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1on1ツールで
コミュニケーションを
活性化させオペレーターの
定着率を大きく向上させる


現場担当者の声

Vol.02

コンタクトセンター現場のコミュニケーション改革




コンタクトセンターの現場を支えているのは、一人ひとりのオペレーターです。その人たちが不安なく働けるかどうかが、現場の業務品質を大きく左右します。オペレーターの早期離職率が高いという課題を抱えていたコンタクトセンターでは、1on1コミュニケーションツールを導入して管理者とオペレーターのコミュニケーションを活性化させることで、オペレーターが長く働ける環境づくりに成功しました。

SUMMARY

課題
  • オペレーターの早期離職を防ぎたい
  • 管理者とオペレーターのコミュニケーションの時間を捻出したい
施策
  • 1on1コミュニケーションツール〈tra:lien/トラリアン〉を導入。オンライン/対面ミーティングにおいて「自動議事録作成」「マッチング」「発話量分析」などの機能を活用
  • 管理者が担う研修において動画を活用し、一部をeラーニング化
成果
  • 入所90日以内の離職者割合が大幅に低下
  • 従業員のエンゲージメント向上(満足度58%から78%に)
  • 管理者の研修業務の工数削減(1研修あたり約31.7時間分削減)
STAFF PROFILE
北島 陽佑

北島 陽佑

CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
東海サービス部 一課
マネージャー

オペレーターの早期離職を
防ぐにはどうすればよいか

コンタクトセンターのオペレーターの仕事は案件ごとに異なります。担当するお客様企業の商品やサービスによっては、非常にレベルの高い専門的知識を身につけて、問い合わせをしてきた方たちに対して正確で適切な案内をしなければなりません。

トランスコスモスは、建設業向け施工管理ソフトウェアのヘルプデスク窓口を、名古屋と札幌の二拠点で運営しています。担当しているのは製品ラインナップ中の5つのソフトウェアで、オペレーターはそれらのソフトウェアの機能や使い方を段階的に学んでいく必要があります。

窓口で取り扱うソフトウェアはプロ向けに開発された専門性の高いソフトであるため、すべての内容を習得するまでに繰り返し研修を受けなければなりません。以前は、初期の段階で習得を断念し、離職してしまうオペレーターも少なくありませんでした。

「この窓口業務では、入所から90日以内で離職してしまう人の割合が、2023年度には28.5%にものぼりました。その早期離職率をいかに下げるかが大きな課題となっていました」

そう話すのは、この窓口業務の責任者を務めてきたCXスクエア名古屋に所属する北島陽佑です。早期離職を防ぐための方法とは――。北島らが考えた施策は、「コミュニケーションの活性化」でした。

「この窓口業務を担当しているのは、十数名のオペレーターと4人の管理者です。管理者は、オペレーターの研修を行ったり、契約更新の際に面談をしたりする仕事を担っています。こうした従来の仕事に加えて、新たにオペレーターの悩みや困りごとを聞くコミュニケーションの機会を設けて、適切にフォローすることができれば、離職を防ぐことができる。そう私たちは考えました」

 

1on1ツールの導入と
動画研修の活用

事務的な面談ではなく、雑談も含め何を話してもいい1on1の対話の機会を設定し、コミュニケーションを活性化させる取り組み。そこで力を発揮したのが、トランスコスモスが独⾃に開発した1on1ツール〈tra:lien/トラリアン〉でした。

〈tra:lien〉は1対1の対話をサポートするツールで、オンライン・対面を問わず、その場で話された内容を生成AIによってテキスト化して⾃動で議事録の作成が可能。また、対話のバランスを測定する「発話量分析」の機能によって、本来「話を聴く」立場である管理者側の「話しすぎ」を防止することができます。加えて、面談後のアンケート機能も標準で搭載されています。CXスクエア名古屋では、このツールを活⽤した新しいコミュニケーションの仕組みをつくりました。

「新規配属のオペレーターは、配属後1か⽉の間、研修担当以外の管理者と1on1ミーティングを週に1回実施します。また、 研修を修了したオペレーターについては、1か⽉半に一度1on1を行う仕組みにしました」

1on1ミーティングを研修担当以外の管理者と行うのは、研修にかかわる悩みなどを話しやすくするためです。コミュニケーションの相手を固定しないことで、いろいろなことが話せるようになるだろうと北島らは考えました。〈tra:lien〉には自動議事録生成機能があるため、オペレーターと管理者Aとの対話内容を、次に話す管理者Bも共有することが可能になります。〈tra:lien〉の活用によって、オペレーターの悩みや思いをすべての管理者が共有できるようになるわけです。

しかし、1on1ミーティングの頻繁な実施は、管理者への負荷につながります。 その課題を解決するための施策が、研修における動画活用でした。 研修過程の一部を録画して繰り返し活用できるようにすることで、管理者が担う研修の工数が削減され、その余剰時間を1on1ミーティングに充てる。管理の負荷なく、コミュニケーションの時間を捻出できる環境づくりも、取り組みにおける狙いの一つでした。

早期離職者は0人に
従業員満足度も大きく向上

これらの取り組みは、大きな成果を生み出しました。2023年度に28.5%にのぼった早期離職率が、24年度には0%まで改善しました。つまり、1人の早期離職者もいなかったということです。また、年2回実施している従業員満足度調査では、満足度が58%から78%に大きく向上しました。

また、動画研修の導入によって、一研修プロセスあたりの管理者工数が実に31.7時間も削減されました。

一般に新しいツールを現場へ導入する際は、管理者やオペレーターが業務の合間に操作方法などを学ばなければならないという問題があります。しかし、〈tra:lien〉は誰もが簡単な操作で活用できるので、現場の負担はほぼなかったと北島は言います。

オペレーターからは、「こんなにフォローが手厚い職場は初めてです」「複数の管理者と話すことができてよかった」「研修中に言えなかったことが気軽に言える」といった声が寄せられています。

一方の管理者側も、「面談中にメモをとらなくてもいいので話に集中できる」「面談記録を作成する手間が省ける」「面談記録の内容に管理者のバイアスがかからなくなった」といった意見を北島に伝えています。

「定着したオペレーターは、研修と実務を通じてスキルを継続的に磨いていくことができます。それによって応対品質や応答率もどんどん改善していくので、CX(顧客体験)の質が上がり、顧客からお客様企業への評価も向上する。そんな流れをつくれるようになったと考えています」

デジタルツールの力と
人間がもつ高度な
スキルの融合

「この取り組みを一過性のものに終わらせてしまっては意味がありません。コミュニケーションの仕組みを定着させ、オペレーターが長く働ける環境を確立することが、この施策のゴールであると考えています」

〈tra:lien〉のようなデジタルツールの力と、人間がもつコミュニケーションの力。その2つを融合させてコンタクトセンターのクオリティを高めていけるのがトランスコスモスの持ち味であると北島は言います。入社して17年。これまで北島は、営業、オペレーター、拠点立ち上げ、新規顧客開拓、お客様企業への出向、拠点のマネジメントなど、広範な仕事を手掛けてきました。変化への適応力と、相手の立場に立って話を聞ける傾聴力が自分の強みであると北島は話しています。

「これまでのさまざまな経験を生かし、最新のテクノロジーも活用しながら、お客様企業の事業成長に今まで以上に寄与できるようになること。それが私自身のこれからの目標です」

※記載の内容・役職等などの情報はすべて取材(2025年3月)時点のものです。

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