
オムニチャネル利用実態調査2024
企業への問合せ方法といえば、以前は電話のみというところも多かったと思いますが、現在はメールやwebの問い合わせフォームだけでなく、チャット・SNSなどのデジタルチャネルを導入し、ユーザーが手段を選べる時代になりました。
企業側もチャネルを増やすことであらゆる方法でユーザーとの接点を持ち、顧客体験の向上やサービスの改善に役立てています。
今や、当たり前になりつつある、オムニチャネルについて前年同様、ユーザーへの利用実態調査を実施しました。
調査概要
調査名:オムニチャネル利用実態調査2024
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年12月6日~2023年12月14日
調査対象:カスタマーサービスを受けたことがある、全国20代~70代の男女15,176名
調査結果
スマートフォンの利用はすべての年代で80%以上
普段使用する通信機器は何かを調査したところ、スマートフォンが89.2%、次いでパソコンが78.4%となりました。
さらに年代別で見ると、50代までは90%以上が、60代以上も80%以上がスマートフォンを使っていると回答しており、スマートフォンの利用率は全年代で80%を超えていることがわかりました。
また70代以上においてもパソコンの利用率は90%を超えており、現在のユーザーの多チャネル化が進んでいることがよくわかります。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用率は約80%。70代以上も約60%が利用
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)利用している人の割合は83.0%と非常に高く、1日平均30~1時間程度利用すると回答した人は50%を超える結果となりました。
年代別で見ると、20代は約97%の人がSNSを利用しており、1日平均6時間位以上利用するという人も約5%と2022年度よりも増加していることがわかりました。
また、70代以上においてもその利用率は約60%にのぼり、こちらも2022年度より増加していることから、年代問わずSNSの利用が日常となっていることがうかがえます。
【オムニチャネル利用実態調査2022】
20代の98%がSNSを利用。70代も半数以上が利用していると回答。
SNSの利用目的は情報収集・コミュニケーション・ひまつぶし
SNSを日常的に利用している人にその利用目的を聞いたところ、「興味関心のある分野の情報収集のため」が最も多い結果となりました。
他にも「家族や友人、知人とコミュニケーションを取るため」など周りの人とのコミュニケーション手段として利用している人や「ひまつぶしのため」のように特に目的がなく利用しているケースも多いようです。
年代別の利用目的TOP5を見たところ、その項目はほぼ同じではあるものの、若干順位に差があることがわかりました。
例えば、「ひまつぶしのため」の順位は20代では1位であるのに対し、70代以上は5位と差があることや、家族や友人・知人とのコミュニケーションが目的で利用する人は年代が上がるにつれ増えるなどの傾向が見られました。
問い合わせ前の行動では「口コミ」を参考にする人が増加
企業への問合せる前に、とる行動があるかを調査した結果、「web・SNSで検索」したり、「サイトの情報・FAQ」を見たりと自己解決を試みるケースが多いという結果でした。
この結果は2022年度の調査と同じですが、割合をみると、自分で検索したり調べたりする項目はやや減少傾向にあり、レビューを見たり、他のユーザーの意見を調べる項目が増加していることがわかりました。
企業が出している情報だけではなく、実際使用したユーザーのいわゆる「口コミ」によって事前に商品やサービスの評価をする人が増加しているようです。
【オムニチャネル利用実態調査2022】
問い合わせ前の行動では、約6割がWeb・SNSで検索、4割以上が企業のサイト情報やFAQを見て自己解決を目指している。
電話での問い合わせの割合が多いが、20代ではSNSでの問い合わせが増加し問合せチャネルは分散する傾向に
カスタマーサービスに問い合わせるときに最初に選ぶ手段を聞いたところ、依然「電話」での問い合わせが約3割と最も多い結果となりましたが、次いで「webサイトのFAQ」「問い合わせフォーム」といったセルフサービス・ノンボイスの手段も上位に挙がっています。
また、年代別で見ると、電話での問い合わせは年代が上がるにつれ増加傾向となり、SNSなどで情報を得る人の割合が減少する傾向となることがわかりました。
特に20代は問い合わせのチャネルが分散しており、FacebookやXなどの公式SNSやLINEなどのメッセージアプリを利用している人の割合が2022年と比較しても大きく増加していることがわかります。
対して、50代以上の年代では「電話」「問い合わせフォーム」「FAQ」の占める割合が70%以上で利用するチャネルが比較的限定されていました。
複数のチャネルを用意し、顧客が選択できるようにするのか、電話やFAQなどの既存のカスタマーサービスを充実させていくかは自社の顧客の年代に合わせて対応していく必要がありそうです。
【オムニチャネル利用実態調査2022】
一番最初に選ぶ手段(チャネル)は、依然として電話・オペレーターが約半数ではあるが、若い世代ほどノンボイスチャネルを利用する傾向に。
最終的に解決する手段は「人」の対応。セルフサービスでの問題解決にはまだ課題が残る結果
最終的に解決した手段についても調査しました。
こちらも「電話」が35.1%と最も多い結果となりました。
また、最初に選んだ手段よりも割合が増えている項目としては「問い合わせフォーム」「店舗への訪問」など人が対応する手段で解決したケースが多くなっています。
しかし、2022年度と比較するとWebサイトのFAQは12.0%から14.7%、チャット(有人/ボット)は3.3%から5.2%とセルフサービスでの解決率が上がっていることも事実です。
FAQやチャットの改善や導線のわかりやすさなどの工夫により、今後も解決率が上がっていくことが期待できるといえます。
年代別で見るとSNSやセルサービスを使っている40代以下の若い世代で「解決しなかった」の回答の割合が多い傾向にあります。
SNSやセルフサービスを使って解決しなかった場合そのあと人の対応へ移行せず、解決しないまま終わってしまう世代もいるということです。
セルフサービスから問い合わせフォームやメールなどにシームレスにつなぐことで「解決しなかった」人の割合は減らせるでしょう。
【オムニチャネル利用実態調査2022】
最終的に解決した手段(チャネル)は、電話・問い合わせフォーム・FAQ・メールで87%、チャットによる解決は4%弱。
カスタマーサービスに期待することは対応の迅速さとオペレーターの質
カスタマーサービスに期待することを調査したところ、2022年同様「疑問/問題を迅速かつ簡単に解決できる」が最も多くなりました。
しかし、次いでに「担当者が即座に解決してくれる」「担当者が親切である/親身な対応をしてくれる」といった担当者(オペレーター)の対応の質を求める声が増加していることがわかりました。
2022年と比較しても、「迅速かつ簡単に解決」と答えた人の割合は69.0%から41.2%に大きく減少しています。
これは各企業が問合せチャネルを増やしたことで、迅速さや簡単さはFAQやチャットボットなどセルフサービスで十分享受できるようになってきたことも要因の一つであると推測されます。
「早く解決したいのであればセルフサービスを利用するので、問い合わせ窓口に問い合わせた際は、担当者(オペレーター)が親身になって対応してほしい」といったように顧客側も複数のチャネルを自分が受けたいサービスに合わせて使い分けているのかもしれません。
【オムニチャネル利用実態調査2022】
カスタマーサービスへ期待することは「迅速かつ簡単に解決」「年中無休」「親切な対応」であり、若い世代ほど手段(チャネル)選択肢が多いことを期待。
まとめ
2022年と比較し、SNSの利用率は増加傾向となりました。
今後も20代を中心にSNSを使った情報収集や問い合わせを利用する人は増加することが予想されます。
いまだ解決する手段としては人の対応が多いものの、生成AIなど新たな技術の出現により、チャットやFAQの利便性が向上すればノンボイスやセルフサービスの割合が増える可能性が高いと言えます。
自社の顧客層に合わせて、多角的なチャネルで顧客の利便性を上げたり、問い合わせ窓口や問い合わせフォームでの対応の質を上げ、顧客の満足度を向上させたり工夫をすることで、顧客の購買意欲やリピート利用にもつなげることができるでしょう。
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