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【オムニチャネル意識調査2024】
-企業のオムニチャネル化はどこまで進んだ?消費者がカスタマーサービスに求めるものとは-

オムニチャネル意識調査2024

企業が電話や店舗での対面接客だけでなく、Webサイト、SNS、チャットなど様々な顧客との接点を持つオムニチャネルを進める中、実際に利用する消費者は企業が提供するチャネルにどのような期待をしているのか。

2022年と同様オムニチャネルについて消費者にその利用についての意識調査を実施しました。

消費者のチャネルに対する意識を知ることで企業が提供するチャネルの選択や改善ポイントを明確にし、オムニチャネル戦略を進化させるためのきっかけとなることを期待します。

調査概要

調査名:オムニチャネル意識調査2024
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年12月6日~2023年12月14日
調査対象:カスタマーサービスを受けたことがある、全国20代~70代の男女15,176名

調査結果

リアルタイム対応のチャネルは「即時」メールやフォームも「1日未満」での返事を希望

まずはカスタマーサービス(お客さま窓口)での応対の期待値について調査しました。

使用する手段(チャネル)の種類によって、問い合わせてから最初の返事を受けるまで、どのくらい待てるかを聞いたところ電話、対面、オンラインチャットなどリアルタイムで「人」が対応するチャネルは「即時」が、メールや問い合わせフォームなど返信を待つものについては「1日未満」が最も多い結果となりました。

ソーシャルメディアについては待ち時間としては「30分未満」が多いものの、そもそも問い合わせ手段として「利用しない」という意見が多いようです。

問い合わせてから最初の返事までどのくらい待てるかの調査結果

顧客はどのチャネルにおいても最初の返事と同じスピードで解決を望んでいる

カスタマーサービス(お客さま窓口)での応対について今度は「解決」までにどのくらい待てるかを調査しました。

結果として「最初の返事」とほぼ同様の割合となりました。つまり顧客は最初の返事の段階で解決まで至ることを望んでいるということがわかります。

問い合わせてから解決するまでどのくらい待てるかの調査結果

電話や対面などリアルタイムに顧客とコミュニケーションが取れる方法だけではなく、メールや問い合わせフォームでも1度のやり取りでの解決が望まれていることから、企業側は最初の問い合わせで必要な情報が得られるよう、問い合わせフォームの画面に顧客に記載してもらいたい事項をあらかじめ掲載しておくなどの工夫をすることも必要になってきそうです。

【オムニチャネル利用実態調査2022】
20代の98%がSNSを利用。70代も半数以上が利用していると回答。

カスタマーサービス(お客さま窓口)での解決率が改善、利便性も向上傾向

カスタマーサービスに問い合わせたとき、解決できなかったことがある人に対し、どのようなことが原因で解決できなかったのかを聞きました。

最も多かったのは「電話で長時間待たされた」となり、2022年度の結果と同様でしたが、その割合は41.0%から29.0%に減少していました。

同様に2022年度多かった「回答に時間がかかった」についても26.0%から19.5%に減少、「たらい回しにされた」については27.0%から17.6%と大幅に減少となりました。

グラフの中で青色にしている結果は改善されている項目です。こちらを見ても、各企業のカスタマーサービスにおいてオムニチャネル化が進み、顧客の利便性が上がっていることを表していると言えるでしょう。

以前は問合せチャネルや窓口ごとに異なっていた顧客管理がオムニチャネル化したことにより窓口間の「たらい回し」や情報を確認するまでの「時間がかかる」ことが軽減されたことがこの結果になった要因の一つと考えられます。

また、「解決できなかったことはない」の回答が26.0%から35.7%に増えていることも顧客が利便性の向上を感じていることの現れと言えます。

カスタマーサービス(お客様窓口)で解決できなかった原因

ピンク色で示したグラフは前回より解決できなかった人の割合が増えた項目です。

「チャネルが限られていた」「連絡先を見つけることができなかった」などのチャネルが選択できなかったことに対しての不満は2022年度と変わらないか、もしくは若干増加傾向にあるようです。

年代別で見ると、「待たされた」「たらい回し」「時間がかかった」についてはどの年代においても減少しているものの、若い世代ほどチャネルの多様化や、問合せ方法の煩雑さに対する不満は高い傾向にあるようです。

20代のカスタマーサービス(お客様窓口)で解決できなかった原因

30代のカスタマーサービス(お客様窓口)で解決できなかった原因

40代のカスタマーサービス(お客様窓口)で解決できなかった原因

50代のカスタマーサービス(お客様窓口)で解決できなかった原因

60代のカスタマーサービス(お客様窓口)で解決できなかった原因

70代以上のカスタマーサービス(お客様窓口)で解決できなかった原因

オムニチャネル化を進めることで顧客にとって使いやすいカスタマーセンターになる反面、年代によってはチャネルが選択できないことへの不満を持ちやすいということもこともわかりました。

【オムニチャネル意識調査2022】
「長時間待たされる」「たらい回し」「回答前の時間」等の待ち時間に関する不満と「土日、夜間」等の利便性に関する不満が高い。

63.4%がパーソナライズされたコミュニケーションのために情報を提供

パーソナライズされたコミュニケーションを受けるために個人情報を提供するかについては51.1%が「一部の情報を提供する」、12.3%の人が「すべての情報を提供する」と回答しました。

パーソナライズされたコミュニケーションや適切なアドバイスが受けられるのであれば情報を企業に提供するかの調査結果

年代別では若い世代ほど情報提供には協力的と言えます。

しかし70代以上の世代でも2022年は一部もしくはすべての情報を提供すると回答した人が58.0%でしたが、今回は65.5%と増加していることから情報提供することで受けられるパーソナライズされたコミュニケーションの需要は高まっているといえます。

 

優れたカスタマーサービスを提供していると感じる企業は2022年に引き続き「amazon」が1位

実際に利用したカスタマーサービスの内そのサービスが優れていると感じる企業名を挙げていただきました。

1位は2022年に続き「amazon」、2位も2022年同様「docomo」となりました。3位には「Panasonic」があがってきました。
他にも「楽天」「Apple」「Softbank」を評価する声も多く見られました。

優れたカスタマーサービスを提供していると感じる企業はどこかの調査結果

【オムニチャネル意識調査2022】
優れたカスタマーサービスを提供していると感じる企業は「アマゾン」。

若い年代ほど企業のカスタマーサービスに対する評価が多様化している

優れたカスタマーサービスを提供していると感じた理由についても調査しました。


最も多かったのは「的確な回答を得られる」で次いで「すぐに問題を解決できる」「担当者が親切である」となり「速さ」「正確性」「品質」が上位に来る結果となりました。

しかし年代別にみると、20代は「パーソナライズ」「自己解決」「CX」「プロアクティブサポート」など現在のコンタクトセンターのトレンドも含め評価される項目が多様化しています。

カスタマーサービスが優れていると回答した理由の年代別調査結果

「速さ」「正確性」「品質」はもちろんのこと、顧客にとっての「付加価値」をつけることがこれからの企業のカスタマーサービスには求められていると言えます。

【オムニチャネル意識調査2022】
優れたカスタマーサービスを提供していると感じる理由は、問題解決力と親身な対応。若い世代は一貫性のあるカスタマーエクスペリエンスの提供。

まとめ

今回の調査結果から、オムニチャネル化は企業の中で推進しているところが増加していることがわかりました。顧客にとって利便性の高いチャネルを提供したいという企業側の工夫が表れていると言えるでしょう。

一方で消費者側から求められるものは、更に進化を遂げているようです。
「パーソナライズ」「CX向上」「企業側からの積極的なサポート」など、今後のカスタマーサービスに取り入れる要素の参考にしていただければ幸いです。

トランスコスモスでは企業の現状診断から最適なチャネルをご提案するサービスの提供も行っています。

トランスコスモスは顧客とのコミュニケーションをトータルサポートします。
最適解に辿り着くまで伴走し、ともに企業と顧客のコミュニケーションの向上を目指します。

オムニチャネル化をはじめとしたチャネル改善、コミュニケーション改善をお考えでしたら是非トランスコスモスへご相談ください。