3.145.131.238

16

Z世代とは?

2023年時点で10代〜20代中盤の世代を「Z世代」と呼びます。ミレニアル世代の次に消費の主役になる存在として、マーケターから注目されています。Z世代は、オファーやマーケティングキャンペーンにミレニアル世代と同じようには反応しません。
Z世代は、自分の親がリーマンショックによる不景気を経験しています。また、最近でいえば、新型コロナウイルスというパンデミックにも遭遇しています。このように、Z世代は幼年期に経済的・社会的に不安定な時期を過ごしたこともあり、ミレニアル世代より現実的で安定志向の人が多いのが特徴です。
この記事では、そんなZ世代の特徴についてご紹介します。

消費世代の区分のひとつとして知られている「Z世代」。1996年頃から2010年頃までに生まれた世代と定義されています。日本においては、令和のスタートと共に社会に飛び出し、新しい時代を切り開く世代ともいえるでしょう。
消費傾向の異なる各世代に名前が付けられるようになったのは、アメリカで1960〜70年生まれの世代を「ジェネレーションX」と呼んでいたことがきっかけです。それから約10年単位で生まれる次の世代をアルファベット順に並べ、Y世代の次をZ世代と呼ぶようになりました。Y世代が「ミレニアル世代」ともいわれるため、「ポストミレニアル世代」と表現されることもあります。

Z世代は、消費行動や情報を手に入れるときの価値観にさまざまな傾向が見られます。Z世代を対象としたマーケティングを行う際に押さえておきたい特徴をご紹介します。

1.スマホネイティブ

初代iPhoneが日本で発売されたのが2008年であり、現在20代中盤のZ世代は小学生からスマホに慣れ親しんでいます。そのため、初めて使用した携帯が「ガラケー」ではなく、スマホである人が多い傾向があります。

2.デジタルネイティブ

これはY世代であるミレニアル世代の一部にも当てはまることですが、10代でインターネット環境が整備されていたため、日常的にさまざまなインターネットサービスに触れながら成長してきた傾向があります。
10代前後でスマホやパソコンなどを手にしていることもあり、デジタル機器を使いこなしている人が多いのも特徴です。ミレニアル世代と異なるのは、Z世代は生まれた時点でさまざまなデジタル機器が揃っていたこと。そのため、もっともデジタルネイティブに近い存在ともいわれています。

3.SNSネイティブ

スマホの普及とともに利用が拡大したのが、Twitter、Facebook、Instagram、LINEなどのSNS。そのため、Z世代はSNSネイティブでもあり、各SNSを使いこなして情報収集を行ったり、知人とコミュニケーションを取ったりしています。2017年に日本でリリースされ、総ダウンロード数が伸びているTikTokは、Instagramに次いで若い世代によく見られているSNSです。

4.コスパと並び「タイパ」を重視

払ったお金に対してどんな効果があったかを示す「コスパ(コストパフォーマンス/費用対効果)」と同等か、それ以上に「タイパ(タイムパフォーマンス/時間対効果)」が重視されている点です。ここ数年、Z世代が重視する価値観として取り上げられ、「タイパ」「タムパ」などの略語が使われるようになりました。
お金と同じように、自分が使う「時間」の価値を大切にする考えで、短時間で満足感を得られる「タイパが高い」モノやコトの消費がさかんな傾向にあります。

5.自分にとっての価値を重視した消費行動

ブランドや商品の知名度よりも、自分にとって価値があるものにお金を使う傾向があります。購買の意思決定においては、常にコストパフォーマンスを重視し、お買い得感のある消費を好む傾向にあります。
また、環境や社会に配慮したブランドを好むのも特徴のひとつです。購買行動ではSNSを通じたクチコミを参考にすることが多く、共感できるものを選ぶ傾向もあります。
また、モノを所有する欲が少ないともいわれています。「必要なものは、必要なときに、自分が必要なぶんだけ利用できればいい」という合理的な考え方を持っており、定額制サービス、いわゆる「サブスク」を利用する人も少なくありません。

6.社会課題への関心が高い

Z世代の多くが小中学生だった2011年には東日本大震災があり、昨今ではSDGs(持続可能な開発目標)に関する情報が日常的に見られます。これらの実情から、災害や社会課題について考えることは当たり前という認識が強い傾向があります。

近い将来、消費の主役になるとされているZ世代。比較対象として、X世代やY世代(ミレニアル世代)がよく取り上げられます。さらに次の世代として、「α世代」といった呼称を目にする機会も増えています。Z世代と合わせて知っておきたい、X世代・Y世代・α世代についても解説します。

X世代

「X世代」は、1960〜1980年代前半に生まれた世代を指します。「ジェネレーションX」と呼ばれることもあります。日本では学生運動と高度経済成長が終わった頃。そのため、X世代は現代の日本文化を活性化させた世代でもあるといわれています。
X世代の主な情報源は新聞・雑誌・テレビなどのマスメディアです。まだインターネットは普及しておらず、一部の人が使っていた時代です。
消費行動はバブル世代などと比べて慎重派で、コスパを重要視し、ブランドの価値よりも、機能性に対して価格が見合っているかを検討する傾向があります。

Y世代(ミレニアル世代)

「Y世代」は、1980年代前半〜1996年に生まれた世代のことを指します。「ミレニアル世代」と呼ばれることもあります。
物心ついた頃にはインターネット環境が整っており、ITに触れる機会が多かったため、デジタルネイティブといわれることも。親世代とともに、雑誌や新聞などの紙媒体のメディアで情報収集することも少なくありませんでした。そのため、情報源はテレビ・雑誌・新聞・インターネットとバランスに優れている傾向があります。
消費行動はモノよりコトで、旅行などにお金を使う傾向があるようです。

α世代

「α世代」とは、2010年以降に生まれた世代のことを指します。ラテン文字で「Z」の次にあたるのが「α」であるため、そう名付けられたといわれています。
2023年時点では小学生くらいの年代なので市場に与える影響は少ないのですが、2030〜2040年ごろには社会に進出し、消費の中核を担う世代です。
α世代は、IT技術が発達した状態を経験しながら成長していくとみられます。そのため、IT技術が生活にもたらす利便性や、AI技術を利用したスポーツ・医療・介護など、各分野における価値観がZ世代とは異なる、と予想されています。

Z世代と、いま消費の中核を担っているY世代(ミレニアル世代)とは、時間の使い方や消費行動に違いがあります。
Y世代(ミレニアル世代)は、モノを購入するプロセスそのものや体験に価値を感じるのが特徴。優れた体験ができるものであれば、お金を出すことに抵抗を感じにくいとされています。個性を伸ばす教育が行われた「ゆとり世代」を含むミレニアル世代は、大量消費よりも商品が持つ個性やストーリー、かけがえのない顧客体験を重んじる傾向にあります。
一方、Z世代は不況の時代に成長したため、現実主義といわれています。ミレニアル世代に比べて貯金や将来への投資意識が高く、自分に適したものを必要な分だけ好んで買う傾向にあります。

Z世代にうまく商品やサービスを訴求するには、どのようにすればよいのでしょうか。Z世代の心をつかむための3つのポイントを解説します。

1.長期的な価値を訴求する

モノ・コトの消費に対してシビアな目を持つZ世代は、支払う金額に対する「コスパ」と費やす時間に対する「タイパ(タムパ)」を重視します。倹約家と思われがちですが、高価なものでも自分にとって価値があり、長期的に見てお得であることがわかれば、出費を惜しみません。Z世代に受け入れられやすい価値観の商品をアピールし、高価でも長く利用できることを訴求しましょう。

2.共感を得られるポイントを作る

Z世代は企業名やブランドなどの社会的な価値を信用しすぎない傾向があります。自身が大事にしている価値観と共鳴し、周囲にシェアしたいと思った商品やサービスを利用します。たとえば、ジェンダーレスなアイテムやサステナブルな取り組みから生まれた商品など、社会課題に広く関心のあるZ世代だからこそ共感できるポイントを作るのがおすすめです。
ただし、社会に対する企業の姿勢と商品のコンセプトにズレがないかは注意ポイントです。Z世代をターゲットにする前に、企業として発信してきたイメージが一貫しているか確認しましょう。

3.オンライン・オフラインどちらからもアクセスできる環境を整える

Z世代はオンラインでのショッピングが当たり前です。Instagramにショッピング機能が搭載されたり、海外から商品を取り寄せできるサービスがあったりと、オンラインショッピングに多様な選択肢があります。また、SNSを通じてクチコミ情報も収集し、失敗を避けながら買い物する傾向も。
インターネット上でのコミュニケーションに慣れているため、リアルな体験ができるオフラインの店舗訪問は、新鮮さを感じることができる体験として認識されています。店員との会話を通じてインターネットから得られないような情報を入手することも、楽しめる世代です。オン、オフを交えた体験を提供できるようにすることが大切です。

Z世代をターゲットとしたマーケティング活動を行う際に注意するべきポイントがあります。各ポイントをきちんと意識できているかどうか、施策を行う前にチェックしてみてください。

1.インフルエンサーを起用する際は互いの意図や理解を深めておく

インフルエンサーに商品をPRしてもらうことはZ世代へのアピールとして有効ですが、同時にZ世代はPR投稿に慣れきっているため、「刺さる」投稿のハードルが上がっていることを意識しましょう。
インフルエンサーには露骨なタイアップをお願いするのではなく、自身の言葉で商品の魅力を語ってもらうほか、PR投稿を依頼した目的や商品発売の背景までについても、あらかじめ理解してもらうことが大切です。Z世代に向けた情報発信はあくまで自然に、誠実に伝える姿勢を意識しましょう。

2.商品開発の裏側がわかるよう透明性を意識する

商品開発の裏側にあるストーリーを包み隠さず伝えることです。透明性を意識する、と言い換えることもできます。
Z世代の傾向のひとつとして、低価格でデザイン性の高いものでも、手に取るときは持続可能性や環境負荷についての情報を考慮することがあります。納得できるストーリーがなければ、購入に至らないことも。
商品開発の理由や関係者、製造過程などを明らかにすることで、Z世代に好意的に思ってもらうことが大切です。共感したり安心感を抱いたりすれば、商品を購入する可能性が上がるでしょう。

3.Z世代とひとくくりにせずリアルなインサイトを知る

これまでZ世代とひとくくりに説明してきましたが、同じZ世代でも前半と後半では年齢が10歳以上離れていることもあり、消費行動や価値観には違いがあります。
全体的な特徴を意識しつつも、商品と消費者層とのミスマッチを減らすため、リアルなインサイトを知ったうえで訴求施策を考える必要があることを留意しておきましょう。

他の世代と比べ、Z世代全体としては「時間を有効活用しつつ、お得な商品を失敗せずに購入したい」気持ちを強く持つ傾向があります。10代のうちからスマホやSNSでさまざまな情報を得ているZ世代は、社会貢献を目的とした商品や、長く使える価値のある商品を好みます。そのため、Z世代と誠実に向き合い、一人ひとりと対話をするようなマーケティングを行うことが大切です。

CONTACT

診断サービスの
お問い合わせ・お申し込みは
こちらから

診断サービスのお問い合わせ
お問い合わせ・お申し込みはこちらから