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テクノロジー(音声認識)を活用し
CXを大きく改善
応対品質の向上と
誤案内防止を実現する


現場担当者の声

Vol.01

「正確性」と「迅速性」を両立するために




内容の異なるさまざまな問い合わせに対し、いかに迅速に、いかに正確な案内をするか──。それがコンタクトセンターの大きな課題です。トランスコスモスの拠点の1つ「CXスクエア仙台広瀬」では、その課題に対応するために、社内で独自に開発した音声認識ソリューション〈transpeech(トランスピーチ)〉を活用しています。大きな成果を上げているその取り組みついて、案件責任者の相澤陽子と、現場管理者の瀬川翼に話を聞きました。

SUMMARY

課題
  • 複雑な問い合わせに対しても、正確な案内を迅速に行いたい
  • 重要なワードを聞き漏らさずに、誤った案内を防止したい
施策
  • 音声認識ソリューション〈transpeech〉を導入
  • 「音声の自動テキスト化」「キーワード強調」「資料の自動ポップアップ」「チャットによるコミュニケーション」の各機能を活用する仕組みを構築
成果

導入後、最短1.5か月で以下の成果を実現

  • CX向上(問い合わせ電話に対する保留時間:12%短縮/誤案内発生件数:95%削減)
  • 現場の業務効率向上(エスカレーション率:17%減少)エスカレーション:担当オペレーターの判断だけでは回答困難と判断した場合、スーパーバイザー等の管理者に判断や指示を仰いだり、対応を要請すること。
  • 現場オペレーターの定着率向上 (従業員エンゲージメント調査「継続勤務意向」:20%向上/新人OJT期間:1日短縮)
STAFF PROFILE
相澤 陽子

相澤 陽子

CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
第九サービス統括部 CXSQ仙台広瀬
オペレーションマネージャー

STAFF PROFILE
瀬川 翼

瀬川 翼

CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
第九サービス統括部 CXSQ仙台広瀬
スーパーバイザー

短い保留時間で
正しい情報を伝える

コンタクトセンター業務において重視される要件の1つが「正確なアナウンス」です。一件ごとに内容の異なる問い合わせに対して、誤りのない情報を伝えるというミッションを果たすために、センターの現場ではオペレーターや管理者が日々全力を傾けています。

問い合わせをしてきたユーザーに正しい情報を伝えるためには、問い合わせ内容をしっかり把握するだけでなく、回答の根拠となる資料を参照しなければならない場合があります。とりわけ公共案件などでは、一つひとつの回答にエビデンス(裏付け)が求められることが少なくありません。

しかし、電話の途中で資料を参照する時間が長くなると、ユーザーを待たせることになり、CS(顧客満足度)やCX(顧客体験)が低下してしまう恐れがあります。正確性と迅速性をいかに両立するか──。それがコンタクトセンターの現場では大きな課題となっています。

トランスコスモスが運営する「CXスクエア仙台広瀬」にも、 そういった課題がありました。同センターで公共案件の現場管理者を務める瀬川翼は説明します。

「この案件では、“電話応対途中の保留時間2分以内”というルールが定められています。しかし案内の内容が複雑な案件では、2分以内に問い合わせに合致した資料を見つけるのが難しい場合があります。そこで、音声認識ソリューション〈transpeech(トランスピーチ)〉を導入することにしました。〈transpeech〉は多様な機能を持つソリューションですが、よく活用されているのが電話での会話内容をリアルタイムでテキスト化する機能です。その機能と、オペレーターと現場管理者がチャットでコミュニケーションできる機能を組み合わせ、管理者がオペレーターの対話内容をテキストで確認しながら、必要とされる資料をチャットで助言する仕組みをつくりました。その結果、保留時間が平均で12%短縮しました」




現場のオペレーターが
自信をもって回答できる仕組み

〈transpeech〉は、同センターにおけるもう1つの課題解決にも力を発揮しました。それが「誤案内の防止」です。

「問い合わせ内容には、重要なキーワードが含まれている場合があります。そのキーワードを聞き漏らしてしまったりすると、誤った案内をしてしまうことになります。そういった誤案内が発生するリスクを抑えるために活用したのが、〈transpeech〉のキーワード登録機能でした。誤案内につながりやすい単語を特定して、会話の中でその単語が出てきたらテキスト内でマーキングされる機能です。それに加えて、その単語に関連する参照資料が自動でポップアップされる機能も活用することにしました」

この仕組みを導入することによって、誤案内の発生率が95%も削減されたと瀬川は話します。一方、この仕組みが現場管理者の負担軽減につながったと説明するのは、案件全体の責任者である相澤陽子です。

「チャットで助言する仕組みで保留時間短縮に繋がったものの、現場管理者は複数のオペレーターの対話のフォローをしているので、そのすべてに対してすぐにチャットで対応できるわけではありません。また、モニター前で常時スタンバイの状態でいるのもたいへんな負担になっていました。そこで、誤案内撲滅につながりやすい単語の関連資料を自動でポップアップ表示する〈transpeech〉の機能を活用することで、オペレーターの自己解決率が高まり、エスカレーションも17%減少し管理者の負荷が軽減されました。その結果、業務品質をより向上させるためのディスカッションなどに時間を充てられるようになりました。それらが〈transpeech〉導入による大きな成果でした」

同様に大きな成果として挙げられるのが、オペレーターの定着率が上がったことです。相澤はこう続けます。

「案内内容が複雑な案件の場合、内容を理解するのに時間がかかるばかりでなく、1つ1つのお問い合わせに対して自信をもって案内することが難しくなります。それにプレッシャーを感じて離職してしまう人が以前は少なくありませんでした。しかし、〈transpeech〉を活用した誤案内防止や資料参照の仕組みが確立したことで、オペレーターが現場管理者の助言を借りなくても迅速で正確な案内ができるようになり、それが大きな自信につながっています。結果、従業員満足度が上がり、定着率も目に見えて改善しました。従業員エンゲージメント調査で「継続勤務意向」が20%向上。また新人研修でのOJT期間も1日短縮することができました」

取り組みの実績を
共有していきたい

回答が迅速で正確になったことで、ユーザーから感謝の言葉をいただく機会が増えたと瀬川は言います。また、〈transpeech〉を活用した施策とその成果についてクライアントからも大きな評価を得ています。

今後は、音声認識の識字率をさらに高めるカスタマイズや、テキスト化された応対内容をもとに個々のオペレーターが課題を発見していく取り組みを進めていくことが同センターの目標です。それに加えて、自分たちの取り組みの成果をほかのセンターとも共有していきたいと瀬川は話します。

「私が担当している案件は、仙台広瀬センター以外に、札幌と池袋のセンターにも案内窓口を設けています。その3拠点の中で、〈transpeech〉を最初に導入したのが仙台広瀬センターでした。私たちの取り組みの実績を参考にしてもらいながら、他センターでの〈transpeech〉導入を後押しして、案件全体の応対品質の向上や業務の効率化を実現していきたい。そう考えています」

一方、瀬川を含む現場管理者やオペレーターをマネジメントする立場の相澤は、案内内容が複雑な公共案件に取り組み、確かな成果を上げるために努力したことが、担当メンバー全員のスキルアップにつながったと話しています。

「この案件への取り組みを通じて、オペレーター、現場管理者、そして私自身も大きく成長することができたと感じています。一人一人のメンバーのスキルアップは、応対品質の向上や業務の効率化に直結します。それはもちろん、問い合わせをしてくるユーザーの皆様やクライアントのメリットとなります。この経験をこれからの業務にもぜひいかしていきたいですね」

※記載の内容・役職等などの情報はすべて取材(2024年10月)時点のものです。

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