顧客の「本当の声」を
商品・サービスの改善や
応対品質の向上に
つなげていく
トランスコスモスの
コンタクトセンター支援サービス
Vol.7
CXリサーチサービス
CX(顧客体験)の向上が企業の重要な取り組みとなっています。CX向上のひとつとして求められるのは、アンケートなどによって得られる顧客の「本当の声」ですが、それを獲得するのは簡単ではありません。個々の顧客にアンケートに答えてもらうには、大掛かりな仕組みとコストが必要になるからです。そのような課題を解決するのが、トランスコスモスのアンケートソリューション〈CXリサーチサービス〉です。コンタクトセンター運用支援と一体で提供しているこのサービスの特徴や、そこから生み出される価値について、サービス推進を担当する釘元優に語ってもらいました。
釘元 優
トランスコスモス
CX事業統括 DX推進本部
DXソリューション統括部
デジタルサービス企画部
カスタマーサクセス課
「負の体験」をいかにゼロに近づけていくか
近年、多くの企業がCXを重視するようになっています。はじめに、トランスコスモスが考えるCXについてお聞かせください。
私たちが大切にしているのは「エフォートレス」という考え方です。エフォートは「労力」や「骨折り」を意味しますが、私たちは「負の体験」というニュアンスでこの言葉を捉えています。コンタクトセンターに電話やメールでお問い合わせをされる顧客に対して、いかに負の体験を与えないか。それが非常に重要であると考えています。
顧客に「プラスの体験」を提供することはもちろん大切です。しかし、それ以上にCXを大きく左右するのが負の体験です。負の体験をできるだけなくしていくこと。マイナスを可能な限りゼロに近づけていくこと。その取り組みが、コンタクトセンターだけではなく、ウェブサイト、SNS、広告などあらゆる顧客接点で求められていると思います。
マイナスの体験は、企業と顧客の関係性を損なう大きな要因になるということですね。
そのとおりです。プラスの体験は、よほど感動的だったりサプライズがあったりしなければ口コミとして広まることはありませんが、マイナスの体験はすぐに拡散する傾向があります。ですから、顧客の皆さんが何をマイナスと感じているかを把握し、それをケアしたり、問題点を改善したりしていくことで、企業と顧客の関係性を良好にすることができると私たちは考えています。
コンタクトセンターにおけるCXについてのお考えもお聞かせください。
コンタクトセンターのオペレーターは、お客様企業の「顔」として顧客に日々相対しています。ですから、現場におけるCX向上の取り組みは、お客様企業の評価に直結します。CXに関して私たちはたいへん大きな責任を担わせていただいていると感じています。
成果にコミットする
アンケートを
トランスコスモスが提供している〈CXリサーチサービス〉の概要をご説明ください。
ウェブサイトで顧客にアンケートに答えていただく仕組みを提供するサービスが〈CXリサーチサービス〉です。コンタクトセンターに電話をかけてきた顧客に対しては、アンケートページのURLを記載したショートメッセージを電話に送り、そこからアクセスしてもらいます。メールやチャットでのお問い合わせの場合も、同様にURLをお知らせします。アンケートの結果はCSVデータですぐにダウンロードできるので、スピーディに集計や分析を行うことができます。
アンケートの内容は自由に設計できるのですか。
顧客に何を尋ねたいかによって、さまざま設問をつくることが可能です。商品やサービスの開発や改善につながる設問を設定することもできますし、コンタクトセンターにおける応対品質を高めるための設問をメインにすることもできます。また、NPS® (顧客ロイヤリティ調査)やCS(顧客満足度)などに連動させた設問設計をする場合もあります。いずれのケースでも、私を含むトランスコスモス側の担当者が、お客様企業の課題感やニーズをお聞きしながら設問づくりをご支援します。
設問設計において、トランスコスモスならではの力が発揮されるのはどのような部分ですか。
「成果にコミットする設問」をつくることができる点だと思います。例えば、「オペレーターの雰囲気はどうでしたか?」といった設問は、その答えを得ることによって何を知りたいのか、何を改善したいのかという点が非常にあいまいです。それに対して、「オペレーターの会話のスピードはどうでしたか?」「応対時間の長さをどう感じましたか?」といった具体的な設問であれば、その結果をすぐにオペレーターの応対品質向上につなげることができます。確実に成果につながるアンケートでなければ意味がない。そう私たちは考えています。
〈CXリサーチサービス〉が実現する「三方良し」
このサービスを活用することのメリットを、お客様企業、その顧客、コンタクトセンターの現場の3つの視点から説明していただけますか。
お客様企業にとっての最大のメリットは、これまで聞くことのできなかったリアルな顧客の声を直接知ることができる点にあります。もう一つのメリットは、低コストでのサービス導入が可能である点です。多くの企業が、顧客アンケートを実施して率直な意見を聞いたいと考えてもそれをなかなか実行できないのは、アンケートシステムの活用にかなりの費用がかかるからです。〈CXリサーチサービス〉は、一般的なアンケートシステムよりも格段に安いコストでのご提供が可能です。
顧客にとってのメリットはどのようなものでしょうか。
商品やサービス、オペレーターの対応などに対して、意見や思いを率直に伝えることができる点にあると考えています。
電話口やチャットでは、ストレートな意見を伝えることはなかなか難しいですからね。
そうなんですよ。アンケートなら本音を言うことができますし、その本音がお客様企業にとってもコンタクトセンターを運用している私たちにとっても非常に大切な情報になります。
コンタクトセンターの現場にとってのメリットも、まさにそこにあります。アンケート結果を見れば、オペレーターの応対のどこに問題があるかが明らかになり、どこを改善すればよいかがわかります。それによって応対品質を上げ、CX向上を目指すことができます。
コンタクトセンターでは、週次や月次でお客様企業にVOC(顧客の声)をレポーティングすることになっています。従来はオペレーターの音声記録をもとにレポートを作成することがほとんどでしたが、アンケート結果があることで、よりリアルで充実したレポーティングを行うことができるようになります。これも現場の大きなメリットですね。
まさに「三方良し」のサービスと言えそうですね。トランスコスモスのほかのソリューションとの連携も可能なのでしょうか。
いくつかの連携の形がありえます。例えば、さまざまなデータをダッシュボードで一覧できる〈Insight BI〉と連携させることによって、アンケート結果を即時にダッシュボードで見ることができるようになります。
また、音声を自動でテキスト化する〈transpeech〉と連携させれば、アンケートで指摘された内容が過去のどの応対を指しているかといった突合が可能になります。それによって個別の応対の課題を明らかにして、改善していくことができます。
応対品質向上と事業改善を
実現する
アンケートの回答率と回答完了率はどのくらいですか。
まず回答率ですが、電話へのショートメッセージ経由の場合は2割から3割といったところです。メールやチャットの場合はもう少し落ちますが、いずれも一般的なアンケートよりも高い回答率と言えます。ショートメッセージでURLをお送りする際は、電話での応対の最後に必ず許諾を得るようにしています。許諾を得たうえでの送信なので、回答率が比較的高くなっていると考えられます。
一方の回答完了率は、平均して5割くらいです。アンケートの設問の順番や数をうまく調整し、途中での離脱が起きない工夫をしています。
〈CXリサーチサービス〉を活用した事例をいくつかお聞かせください。
一つは、アンケートの結果を応対品質改善につなげることで、顧客満足度が向上したケースが挙げられます。NPS®における「推薦したい」という人の割合が増えたり、電話での対話の長さ、説明のわかりやすさ、応対マナーといった項目の満足度が上がったりする成果につながりました。またそれによって、お客様企業からの私たちに対する評価も向上しました。
もう一つ、お客様企業側の事業改善につながったケースも成功事例と言えます。コンタクトセンターの現場では日々顧客の声に接するので、そこからお客様企業の事業の改善点のヒントが得られたりします。しかし、それはオペレーターを介しての間接的なヒントなので、企業側のご担当者にご報告してもなかなか実感していただけないことが過去にはありました。
しかし、アンケートでは顧客の声が可視化されるので、不満や困りごとをご担当者にダイレクトに把握していただくことが可能になります。それによって、事業の課題が明らかになり、その改善に取り組むことでサービスレベルが向上する。そんなポジティブな流れが実現しました。
「現場視点」が
お客様企業への
貢献につながる
釘元さんご自身のこれまでの歩みもお聞かせいただけますか。
新卒でトランスコスモスに入社して、最初は沖縄のコンタクトセンターでオペレーターとして働きました。その後、同じセンターのオペレーター採用担当となって、100人近い方々の面接をしたり、派遣会社のご担当者とやり取りをしたりしました。あの経験によって、コミュニケーション力がかなり磨かれたと感じています。
その次に配属になったのは、沖縄本部のプロジェクトマネジメントチームでした。そこで、40を超える沖縄県内のコンタクトセンターの業務改善やソリューション導入支援に従事しました。東京本社に異動になって〈CXリサーチサービス〉の主担当になったのは、2021年のことです。
仕事におけるご自身の強みはどのようなところにあると考えていますか。
「現場視点」があることだと思っています。ソリューションの導入をコンタクトセンターの現場に提案する場合も、それが本当にその現場にとって必要なものなのか、お客様企業、その顧客、また現場のオペレーターや管理責任者に喜んでもらえるものなのかを常に考えたうえでお話をするようにしています。
〈CXリサーチサービス〉は、現場視点から見てもとても有用なツールと言えそうですね。
そう思います。私が新人で配属された沖縄のセンターでは、お客様企業のご判断でアンケートシステムを導入していました。その結果が、当時オペレーターだった私自身のモチベーションの向上や問題点の発見につながりしました。もちろん、お客様企業の課題改善に結びついたケースもあります。お客様企業のためにも現場のためにも、アンケートには絶対に取り組んだほういい──。あのときのそんな想いが、現在の〈CXリサーチサービス〉を推進する仕事の支えになっています。
〈CXリサーチサービス〉をお客様企業のビジネス成果にどうつなげていきたいと考えていますか。
私たちはこのサービスを単体ではなく、コンタクトセンター運用の付加価値を高めるためのツールとしてご提供しています。センターの応対品質を上げ、CXを向上させ、お客様企業のブランド力強化や、商品やサービスのブラッシュアップにつなげる。その一連の流れを実現できるのが〈CXリサーチサービス〉です。〈CXリサーチサービス〉をできるだけ多くのセンターで継続的に活用することによって、お客様企業のビジネスに確実に貢献していくことができると考えています。
今後の仕事にかける想いを最後にお聞かせください。
「現場視点」と「お客様企業への貢献」。その二つの視点を忘れないようにしたいと思っています。コンタクトセンターの現場には、本社のスタッフに距離を感じてしまう人が少なくありません。以前の私もそうでした。私は現在本社に勤務する立場として、できるだけ現場の皆さんとの距離を縮め、気軽に相談してもらえたり、一緒に力を合わせて課題を解決できたりするよう努めていきたいと思っています。そうして本社と現場が一体となって顧客とのコミュニケーションレベルを上げていくことが、ひいてはお客様企業のメリットになる。そう信じています。
※本記事に記載されている情報は、2023年12月時点のものです
トランスコスモスはお客様企業のビジネスを成功させるため、あらゆる形で支援します。
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