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全社員からの
問い合わせ窓口を
ワンチームで育てていく

ー あらゆる疑問や質問を
解決できるサービスを目指して ー

ローソン様×トランスコスモス

ローソン様が社内の問い合わせ窓口を一元化する取り組みに着手されたのは、2022年のことでした。月間1万件にものぼる社員の皆さんからの各部署への電話問い合わせをいかに減らすか。その課題の解決をトランスコスモスはご支援させていただきました。ソリューションの選定から、窓口構築、改善といった一連の取り組みの中で見えてきたものとは──。このプロジェクトの責任者であったCS推進室の稲葉裕二氏と、プロジェクトを支援したトランスコスモスの野田澄朗、清水祥之に、取り組みの成果と今後に向けたビジョンを語ってもらいました。

社内の問い合わせを
解決する窓口

「社内統合サポートデスク」の概要についてご説明いただけますか。

稲葉現在ローソンには、およそ4500人の社員がいます。関連会社を含めると、その数はおよそ1万人になります。そのすべての社員からの質問に応える窓口が、社内統合サポートデスクです。

ローソンにももちろんイントラネットがあって、各部署からの情報などはそこで見ることができます。しかし、イントラネットだけは解決できない日常の疑問も多々あります。その場合、関係各部署に直接電話をかけて問い合わせをするのが以前の社員の行動でした。人事に関する問い合わせは人事部門に、PCに関する問い合わせはIT部門に、商品に関する問い合わせは各商品担当部門に、といった感じです。問い合わせ件数は、全社で月間1万件にも及んでいました。

問い合わせを受ける側は、仕事をしている中で電話対応をしなければならないので、負担が大きく、現業の妨げになります。一方、問い合わせをする側も、どの部署に連絡すればいいかわからず、たらい回しに合うといったケースが少なくありませんでした。

このような問題を解決するために2022年に新たに立ち上げたのが、社内統合サポートデスクです。目指したのは、社員による自己解決率を高めることでした。わからないことがあったら、まずは社内統合サポートデスクにアクセスし、FAQと検索によって疑問を解決しよう──。それが、このサポートデスクの設置において掲げたコンセプトでした。

その構築をトランスコスモスがご支援させていただいたわけですね。それ以前に、トランスコスモスとのおつき合いはあったのですか。

稲葉これも2022年のことですが、コンタクトセンターで緊急にスタッフを増員して対応しなければならない案件が発生しました。4、5社にご相談した中で、快く引き受けてくださったのがトランスコスモスでした。その後、センター支援事業者の競合コンペがあって、そこでトランスコスモスが選ばれました。現在は、センター業務の多くをお願いしています。

運用しながら
成長させていく

社内統合サポートデスク構築支援の流れをお聞かせください。

野田「社員の皆さんが疑問を自己解決できるソリューションを提案してほしい」というのが、稲葉さんからの最初のご相談でした。そこで私たちは複数のソリューションを検討し、スケジュールやご予算感、使い勝手などを考慮したうえで、最適と思われるソリューションをご提案しました。トランスコスモスの過去の案件で活用して成果を上げているソリューションでした。

稲葉私が重視したのは導入のスピード感と、できるだけ社内で運用できるものにしたいということでした。その要望も踏まえていただいたうえで、ご提案いただきました。

野田導入するソリューションが決まったあとで、FAQを構築する作業に着手しました。すべての社員の皆さんからの疑問に答える窓口なので、おのずとFAQの数も多くなります。スタート時点でのFAQの数は数千に上りました。

稲葉社内各部門から必要と思われるFAQを募った結果がその数でした。のちにこれは倍以上に増えることになります。

野田重要なのはFAQが充実しているだけでなく、必要なFAQにスムーズに辿り着けることです。FAQに至る導線づくりや、文言や表記の最適化、ページ構成、アイコンの配置などについても、稲葉さんのチームの皆さんと一緒に検討して、工夫を重ねていきました。また、セキュリティやアクセス権限の仕組みづくりも必要でした。それらの作業を経て、数カ月でリリースにこぎつけることができました。

リリース後の取り組みについてもお聞かせいただけますか。

稲葉社内ツールなので、「運用しながら育てていく」ことを基本方針としました。その方針を実行するために、社内の各本部に1人から3人くらいの「お世話係」を設けて、その人たちに社内統合サポートデスクと各部門のハブになってもらう体制をつくりました。毎月1回、係全員に集まってもらい、各部門からの声を集約し、必要な機能を検討する作業を現在も続けています。また、東京のコンタクトセンター内に30人規模のチームをつくって、メンテナンスにあたってもらうことにしました。そういった体制のもとで、FAQを継続的に見直し、情報を拡充する作業を続けてきました。

野田トランスコスモス側では、3カ月に1度のミーティングで利用動向や問題点などを報告させていただく取り組みを続けています。そこでの話し合いを踏まえて、これまでいろいろな機能を追加してきました。

稲葉リリース後、コンテンツの数は3倍くらいまで増えましたよね。FAQを充実させるだけでなく、全社員からの質問の中でとくに多いものを紹介する「Q&Aランキング」、全国の店舗の指導員であるスーパーバイザーからの質問に特化した「SV問合せランキング」、社員に最初に見てもらいたい情報を掲示する「まずミル!」、問い合わせカテゴリーごとにQ&Aを整理した「ライブラリー」といったコンテンツをつくってきました。まさに「育っている」という実感がありますね。

自己解決率99%を実現
問い合わせが激減する

清水継続的な改善に加えて、2023年12月にソリューションの切り替えという大きな作業が発生しました。ベンダー都合でソリューションのサービスが終了したことを受けた作業です。デスクのインターフェースや操作感を変えずに、裏側のエンジンを切り替える取り組みを私が担当させていただきました。

稲葉この切り替えは、結果的に吉と出たと思います。以前のソリューションの課題が解決され、使い勝手が向上したからです。また利用の実態を分析できる機能があるのも、新しいソリューションである「Proz Answers(※1)」が優れている点です。
※1「Proz Answers」は株式会社Prozが提供するFAQの構築・運用をするクラウドソリューションです。
URL:https://proz.jp/

清水サービスを全般的にアップグレードすることができたと私たちも考えています。何より嬉しかったのは、切り替えのタイミングでコンタクトセンターに伺って、社内統合サポートデスクチームの皆さんとお話をしたときでした。切り替えによって生じた変更点などを説明させていただいたのですが、「使いやすくなった」と皆さんがたいへん喜んでくださいました。ソリューションの切り替え案件は過去に何度も担当してきましたが、これまでで最も成功した取り組みでした。

 

リリースから今日までの成果について教えていただけますか。

稲葉最大の成果は99%の省人化が実現したことです。つまり、自己解決率99%を達成したということです。これによって各部署への問い合わせが激減し、社員が本来の業務に集中できるようになりました。

残りの1%はどのようなケースなのですか。

稲葉有人チャットと電話です。問題解決のフローはこうなっています。まずFAQを見てもらい、そこに答えがなければ検索してもらいます。それで答えに辿り着けない場合は、チャットボットと対話してもらいます。それでも解決できないとなって初めて有人対応が発生します。まず有人チャットで対話してもらい、最後に電話で社内総合サポートデスクチームのクルーが対応する──。そんな流れです。

そのような有人対応まで必要となるケースが、わずか1%ということですね。素晴らしい数字だと思います。社員の皆さんへの浸透もスピーディに進んだのでしょうか。

稲葉積極的に情報を発信するだけでなく、社員が業務で使っているすべてのスマートフォンにアプリをインストールして利用を促しました。また、各部門のお世話係にデスクの意義を現場に伝えてもらう活動も続けました。そういった活動が功を奏して、PVは早い段階で目標数値に到達しました。ソリューションをProz Answersに切り替えた後はさらにPVが伸びて、現在はその2倍以上となっています。社員にとってなくてはならないツールに成長した。そんな実感があります。実際、半期に一度実施している全社員対象の満足度調査の結果も、右肩上がりで上がっています。

この成長は、トランスコスモスの皆さんの支援があってこそのことです。我々のもとに全社から寄せられた要望を野田さんや清水さんにお伝えし、すぐに改善を検討していただき、実行していただく。そんなスピーディな動きが継続的に実現しています。我々とトランスコスモスの皆さんが、まさにワンチームになって社内総合サポートデスクを育ててきた。そう私は考えています。

今後の見通しをお聞かせいただけますか。

稲葉FAQの精度を高めていくこと。情報を拡充すること。使い勝手を上げること。PVをさらに伸ばしていくこと──。そういった取り組みを継続していきたいと考えています。また、社員に伝えなければならない情報も日々更新されます。そういった情報についても、誰が見てもわかる表現やレイアウトの工夫を続けていきたいですね。

清水トランスコスモスとしては、コンテンツの更新や拡充のサポートをさせていただくだけでなく、分析を通じた改善のご提案をしていきたいと考えています。例えば、有人チャットを利用した方は、FAQを見た上でチャットを使っているのか。それとも、該当するFAQがあるのにそこに辿り着けていないのか──。そういったことを分析しながら、FAQの内容や見え方を改善していくご提案ができればと思っています。また、インターフェースやデザインについても、ぜひ継続的にブラッシュアップしていきたいですね。稲葉さんのご意見、社員の皆さんのご意見、分析結果などをすべて踏まえて、社内統合サポートデスクのいっそうの成長に寄与していきたいと考えています。

参考:トランスコスモスの「サポートコンテンツトータルソリューション」詳細はこちら

野田大切なのは、やはりスピード感です。改善などのご相談をいただいたときに、まずはそれができるのかどうか、できるのであればどのような形で実現可能なのかを迅速にお伝えするようにしています。仮に実現が難しい場合は、次善の策をすぐに検討してご提案し、できる限りご要望にお応えする。そんな支援体制を今後も継続していきたいと思っています。

成功から得た知見を
いかしていく道筋を探りたい

トランスコスモスの強みはどこにあるとお考えですか。

稲葉一番の強みは、課題対応力と現場力ではないでしょうか。こちらからの相談や要望に対して、「できない」と言われたことはこれまで一度もありません。野田さんがおっしゃったように、「できない」場合でも「では、どうすればいいか」を考えて提案してくださいます。あらゆる課題に対応しようというマインドがあるということなのだと思います。

一方の現場力は、センターのオペレーターの皆さん、あるいはリーダー層の皆さんの仕事の質の高さや、フットワークの軽さにあらわれています。また、困難に直面したときに現場が一丸となって解決にあたろうとする姿勢も素晴らしいと思います。

今後、トランスコスモスが新たに支援させていただける領域がありましたらお聞かせください。

稲葉私が管轄する分野の1つにBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)があります。例えば、会計処理は現在、オフショアの事務センターに委託しています。今年からこの分野でもトランスコスモスのご支援をいただくことが決まっています。

社内統合サポートデスクの経験もいかせそうでしょうか。

稲葉2022年からの取り組みで、ワンチームで成功事例をつくることができました。ローソンには、ほかにも加盟店向けのコンタクトセンターと、お客様からの問い合わせに対応するコンタクトセンターがあります。そういった窓口にも、これまでの成功体験から得た知見をいかしていく道筋を探っていきたいと思っています。

トランスコスモスとして、ローソン様の事業にどう貢献していきたいか。最後に意気込みを聞かせください。

野田まずは、現在ご支援しているコンタクトセンター業務、社内統合サポートデスク、それから今後ご支援させていただくBPOに全力を傾けるのが第一です。そのうえで、トランスコスモスのDXの力をご提供して、業務の効率化、生産性向上、売り上げへの貢献などを実現できるご提案をさせていただきたいと思っています。

清水稲葉さんがおっしゃった社内統合サポートデスクの知見の横展開にも、機会があればぜひ協力させていただきたいですね。これからもローソン様はさまざまな取り組みにチャレンジされると思います。そのチャレンジを全力でご支援していきたいと考えています。

※記載の内容・お役職等の情報は、2024年1月取材時のものです。

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