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メタバース×採用の活用事例を紹介!新しい採用メソッドの動向と可能性に迫る

ビジネスシーンで広がりを見せているメタバース。最近の採用活動のトレンドとして、TikTokYouTubeなどの動画メディアを活用したリモート就活も賑わいを見せています。しかしその半面、ディスプレイ画面上でのコミュニケーションはリアルの対面と比べて伝わる情報が限られるため、会社の雰囲気が伝わりにくいなど、リモート就活ならではの課題も浮上してきました。その中で注目されているのが、仮想空間で採用活動を行う「メタバース採用」です。
オンラインでの採用活動が主流になっているとはいえ、メタバースを活用するイメージはまだ湧きにくいかもしれません。本記事では、今後のZ世代(1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代)の採用で期待される、この新しい採用メソッドの動向と可能性についてご紹介します。他社より一歩進んだ採用活動を展開したいと考えている方や、採用でのメタバース活用にご興味・ご関心をお持ちの方は、ぜひ最後までご一読ください。

1. 採用活動にメタバースを活用するメリット(候補者側)

1-1. 参加者の負担が軽減される
対面での就活イベントや合同説明会、面接などに参加する場合、遠方の就活生や求職者は現地まで足を運ぶ必要があり、体力面、金銭面でも負担となる場合があります。メタバースなら会場までの移動時間や交通費、身支度の手間などの負担を軽減できます。

1-2. アバターコミュニケーションで心理的ハードルが下がる
アバターを介して、対面のようにインタラクティブなコミュニケーションを取ることができます。このアバターを活用することにより、対面やZOOMなどで採用活動を実施する場合に比べ、企業の担当者と直接会話する際の心理的ハードルを下げることができます。また、就活生や求職者は顔出しなしで参加できるため、容姿などの外部的要因に捉われずに自己アピールができます。

1-3. ミスマッチを軽減できる
メタバースなら、会社や働く社員の雰囲気をそのまま再現することができます。従来のZoomなどによるオンライン開催と比べ、企業紹介動画や3Dコンテンツなど、多様な方法で企業の魅力を紹介しているので、企業をより深く理解することができます。ディスプレイ画面上で会社の説明を受けた時のイメージと、実際に会社に行った時に感じる職場や社員の雰囲気にギャップがある、といった課題も解決できます。

1-4. メタバースで楽しみながら就活できる
従来の選考とは異なる、インタラクティブかつ没入感のあるメタバース上での体験により、就職に関するイベントではあるものの、参加者が楽しみながら就職活動ができるよう工夫が凝らされています。

2. 採用にメタバースを活用するメリット(企業側)

2-1. 遠方の人材にもアプローチができる
リアルでの採用活動を実施する場合に比べ、候補者の移動時間や費用の負担が軽減されるため、全国各地や海外など遠方の人材に対してもアプローチを行えます。メタバースでの人材採用は就活生や求職者だけでなく、企業にとっても実際の距離に関係なく、優秀な人材を獲得できるというメリットがあります。また、メタバースなら就活の地域格差も解消されます。

2-2. 候補者の本音が聞きやすくなる
候補者、企業担当者ともにアバターを通じた顔出しなしでのコミュニケーションにより、心理的ハードルが下がり会話が活発になるため、相互理解を深めることに繋がります。メタバースを活用することで、就活生や求職者にとって、よりリラックスした気持ちで参加できる採⽤環境や、オンライン⾯接よりも密なコミュニケーション環境の確⽴を目指せます。

2-3. 就活生や求職者の不安を解消できる
メタバースなら、動画やSNSだけでは100%伝えることができなかったリアルな会社の雰囲気や働く社員の働く姿をそのまま再現できるため、企業や社員の雰囲気がわかりにくいという就活生や求職者の不安を解消し、安心感を持ってエントリーしていただくことが可能です。

2-4. 企業PRやブランディング効果が期待できる
メタバース活用をした採用活動の取り組みは、候補者に対する企業の先進性アピールとなり、参入企業が少ない今だからこそ話題性を生む可能性があります。また、自社の認知度やイメージ向上はもちろん、新しい技術に関心のある就活生や求職者から注目を浴びやすくなり、IT人材の確保にも繋がります。

2-5. 開催コストが削減できる
リアルで開催する会社説明会や合同説明会への出展の場合、会場設営や運営にかかるコストや候補者の交通費・宿泊費などの費用削減により、コストカットが可能です。また、会社見学(オフィスツアー)や仕事体験(インターンシップ)の場合、日程の調整や対応社員の選出など手間と労力がかかりますが、メタバースなら対応できる人数や業務に制限がなくなるため容易になります。また、実際に働いてみたら違った、というミスマッチの減少も期待できます。

3. メタバースを活用した採用活動5タイプ

メタバースは、次のような採用活動シーンで活用ができます。

3-1. メタバース会社説明会
会社説明会は企業を知ってもらう機会として、就活生/求職者と企業の双方にとって大切なイベントです。しかし対面の場合、遠方の就活生/求職者は現地まで足を運ぶ必要があり、体力面、金銭面でも負担となる場合があります。
一方、「メタバース会社説明会」はインターネット上の仮想空間で開催されるため、参加場所を選びません。メタバースで開催する場合には24時間365日オープンにして、就活生や求職者に自由に見てもらうことも可能です。また、ディスプレイ画面上でのオンライン説明会で会社の説明を受けた時のイメージと、実際に会社に行った時に感じる職場や社員の雰囲気にギャップがある、といった課題も解決できます。

3-2. メタバース合同説明会
合同説明会は、さまざまな業界・業種の企業がブースを設けて、就活生/求職者に会社や事業内容の概要を説明する場です。また、リアルで開催される合同説明会には、場所と時間の制約があります。
一方、メタバース空間に各企業のブースを設置し、出展企業と就活生/求職者が出会えるのが「メタバース合同説明会」。動画や資料を用いて会社の説明を行ったり、質疑応答でコミュニケーションを取ったり、対面同様のインタラクティブな説明会が可能です。従来のZoomなどによるオンライン開催と比べ、多様な方法で企業の魅力をアピールし、就活生/求職者に理解してもらうことが可能です。また、複数社が集まる合同説明会を開催する場合、企業と就活生/求職者の偶発的な出会いが期待できるのもメリットのひとつ。仮想空間内をアバターで自由に歩きながら多くの企業を見て回るといった回遊性も重視した合同説明会は、メタバースと相性が良いといわれています。

3-3. メタバース面接
Zoomなどのビデオチャットツールを使用したオンライン面接の場合、伝えられる情報量に限界があります。候補者が遠方の場合は、リアルの面接が困難な場合もあります。
一方、候補者との個人/グループ面談・面接をメタバース上で行うのが「メタバース面接」。どこからでもアクセスできるというオンライン面接のメリットを引き継ぎながら、より現実世界に近い形で、アバターを介したアクションや反応を伺いながらの面接が可能になり、さらには会社の雰囲気も掴みやすいことから、オンライン面接のデメリットを解消することができます。候補者は移動時間や費用がかからず、参加の負担を小さくすることが可能です。
また、候補者、企業担当者ともにアバターを通じた顔出しなしでのコミュニケーションにより、心理的ハードルが下がり会話が活発になるため、相互理解を深めることに繋がります。メ但し、全工程をメタバースで実施というよりは面接工程の一工程をメタバースにするなどがまだまだ現実的な活用方法になるので、使い分けをしていくのがお勧めです。

3-4. メタバース会社見学(バーチャルツアー)
リアルな会社見学(オフィスツアー)は自由に見学してもらうことは難しく、参加者は企業の予定に合わせて現地まで足を運ぶ必要がありました。また、すべての参加者と日程を合わせることは困難でした。
そこで効果的なのが「メタバース会社見学(バーチャルオフィスツアー)」です。メタバース空間でオフィスを再現すれば、参加者も社員も好きな場所からアバターでアクセスでき、かつ、対面のようにコミュニケーションを取ることができるため、リアルな会社の雰囲気を届けることができるでしょう。また、常設することで時間の制限もなく、就活生や求職者の好きなタイミングでオフィス見学ができるので、広範囲での採用アプローチが可能になります。

3-5. メタバース仕事体験(バーチャルインターンシップ)
実際の仕事を体験してもらうため、インターンシップを導入している企業もあります。しかし、インターンシップも日程の調整や対応社員の選出といったコストが生じるため、開催するにあたり手間と労力がかかります。
このような課題を解決してくれるのが、「メタバース仕事体験(バーチャルインターンシップ)」です。メタバース空間でオフィスや仕事現場を再現することで、その場にいるような没入感と臨場感を味わいながら仕事体験ができるので、「実際に働いてみたら違った」というミスマッチの減少が期待できます。また、実際のインターンシップでは対応できる業務や人数に制限がありますが、バーチャル空間であれば制限なく仕事に取り組めます。たとえば、危険とされる作業現場の安全面や天候に気を配る必要もありません。

4. メタバース採用活動の活用事例

4-1. 中京テレビ:新卒向けメタバース会社説明会
出典:中京テレビ
中京テレビはメタバースを活用した取り組みを積極的に行っていますが、202210月にメタバース空間で新卒向け会社説明会を実施しました。就活生が本音で質問や悩みを相談できる場の提供を目指し、アバターを使って匿名性を担保。現地に行かなくても参加できる以外に、より就活生が聞きたい事を聞けるメタバース会社説明会となりました。中京テレビにとって初の試みでしたが、合計200名の定員に対し、全国各地から約2倍の応募があり、参加した就活生の実施後のアンケート結果で満足度95%という高評価の就活イベントとなりました。

4-2. メタバース採用EXPO2024/2025:メタバース合同説明会
出典:メタバース採用EXPO2024/2025 by就活ひろば
2023127日・28日に、大手企業やスタートアップ、地方企業含め、全国から179社が出展したメタバース新卒採用EXPOが開催されました。メタバース技術を活用することにより、スマホネイティブのZ世代の学生がゲームのように自身の分身となるアバターを通して自由に採用企業のブースを歩き回ることができ、出展企業の人事担当者と気軽にコミュニケーションを取れる未来の就活です。就活生は出展企業の方とコミュニケーションをとって企業研究を進めたほか、学生のみが入れる広場で就活仲間との交流を楽しんでいました。このようにメタバース就活は、就活における地域格差をなくすことも期待できます。

4-3. METANABI:メタバース就活イベント
出典:METANAVI公式サイト
株式会社tenshabi2022429日に、メタバース関連企業やこれからメタバースの事業を立ち上げようとする企業と、メタバースでのキャリアに関心がある学生や社会人がメタバース空間で出会う就活イベントである「METANAVI」を開催しました。このイベントはソーシャルVRサービスである「VRChat」上で開催されましたが、Youtube配信やZoom接続もしており、VRデバイスや高性能なPCを持っていなくても気軽に参加できるイベントとなっていました。
このイベントはメタバースを熟知したメンバーで運営されており、司会は『xr転職合同相談会』を主催する“はいえろ”氏、企画集客はさまざまなVRイベントを企画運営する“犬の会長”氏、メタバース会場の制作はNISSANのバーチャルギャラリー制作を担当した“VR蕎麦屋タチナベ”氏が担当。配信レポートは主配信をメタバースガイドでVシンガーの“おきゅたんbot”、副配信をVTuberの“癒色えも”氏が行い、就職に関するイベントであるものの、イベント参加者が楽しみながら就職活動ができるよう工夫が凝らされたイベントとなっています。

4-4. キャリアパーク就職エージェント:就職相談メタバース
出典:就活メタバース
「就活メタバース」とは、ポート株式会社が運営する「キャリアパーク就職エージェント」という就職活動支援サービスから提供されている就職相談メタバースプラットフォームです。オンライン面談とは異なり、まるで対面で会話をしているようなリアルな仮想空間を構築し、就活のプロであるキャリアコンサルタントが就職活動の悩みをヒアリングし、就活生の希望に沿ったキャリアプランの提案や人材紹介サービスを提供します。この「就活メタバース」は、いち早く次世代の就職活動のスタンダードである、メタバース上での就職活動を体験できるサービスといえるでしょう。現在、「就活メタバース」は2024年卒業予定の学生に対してのみのサービスとなっています。

4-5. 株式会社ビヨンド:メタバース面接
出典株式会社ビヨンド
株式会社ビヨンドは、2024年度新卒の採用面接をメタバース上で実施しました。近年では求職者の多様性を尊重するためプライバシーに関わる質問はせず、学歴や性別などのフィルターをかけずに選考を行うことが重要視されています。メタバース面接では、面接官と就活生はともにVRヘッドセットを着用。オンライン上に再現された3D空間のオフィスで、名前・年齢・学歴・性別を不問とした面接を行い、就活生の内面やエンジニアへの素養を重視した採用を目的としています。ビヨンド社はメタバースを用いた選考により、IT業界に対する関心度やエンジニアへの志望度が高い学生と出会えることを期待しているとのことです。

4-6. 株式会社Aww:採用選考面談
出典 株式会社Aww
バーチャルヒューマンのプロデュースを行う株式会社Aww2022年、メタバース空間「Decentraland」での世界初となる採用選考面談を実施しました。このメタバース面接では、採用候補者を「Decentraland」の面接実施区画に案内し、採用担当者・候補者ともにアバターを作成して登場し、一般的な面接よりもカジュアルなコミュニケーションを実現しました。Aww社は、カルチャーをアップデートし、まだ誰もやっていない分野に対して、スピード感を持って挑戦することを大切にしています。採用においても、最新の技術やサービスを用いて実施することで、お互いのミスマッチを無くすことを目的にメタバース面談を実施しました。
Decentralandとは…イーサリアムブロックチェーンを利用した分散型仮想ソーシャルプラットフォームで、ユーザーはDecentraland内で創設される施設などの利用者として楽しめ、仮想空間内で展開されるゲームなどをプレイできます。また、Decentraland内の土地であるLANDを購入し、そのLAND上に自分のコンテンツを作り上げることもできます。

4-7. 荏原製作所:メタバースインターンシップ
出典:荏原製作所
ポンプメーカーの荏原製作所は、2024新卒向けインターンシップをメタバース空間(アクアリウムとオフィスルーム)で行いました。選考に通過した約50名の学生全員がアバターとなり、メタバース内でディスカッションとプレゼンテーションを伴うグループワークが行われました。当日はメタバースという初めての環境での実施にも関わらず、非常に活発なディスカッションが行われ、メタバースという環境がこれからの新しい働き方の手段としてのポテンシャルを十分に持つことを実証する機会となりました。参加した学生からは、「オンラインミーティングの環境とは異なり、アバターを使用することで参加者同士の距離感が近く、緊張せずにワクワクしながら参加できた」「アバターを使用することで可視的な違いによる先入観が無いため、スムーズに会話ができ意見を言いやすい環境だった」といった感想が寄せられました。同社は今後もメタバースを活用し、さまざまなスキル・経験を持った社員が繋がり、イノベーションを加速させられる組織作りを推進しています。

4-8. 東京女子大学:VR面接練習
出典:東京女子大学
採用活動におけるメタバース活用で、一風変わった事例をご紹介します。東京女子大学キャリア・センターでは20195月から、日本で初めて就職活動支援にVRを活用した採用面接体験動画を導入しました。面接担当者との対話に対する不安や、選考の各段階の雰囲気の違いなどをリアルに体験することで、実際の面接の場に立った際の緊張感や苦手意識をなくす効果が期待できます。練習の際、学生は一次、二次および最終面接を想定した動画を各自の活動に合わせていつでも視聴できます。また、応答内容のブラッシュアップや話し方の工夫など、面接のスキルアップを目指す場合に何度でも反復練習が可能です。また、面接本番前にもう一度確認しておきたい、といった使い方も。コンテンツを追加することで変化するトレンドに柔軟に対応できるため、より実践的かつ効果的な支援が可能になります。

5. まとめ

今回は、メタバース上での就活に興味関心のある就活生/求職者や、メタバースでの採用活動が気になっている人事担当の方に向けて、採用にメタバースを活用するメリットや活用する上での課題とともに、就職活動支援サービスを提供しているメタバースや採用活動にメタバースを活用している企業の活用事例をご紹介しました。メタバースの可能性は今後さらに広がっていくため、面接や就活の形も大きく変わっていくかもしれません。
トランスコスモスでは、採用活動におけるメタバース活用について企画・プラットフォーム選定から運用までを一貫してサポートしています。ぜひお気軽にトランスコスモスにご相談ください。

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