18.97.9.168

クラウドコンピューティングと
社内の技術力が
コンタクトセンターを
大きく進化させる

トランスコスモスの
コンタクトセンター支援サービス

Vol.12

クラウドコンピューティング活用
[後編]

クラウドコンピューティングを個々のお客様企業やコンタクトセンター現場のニーズに合わせて活用するには、エンジニアリングのスキルが必要とされます。トランスコスモスは、社内に在籍している多数のエンジニアが力を合わせて、クラウドのポテンシャルを最大限に引き出す体制を確立しています。クラウドエンジニアリングチームを率いる二人に引き続き話を聞きました。

STAFF PROFILE
高村 祥文

高村 祥文

CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
コミュニケーションプラットフォーム
推進本部
プラットフォーム部 クラウドサービス課
課長

STAFF PROFILE
北村 康明

北村 康明

CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
コミュニケーションプラットフォーム
推進本部
プラットフォーム部 ITインテグレーション課 課長/セキュリティ対策室 室長

エンジニアリングを
内製化していることの意味

これまでのお二人の経歴と現在の仕事の内容をお聞かせいただけますか。

高村ウェブシステムのエンジニアとして、ユーザーインターフェースの改善やCRMの仕組みの設計などに10年ほど携わってきました。トランスコスモスがコンタクトセンターにおけるクラウド活用を始めた2018年から、クラウド担当としてPBX(電話交換機)、チャット、音声ボットなどをクラウド上に構築する仕事をしてきました。最近は、プロジェクトマネージャーといったポジションで動くことが多いですね。

北村私はトランスコスモスに新卒で入社して以来、コンタクトセンターのインフラエンジニアとして働いてきました。オンプレPBX(電話交換機)、サーバー、ネットワーク、各種システムなどの構築、運用、改善などを担う仕事です。高村と同じように2018年からクラウド領域にも携わるようになり、現在はクラウドを活用したインフラの構築、運用のほか、昨年度新設されたセキュリティ対策室の責任者も務めています。

高村北村のチームがインフラを担当し、私のチームがそのインフラ上で稼働するアプリケーションやソリューションを担当するというのがおおまかな役割分担になっています。

社内にお二人のようなエンジニアが多数いるのは大きな強みですね。そのエンジニアリング力がクラウド領域でどのように発揮されているのか、具体的にお聞かせください。

高村クラウドサービスには、いくつかの種類があります。ベンダーが提供するソフトウェアを利用できるSaaS(サーズ/Software as a Service)、ユーザー側がサーバーを立ち上げて活用するPaaS(パース/Platform as a Service)、ハードウェアや通信回線などのインフラを活用できるIaaS(アイアース/Infrastructure as a Service)などです。その中から、用途、コスト、サービス内容、セキュリティ要件などを踏まえて最適なサービスを選んでいく必要があります。その選択に際しては、エンジニアの知見が必須になります。要件にあったサービスを的確に選べること。それが社内にエンジニアがいることの1つの利点です。

北村大手ベンダーが提供しているクラウドサービスは汎用的なものですが、サービスとして実利用するにあたっては、細かなカスタマイズや開発が必要になります。その作業を担うのも社内のエンジニアです。ベンダーは自社のサービスの利用を促進するために、独自に資格制度を設けています。社内エンジニアがその資格を取得し、それぞれのサービスの専門家となって、カスタマイズや開発を行う仕組みが定着しています。

一人ひとりのエンジニアに共通して求められるスキルはどのようなものですか。

高村クラウドサービス全般に関する理解、プログラミングやシステム構築力などに加えて、課題の本質を見極め、解決する力が求められます。センターの現場やお客様企業から提示された課題に対し、根本的な問題がどこにあるかを深く掘り下げて、その問題を解決するための最適な方法を考え、具現化する──。そんな力です。

北村すべてのエンジニアというわけではありませんが、セキュリティに関するスキルも求められるようになっていますね。クラウドサービスにもともと備わっているセキュリティの仕組みを使いこなせるだけでなく、コンタクトセンターでクラウドを活用する際に必要なセキュリティの仕組みを独自につくっていかなければならない場合が少なくありません。

社内にエンジニアがいない企業の場合は、エンジニアリングを外部のプロに発注することになるわけですよね。

北村そうです。私たちも、エンジニアリングを100%内製できているわけではありません。セキュリティの仕組みづくりやサーバーのインテグレーションなどについては、必要に応じて外部の協力を仰いでいます。しかし、ほとんどの作業は社内のエンジニアが担うことができます。課題を明確にするためにITコンサルタントの力を借りなければならないといったこともありません。スピードやコストなどの面で、社内にエンジニアリングの体制があることのメリットは非常に大きいと思います。

高村ソフトウェアなどの機能の改善やバグの修正などが必要になった場合に、すぐに対処できるのも内製していることの大きなメリットです。センター現場のオペレーターや管理者も、何かあったらすぐに社内のエンジニアに連絡することができます。現場の声を踏まえた改善を積み重ねていくことによって、トランスコスモスのクラウド活用全体のレベルが上がっていくと私たちは考えています。もちろん、エンジニア側にもナレッジやノウハウが蓄積していくので、クラウドを取り扱う腕が磨かれていくことになります。

クラウド活用にゴールはない

技術面以外で、クラウドを運用していく難しさはどのようなところにありますか。

高村クラウドサービスは日々進化しているので、私たちも必要に応じて新しいものを取り入れるようにしています。しかし、利用するサービスが変わると操作方法なども変わるので、現場に負荷を与えることになります。現場の負荷ができるだけ少ない方法でよりよいものを採用していく。そんな工夫が必要な点に難しさがあると言えます。

北村新しいサービスや仕組みを導入する際は、私たちが現場に出向いて研修やトレーニングを実施します。最近では、センターにトレーニング担当者がいるケースも増えています。高村が言うように、研修やトレーニングが増えると現場の負荷となるので、新しいサービスがリリースされても、導入すべきかどうかそのつど慎重に検討する必要があると考えています。

トランスコスモスには、社内で開発した独自ソリューションが数多くあります。そういったソリューションをクラウド上で動かす仕組みも整備されているのですか。

北村基本的にすべてのソリューションをクラウド上で活用することが可能です。インフラチームが整備したクラウド基盤の上で自社ソリューションを安全安心に使うことができることも、トランスコスモスのクラウド活用の大きな特徴と言えます。クラウドチームと各ソリューションの担当チームが日々コミュニケーションをとって、スムーズな活用ができる体制をつくっています。

クラウド活用の今後の見通しをお聞かせください。

高村クラウド活用には、オペレーターのワークスタイルを柔軟化できるというメリットがあります。コロナ禍においてクラウドが力を発揮したという話が先ほど出ましたが、今後もクラウドのメリットをいかして、育児や介護などの事情で在宅勤務が必要な人や、居住地が遠隔地にある人がコンタクトセンター業務に従事できる社内体制整備の後押しをしたいと考えています。

また、ワークスタイルが多様化すると、勤怠のマネジメントが複雑になります。よりマネジメントしやすい各サービスが連動した勤怠システムをつくり、クラウド上で運用できる体制をつくっていきたいですね。

北村トランスコスモスは、CX(顧客体験)の向上という大きな目標を掲げています。コンタクトセンターに連絡をしてくるエンドユーザーの皆さんの体験価値を上げることが、お客様企業のブランド力向上や事業成長につながります。クラウド活用は、それを実現するための1つの手段です。クラウドの柔軟性、拡張性を最大限にいかし、私たち自身の技術力を磨きながら、CXを高める仕組みづくりを継続していきたいと考えています。

クラウド活用にゴールはありません。サービスは日々進化しているし、ユーザーである私たちの側の工夫によってできることはまだまだあります。セキュリティにも十分配慮しながら、どんどん新しいことにチャレンジしていきたいですね。

人間力と技術力の
組み合わせが必要

お客様企業の成長にどう寄与していきたいか。それぞれの想いをお聞かせください。

北村お客様企業のビジネス拡大、事業成長をご支援するにあたって重要なことは、お客様企業が何を望まれているのかを正確に把握することです。対話を通じてそれを把握することも必要だし、まだ顕在化していないニーズを捉えて、こちらからご提案していくことが求められる場面もあります。私たちは技術のプロですが、技術以前に人と人とのコミュニケーションを通じて課題を掘り起こしていくことが何より大切です。人間力と技術力の組み合わせによって、お客様企業の成長を後押ししていきたい。そう考えています。

高村トランスコスモスがクラウドを導入し始めた2018年当時は、「クラウドは本当に安全なのか」といった議論がまだありました。しかし現在は、「まだオンプレミスなの?」と言われるようになっています。コンタクトセンター業界でもクラウド活用が進んでいる中で、いかに他社に対する競合優位性を発揮していけるか。それが私たちに問われていると思います。トランスコスモスは、「CXの向上とお客様企業の成長を支援する」という明確な目標を掲げています。クラウド活用をより洗練させることで、その目標を確実に達成していきたいと思っています。

最後に、トランスコスモスの一社員として挑戦していきたいことを教えてください。

北村セキュリティ対策室の責任者として、クラウドのみならず、トランスコスモスが提供するサービス全般のセキュリティレベルを向上させる役割を担っていきたいと考えています。そのために、私自身が技術力をさらに磨いて、セキュリティのプロとしての力を高めていきたいですね。

高村日本のコンタクトセンターのサービスレベルや顧客対応力は、海外でも高く評価されています。今後は、日本のサービスを輸出して、日本流のコンタクトセンターを海外に根づかせていくチャレンジを視野に入れるべきであると私は思っています。私自身も志を高くして、国境を越えて活躍できるエンジニアになっていきたい。そう考えています。

※記載の内容・役職等などの情報はすべて取材(2024年7月)時点のものです。

トランスコスモスはお客様企業のビジネスを成功させるため、あらゆる形で支援します。
ソリューションやサービスに関するご質問やご依頼など、お気軽に以下よりお問い合わせください。

お問い合わせはこちら