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コンタクトセンターの
あらゆる業務を支える
ネットワークインフラを
「次世代化」する!

トランスコスモスの
コンタクトセンター支援サービス

Vol.13

ネットワーク基盤 [後編]

ネットワークインフラの刷新は、コンタクトセンターの日々の業務に大きな影響を与える作業です。業務に支障を出さずに、いかに回線を切り替えるか──。次世代ネットワークプロジェクトチームのメンバーたちは、その難題に挑みました。ネットワークを次世代化することの意味と、それによってもたらされるメリットについて、引き続き3人のメンバーに語ってもらいました。

STAFF PROFILE
木村 潔

木村 潔

CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
コミュニケーションプラットフォーム
推進本部
インフラ部 インフラマネジメント課
課長

STAFF PROFILE
松田 直剛

松田 直剛

CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
コミュニケーションプラットフォーム
推進本部
インフラ部 インフラマネジメント課
マネージャー

STAFF PROFILE
桝野 昭伸

桝野 昭伸

CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
コミュニケーションプラットフォーム
推進本部
インフラ部 インフラマネジメント課
プロジェクトマネージャー

なぜ、ネットワークの
「次世代化」が
必要だったのか

次世代ネットワークが必要とされるようになった背景についてお聞かせください。

松田大きく3つの課題がありました。1つ目が「ソフトウェアのリッチ化」です。ネットワーク上で稼働するソフトウェア、いわゆるSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)の種類は年々増え、機能も高度化しています。SaaSがリッチ化することによって、コンタクトセンターでの業務効率化できたり、これまでできなかったことができるようになったりするというメリットがありますが、一方でネットワークへの負荷が大きくなり、回線の渋滞が生じやすくなります。その課題を解決できるのがSD-WANでした。

2つ目は、「スタンバイ回線の問題」です。先ほど、センターのネットワーク回線は1本だけという話をしましたが、トラブルなどで通常の回線が利用できなくなった場合に使える「スタンバイ回線」を用意しています。いわゆる、冗長化と呼ばれる施策です。しかし、スタンバイ回線は障害発生時などに活用することを想定したもので、メイン回線が混雑した場合に自動的に切り替えるといったことはできません。結果、スタンバイ回線を使うケースはこれまでほとんどありませんでしたが、コストは発生していました。これもSD-WANで解決できる課題でした。

3つ目が、「ネットワーク機器の老朽化」です。先にご説明したように、これまで各地のコンタクトセンターの通信回線はすべてデータセンターに集約しており、各センターとやりとりするデータの暗号化や復号化といったセキュリティ処理をハードウェアで行っていました。しかしハードウェアの老朽化に加え、サポート期間も終了が間近に迫っていたため、新しいものに取り換えるか、ハードウェアに依存しない別の方法を考える必要があったのです。そこで浮上したのが、クラウドファイアウォールを活用し、ハードウェアに依存しないセキュリティ強化案でした。

コンタクトセンターのネットワークを「次世代化」することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。最初に、エンドユーザーにとってのメリットをお聞かせください。

木村回線が安定化すると複数のシステムを同時に利用できるためコミュニケーションがスムーズになり、対応時間の短縮など対応品質が向上します。それによって、CX(顧客体験)が向上すること。それがエンドユーザーの皆さんの大きなメリットと言えます。

お客様企業にはどのようなメリットがありますか。

松田CXが向上するということは、お客様企業に対するエンドユーザーからの評価が高まることを意味します。それが1つ目のメリットです。また、クラウドファイアウォールを活用することによってセキュリティ対策が常に最新の状態に保たれ、安全・安心のレベルが大きく向上します。これが2つ目のメリットです。さらに3つ目のメリットとして、お客様企業が新しいシステムやソリューションを必要とする際に、インフラ面を気にせずにどんどんトライできることが挙げられます。

コンタクトセンター現場のオペレーターや管理者にとってのメリットについてもご説明ください。

桝野エンドユーザーとのコミュニケーションや情報閲覧がスムーズになり、応対品質と業務効率が向上し、仕事上のストレスも大きく軽減すること。それが現場の大きなメリットだと思います。

センター業務を継続しながら回線を切り替える

そういったメリットを実現するために皆さんが取り組んだのが、次世代ネットワークプロジェクトということですね。プロジェクトはどのように進捗したのか、全体の流れをご説明いただけますか。

木村2020年の上期に、コンタクトセンターにおけるネットワークの現状についての情報収集を始め、下期に部内上申、決裁、次年度における予算化の手続きを進めました。プロジェクトが実際にスタートしたのは21年10月です。そこから半年ほどをかけて、プロジェクトの要件定義や設計を行いました。

22年4月からは桝野がプロジェクトマネージャーとなり、センター現場でSD-WANのPoC(実証実験)を進めていきました。その後、同年10月から全国32拠点で段階的に次世代ネットワークへの切り替えを進め、24年3月までに全拠点・全席の次世代化を完了しました。足掛け2年半のプロジェクトでした。

プロジェクトをマネジメントしていくにあたって、どのような苦労がありましたか。

桝野先に松田から説明があったように、従来はコンタクトセンターからデータセンターに回線をつなぎ、そこからインターネット網にアクセスするというネットワーク構成になっていました。次世代ネットワークプロジェクトの大きなポイントの1つは、各センターから直接インターネットへ通信する構成に変えたことです。それが可能になったのは、クラウドファイアウォールの導入によって、データセンターで集約的なセキュリティ対策をする必要がなくなったからです。

 しかし通信経路が変わると、これまで利用していたツールや閲覧していたウェブページが見られなくなる可能性があります。そうすると業務に支障が出ます。そこで、各拠点でSD-WANを構築したあとで、ツール利用やページ閲覧に問題がないかを確認してもらったうえで、段階的に切り替えていく方針にしました。

 このやり方で苦労したのは、スケジュール調整です。SD-WANの構築の際も、回線切り替えの際も、プロジェクト側のメンバーが現場で作業する必要がありました。ある拠点での確認作業が遅れると、次の拠点を訪問する日程を再調整しなければなりません。現場の業務に支障が発生しないようにしながら、適切なスケジューリングをすること。それが一番たいへんでしたね。

木村新しい回線の構築と切り替えのそれぞれのタイミングで、全32拠点に足を運ばなければなりませんでした。各拠点のスタッフに業務時間外に対応してもらわなければならないケースもあったので、負担をかけてしまったと思います。幸い、ネットワークを次世代化することの意義を皆さんよく理解してくれて、協力してくれました。想定外のトラブルやスケジュールの大幅な遅延はほぼ発生しませんでした。

CXを向上させるための
ネットワーク基盤

全国32拠点の次世代化が完了したことをもってプロジェクトは終了ということになるのでしょうか。

木村新しいネットワークを構築し、従来の回線と切り替える作業は完了しました。その意味では、「次世代化プロジェクト」はいったん完了したことになります。しかし、それで取り組みが終わったわけではありません。現在は、ネットワークの活用・運用・保守のフェーズに入っています。各拠点で次世代ネットワークをスムーズに活用できるよう継続的にサポートすることが、私たちのこれからの重要なミッションになります。また、保守・運用だけでなく、次世代化したネットワークの新しい活用法を積極的に提案していきたいと思っています。

現状における課題をお聞かせください。

木村セキュリティはさらに強化できる余地があると思っています。もう1つ、次世代ネットワークを現場で活用するための事例やマニュアルを整備していきたいですね。

次世代ネットワークを導入し、インフラ面で最先端をいくシステムが完成しました。ネットワークのプロフェッショナルとして、今後どのようなことに注力していきたいと考えていますか。

桝野CXの向上によってお客様企業の成長に寄与することが、トランスコスモスの全メンバーの目標です。「CXを向上させるためのネットワーク基盤」という視点を忘れずに、保守・運用に取り組んでいきたいと考えています。

松田デジタル技術は日進月歩で進化しています。常に新しい技術にキャッチアップしながら、ネットワークやセキュリティ施策を継続的にアップデートしていくこと。それが私たちの使命だと思います。

木村ネットワークを万全な状態にしておくことは、すなわちお客様企業に安全・安心をご提供することです。『トランスコスモスが運営するコンタクトセンターのインフラは安全であり、安心して業務を任せられる──。』そんな認知を広めていきたいですね。

最後に、個人的にチャレンジしていきたいことをお聞かせください。

桝野プロジェクトマネージャーを体験したことは大きな自信になりました。一方で、今以上に技術力、コミュニケーションスキル、マネジメントスキルを磨く必要があることも痛感しました。それらのスキルをしっかり身につけて、プロジェクトマネージャーとして成長していきたいと思っています。

松田コンタクトセンターだけでなく、トランスコスモスのすべての事業領域のセキュリティ向上に寄与することが目標です。この会社におけるセキュリティの第一人者として、認められることを目指し、会社やお客様企業に対し、これまで以上に技術面で貢献していきたいと考えています。

木村ネットワークの次世代化をグローバルで展開していきたいという思いがあります。トランスコスモスは、海外でも多数のコンタクトセンターを展開しています。そのすべての拠点のネットワークが次世代化すれば、トランスコスモスのグローバルパワーは格段に上がるはずです。あらゆる拠点で最高のネットワーク基盤を使って最高のCXを実現し、お客様企業に貢献していくこと。ネットワークのプロとして、その目標をいつか達成したいと考えています。

※記載の内容・役職等などの情報はすべて取材(2024年10月)時点のものです。

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