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インタビューを通じて
「深いVOC」を獲得し
お客様企業の
ビジネス成果に貢献する

トランスコスモスの
コンタクトセンター支援サービス

Vol.9

tra:Cii/トレイシー [後編]

VOC(顧客の声)をビジネス成果につなげていくソリューション〈tra:Cii(トレイシー)〉。このソリューションはまた、コンタクトセンターの存在意義自体を変えていくドライバーになりうると開発・運用メンバーは話します。tra:Ciiのこれまでの導入事例と、そこから生まれた成果、さらに、tra:Ciiがもつ大きな可能性について、引き続き、開発責任者の森紗介と、運用責任者の猪原竜矢に語ってもらいました。

STAFF PROFILE
森 紗介

森 紗介

CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
サービス開発本部
マーケティング開発部 部長

STAFF PROFILE
猪原 竜矢

猪原 竜矢

CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
第七サービス本部
CXスクエア天神第一 課長

コンタクトセンターを
プロフィットセンターに

tra:Ciiは、お客様企業、顧客、現場のオペレーターのそれぞれにどのようなメリットをもたらすと考えられますか。

お客様企業にとっての一番のメリットは、コンタクトセンターがマーケティングや売り上げ向上につながる情報起点になることです。欧米では、コンタクトセンターは収益に結びつく活動を行うプロフィットセンターであると考えられています。しかし残念ながら日本では、コンタクトセンターはコストセンターと見なされる場合がほとんどです。コンタクトセンターを、お客様企業のビジネス成果を生み出すプロフィットセンターにしていきたい。それが私たちの願いです。tra:Ciiは、その願いから生まれたソリューションです。

お客様企業側でtra:Ciiを活用される担当部門は、コンタクトセンターの管轄部署には限らないということになりますね。

そのとおりです。マーケティング、広報・宣伝、経営企画、事業部門など、さまざまなセクションでtra:Ciiを活用いただいて、コンタクトセンターから価値を生み出しくことが可能です。

エンドユーザー、つまり、お客様企業の顧客にとってのメリットにはついてはいかがですか。

猪原tra:Ciiは、商品やサービス、あるいはそのほかのさまざまな企業活動の改善を実現するためのソリューションです。インタビューにご協力いただくことが改善アクションにつながり、その結果CX(顧客体験)や顧客の利便性が向上します。それがすなわち、顧客のメリットということになると考えています。

企業やブランドへの「参加感」のようなものが醸成されるのも、顧客のメリットと言えるかもしれません。先にも少し触れましたが、企業に対して言いたいことがあるという顧客は少なくありません。実際にインタビューをしてみると、「意見を伝えられる窓口があったんだね」とか「これまで思っていたことが言えた」といったことをおっしゃる方々が多くいらっしゃいます。日頃商品やサービスを使う中で感じていたことを直接伝え、企業やブランドの活動に参画できる。そして、それ自体が新しいCXとなる。そう私たちは捉えています。

tra:Ciiは、企業と顧客の「絆」をつくっていくツールとも言えそうですね。現場のオペレーターのメリットについてもお聞かせください。

猪原これも先に話が出たように、コンタクトセンターでは常に生産性や効率性が求められます。しかしtra:Ciiは、一人ひとりの顧客と深く対話をすることで、ビジネス成果につながるVOCを獲得するためのサービスです。このサービスを担当することで、これまでできなかったような対話ができた。いろいろな意見が聞けて楽しかった──。そんなコメントが現場から寄せられています。さらに、その対話から得られたVOCによってお客様企業のビジネスに具体的に寄与することができます。仕事のモチベーションが上がり、お客様企業に喜んでいただき、自分たちが働いているコンタクトセンターの価値も上がる。それを現場のメンバーは大きなメリットと感じてくれています。

逆に、業務の負担感が増すといった不満はありませんか。

猪原今のところ、一切ありませんね。tra:Ciiの担当者はみんな、これまでとは異なるミッションにポジティブに取り組んでくれています。むしろtra:Ciiの運用は、仕事の士気を高め、ES(従業員満足度)の向上を実現していると考えています。

私も、tra:Ciiを現場に導入する際には、メンバーから不満の声が上がる可能性があると危惧していました。しかし、それは杞憂でした。このサービスによってコンタクトセンター業務の付加価値を上げていくことにみんな非常に前向きです。嬉しい誤算でした。

VOCを具体的な提案につなげていく

これまでの導入事例をいくつか教えてください。

猪原まず、PoC(実証実験)にご協力いただいた製菓小売チェーンの事例をご紹介します。私たちは、その企業のお客様相談窓口の支援をさせていただいています。同社には、マーケティングに大きなリソースを割けておらず、顧客の要望や動向を把握しきれていないという課題がありました。そこで、tra:Ciiを活用した顧客分析や競合分析のご提案をしました。

顧客インタビューを実施してみると、CXレートは非常に高く、顧客から高く支持されていることがわかりました。また特定商材に対する具体的なコメントも多くいただくことができました。

その結果を受けて、商品開発、販売戦略、Instagram活用、MEO(マップ検索エンジン最適化)などのご提案をしました。また、コンタクトセンターにチャットやメールでの問い合わせ機能を追加する施策や、ロイヤルカスタマーに対して定期的にサンプルを発送して、コンタクトセンターからフォローコールをするという新しいスキームなども提案させていただきました。お客様企業のご担当者からは、「非常に具体的な提案をいただきありがとうございます」というお言葉をいただいています。

VOCを具体的な提案につなげていけるところにtra:Ciiの価値があると言えそうですね。

猪原そのとおりです。次にご紹介する美容・健康機器メーカーのケースでも、さまざまな提案をさせていただきました。マーケティングやブランディングに一貫して注力されてきた企業ですが、現行の施策のアップデートや競合比較をしたいということで、tra:Ciiをご活用いただきました。

インタビューの結果、購入者による知人、友人、家族などへの推奨行動促進に改善機会があることがわかりました。そこで、競合他社の事例を参考に、家族割やポイントプログラムの導入施策をご提案し、トランスコスモスのDX部門による具体的なフォーメーションもご提示しました。

また、さまざまな商品をセットにして収められる収納バッグの開発、デジタルサイネージを使ったコミュニケーション施策、コンタクトセンター支援から倉庫・発送業務までを含むECのスキームなども提案させていただいています。

先方の窓口は、コンタクトセンターのご担当部署だったのですか。

猪原そうです。同社には、社内の各部門から商品戦略や営業戦略を立案できるという仕組みがあります。コンタクトセンターからもいろいろなアイデアを発信していきたいというご担当者のニーズにも合致する取り組みでした。

「定期健康診断」のような
活用が理想的

ほかにも特徴的な事例がありましたらご紹介ください。

私からは、宅配事業を展開しているお客様企業の事例をご紹介します。同社はオンラインでの注文窓口を運用しているのですが、顧客の中には電話やファックスで注文をする方々が一定数いらっしゃいます。そういった方々がオンラインを活用しない理由を知りたいというのが、お客様企業のご要望でした。

インタビューからわかったことは、オンラインで注文できることは知っているが、それを使おうとは思わないという人が少なからずいるということでした。つまり、認知ではなく、活用推進に課題があるということです。また、オンラインを活用しないのは主に高齢者層であるという仮説があったのですが、実際には30代、40代でもオンラインを使っていない人がいることがわかりました。その理由などを深掘りしたレポートをご提出したところ、「たいへん有効な情報なので、今後に役立てていきたい」というお言葉をいただきました。

インタビューからはさらに、これまで競合と考えていた企業以外に実は競合がいたという事実も明らかになっています。その競合企業は、SDGsの取り組みに力を入れていて、それが消費者から支持されていることもわかりました。

また、40代からのサービス離脱が多いことも判明しました。子育てが終わったタイミングで、近所のスーパーなどでの買い物に移行してしまう人が多いというのが、大きな理由の1つです。そこで、デジタルクーポンの発行や、商品を届けるタイミングの工夫などによって、離脱を防ぐ施策をご提案しました。

改善施策を実施したことによる効果などはどのように計るのでしょうか。

tra:Ciiを四半期に1回、あるいは半期に1回ご活用いただいて、継続的に調査をしていくことが理想であると私たちは考えています。VOCの変化を見ながら、改善策をアップデートし、ビジネス成果をより高めていく。そんな持続的な取り組みに伴走できる事業パートナーになっていきたいというのが、私たちの強い想いです。

猪原定期健康診断のようなイメージでtra:Ciiを活用していただくことによって、お客様企業の課題を解決し、強みを伸ばすためのPDCAサイクルを回していくことができると私たちは考えています。

コンタクトセンターの
存在意義を変えていきたい

これまでの取り組みから見えてきたtra:Cii の可能性についてお聞かせください。

tra:Ciiは、私たちがコンタクトセンター運営をご支援しているお客様企業にご提供することを前提としたサービスですが、トランスコスモスにはウェブや広告展開をご支援する部門もあります。そういった部門でおつき合いのあるお客様企業にtra:Ciiをご紹介し、コンタクトセンターの運用支援とtra:Ciiのサービスを合わせてご提供できる機会を探っていきたいですね。繰り返しになりますが、tra:Ciiは「オールトランス」でお客様企業の事業に貢献できるソリューションになりうると考えています。

猪原重要なのは、日頃のコンタクトセンター業務を通じて理解しているお客様企業のビジネスモデルや、商品・サービスの特性、課題を踏まえたうえでtra:Ciiをご提案していくことです。このソリューションを活用することで具体的にどのような成果が期待できるのか。その道筋を明確に示していく姿勢が重要だと思います。

tra:Ciiは、コンタクトセンターの存在意義を変えていくというチャレンジを後押しするツールにもなりそうですね。

猪原そう思います。コンタクトセンターの機能は、いずれAIなどのテクノロジーに代替されるようになるという意見もあります。もちろんテクノロジーを有効に活用してコンタクトセンターを進化させていくことは重要ですが、人のスキルを「深化」させることでコンタクトセンターをプロフィットセンターに変えていける可能性も大いにあると私は考えています。その可能性を具現化したソリューションがtra:Ciiです。今後も、人の力と技術の力を組み合わせて、コンタクトセンターの価値を高めていきたいと思っています。

コロナ禍以降、企業と顧客の重要な接点としてのコンタクトセンターの機能が社会的に見直されるようになっています。コンタクトセンターは、社会インフラになっている。そう言っていいと思います。そのコンタクトセンターの機能とお客様企業のさまざまな事業領域をつないでいく力がtra:Ciiにはあります。このソリューションをご活用いただくことで、お客様企業の社会的価値を高めながら、事業成長を後押ししていく。その活動を通じて、コンタクトセンター業界のプレゼンスを高めていく。そんな取り組みをこれからも続けていきたいですね。

※記載の内容・役職等の情報は、2024年4月時点のものです。

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