コンタクトセンターの
あらゆる業務を支える
ネットワークインフラを
「次世代化」する!
トランスコスモスの
コンタクトセンター支援サービス
Vol.13
ネットワーク基盤 [前編]
コンタクトセンターの現場におけるコミュニケーション、情報閲覧、データ管理など、さまざまな業務を支えているのがネットワーク基盤です。表からは見えないところでネットワークを支えるプロフェッショナル社員がトランスコスモスには多数います。2024年には、2年前から取り組んできた「次世代ネットワークプロジェクト」が完了しました。コンタクトセンターにおけるネットワークの重要性やプロジェクトの概要について、ネットワークの3人のプロに聞きました。
木村 潔
CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
コミュニケーションプラットフォーム
推進本部
インフラ部 インフラマネジメント課
課長
松田 直剛
CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
コミュニケーションプラットフォーム
推進本部
インフラ部 インフラマネジメント課
マネージャー
桝野 昭伸
CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
コミュニケーションプラットフォーム
推進本部
インフラ部 インフラマネジメント課
プロジェクトマネージャー
ネットワークが止まれば
あらゆる業務が
止まってしまう
今回は、ネットワークのプロフェッショナルの皆さんにお話を聞いていきます。はじめに、コンタクトセンターにおけるネットワークの重要性を説明していただけますか。
松田社会を支えるインフラをイメージしていただけるとわかりやすいと思います。電気、水道、ガスといったインフラがストップしてしまったら、私たちの生活は立ち行かなくなります。業務ネットワークも同じように、安定的に稼働し続けることで、コンタクトセンターのさまざまな業務の履行が可能になります。
さらに、このようなネットワークはエンドユーザーとのコミュニケーションだけではなく、さまざまなデータを変更・保存・管理するためにも必要です。その中には、個人情報や機密性の高い情報も含まれますので、ネットワークにおけるセキュリティ対策は必須の取り組みとなります。
ネットワーク基盤を適切に管理しセキュリティを万全に保つことができるからこそ、CS(顧客満足度)やCX(顧客体験)の向上、機密情報の保護、業務の効率化などの取り組みが実現できる。それがコンタクトセンター全体のパフォーマンス改善や、お客様企業への貢献につながる──。そう私たちは考えています。
電話さえつながっていればコミュニケーションができるわけではないのですね。
松田「電話がかかってきて、それに応える」というスタイルは、過去のものになっています。現代のコンタクトセンターの現場では、コミュニケーションの最中に顧客データや、応対に必要な各情報を参照したり、さまざまなシステムやソフトウェアを活用したりするのが一般的です。現場のオペレーターは常にネットワークとつながっていると考えていただいていいと思います。ネットワークが止まってしまうと、センター内の業務がすべてストップしてしまいます。
木村チャットやウェブからの問い合わせなど、電話以外のチャネルでのコミュニケーションが増えるなか、PBX(電話交換機)の機能をクラウドコンピューティングで活用する動きも進んでいます。そうなると、電話回線自体がネットワークの一部になります。コミュニケーションとそれに付随するあらゆる作業でネットワークが活用される時代になっているということです。
ネットワークのプロが社内にいることの意味とは
皆さんはコンタクトセンターのネットワーク基盤のプロとして活躍しています。具体的な仕事の内容をお聞かせください。
木村トランスコスモスが運営する全国30拠点以上のコンタクトセンターで活用しているPBX、ネットワーク、クラウドサービス、セキュリティソリューションを運用・保守するのが主な仕事です。後ほどご説明する「次世代ネットワークプロジェクト」も、その一環の取り組みでした。
それぞれのこれまでの歩みと、スキル上の強みを教えていただけますか。
木村トランスコスモスに新卒で入社しました。システムインフラ部門の担当として採用されましたが、入社後半年ほどコンタクトセンターの現場を経験し、オペレーターや現場管理者の仕事を体験できたことが、今の仕事にとても役立っています。
現場を経験した後は、システムインフラ担当として現在まで15年ほど業務を遂行しています。トランスコスモスの全拠点のPBXシステム切り替えプロジェクトや複数拠点での大規模案件プロジェクトを経験し、ネットワークや音声システムの専門家としての力を身につけることができました。
そうやって身につけた技術力だけでなく、センターの現場で学んだコミュニケーション手法、社交性、協調性などが自分の強みであると考えています。現在は、ネットワークやPBXなどの社内基幹システムを担当するインフラマネジメント課の課長を務めています。
松田私は2019年の入社以来、ずっとネットワーク関連の仕事に携わってきました。コンタクトセンターのネットワークの課題の洗い出しや、それを解決するソリューションの選定と導入支援などを行ってきました。現在は、ネットワークの最適化や、サイバーセキュリティ強化戦略を主体とし、インフラマネジメント課ネットワークチームのマネージャーの立場にあります。
一般にネットワークエンジニアにはそれぞれに得意分野があるのですが、私は広範な分野に精通している点に強みがあると思っています。ネットワーク以外のエンジニアリングの知識もあるので、さまざまな領域の課題を発見したり、幅広い発想をもとにした企画立案をしたりすることができます。その力をいろいろな場面でいかしていきたいですね。
桝野私も入社は2019年で、22年に「次世代ネットワークプロジェクト」のプロジェクトマネージャーになりました。ネットワークについては大学時代に専門的に学んだのですが、マネジメントはもともと得意ではありませんでした。プロジェクトマネージャーとなってから、現業を通じてマネジメントスキルを学んでいきました。
自分では、淡々とコツコツと仕事に取り組むタイプだと思っています。プロジェクトを進める過程でトラブルに合うことも少なくありませんが、周囲からは冷静に対処していると褒めていただけます。でも、自分としてはかなり必死です。大学時代にネットワークトラブルに対処するシミュレーションも体験しているのですが、シミュレーションと実際の仕事の中でのトラブルには大きな違いがあります。難関を1つ1つ突破しながら、問題解決力を徐々に磨いてきたという感じです。
コンタクトセンターのベンダーの社内にネットワークの専門家が多数いるのは珍しいことなのでしょうか。
松田一般的とは言えないと思います。ネットワークなどのエンジニアリングはアウトソースすべきである。そう考えている企業も少なくありません。トランスコスモスがネットワークエンジニアリングを内製化しているのは、お客様企業のご要望や現場の課題にスピーディーに対応することを重視しているからです。内部に専門スタッフがいる場合と、外部に委託する場合とでは、対応スピードに格段の差が出ます。
木村私たちも先進的な技術領域などについては、外部のベンダーのお力を借りるケースもあります。しかし、ネットワークやシステムの基本的な構成はすべて自分たちで決めています。それによって社内で開発しているソリューションを横断的に活用することが可能になり、新しいシステムを加える作業もスムーズになります。
また、コスト面の優位性もあります。近年エンジニア人材が不足していることもあり、
SIerなどへの外注費用は軒並み上昇傾向にあります。内製の体制が整備されていれば、外注コストを抑えられるので、お客様企業がコンタクトセンターを活用するにあたって負担する費用も低減することになります。内製化にはさまざまなメリットがあると言えますね。
ネットワークと
セキュリティの
最新技術を導入する
皆さんが中心となって進めた「次世代ネットワークプロジェクト」について、お話を聞いていきたいと思います。まず、「次世代ネットワークとは何か」ということから解説していただけますか。
松田「SD-WAN」と「クラウドファイアウォール」。この2つを活用したネットワークを、私たちは「次世代ネットワーク」と呼んでいます。まず、SD-WANからご説明します。
SD-WANは、ネットワークを効率的に管理・制御する最新技術です。これまではコンタクトセンターで利用するアクティブなインターネット回線は1回線のみで、この回線をデータセンターにつなぎ、そこからインターネット網にアクセスするというネットワーク構成でした。
この1本の回線スピードが遅くなると、インターネット利用に支障が出ます。例えば、一車線の道路では、目的地への道路が混雑して渋滞すると、到着時間が遅れてしまいますよね。それと同じ現象です。
それに対してSD-WANは、4本の回線が用意されていて、その中で最も混雑していない回線をリアルタイムに判定し、自動的に選択してくれます。結果、常に最良のコンディションでインターネットや社内システムを利用できるようになります。
なるほど、4車線のうち最も空いている車線を通って目的地に到達できるということですね。一方のクラウドファイアウォールは、文字どおりクラウド環境下で活用できるファイアウォールということですか。
松田そのとおりです。従来のファイアウォールの場合、利用人数やスループットといったスペックを決めて、そのスペックに見合ったハードウェアを選んでデータセンターなどに設置するというのが一般的な利用方法でした。利用人数やトラフィックが増加した場合は、ハードウェア自体を新しくする必要がありました。
一方、クラウドファイアウォールはその名のとおりすべてクラウド上で稼働するので、利用者やトラフィックが増えても、ライセンスを追加すればそのまま使い続けることができます。また、スペックの拡張が可能なので、新しいサービスを追加したり、セキュリティ機能を強化したりすることも容易です。もちろん、新しいコンピューターウイルスが出てきた場合でも、ベンダー側が対応してくれます。さらに、クラウドなのでどこからでもネットワークにアクセスできるという利点もあります。
柔軟性、拡張性、アクセシビリティ。その3つがクラウドファイアウォールの特徴と言えます。
木村必要な情報を迅速に遅延なくやり取りするためのインフラがSD-WAN、その通信におけるセキュリティの拡張性や柔軟性を担保するのがクラウドファイアウォール──。そんな整理が可能ですね。
コンタクトセンターにおいてネットワークの次世代化を実現しているベンダーはまだ少ないのでしょうか。
木村SD-WANとクラウドファイアウォールの両方を導入しているベンダーはまだ少ないと思います。最大の理由はコスト面です。両サービス共に、導入や運用コストが従来のネットワーク構成よりも高くなります。その点、私たちは32拠点約2万席のすべてに導入したことで、1拠点1席当たりのコストを抑えることができました。スケールメリットがあるからこそ実現できた。そう言っていいと思います。
※記載の内容・役職等などの情報はすべて取材(2024年10月)時点のものです。
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