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社内コミュニケーションにメタバースを活用するメリットと事例を紹介!

ビジネスにおいて、コミュニケーションはなくてはならないものです。人とコミュニケーションを取る手段として、皆さんが思い浮かべるのは何でしょうか。対面、電話、メール、ビデオ会議ツール、それともSNSでしょうか。現代はさまざまなツールが存在しますが、今やメールやビデオ通話といった二次元におけるコミュニケーションから、三次元の空間でコミュニケーションやコラボレーションを行う新しいツールとして「メタバース」が登場しました。本記事では、メタバースによってどのようなコミュニケーションが取れるのか、そしてビジネスにどう活かせるのかについて解説します。

1. メタバースとは

「メタバース(metaverse)」とは、インターネット上に作られた仮想空間のことです。メタバースの利用者は空間内で自分の姿をアバターの姿に変え、他のユーザーと交流したりコンテンツを楽しんだり、商品売買などの経済活動を行うことができます。
▶︎▶︎関連記事:【入門者向け】メタバースとは?基礎知識や今後の可能性、ビジネス展開方法を解説!

2. メタバースでのコミュニケーションとは

ここからはメタバースのコミュニケーション上における特徴についてご説明していきます。

2-1. いつでも誰とでも交流できる
メタバースはインターネット上に構築されるため、世界中のユーザーとつながることができます。いつでもどこからでもアクセスでき、同じ一つのメタバース内で交流することが可能です。現在では、VRヘッドセットがなくてもPCやスマートフォンなどからWebブラウザやアプリケーションで手軽に参加できるメタバースプラットフォームが増えてきているため、より多くのユーザーがアクセスできる環境になっています。

2-2. 三次元だから対面する感覚に近くなる
場所やデバイスの壁を超えて、メタバースという同一空間に一緒にいることで、親近感や信頼感が醸成されます。画面越しの二次元ミーティングでは実現できない、対面に近い感覚でコミュニケーションやコラボレーションが可能になります。たとえば、PC画面でメタバース空間に出社すると同僚のアバターが座っていて雑談をし、会議が始まるとアバターの自分が参加し、実際にその場にいるかのように対話ができるのです。その際、PCに付属するカメラに向かって頷いたり目を見開いたりすると、アバターも同じように動作します。そして社外(自宅外)に出かけるとアバターもメタバースから退出します。メタバース空間に社員一人ひとりがアバターとして集うことにより、今までの「在宅勤務≒1人作業+ウェブ会議+チャットツール+電話」だけという隔絶感が緩和されます。

2-3. リアルのような臨場感がある
メタバースではVRゴーグルを装着することで、目の前に360°の世界が広がるため、まるで自分がその場にいるかのような臨場感を味わうことが可能です。3次元の仮想空間に参加しながら、身振り手振りなどでアバターを動かしながら他者とコミュニケーションを取ることで、感情や意思の表現の自由度も広がります。技術の発達によって、視覚や聴覚だけでなく、嗅覚、味覚、触覚に作用するデバイスが開発・利用できるようになれば、五感をフル活用して、より臨場感のあるメタバース体験が可能になります。

2-4. 現実では不可能なことも体験できる
仮想空間のため、日常では味わえない非日常空間を他のユーザーと共有することができます。物理的・時間的制限が存在しないため、現実では実現不可能な体験をメタバースでは表現することが可能になり、人々が持つあらゆるイメージを再現することができます。たとえば、オフィスや現場、自宅からメタバース空間に集合し、音声や現場の映像、3DCGモデルを共有することで、実技演習やコラボレーション、遠隔地から現場へのリアルタイムな指示の実現を可能にします。

3. メタバースを社内コミュニケーションに活用するメリット

臨場感あふれる体験を可能にするメタバースですが、社内コミュニケーションに活用されることによって、どのような変化をもたらすのでしょうか。ここからはメタバースを社内コミュニケーションに活用するメリットを解説します。

3-1. 円滑なコミュニケーションが可能になる
社内コミュニケーションにメタバースを活用する最大のメリットは、円滑なコミュニケーションが可能になる点です。たとえば、業務でわからない点を先輩に質問する際に、チャットツールだと質問をテキストにするのが難しかったり、ビデオ会議ツールだと会議を設定するのが手間だったり、ちょっとした質問がしづらい状況にありました。メタバースなら、部下や上司、同僚の状態がステータスで表示される、あるいはアバターの表情や仕草でわかるため、チャットよりも気軽に声をかけやすくなります。また、アバター同士が近づくだけで会話ができるため、気軽に質問や相談、雑談が可能です。

3-2. 生産性が向上する
リモートワーク環境下では、複数人でディスカッションをしながら会議を進めることや、ホワイトボートを用いてイメージを共有することが難しく、オフィスでの作業と比べて生産性が落ちてしまう場面がありました。しかし、メタバースを活用することで、1対1はもちろん近隣アバターと複数人での会話が可能になり、さらに複数資料の同時共有や3Dデータの共有、ホワイトボードへの書き込みといった、実際のオフィスに近い環境をバーチャル上に再現し、生産性を高めることができます。

3-3. 自然発生的なコミュニケーション機会が創出できる
リモートワーク環境下では、SlackなどのチャットツールやZoomなどのビデオ通話の活用により、明確な目的がある際のコミュニケーションは行えるものの、オフィスでたまたま近くにいる同僚と雑談するといった自然発生的なコミュニケーションの機会が限られているのが現状です。一方、自分の分身であるアバターを使用し、遠く離れた場所で勤務している社員とも同じ空間を共有できるメタバースを活用することで、会議前の雑談や休憩の合間のコミュニケーションが気軽にでき、社員同士での心理的なつながりや新たな取り組みへのきっかけを提供することができます。

3-4. 社員間での連携が強化される
リモートワーク環境下では、リアルのオフィスで他の社員と一緒に働いているような「一体感」は発生しづらいです。しかし、メタバースでは社員同士が同じ一つの仮想空間内でリアルに体験を共有でき、アバターとの距離感や身振り手振りでお互いの意思や感情を表現することができるため、画面上に留まるオンライン会議よりも相互の関係性が深まり、社員間やチーム同士の連携が強まることが期待できます。

3-5. 複数拠点間での共同作業が実現する
メタバースでは、別々の拠点で働く者同士の協働作業が実現可能です。たとえば、複数人で話し合った結果を仮想空間上のホワイトボードに書いて共有したり、製造業における設計業務にて仮想空間上に製品の設計データを実物大で投影し、それを見ながら複数人で設計レビューや編集を行ったりすることが可能です。異なる拠点で働いていながら、同じオブジェクトを目の前にして会議や作業を行うことになることは、ビジネスにおいて柔軟な働き方が実現しやすくなります。

3-6. 仮想空間での社員研修や交流会が開催できる
メタバースを活用すれば、遠隔地からでもリアリティのある技術指導やロールプレイング研修などが実現できます。また、アバターを利用した入社式や交流会、勉強会、親睦イベントなども開催可能です。学校教育における課外授業やグループ発表を仮想空間上で行ったり、全国にフランチャイズを展開する企業が加盟店従業員同士の交流会をメタバースで開催したりしています。国や地域を超えたコミュニケーションを可能にするメタバースの特性が活かされています。

4. 新しいビジネスコミュニケーションの活用事例

現在、各企業では、メタバースを導入して新たなビジネスコミュニケーションの形を生み出している事例が増えてきています。ここからはその一部を紹介します。

4-1. トランスコスモス:グローバル社員向けイベント
2023年727日に「2023 Global Award in Korea」をリアル会場(韓国FKIタワーカンファレンスセンター)とメタバース空間およびZOOMでハイブリッド開催しました。「Global Award」とは、年に1度、取組み成果が顕著であったチーム・個人を称える表彰制度で、日本、韓国、中国、インドネシア、台湾、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム、インドの10の国と地域・16都市から参加しました。
「Global Award」でのメタバース活用にあたって、物理的な制限を飛び越えて各グローバル拠点がつながり、自社イベントでの「グローバル拠点からの参加を対象としたメタバースの実証実験」と位置づけ、メタバースを活用した社内イベントにおける課題や効果を洗い出すことを目的としています。10の国・地域からメタバース空間に同時接続し、リアル会場ともタイムラグなくスムーズな動作を実現。さらに、リアルイベントとの音声出力の違いなどの音声品質の課題に対し、テンセントクラウドを導入。多人数が参加する音声品質、環境ノイズの最小化を実現しました。参加した社員からは、「極めて素晴らしい挑戦」「新たな試みを行うことはTechnology追求を唱える企業に必要だと思う」といった声が寄せられました。

4-2. PwCコンサルティング合同会社:メタバースイベントでの実証実験
出典:メタバースイベントでの実証実験
PwCコンサルティング合同会社は、2022627日~629日の3日間、メタバース空間内において全社員が参加対象の社内イベントを開催。20217月に策定した3か年計画の社内浸透とビジネス活用が見込まれるメタバースの可能性検証を目的に、3,000台のVRゴーグルを用意して企画した社内イベントでは、経営層から社員まで一同に会し、3日間の総アクセス数(ログが確認できるステージエリアのみの数値)は約8,800に達しました。参加した社員からは「リアクションを取る手段のバリエーションが多いと、声を出さないステージ型のメタバースでも一体感を感じやすい」「実際に体験したことで、何人まで同時にコミュニケーションが取りやすいかなどについて感覚的に理解できた」「まず他者より先に取り組む、ということを実感できた。こういった取り組みをする会社を誇らしく感じた」といった声が寄せられました。経営陣および社員が一体となり、リアルとバーチャル、そしてメタバース空間を組み合わせた新たな仕事の在り方やコミュニケーションに挑戦しています。

4-3. 武田薬品工業株式会社:メタバース社内交流会
出典:タケダ「クロスイノベーションカフェ」
2022531日、武田薬品はメタバースを使った社内交流会「クロスイノベーションカフェ」を組織横断的に開催。デジタル活用を推進する製薬会社の中でも、メタバースという最新テクノロジートレンドを活用した目新しいケースです。このイベントでは、経営陣よる基調スピーチを皮切りに、タケダのトリビアに関する〇×クイズや、28のトークルームを用意して経営陣も参加する自由な交流会を行いました。参加者は所属部署と名前だけを共有しアバターとして交流し、互いのバックグラウンドを意識しないカジュアルでフランクなコミュニケーションを実現。参加者からは「対面での交流が実現していなかった同期とメタバース上で出会えた」「入社時の研修以来、数年ぶりに同期と盛り上がった」という声が挙がり、アバターという分身を介すことでオンライン会議にはないリアルで臨場感のあるコミュニケーションが生まれたそうです。

4-4. みずほ銀行:メタバースを使った新しい社内コミュニケーション
出典:みずほフィナンシャルグループ
<みずほ>20228月に世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット2022 Summer」に出展したことを皮切りにメタバース領域への参入を表明、社内でもメタバースの活用が進んでいます。11月の社内ビデオメッセージでは梅宮CDIO(チーフ・デジタル・イノベーション・オフィサー)と公式キャラクターのあおまるがメタバース上でアバターに変身し、社員に対して、<みずほ>が目指すDXや直近の取り組みについて話しました。社員からは「インパクトがあって面白かった」「<みずほ>が変わっていこうとしているのが実感できた」といった声も寄せられました。<みずほ>初のメタバースを使った新しい社内コミュニケーションの実現は、社内外も巻き込んだグループ一丸でのスピーディーなチャレンジがあったからこそ。今後もメタバースの発展を支える安心安全な決済や本人確認といった金融ならではの取り組みだけでなく、社内活用も含めた<みずほ>のメタバースへの挑戦は続きます。

5. まとめ

今回の記事では、メタバースが現実に近い形で体験を共有しながらコミュニケーションを図るための新しい有効なツールとして登場し、世界の各企業がビジネス活用に積極的に導入し始めている活用事例を紹介しました。コミュニケーションはビジネスに重要な要素であり、それを効率化・連携強化することは大きなメリットを生むことになるでしょう。本記事を読まれた皆さんも、メタバースにおけるコミュニケーションを一度体験してみて、今後の自社ビジネスへの活用を考えてみてはいかがでしょうか。
トランスコスモスでは、企画・プラットフォーム選定から運用までを一貫してサポートしています。メタバースを活用した社内コミュニケーションを検討されている方は、ぜひお気軽にトランスコスモスにご相談ください。

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