Vol.2
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テクノロジーの力と
人間の力の融合によって
顧客との深いつながりをつくる
ー「エンドユーザーファースト」を
ともに実現するためにー
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三浦 和行氏
メニコン
国内営業統括本部 国内マーケティング戦略室
カスタマーコミュニケーション部 部長
メニコン
国内営業統括本部 国内マーケティング戦略室
カスタマーコミュニケーション部 部長
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城間 俊之
トランスコスモス DEC統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
第七サービス本部 那覇統括部
那覇第一ユニット MCMセンター那覇第一
オペレーションマネージャー
トランスコスモス DEC統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
第七サービス本部 那覇統括部
那覇第一ユニット MCMセンター那覇第一
オペレーションマネージャー
メニコン様×トランスコスモス
国内最大手のコンタクトレンズメーカー、メニコン様は、134万人以上の会員数を誇る定額制サービス「メルスプラン」を展開されています。その会員サポートと取引先からの受注窓口となっているのが、沖縄のコンタクトセンターです。トランスコスモスは、2008年のセンター設立当初から支援サービスを提供させていただいています。センターが掲げる「エンドユーザーファースト」というビジョンの実現に向けたさまざまな取り組みについて、センターの責任者である三浦和行氏と、トランスコスモスの担当者である城間俊之に語ってもらいました。
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ノウハウの共有を進め
センター全体のレベルを向上させる
現在、メニコン様は3拠点でコンタクトセンターを展開されているとのことです。そのすべてを三浦さんが管轄されているのですか。
三浦そうです。もともとは営業職だったのですが、2012年にコンタクトセンターに配属となって、現在は名古屋、沖縄、札幌の3カ所のコンタクトセンターの責任者を務めています。
お仕事の中で大切にされていることをお聞かせください。
三浦「エンドユーザーファースト」、すなわち、お客様を第一に考えることです。これをコンタクトセンター全体のテーマにしています。メーカーには一般に、「よいものをつくれば買っていただける」と考える文化があります。メニコンも以前はそうでした。もちろん、私たちは製品の品質には自信をもっていますが、お客様の声を聞かずに製品開発ができる時代ではすでになくなっていると考えています。コンタクトセンターの重要な役割の一つは、お客様の生の声をお聞きし、その声を製造現場に届けて、お客様が求めている製品づくりに寄与することです。
トランスコスモスが貴社のコンタクトセンターのご支援を始めたのは2008年でした。おつき合いが始まった経緯を教えていただけますか。
三浦トランスコスモスに支援していただくようになったのは私が着任する以前ですが、沖縄センターへの業務移管にともなって支援していただくようになったと聞いています。沖縄センターの開所が2008年でした。名古屋センターの機能全てを沖縄に移管したのですが、沖縄で業務が始まる半年ほど前からマネジメントクラスの方が名古屋に来て、業務を覚えてくださったようですね。
城間スタート当初は150人体制でのご支援でしたが、現在は100人くらいの規模になっています。オペレーターのスキルが向上したことと、システム導入による効率化が進んだことで、以前よりも少人数での業務遂行が可能になっています。
三浦当初は、弊社側の社員とトランスコスモスのオペレーターの皆さんとの混成チームだったので、カルチャーにいくぶんかギャップがあったようです。しかし、積極的にメニコンのカルチャーを学んでいただいたことで、1年ほどで「メニコン色」に統一できたようです。現在は沖縄センターの現場業務は、100%トランスコスモスの皆さんに担当していただいています。
現在の支援内容をお聞かせください。
城間トランスコスモスは現在、沖縄と札幌の2拠点で支援させていただいています。沖縄センターの機能は、大きく分けて、お得意先様からの注文への対応と、メニコン様の定額制サービスである「メルスプラン」の会員様とのコミュニケーションの2つです。また、札幌センターでは、コンタクトレンズの総合サービスである「Club Menicon」のアプリへの問い合わせ対応業務を担当しております。
今、沖縄のセンターで最も注力しているのはどのような取り組みですか。
城間人材育成ですね。コンタクトセンターの業務を10年以上担当させていただく中で、さまざまなノウハウを蓄積してきました。そのノウハウを新規のメンバーと共有し、センター全体のレベルを向上させていく活動を続けています。最近では、レポート作成やデータ処理の自動化によって管理工数を簡素化できました。それにより、ナレッジ共有の工数を確保して人材育成へ繋げることができています。その継続的な取り組みが、メニコン様が目指されている「エンドユーザーファースト」の実現につながると考えています。
マイナスを克服するだけでなく
プラスの価値を生み出す取り組みを
メニコン様は中期経営方針「Vision2030」を掲げていらっしゃいます。そのビジョンの達成に向けてコンタクトセンターが果たすべき役割とはどのようなものですか。
三浦「Vision2030」を達成するには、お客様との「つながり」を強化していく必要があります。そのために必要なことが、まさに「エンドユーザーファースト」の考え方であると捉えています。これはやや逆説的な話なのですが、現場のオペレーターの皆さんがメニコンの製品やサービスを熟知し、コミュニケーションに習熟すればするほど、お客様に何をお伝えしなければならないかが明確になります。そうすると逆に、どうしてもこちらから伝えるべきことを先に伝えてしまい、お客様のご要望や不満を優先的にお聞きできないケースが出てきてしまいます。その点に気をつけなければなりません。
まずは、お客様の声をお聞きすること。お客様の言葉を傾聴すること。そのうえで、その解決法をご案内し、お伝えすべき点をお伝えすること──。それがエンドユーザーファーストのコミュニケーションであり、それを徹底することによって、確かな「つながり」をつくることができる。そう考えています。
城間まさしくおっしゃるとおりだと思います。お客様の言葉を傾聴することはもとより、お客様が「言いたいけれど言い切れていない言葉」までを引き出す努力が必要です。同様に、お得意先様とのコミュニケーションの際にも、ご要望の内容をしっかり「聞く」ことを重視しなければなりません。相手の話に耳を傾けるというごく基本的なことに注力することが、メニコン様の「Vision2030」達成に寄与することになると私たちも考えています。
「Vision2030」では、「新しい『みる』を世界に New Vision of Miru for the World」というスローガンを掲げられています。このスローガンに対するコンタクトセンターのスタンスについてもお聞かせいただけますか。
三浦「五感を通じて楽しみや喜びを感じて共感し合うこと」。これを私たちは『みる』と捉えています。コンタクトセンターは、主に「音声」によるコミュニケーションにこれまで従事してきました。今後は音声に加えて、映像によってお客様と対話をしていくことも考えていく必要があると思っています。つまり『みる』機能を導入するということです。それを実現するためには、AIなどのテクノロジーを活用して、センター全体の業務を効率化して、余力を生み出していかなければなりません。
すでに、一部の販売店舗では、映像を使ったオンライン相談システムを導入しています。『みる』機能によって、これまでつながってきたお客様ともさらに深いつながりをつくっていく。そんな取り組みに今後チャレンジしていきたいと考えています。
コンタクトセンターにおいて、「Vision2030」を達成するための具体的なKPIは設定しているのでしょうか。
城間沖縄センターでは、現在11のKPIを設けています。これらはすべて日常業務の中での達成目標であり、広い意味でエンドユーザーファーストやお客様とのつながりの強化に関わる指標です。これらのKPIへの地道な取り組みの結果が「Vision2030」達成につながると私たちは考えています。2022年の上期はそのKPIのほとんどを達成できましたが、わずかに達成できない項目もありました。未達の項目に関しては、ナレッジの整備や人材育成に取り組みながら、下期での確実な達成を目指しています。
三浦現在のKPIは、センター内のチームごとの指標となっています。今後は、センター全体で目指すべき目標を設定することも必要だと思います。できるだけ、ポジティブに追求していけるKPIがあるといいですよね。例えば、CS(顧客満足度)やCX(顧客体験)の向上を目指す指標などが考えられます。お客様からお褒めの言葉をいただければ誰でも嬉しいですよね。それによってCSが上がるとすれば、みんな「お客様に喜んでいただき、褒めていただく」ことに積極的に取り組んでいけると思うんです。もちろん、「ミスを防ぐ」などマイナスの部分を克服する目標は必要ですが、それに加えて、プラスの価値を生み出していけるようなKPIを設定できればいいと思っています。
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コロナ禍の危機を乗り越え
新しい仕組みをつくる
2020年からのコロナ禍の中でさまざまな危機に直面したとお聞きしています。その危機にどのように対応されたのでしょうか。
三浦最初に直面したのは、「センター閉所をいかに回避するか」という問題でした。オペレーターの中に感染者や濃厚接触者が発生すれば、クラスター化を防ぐためにセンターをいったん閉じなければなりません。受注を受けられなくなれば、当然売り上げが落ちますし、問い合わせへのご対応ができなくなれば、お客様にたいへんなご不便をおかけすることになります。
そこで、センターをビル内の2つのフロアに分けて、どちらかのフロアで仮にクラスターが発生しても、もう一方のフロアで業務を継続できる体制づくりを試みました。それは結局実現しなかったのですが、フロアをビニールシートで2分割し、チームを大きく2つに分けることで、全体がクラスター化するのを防ぐという方法をとりました。
一方、その取り組み以上に大変だったのは、医療機関に行けなくなったお客様への対応でした。メルスプランは眼科での検診を受けていただいたうえで、処方に合わせて新しいレンズをご提供するシステムになっています。しかし、首都圏に緊急事態宣言が出たことで、かなりの数のお客様が医療機関で受診することが難しくなってしまいました。そこで緊急の措置として、ウェブで申し込んでいただいた方に、後日診察を受けていただくことを条件で新しいコンタクトレンズをお届けする対応をしましたが、1日に1000件を超える申し込みが殺到し、現場が大混乱しました。
城間メールへの返信だけでなく、お客様に個別に聴取しなければならない事項などもあり、オペレーターへの負荷がかなり上がりましたね。当然ミスがあってはならないので、一人ひとりのお客様の情報をしっかり確認しながら、それを注文入力チームに間違いなく引き継ぐことが求められました。
その混乱は何とか乗り切ることができたのですが、感染状況によっては同様の事態がまた発生する可能性があります。それを防ぐために、トランスコスモスのテクノロジーチームの力を借りてRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を導入し、ウェブで受けつけた注文を自動的に処理する仕組みを構築しました。それによって、次に緊急事態宣言が発令されたときは、現場のオペレーターに大きな負担をかけることなく、ミスやトラブルの発生も限りなくゼロに近づけることができました。
三浦コロナ禍の中での対応を含め、トランスコスモスはテクノロジー力やそれをベースにした提案力において、コンタクトセンター支援ベンダーの中で圧倒的に抜きん出ていると感じています。今後、日本全体が働き手不足になっていくと言われている中、コンタクトセンターでもDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていかなければなりません。そのためには、現場の皆さんにテクノロジーに対するリテラシーを身に着けていただく必要もあります。その点で、トランスコスモスにご助力していただく場面は今後も増えていくと考えています。
城間ぜひ、私たちのテクノロジーの力をご活用いただきたいと思います。テクノロジーの導入はもちろん非常に大切ですが、その一方で、プロのオペレーターにも重要な役割が引き続き求められることになります。お客様の気持ちに寄り添ったり、お客様が言わんとしているところを察したりすることができるのは、人間だけだからです。「デジタル力」と現場の「人間力」を掛け合わせ、エンドユーザーファーストのレベルをさらに向上させるご支援をすること。それが私たちの役割であると考えています。
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プロフィットにつながる価値を生み出す
「攻め」のコンタクトセンター
貴社のカスタマーサポート全体をよりよいものにしていくために、今後どのような取り組みが必要であるとお考えですか。
三浦現在メルスプランには134万人以上の会員様がいらっしゃいますが、会員になられたきっかけとして一番多いのは、知人や家族などからの紹介やSNSによるリコメンドです。つまり、紹介やリコメンドの機会を増やすことが会員増につながるということです。そのための施策として、今後SNSへの取り組みを強化していきたいと考えています。コンタクトセンターからのコミュニケーションを通じてCSを高め、それがSNSでのポジティブな声の発信につながるような流れをつくりたいと思っています。
マーケティングインパクトを生み出せるような、「攻め」のコンタクトセンターを目指していくということですね。
三浦そのとおりです。そのようなチャレンジによって、プロフィットに確実につながる価値を生み出していきたいですね。
城間私たちもそのチャレンジをご支援していきます。テクノロジー、オペレーターのスキル、現場の管理体制などをご提供し、「攻め」のコンタクトセンターを実現するために尽力いたします。そうしてメニコン様の事業成長に寄与していき、これからも成長を続けることでメニコン様に信頼され続けるパートナーでありたいと思います。
※本記事に記載されている情報は、2022年10月時点のものです
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