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一人ひとりの顧客との
丁寧なコミュニケーションが
お客様企業の事業への
貢献につながる

──カード利用率を向上させるための
さまざまな取り組み──

ポケットカード様×トランスコスモス

クレジットカード事業会社にとって、顧客の退会を抑止し、カード利用率を向上させることは非常に重要な取り組みです。そして、その役割を担っているのがコンタクトセンターです。センターにおけるコミュニケーションの質を上げ、カード利用を促し、お客様企業の事業成長に寄与していきたい──。そんな思いをもって、トランスコスモスはポケットカード様のコンタクトセンター運営を支援しています。その具体的な取り組みと成果について、センターの責任者である木村友哉氏と池田真哉氏、トランスコスモスの担当者の2人が語り合いました。

「仲間」とデータを共有し
目標達成率を上げていく

ポケットカード様の事業において、コンタクトセンターはどのような役割を担っているのでしょうか。

木村コンタクトセンターは、お客様と直接対話ができる数少ない接点の一つです。お客様の質問や疑問に一つ一つお答えし、カードの機能や特徴についてお伝えすることがコンタクトセンターの重要な役割です。

加えて、コンタクトセンターを通じてポケットカードのファンになっていただくことも非常に大切だと思っています。丁寧な対応によって、お客様に喜んでいただいたり、納得していただいたりすること。それによって「このカードをこれからも使おう」と思っていただくこと。それらを常に心がけてコンタクトセンターを運営するようにしています。

池田コンタクトセンターは、一義的にはお問い合わせを受け付ける部門ですが、同時に営業的な性格をもつ窓口でもあります。お客様の声にしっかり耳を傾けたうえで、こちらからもいろいろなご提案をしていくことが必要であると考えています。

トランスコスモスは2011年からポケットカード様のご支援をさせていただいています。当初はどのような支援内容だったのでしょうか。

早川紛失・盗難に関する問い合わせ窓口の支援から始まっております。オペレーター数10席ほどからのスタートでした。その後、2013年からインフォメーション窓口も担当させていただくようになりました。現在は、それに加えて不正検知の業務も任せていただいています。オペレーター数は35席まで拡大しています。

「インフォメーション」「紛失・盗難への対応」「不正検知」の3つが現在の業務支援の内容ということですね。

福井そうです。中でも中心的な業務となっているのがインフォメーションの対応です。お客様から寄せられる請求、利用内容、退会、キャンペーンに関する問い合わせなどに対応する仕事ですが、とくに私たちが現在注力しているのが、退会を抑止する取り組みです。退会をご希望されるお客様に、あらためてポケットカードの機能や使い方をお伝えし、退会を思いとどまっていただくことを非常に重視しています。

退会の申し出はかなり多いのでしょうか。

木村決して少なくはありません。最近では、複数のクレジットカードを所有している方が多く、何かの機会にカードを整理しようと考え、退会のご連絡をしてくる。そんなケースが大半です。以前は、「退会のご意思を覆すことは難しいので、お客様のご希望に沿ったご対応をしよう」と考えていた時期もありました。しかし、データを検証してみると、退会を思いとどまったお客様のうちの一定数がその後にカードをご利用になっていることがわかりました。つまり、退会抑止をしていくと、カード利用の機会創出につながるということです。現在は、退会抑止率と抑止後の利用率。その2つを向上させることをコンタクトセンターの大きな目標に掲げています。

池田カード会社の収益は、カードを利用していただくことによって得られるものです。ですから、カードを所有していただくだけではなく、使っていただくことが必要です。私たちは退会阻止を「新たな入会」と捉えて、そこからあらためてカードのアクティブなユーザーになっていただくことを目指しています。そのためには、どのような使い方ができて、どう使えばお客様にメリットがあるかといったことをコンタクトセンターで丁寧にお伝えする必要があります。

木村退会抑止率と利用率向上を実現するために、それぞれの具体的な数値をセンターの方々とも共有するようにしています。トランスコスモスのメンバーの皆さんは、私たちにとって同じ目標を目指す仲間です。その仲間と情報を共有することで、目標達成率を上げることができると私たちは考えています。

オペレーターのモチベーションを
向上させるための日々の取り組み

「退会抑止率と利用率を上げる」という方針を現場で徹底するための具体的な取り組みについてお聞かせください。

福井退会抑止において、とくに重要なのは、「これまでカードを使っていたのに退会したいとお考えになっているお客様」との対話であると考えています。そういったお客様は、カード利用がほとんどなかった方と比べて、再利用していただける可能性がかなり高いからです。その方向性を現場のオペレーターと共有し、「適切な対話によって、カード利用を継続していただこう」という話をいつもしています。コミュニケーションによって退会を思いとどまっていただけることは、オペレーターにとって大きな達成感につながります。

その上で、ポケットカード様からいただいた退会抑止後の利用率に関する具体的な数字も共有し、「退会を抑止すればこれだけ使っていただける」ということを実感してもらうようにしています。その数字がドライバーとなって、みんなでコミュニケーションの質を上げていこうという思いが生まれています。木村さんから「仲間」と言っていただきましたが、数値などのデータを共有していただくことで、まさに「同じ目標を目指す組織の一員」という意識が現場でも醸成されていると感じています。

退会を抑止するノウハウと利用率を上げるノウハウは異なるのでしょうか。

福井基本的にはひとつながりのものだと考えています。退会の細かな理由はお客様によってまちまちです。その言葉に一つ一つ耳を傾け、丁寧に対話をすることが、退会抑止とその後の利用率向上につながると考えています。

池田必要なのは「利用していただくための抑止」なので、そこは同じものと考えるべきですね。カードの特徴や特典などをお伝えして退会を抑止することが、そのままその後のカード利用に直結するわけですから。

現実的には、抑止できないケースも少なくないと思います。そういう場合、オペレーターのモチベーションが落ちないような工夫をしていますか。

福井確かに、抑止に成功できないととてもネガティブな気持ちになってしまいます。できるだけそうならないように、気持ちがリセットできるような文言を書いた紙を配って、見えるところに貼ってもらうようにしています。毎週のように配っているので、みんなのパソコンのディスプレイのまわりはかなり派手になっていますね(笑)。

退会抑止率と抑止後の利用率は実際に向上していますか。

木村いずれも今年に入って昨年よりも向上しています。とくに抑止後の利用率が上がっていますね。私たちの方針がコンタクトセンターの皆さんにしっかり浸透していて、センターで努力していただいていることを示す結果だと捉えています。

池田退会抑止率も利用率も、本来維持していくだけでも難しい数字です。足元の数字で昨年度を上回っているし、月ごとの目標達成率も上がっています。弊社のコンタクトセンターは現在3拠点ありますが、数字で見ると、その中で最も高いパフォーマンスが発揮されているのがトランスコスモスにお願いしている拠点です。今後も数字を伸ばしていけるよう、一緒に頑張っていきたいですね。

ビジョンやメッセージを
現場の隅々に浸透させる

ほかに現在注力していることはありますか。

早川お客様企業の成長支援を目的として、従来の受動的なVOC収集から、戦略的且つアクティブなVOC収集を行うというプロジェクトがトランスコスモス内で進んでいて、私もそのプロジェクトに参加しています。その知見をポケットカード様の事業に役立てていただく道筋を立て、現在ご提案をしているところです。退会を思い立ったお客様のVOCから特徴的な要素を抽出することで、退会抑止とその後の利用につなげるという道筋です。

木村トランスコスモスの皆さんとは月に一度定例のミーティングでお会いしますが、その際にそういった提案をいただいています。ほかにも、コンタクトチャネルごとにコミュニケーション成果を診断するといった取り組みの提案もありましたね。「提案力」という点で、トランスコスモスはかなり卓越した能力をもっていると感じています。

池田私たちの事業にとってプラスとなる提案を真剣に考えていただいていると思います。コンタクトセンターの日々の事業で貢献していただいているだけでなく、前向きに検討したいと思える提案をしてもらえることに感謝しています。

ポケットカード様の経営理念やビジョンは、コンタクトセンターの活動にどのように反映されていますか。

木村ポケットカードは、「暮らしに密着した付加価値の高いサービスを創造する」という企業ビジョンと、「暮らしをクリエイティブに↗」というコーポレート・メッセージを掲げています。お客様との直接の接点であるコンタクトセンターでカードの特徴や魅力をしっかり伝えていくことが、まさにお客様の「暮らし」の質を高めることにつながる。そう考えています。

池田企業として掲げているビジョンやメッセージを一字一句唱和するのではなく、それをコンタクトセンターの業務に適した形に「翻訳」することが大切です。退会抑止も利用率向上も、その「翻訳」の結果の方針であると捉えています。

早川トランスコスモスは、コンタクトセンターごとに独自のMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)を掲げています。ポケットカード様の業務を担っているセンターでは、「暮らしに密着した付加価値の高いサービスを創造する」というビジョンをそのまま使わせていただいています。そのビジョンを達成するためにミッションとバリューがあるという考え方です。また、バリューの細かな項目として「信頼」「貢献」「成長」「人」の4つを設定しています。

※MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)はこちらから

福井ポケットカード様の企業理念やセンターのMVVを現場の隅々まで浸透させる努力をすることが、現場の責任者である私自身の最も重要な役割の一つであると考えています。池田さんがおっしゃるように、文言をそのまま唱和するのではなく、例えば、「今月達成できた数字はビジョンのこの内容に合致しているよね」といった具体的なコミュニケーションを行うようにしています。

「デジタル×人」の力で
コンタクトセンターを進化させる

コンタクトセンターにおける現在の課題をお聞かせください。

木村「デジタル」と「人」のバランスをどうとっていくか。それが一つの課題です。以前は、電話のチャネルを廃止してすべてをデジタルコミュニケーションに移行する道もあるのではないかと考えていましたが、現在は「人対人」の対話の機会をなくしてはならないと思っています。もちろん、若年層のお客様などの中には、電話ではなくチャットやFAQで問題を解決したいと考える方も多いと思います。お客様が選択できるチャネルを充実させながら、オペレーターがしっかり対応するチャネルをさらに進化させていく。その適切なバランスを考えていきたいですね。

池田現在のDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れを考えれば、デジタル化を進め、そのぶん人が担う領域を減らすという動きは今後否応なく進んでいくと思います。しかし、たとえオペレーター数が減ったとしても、デジタル技術を扱うのは「人」であり、お客様と深いコミュニケーションを行うのも「人」です。コンタクトセンターにおける「人」の役割をあらためて定義していく必要があると思います。

トランスコスモスへのご期待をお聞かせいただけますでしょうか。

木村他社のコンタクトセンターでどのような取り組みが行われているかを私たちが知ることはなかなかできません。ぜひ、他社・他業界の優れた事例をご紹介いただき、私たちのコンタクトセンターをよりよいものにしていくためお力添えをいただきたいと思っています。

池田現在の技術の進化に追いついていくのは簡単なことではありません。私たちがキャッチしきれいない情報を捉え、コンタクトセンターの業務に反映させるお手伝いをしていただきたいと考えています。もちろん、私たち自身も日々の情報収集や学習を怠らないようにしたいと思っています。パートナーとしてお互いに成長を目指していける。そんな関係性をこれからも強化していきたいですね。

トランスコスモスとして、ポケットカード様のカスタマーサポートや事業成長にどう寄与していきたいか。最後に意気込みを聞かせてください。

福井DXは、池田さんがおっしゃるように世の中全体の流れであり、トランスコスモスの強みがいかせる領域でもあります。デジタルと人の力を掛け合わせて、コミュニケーションの質を高める取り組みをこれからも続けていきたいと思っています。

私自身がコンタクトセンターの業務に携わってから12年ほどが経ちます。この仕事の誇りは、お客様企業の立場で、お客様企業のお客様と直接対話ができるところにあると私は考えています。お客様企業の「顔」になることができる。そこに醍醐味があり、また大きな責任もあります。そのことを常に忘れないようにしたいですね。

早川キャッシュレス化が今後さらに進んでいくことを考えれば、クレジットカード業界がこれからも成長を続けることは間違いありません。その中でポケットカード様の事業成長にどう寄与できるか。それを真剣に考えることが私たちに課せられた任務であると考えています。技術の進化、世の中のニーズ、そしてポケットカード様のビジョンを踏まえ、コンタクトセンターの質をさらに高めていきたい。そう考えています。

※本記事に記載されている情報は、2022年11月時点のものです

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