顧客接点の
データを統合し、
CX向上を実現する
画期的ツール
トランスコスモスの
コンタクトセンター支援サービス
Vol.6
Insight BI [後編]
複数の顧客接点のデータを統合し、VOCなどの定性データを用いながら、CX(顧客体験)のトータルな向上を実現するCX最適化支援ダッシュボード「Insight BI」。このソリューションによって具体的に何が実現できるのか。前編に引き続き、開発を中心で担った2人のメンバーに、Insight BIの活用事例や、お客様企業支援にかける想いを語ってもらいました。
野田 健一
トランスコスモス
CX事業統括 DX推進本部
DXソリューション統括部
デジタルサービス企画部 部長
服部 早希
トランスコスモス
CX事業統括 DX推進本部
DXソリューション統括部
デジタルサービス企画部
データ活用推進課 課長
「総合力」と「営業力」と
「人材力」
Insight BIの開発にあたっては、コンタクトセンターの「現場力」が重要だったという話がありました。それ以外に、このソリューション開発の中で発揮されたトランスコスモスの力にはどのようなものがありましたか。
野田1つは「総合力」だと思います。私たちが所属しているのはDX推進本部ですが、この本部のビジネスドメインは、「コンタクトセンター」「ウェブサイト」「ウェブ広告」「ECサイト」の4つに大きく分かれています。この4つのドメインをもつ部門があること自体が珍しいのですが、さらにDX推進本部が目指しているのが、4ドメインをクロスさせながらシナジーを生み出していくことです。私のチームが軸足を置いているのはこの中のコンタクトセンターで、そこから例えば「コンタクトセンター×ウェブサイト運用」「コンタクトセンター×ウェブ広告」といった領域に取り組みを拡大していくことをミッションにしています。その「掛け算」とその結果としてのシナジーを生み出すソリューションがInsight BIです。まさに、トランスコスモスがもつ総合力が発揮されたソリューションと言っていいと思います。
それから、「営業力」も重要な要素でした。トランスコスモスは、日本を代表する多くのナショナルクライアントとお取り引きをさせていただいています。そのため、大手企業の皆さんがどのような課題を抱えているかを把握することができます。そのリアルな「課題感」がInsight BIの「汎用性」の実現にいかされています。
服部「人材力」という要素も加えていいと思います。このソリューションの開発には、コンタクトセンター業務やウェブサイト運用の経験をもつメンバーが加わっています。そのような多様な経験をもった人材がいることによって、ソリューションが実際に使われる場面を想像しながら開発を進めることができました。
野田現場のことを知っていて、かつシステムをつくれる人材は、人材市場にはほとんどいません。そのような人材が必要ならば、育成していかなければなりません。私たちは、現場経験が豊富でビジネスを熟知している人材を採用し、独自の研修プログラムによって開発者に育てる取り組みを続けています。それがトランスコスモスの人材力につながっていると考えています。
Insight BIの開発を担ったお二人の強みについてもお聞かせください
野田方向性を決めるときに、あまり迷わずに決断できることが私の強みかもしれません。Insight BIの機能をCX向上に特化したのも、「機能を最小化することで効果を最大化する」という方向性を迷わず選択できたからだと思います。
何が必要で何が必要ないかを考えながらプロダクトの企画を考えるのは、とても楽しい作業です。トランスコスモスに入社した頃は、商品企画を担当する上司の仕事ぶりを見て、「自分にこの仕事は絶対にできない」と思ったものでした。しかしその後、コンタクトセンター業務、調査・分析、マーケティング、新サービスのPoC(実証実験)など、さまざまな仕事を経験する中で、自然に企画力が身についたのだと思います。自社プロダクトの企画・開発を重視するトランスコスモスで商品企画に携わる醍醐味を日々感じています。
服部私は入社後、調査・分析をほぼ一貫して担当していて、VOC分析、SNS分析、データマイニングなどに関わってきました。そこで身につけた分析スキルが自分にとっての一番の強みであると考えています。データの収集はテクノロジーによってかなりの部分を自動化できますが、分析には専門家の視点が欠かせません。お客様企業がInsight BIを活用して成果を生み出すにあたって、専門的な分析スキルをお役立ていただけると思っています。
「CX向上」の先にある真の目的
現在、Insight BIはどのようなお客様企業にお使いいただいていますか。
野田流通小売、金融、メーカー。現在は、その3つの業種でよくお使いいただいています。もちろんInsight BIは汎用ソリューションなので、業種業態を問わず、CX向上を目指す企業に広くお使いいただくことが可能です。
どのような目的でInsight BIを導入されるケースが多いのでしょうか。
野田1つは、コスト削減ですね。例えば、顧客が商品やサービスに関する疑問がある場合、ウェブFAQやチャットを活用することで簡単に自己解決することができれば、時間や手間がかからないのでCXが向上すると考えられます。一方、コンタクトセンターのオペレーターの稼働が少なくなるので、コストも下がることになります。このような取り組みを、私たちは「ノンボイス率を上げる」と表現しています。ノンボイス率向上をKPIとする場合に必要なのは、どのチャネルにどのくらいの流入があるかを把握し、より流入量を増やしたいチャネルへの導線を改善することです。そこでInsight BIが力を発揮するわけです。
もう1つは、顧客とのコミュニケーションや、商品、サービスの改善にVOCを役立てるという使い方です。Insight BIでチャネルごとの顧客の動きなどを見て、問題があると思われる場所に関するVOCを参照し、問題点を改善していく。そんな活用例ですね。定量データと定性データを最適に組み合わせた使い方と言えます。
3つ目として、Insight BIを使った売り上げ拡大の取り組みが挙げられます。例えば、ECサイトのコンバージョン率とウェブFAQの利用動向の関係を見ていくと、FAQを見た人のコンバージョン率がそうでない人よりも高いことが明らかになったりします。データからそのような傾向が見えてきた場合は、ECのショッピングカートに顧客が商品を入れる直前に抱く疑問を想定して、その疑問を解決できる項目をFAQに加え、さらにFAQへの導線を強化することで、コンバージョン率向上が期待できます。
いずれも中心にあるのは「CX向上」という視点ということですね。
野田そうです。より正確に言うならば、CX向上の先に真の目的があると言えます。「CXの向上とコスト削減」「CXの向上と商品・サービス改善」「CXの向上と売り上げ増大」──。Insight BIをご提供する場合は、そういった真の目的を忘れないようにしたいと考えています。
ひと口に「CX」と言っても、その定義はクライアントごとに異なりますよね。
服部それは非常に重要な視点です。CXの定義があいまいなままだと、どのようなデータを、どのように分析して、どのように活用していくかといった方向性が定まりません。ですから、Insight BIを導入いただく場合には、お客様企業にとっての、あるいは導入する部門にとってのCXとは何かを一緒に議論して定義する作業が必須になります。その定義に対して何をすべきかという方向性を見極めたうえでInsight BIを実運用していく。そのような流れが基本となります。
ビジネスの中核で力を
発揮するソリューションに
今後このソリューションをどう展開していきたいか。最後にそれぞれの想いをお聞かせください。
服部Insight BIは現在が完成形というわけではありません。さまざまな企業にご活用いただく中で、さらに機能をブラッシュアップしていける可能性があると考えています。機能を向上させるためには、できるだけたくさんの案件でこのソリューションをお使いいただいて、知見を蓄積していく必要があります。多くの企業にInsight BIを導入していただき、確実な成果を出しながら、継続的に機能を高めていって、さらに大きな成果に結びつけていく。そんなサイクルをつくることがお客様企業への貢献になると考えています。
野田多くの企業にとって、ビジネスになくてはならないツールになること。ビジネスの中核で力を発揮するソリューションに育てていくこと──。それがこれからの一番の目標です。世の中にBIツールやソリューションは数えきれないほどありますが、確実にCXを向上させ、継続的な売り上げを実現していくにはInsight BI以上のツールはない。そう認めていただけるよう、これからも努力を続けていきたいと思います。
※本記事に記載されている情報は、2023年9月時点のものです
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