につながります。

2.【5つのSTEP】 DX戦略の策定方法

次に、DX戦略はどのように策定するのかということを確認しましょう。DX戦略は、以下の手順で策定します。

DX戦略の策定方法

それぞれの内容について、解説していきます。

2-1.【STEP1】外部環境の影響を分析する

まずは、社会情勢や競合の動向といった外部環境が自社のビジネスにどのような影響を与えるかについて分析します。

DX戦略の策定にあたって外部環境の影響が把握できていないと、DXのビジョンや施策が的外れなものになってしまう可能性があるからです。

際に、経済産業省配下のIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発行している「DX白書2023」では、外部環境の評価をDX戦略策定の大前提に位置付けています。

PEST分析などのフレームワークを活用し、自社ビジネスを取り巻く環境とその影響を明らかにすることが必要です。

【PEST分析とは】

PEST分析とは、Politics(政治)・Economy(経済)・Society(社会)・Technology(技術)の頭文字をとった名称です。

外部環境を政治・経済・社会・技術の4つに分類し、それぞれが自社にとって機会または脅威として与える影響を分析する方法です。

IPAによる「DX白書2023」では、DX戦略策定におけるPEST分析の例が示されています。

PEST分析の例

出典:DX白書2023

2-2.【STEP2】DXによって達成すべきビジョンを定める

自社ビジネスへの外部環境の影響が把握できたら、DXによって達成すべきビジョンを定めます

DXのビジョンとは、DXによってどのような姿になりたいのかという、企業の理想像です。ビジョンがなくてはDX戦略のゴールが見えず、効果的な施策を考えることができません。

以下の内容を考慮した上で、ビジョンを検討しましょう。

・自社の基本理念(どのような価値を提供したいか)
・自社の強み(優位性を確保するために役立つものは何か)
・未来の環境(テクノロジーや顧客ニーズはどのように変化しそうか)

ビジョンの設定において大切なのは、大局的な観点から考えるということです。

例えば食品メーカーだとしたら、基本理念は美味しい食べ物の提供というだけではなく、健康的な生活への貢献かもしれません。強みには商品の質だけではなく、どこにでも素早く宅配できる物流システムや、信頼性の高い原料を確保できる仕入れルートも挙げられるでしょう。

そして、人々の食生活や購買行動の変化に加えて、調理にかかわる技術や自然環境といった未来予測も必要になるはずです。

このような全体像からビジョンを導くことが、本質的なDXの実現へとつながっていきます。

2-3.【STEP3】ビジョンと現状のギャップを確認する

ビジョンが定まったら、ビジョンと現状との間にどのようなギャップがあるのかを確認します。言い換えると、ビジョンの達成に向けて課題となる部分を洗い出すということになります。

このギャップを埋める方法がDX戦略における施策になるため、どのような取り組みをするかの検討に先立って欠かせないステップになるのです。

先ほどの例でいうと食品メーカーが、「デジタル技術の活用によって優れた製品・サービスを生み出し、食と健康の課題を解決することで、人々のよりよい生活をサポートする」というビジョンを定めたとしましょう。

この場合には、以下のようなギャップがあるかもしれません。

・製造ラインにおける作業が属人化しており生産性が低い
・品質管理の工数が多い・煩雑になっている
・商品開発部門が多忙で回転が悪い
・パーソナライズドマーケティングが行えていない

つまり、「健康に寄与できる製品・サービスを作って必要とする人々に届ける」というプロセスにおいて、改善する必要がある点を挙げ、施策のヒントにしていくという流れになります。

2-4.【STEP4】ギャップを埋めるための施策を検討する

ビジョンと現状のギャップを洗い出したら、それを埋めるために何をするかという施策を検討します

前述の食品メーカーであれば、以下のような施策が必要になるでしょう。

・AI(人工知能)やIoT(モノの情報通信)・ロボットの導入による製造作業の自動化
・製品データベースや画像処理システムを活用した品質管理
・AI(人工知能)による商品開発支援
・MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用した顧客一人ひとりへのアプローチ

ただし、企業としてDXに割けるリソースは無限ではありません。

施策の中でもビジョンとのギャップが大きい部分や、費用対効果が高い部分に対して優先的に割り当てる・ツールを比較検討して負担が少ないものを選ぶといった工夫も必要になります。

2-5.【STEP5】施策をいつどのように実行するか計画する

必要な施策が決まったら、それらをいつどのように実行するかという具体的な計画を立てます

具体的な計画がなければ、施策を考えたはいいものの着実に実行していくことができず、DX戦略が絵に描いた餅になってしまうかもしれません。

また、DX戦略の進捗状況を評価することも難しくなります。

例えばデジタル技術の活用による製造作業の自動化を目指すのであれば、ツールの選定・導入から関係者への研修まで、細かな部分もどのように取り組むのかをしっかりと計画しましょう。

3.DX戦略策定の参考になる3つの事例

DX戦略の策定方法が理解できたところで、効果的な策定を行っている事例をご紹介します。

3-1.施策・体制・成果指標を明確に定める日本経済新聞社

日本経済新聞社は、DX戦略の施策・体制・成果指標を明確に定めています

「デジタル技術を活用し、世界を代表するメディアカンパニーを目指す」というビジョンに向けて、以下3つの施策を講じています。

【日本経済新聞社が進める3つのDX】

顧客サービスのDX

日経ID対応サービスの拡大
データ拡充と横断活用の推進

業務のDX

データに基づく経営の実現
働き方の見直し

営業力のDX

営業プロセスの見える化
データに基づく定量的なKPI管理

また、これらのDXを推進するための組織を編成し、人材やIT環境をどのように整備するかということも含めて、体制を明文化しています。

そして、DX戦略の成果指標についても、以下のように具体的な数値を設定しているのです。

・日経ID会員数1000万人(うち女性会員比率24%・30代以下会員比率32%)達成
・年間労働時間100万時間削減

このように、DX戦略の施策・体制・成果指標を明確に定めて公表すると、確実な取り組みの実施や社員の団結、社会的評価の向上が期待できます

参考:日本経済新聞社|DX戦略

3-2.データ分析の結果を戦略につなげるイオングループ

イオングループは、データ分析の結果をDX戦略につなげる取り組みをしています

イオンモールでの購買データやグループ会社の健康関連データ・金融事業で得られるデータなど、さまざまなデータを紐付けし、横断的に解析することで、必要な施策を見出しているのです。

具体的には、グループ共通で使えるデータ分析基盤を構築し、集まったデータを分析することで、以下のような価値を生み出すことを目指しています。

・顧客体験向上
・既存ビジネスの拡張・新規ビジネスの創出
・オペレーション効率の改善

実際に中国のイオンでは日本よりも一足先に、顧客に最適なレコメンドを行ったり従業員がスマホで在庫・欠品管理できたりするシステムが導入されています。

このように、経験則や勘ではなくデータに基づいてDX戦略を策定すると、DXの成功率が高まります

参考: DX of AEON

3-3.実証実験によって効果的な施策を見出したANA

ANA(全日本空輸株式会社)は、施策の実現可能性や効果を判断するために、数多くの実証実験を行っています

2019年の実績は実証実験が50件以上、新たなサービス・業務プロセスの創造数は20件に上ります。その結果、顧客データや貸し出し用品の管理システム・時差ボケ調整アプリなど、さまざまなサービスが誕生しました。

そして、実証実験の予算は別枠で確保し、アイデアの是非を早期に判断することで、システム化までにかかる時間の短縮も実現したのです。

このように、試しながら最適解を探すという方法をとると、効果的な施策を見出しやすくなります

参考:ANAのDXに向けた取り組み

4.DX戦略を成功させるための5つのポイント

最後に、DX戦略を成功させるためには、以下のポイントをおさえることをおすすめします。

DX戦略を成功させるためのポイント

それぞれの内容について、解説していきます。

4-1.自社の経営戦略との整合性を確保する

まずは、DX戦略と自社の経営戦略との整合性を確保することが欠かせません

DXは、小手先のデジタル化ではなく文化の変革です。社内に大きな変化が生まれるため、経営戦略との乖離があると混乱が生じるばかりか、取り組みを進めること自体が難しくなる可能性があります。

たとえば、経営戦略として「顧客満足度の向上」を目指しているのに、DX戦略では業務のIT化だけを取り上げていたとしましょう。従業員満足度は向上するものの、売上や顧客からの喜びの声は伸びず、肝心のビジネスの目的を見失ってしまうかもしれません。

DXを自社ビジネス発展につなげるために社員が一丸となって進む上では、経営戦略に即したDX戦略が必須です。もちろん、経営陣が率先してDXに取り組む姿勢を見せることも大切になります。

4-2.全社員のコミットメントを促す

DX戦略の策定と推進に全社員のコミットメントを促すことも重要です。

なぜなら、DX戦略のビジョンを達成するためには、全社員が部門を超えて取り組む必要があるからです。

DXでは、事業部門やIT部門など各部門に分散した業務ノウハウを活用することが欠かせません。実現するためには、各部門を巻き込んだ協力体制を構築できるかどうかが焦点になります。

DX戦略を関係者全員に周知し、皆で取り組む必要性があることを伝えて、自分事として認識できるように働きかけましょう。

4-3.施策の成果を評価しこまめな軌道修正を行う

施策を講じたら、その成果を評価してこまめな軌道修正を行いましょう

新たな価値を創出するDXにおいては、あらかじめ最終的なビジネスのあり方を具体的に定めるのは困難なことが多く、当初定めた施策を単に継続するだけではビジョンを達成できない可能性があるからです。

そこで必要になるのが、状況に応じて柔軟かつ迅速に施策を変化させていくことです。

企画・実行・学習のサイクルを継続的かつスピード感をもって反復することを意味する、アジャイルな取り組みという言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

このアジャイルな取り組みが、試行錯誤の中でDXの道筋を最適化することにつながります。

4-4.社内のテクノロジーを連携する

DX戦略においては、社内のテクノロジーをいかに連携するかがポイントになります

断片化されたプラットフォームやアプリケーションを使用していると、データの一元管理が難しくなるからです。

また、拡張可能なシステムでなければ、ビジネスの成長に合わせて施策を進化させていくことができません。

DXによってビジネスを変革させるためには、社内外の関連データをもれなく活用すること、状況に応じて柔軟かつ迅速に施策を変化させることが必要です。

そのため、散在するデータを一か所に集めて適切に管理し、必要な機能を随時追加できるようなプラットフォームを導入することが求められます。

4-5.外部サポートを有効活用する

DX戦略の策定や推進にあたっては、外部サポートを有効活用することをおすすめします

DXを成功させるためには取り組みをリードできる人材の存在が不可欠ですが、その確保は容易ではないからです。だからといって初心者が独自にDX戦略を進めても、成果を最大化できない可能性が高いと言わざるを得ません。

外部サポートを活用すれば、さまざまな顧客への対応で蓄積された経験とノウハウを基に、ベストプラクティスを提供してもらうことができます。

また、DX推進業務に本業のリソースを奪われることもありません。

まずは、DXのコンサルティングを担う企業をいくつかピックアップしてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

この記事では、DX戦略を策定するために必要な知識について解説しました。以下に要点をまとめます。

DX戦略とは、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するにあたり、どんなビジョンに向かってどのように施策を講じていくかを定めたものです。

ビジネスの変革というDXの本当の目的を達成するためには必須の指針であり、一貫性のあるDX推進に役立ちます。

DX戦略は、以下の手順で策定します。

【STEP1】外部環境の影響を分析する
【STEP2】 DXによって達成すべきビジョンを定める
【STEP3】ビジョンと現状のギャップを確認する
【STEP4】ギャップを埋めるための施策を検討する
【STEP5】施策をいつどのように実行するか計画する

DX戦略を成功させるためには、以下のポイントをおさえるのが効果的です。

・自社の経営戦略との整合性を確保する
・全社員のコミットメントを促す
・施策の成果を評価しこまめな軌道修正を行う
・社内のテクノロジーを連携する
・外部サポートを有効活用する

DX戦略は、デジタル化が加速する現代で生き残るためには欠かせないものです。まずは自社のDXの現状を確認するところから、策定に向けて踏み出してみましょう。

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