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【オムニチャネル利用実態調査2025】
~拡がる問い合わせチャネル/ユーザーのニーズと解決手段の実態とは~

オムニチャネル利用実態調査

企業への問い合わせ手段は、かつては電話やメール、Webの問い合わせフォームが主流でしたが、現在ではチャットやSNSといったデジタルチャネルが普及し、消費者が多様な手段を選べる時代となりました。

企業もこれに応じて、さまざまなチャネルを増やすことで、顧客との接点を拡大し、顧客体験の向上やサービス改善に役立てています。

昨年同様、オムニチャネルの利用実態を調査し、消費者の行動やニーズを把握することで、企業がどのように顧客の期待に応えることができるかを探ります。

特に、消費者がどのチャネルを選ぶか、それぞれの手段に対する満足度や課題について深掘りし、より良いカスタマーサポートを実現するためのヒントを提供します。

2024年度の結果はこちらをご確認ください。

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調査概要

調査名 :オムニチャネル利用実態調査2025 
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年3月4日~2025年3月6日
調査対象:カスタマーサポートに直近1年間で問い合わせたことがある、全国20代~60代の
     男女2,645名

主な調査結果

Theme1:消費者の問い合わせチャネルの多様化

現在、消費者は企業への問い合わせ手段として、電話(57.4%)やメール(64.6%)に加えて、チャット(49.7%)やSNS45.4%)などのデジタルチャネルを積極的に利用しています。この変化に伴い、企業は多様なチャネルを展開し、顧客との接点を強化することが不可欠です。これにより、顧客体験の向上とサービス改善を実現することが期待されます。

Theme2:カスタマーサポートにおける課題と期待

顧客はカスタマーサポートに対して、迅速かつ簡単に問題を解決する能力を最も重視しており、その期待に対する満足度は低下しています。特に、メールでの問い合わせにおいては「回答までに時間がかかる」との課題が61.3%に達し、電話サポートにおいても「回答までに時間がかかる」が46.9%と高い割合を示しています。さらに、顧客が希望するサポート体制として、年中無休でのサポートが求められています。一方で、各チャネルにおいて顧客が抱える課題には、時間のかかる回答や情報の不足が挙げられており、特にFAQの充実が求められています。

Appendix:参考情報(業界別分析)

 

Theme1:消費者の問い合わせチャネルの多様化

消費者が利用・問い合わせした企業とは

まず初めに、商品やサービスを利用・問い合わせを行った企業のカテゴリーに関する調査を実施しました。

最も高い利用率を示したのは「クレジットカード会社」で42.3%でした。次いで「携帯電話の会社」が41.7%、銀行が31.5%、家電や精密機械が30.5%と、比較的高い利用率を示しています。

商品やサービスの利用、問い合わせをしたことがある企業についてのアンケート結果

クレジットカード会社と携帯電話会社は、消費者の日常生活において重要な役割を果たしていることがわかります。これらのサービスは多くの人々にとって必要不可欠であるため、利用率が高くなっていると考えられます。

一方、ソフトウェアやエンターテインメント関連のサービスは利用率が低く、消費者のニーズや興味が他のカテゴリーに比べて薄い可能性があります。

消費者が選ぶ企業との接点手段

 次に消費者が商品やサービスを利用・問い合わせる際に企業と接点を持つ手段について調査した結果、最も多く選ばれている手段は「電話/オペレーター」で57.4%の支持を受けました。次いで「WebサイトのFAQ」が48.4%でした。これらの結果から、消費者が依然として電話での問い合わせを重視していることがわかりますが、一方でFAQの利用も高いことを示しています。

特に、電話は即時の解決を求める際や複雑な問題に直面している場合に有効です。しかし、この傾向が続くと、企業は電話サポートのコストが増加する恐れがあります。これに対し、FAQの活用が進めば、企業はカスタマーサポートのコストを削減できる可能性があります。

そのため、企業はFAQの内容を充実させ、消費者が必要な情報を効率的に得られるようにすることが求められます。具体的には、FAQを見つけやすくし、電話をかける前にFAQを参照することを促す施策が重要です。この取り組みにより、FAQの利用が増えることで、企業はサポートコストを削減し、消費者に迅速な問題解決を提供できるようになります。

消費者利用意向分析

続いて、商品やサービスを利用・問い合わせをする際に各チャネルを選ぶ場面や理由について調査いたしました。

電話/オペレーターのニーズ

まずは、電話/オペレーターの利用意向について解説します。

消費者が商品やサービスを利用・問い合わせる際に「電話/オペレーター」を選ぶ理由を調査したところ、最も多かったのは「詳しい説明やサポートを受けられる」で61.1%を占めました。次いで「待たずにすぐに回答が得られる」が38.6%、さらに「自分の好きなタイミングで対応できる」が32.3%でした。この結果から、消費者は情報の質とスピードを重視していることがわかります。

 年齢別の分析では、特に60歳以上の層がすべての理由で高い割合を示し、詳細な情報を求める傾向が見られました。また、「待たずにすぐに回答が得られる」というニーズは、年齢が上がるにつれて重要性が増すことが示されています。これは、急いでいる状況に対するニーズが年齢層によって異なることを示唆しています。

メールのニーズ

続いてメールの利用意向について解説します。

消費者が商品やサービスを利用・問い合わせる際に「メール」を選ぶ理由について調査した結果、最も多かったのは「待たずにすぐに回答が得られる」で64.6%を占めました。次いで「操作が簡単で使いやすい」が38.7%、さらに「利用するのに慣れている手段」が33.4%でした。このデータは、メールが消費者にとって利便性の高いコミュニケーション手段であることを示しています。

 年齢層別に見ると、60歳以上の層では「待たずにすぐに回答が得られる」や「操作が簡単で使いやすい」という理由が特に高く、高齢者にとってメールは安心感を伴う手段とされています。一方、若年層の支持率は比較的低く、特に「待たずにすぐに回答が得られる」というニーズが低いことが注目されます。これは、若年層が即時対応を求める場合、SNSやチャットなど他の手段を好む傾向を示唆しています。

Web問い合わせフォームのニーズ

次にWebサイト問い合わせフォームの利用意向を解説します。

消費者が商品やサービスを利用・問い合わせる際に「Web問い合わせフォーム」を選ぶ理由として最も多いのは「操作が簡単で使いやすい」で66.2%を占めました。次に「自分の好きなタイミングで対応できる」が38.7%、さらに「詳しい説明やサポートを受けられる」が30.2%となっています。これらの結果から、Web問い合わせフォームは消費者にとって利便性の高い手段であることが示されています。

 年齢層別に見ると、50歳代の層が特に高い支持を示しており、「操作が簡単で使いやすい」との理由が多く挙げられています。この年齢層はデジタル環境に不安を持つことが多いため、シンプルなインターフェースが評価されています。企業は年齢層ごとの異なるニーズを理解し、それに応じたWeb問い合わせフォームの設計やサポートを強化する必要があります。特に高齢者層には使いやすさを提供し、若年層には迅速な情報提供を行うことで、顧客満足度の向上が期待されます。 

WebサイトのFAQのニーズ

次にWebサイトのFAQの利用意向について解説します。

消費者が商品やサービスを利用・問い合わせる際にWebサイトのFAQを選ぶ理由について調査した結果、最も多かったのは「自分の好きなタイミングで対応できる」で56.7%を占めています。次いで「操作が簡単で使いやすい」が47.2%、さらに「待たずにすぐに回答が得られる」が37.5%となり、FAQが消費者にとって利便性の高い手段であることが示されています。

 年齢層別に見ると、20歳代は「自分の好きなタイミングで対応できる」という理由の支持率が低く、SNSやチャットなどの即時的なコミュニケーション手段を好む傾向が見られます。これに対し、30歳代は「待たずにすぐに回答が得られる」という理由で最も高い支持を得ており、特に仕事や家庭での忙しさから迅速な情報取得を重視していることが伺えます。また、この層では「利用するのに慣れている手段」としての支持も高く、インターネットやFAQに対する親しみを持っていることが分かります。 

実店舗・窓口に直接訪問のニーズ

続いて実店舗・窓口に直接訪問についての利用意向について解説します。

消費者が商品やサービスを利用・問い合わせる際に「実店舗・窓口に直接訪問」を選ぶ理由で最も多かったのは「待たずにすぐに回答が得られる」で53.4%を占めました。次いで「自分の好きなタイミングで対応できる」が38.2%、さらに「操作が簡単で使いやすい」が32.9%となっています。対面でのコミュニケーションは、特に複雑な問題や急ぎの用件に対して有効であり、消費者がリアルタイムでの情報交換を重視していることが伺えます。

年齢層別に分析すると、60歳以上の層が「待たずにすぐに回答が得られる」として33.2%の高い支持を得ており、即時性を重視する傾向が明らかです。高齢者にとって、リアルタイムでの対話は安心感を提供し、具体的なサポートが必要な際に重要な手段です。一方、20歳代では、同じ理由の支持率が11.8%と低く、デジタルでの対応を好む傾向が見られます。SNSやオンラインサービスに慣れているため、対面でのやり取りに対するニーズは低いと考えられます。 

チャット(有人/チャットボット)のニーズ

次にチャット(有人/チャットボット)の利用意向について解説します。

消費者が商品やサービスを利用・問い合わせる際に「チャット(有人/チャットボット)」を選ぶ理由で最も多かったのは「待たずにすぐに回答が得られる」が49.7%を占め、次いで「自分の好きなタイミングで対応できる」が45.5%、さらに「詳しい説明やサポートを受けられる」が36.4%となりました。この結果は、消費者が迅速な情報提供を求めていることを示しており、特に緊急性の高い質問に対して即時的な回答が期待されています。

年齢層別に見ると、20歳〜39歳の若年層が「利用するのに慣れている手段」として高い支持を得ており、20代で25.5%30代で31.4%となっています。これは、デジタルコミュニケーションに慣れ親しんでいることを反映しています。企業は若年層に対して迅速な情報提供と専門的なサポートをチャットサービスで行うことで顧客満足度を向上させることが期待されます。また、高齢者層には使いやすさを訴求し、安心感を与えるサービスを提供することで、チャットサービスの利用を促進できるでしょう。

ビデオチャット(遠隔でのリアルタイム接客)のニーズ

続いてビデオチャット(遠隔でのリアルタイム接客)の利用意向について分析しました。

消費者が「ビデオチャット(遠隔でのリアルタイム接客)」を選ぶ理由で最も多いのは「自分の好きなタイミングで対応できる」で42.5%を占め、次いで「待たずにすぐに回答が得られる」が36.8%、そして「詳しい説明やサポートを受けられる」が36.2%となりました。また、「利用するのに慣れている手段」が31.0%と、チャットサービスよりも高い割合を示しています。これはビデオチャットが現代のコミュニケーション手段として浸透していることを反映しています。

 年齢層別に見ると、20歳代の若年層が特に高い支持を示し、「自分の好きなタイミングで対応できる」が27.0%、さらに「待たずにすぐに回答が得られる」が34.4%と、即時性と柔軟性を求める傾向があります。一方、30歳代の層では「利用するのに慣れている手段」が38.9%と最も高く、ビデオチャットを日常的に利用することが多いことが分かります。対照的に、50歳以上の層では利用慣れが低く、特に60歳以上では0.0%となっており、ビデオチャットの利用が一般的ではないことが明らかです。 

SMS/ショートメールのニーズ

続いて、SMS/ショートメールの利用意向について見ていきましょう。

消費者が商品やサービスを利用・問い合わせる際に「SMS/ショートメール」を選ぶ理由として、最も多いのは「操作が簡単で使いやすい」で39.9%を占めました。次いで「利用するのに慣れている手段」が36.4%、さらに「待たずにすぐに回答が得られる」が32.3%となっています。このメッセージング手段は特別なアプリやインターネット接続を必要とせず、ほとんどの携帯電話で簡単に利用できるため、デジタルに不慣れな層にもアプローチしやすいです。

年齢層別に見ると、20歳代が「SMS/ショートメール」を高く支持しており、特に「操作が簡単で使いやすい」が32.8%と顕著です。若年層はデジタル環境に慣れており、SMSを気軽に利用する傾向があります。一方、50歳以上の層では支持率が10%未満と低く、これらの年齢層はSMSを使いこなすことに抵抗感を持っている可能性があります。 

公式SNSアカウント(Facebook、X(Twitter)、Instagramなど)のニーズ

次に、公式SNSアカウント(FacebookX(Twitter)Instagramなど)の利用意向について解説します。

消費者が商品やサービスを利用・問い合わせる際に「公式SNSアカウント」を選ぶ理由で最も多いのは「操作が簡単で使いやすい」で45.4%を占めました。次いで「利用するのに慣れている手段」が41.5%、さらに「待たずにすぐに回答が得られる」が39.7%となっています。この結果は、SNSが直感的なインターフェースを持ち、特に若年層にとって利用しやすい手段であることを示しています。

 SNSはスマートフォンやタブレットから簡単にアクセスできるため、手軽に情報を取得したり問い合わせを行ったりすることが可能です。年齢層別に見ると、40歳未満の層が高い支持を示しています。一方、50歳以上の層では「操作が簡単で使いやすい」の支持率がそれぞれ10.6%5.8%と低く、これらの年齢層がSNSを使いこなすことに抵抗感を持っていることが示唆されます。 

メッセージングアプリ(LINE、Facebookメッセンジャーなど)

続いて、メッセージングアプリ(LINEFacebookメッセンジャーなど)の利用意向についてです。

消費者が商品やサービスを利用・問い合わせる際に「メッセージングアプリ」を選ぶ理由で最も多いのは「詳しい説明やサポートを受けられる」で44.3%、次いで「利用するのに慣れている手段」が39.6%となりました。「詳しい説明やサポートを受けられる」という点は、テキストに加え画像や動画を使った説明が可能で、特に複雑な情報を視覚的に補完できることが消費者にとって有益です。

 年齢層別に見ると、20歳代の層が高い支持を示し、「操作が簡単で使いやすい」が38.0%と高い数値を示しています。この層はメッセージングアプリに慣れており、気軽に利用する傾向があります。一方、60歳以上の層では「操作が簡単で使いやすい」の支持が僅か2.8%と非常に低く、デジタルツールに不慣れであることが影響しています。また、「その他」の項目では40歳代が100%という結果が見られ、特有のニーズが存在することが示唆されています。これらの点については、今後の調査を通じてさらに具体的なニーズを探ることが重要です。 

コミュニティサイト/ファンサイト※他のカスタマーに問い合わせのニーズ

続いて、コミュニティサイト/ファンサイトの利用意向について見ていきましょう。

消費者が「コミュニティサイト/ファンサイト」を選ぶ理由で最も多いのは「利用するのに慣れている手段」で41.7%、次いで「操作が簡単で使いやすい」が40.3%、さらに「自分の好きなタイミングで対応できる」が35.1%です。特に「利用するのに慣れている手段」が高い支持を受けていることから、これらのサイトが特定の製品やサービスに対する情報源として広く活用されていることがわかります。特定のブランドや趣味に関する情報交換が心理的な抵抗感を軽減しています。

年齢層別に見ると、20代・30代が高い支持を示しており、特に「操作が簡単で使いやすい」は20代で29.4%30代で34.1%です。デジタルネイティブ世代の若年層は気軽に利用する傾向があります。一方、60歳以上の層では「操作が簡単で使いやすい」の支持が8.2%と低く、デジタル環境への抵抗感が影響している可能性があります。 

FAX/郵便(ハガキ、手紙)のニーズ

最後に、FAX/郵便(ハガキ、手紙)の利用意向について見ていきましょう。

消費者が「FAX/郵便(ハガキ、手紙)」を選ぶ理由で最も多かったのは「詳しい説明やサポートを受けられる」で39.3%、次いで「自分の好きなタイミングで対応できる」が36.8%、さらに「操作が簡単で使いやすい」が34.2%となりました。「詳しい説明やサポートを受けられる」という理由は、特に複雑な商品やサービスに関する問い合わせで、正確な情報伝達を求める消費者のニーズを反映しています。FAXや郵便は内容を整理しやすく、安心感を提供します。

年齢層別に見ると、20歳代では「自分の好きなタイミングで対応できる」が41.9%と高く、時間的な柔軟性を重視しています。一方、60歳以上の層ではこの理由が0.0%となっており、時間的柔軟性が欠如していることが窺えます。デジタル化が進む中でも、特定の層に対するFAXや郵便の重要性を再評価し、適切なサービスを提供することで顧客満足度の向上が期待されます。

 

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