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DXとCXの関係性をひと言で表すとすれば「手段と目的」

カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上は、企業と顧客のどちらにもメリットがもたらされる重要な取り組みです。CXを向上させるための手段はさまざまですが、なかでもDX(デジタルトランスフォーメーション)は有効的な手段のひとつといえます。DXはデジタルテクノロジーを活用することで顧客のニーズにもとづいて商品やサービスが改革されるため、結果的にCXの向上につながります。
デジタルテクノロジーが進んだ現代において、CX向上のための指標を把握するにはデジタルデータの活用が必須です。CX向上を目指すのであれば、DXの推進に取り組むべきといえます。とはいえ、自社ビジネスにとってのDXの本質を理解するには、もう少し探究してみる必要があります。

インターネット技術の普及・進化によりもたらされたIT革命は、私たちの生活はもちろん、ビジネスのあり方も大きく変えました。例えば、社内コミュニケーションツールの登場により情報共有やプロジェクトの進捗管理は効率化され、遠隔地で働く社員とも簡単に打ち合わせができるようになりました。これらビジネスの「IT化」は現在すでに普及しており、多くの人々にとって当たり前のものになっています。
しかし、DXは、そうしたIT化がもたらす変化ではおさまりません。近年DXがビジネスの場で注目を集めるのは、データとデジタル技術の活用により、企業が戦略やビジネスモデルから変革し、競争上の優位性を確立することが期待されているからです。 言い換えれば、DXは企業がビジネスで勝ち残っていくために必要な変革であるといえるでしょう。

デジタル化とは、現在の業務を自動化・システム化し、業務効率化や生産性の向上を目的としています。 これに対しDXは、デジタル技術でビジネスモデルそのものを変革して新たな価値を生み出し、企業の競争力を向上することを目的としています。ビジネスにおけるあらゆる変革の根本にあるのは「顧客」です。変革とは、顧客に幸せをもたらすことでビジネスを成長させるものでなければなりません。
現代の顧客がビジネスに寄せる期待の大半は、デジタルテクノロジーとデジタルイノベーションにもとづくものです。顧客は常にネットにつながり、常に新しい可能性を見出しています。あるサイトで新しい体験をした顧客は、他のサイトにもそれを求めます。そこで新しい体験を得られなければ、顧客はそれを得ることができる別のサイトへと流れていきます。デジタルでつながった世界では比較が容易なため、手軽に別のブランドや商品、サービスに乗り替えることができるのです。

AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、クラウド分析、さまざまなサイズと機能を持つセンサーなどが、製造、生産、調査など、あらゆる業界のほぼすべての部門に変革をもたらします。
AIやIoTなどのデジタルイノベーションは、家電製品や自動車まで、あらゆる製品の製造にさまざまな進化をもたらしています。製造プロセスを最適化することで、消費者需要の変化に対応できます。クラウドベースのソフトウェアにより、サプライチェーンのロジスティクスをリアルタイムで可視化できます。また、機械学習を活用した顧客体験マッピング(顧客が特定のアクションを行うにあたって必要な手順を視覚的に表現したもの。CXの全体的な改善を目標にする場合、企業は顧客体験マップによってボトルネックや分断を発見し、対応が必要な対象をすばやく特定できます)は、商品企画やマーケティング担当者、予算管理者の業務改善に役立つ重要なインサイトをもたらします。こうしたさまざまなイノベーションの融合が、あらゆる面からビジネスのあり方を変えています。

デジタルによる業務変革に取り組む企業が増える一方、多くの企業は部門間の連携のないビジネス改善や個別のテクノロジープラットフォームの導入に終始する傾向がありました。 しかし、せっかくビジネス改革を行ったつもりでも、データが分断・サイロ化されたままでは、肝心の顧客理解が一部に留まってしまいます。 人々の価値観や行動が大きく変わりつつある現在、真のDXの実現には「顧客を正しく理解する」ことが重要です。顧客を正しく理解するためには、タッチポイント(顧客接点)のデータを連携し、一人の顧客として全方位で理解する仕組みが必要なのです。
この課題を解決するには、特定の部門ではなく、全社規模で顧客情報の一元的な管理を目指すことがはじめの一歩です。各部門間のシステムを横断して顧客情報を紐付け、部門間で顧客データを共有しながら各部門のビジネス遂行が行えるプラットフォームの構築が求められます。トランスコスモスでは顧客像を一元的に捉え、マーケティング、セールス、コマース、カスタマーサービスそしてITの各部門を連携させる、さまざまなプラットフォームを提供しています。これらにより各部門が複数のプラットフォームをまたいで顧客情報を共有し、協力しながら顧客の期待に応えるパーソナライズされた顧客体験を提供することにより、顧客と長期にわたる信頼関係を築くことが可能になります。

では、実際のDXとはどのようなものでしょうか。そして、ビジネスのあり方をどのように変化させているのでしょうか。

マーケティングにおけるDX事例

マーケティングにおけるDXの目的とは、大まかにいえばコストを削減しつつ、より多くの顧客を獲得することです。具体的には、優れたデジタルマーケティングで質の高いリード(見込み客)を獲得し、新規顧客か長年のロイヤルカスタマーかに関わらず、すべての顧客との関係性を強化することです。
これらの目的を目指すにあたり、2つの対策が必要となります。1つめは、マーケティング素材をアナログからデジタルへ移行すること。デジタル素材はアナログ素材に比べて全般的に製造や流通のコストを抑えられます。たとえば、Eメールキャンペーンは、紙媒体のDM(ダイレクトメール)キャンペーンよりもはるかに低コストです。2つめは、デジタルマーケティングを導入することでマーケティングオートメーション(マーケティング活動の自動化を意味する概念、またはそのためのツール)、分析によるトラッキング、アナログでは不可能な顧客とのやり取りなどが可能になります。
画一的なファネル設計の代わりにOne to Oneのジャーニーを構築し、顧客行動の分析にもとづいて各顧客に最適な体験をアレンジすることができます。また、感覚や直感だけに頼るのでなく、データから得られたインサイトを活用してカスタマージャーニーを構築することができます。

DXによりマーケティング担当者と個々の顧客とのつながりを強化

DXを導入することで、顧客エンゲージメントを高めつつコストを削減できます。

営業におけるDX事例

デジタル時代において、マーケティングと営業の従来の役割が見直されていますが、それには十分な理由があります。その理由とは「データ」です。消費者行動についての大量で正確なデータを得られるようになったことで、マーケティングと営業は、これまでにないやり方で業務を進めることが可能になりました。個々の消費者を観察し、その行動を最初のタッチポイント(顧客接点)から購買ジャーニーに至るまで分析することで、マーケティングと営業のつながりを強化し、これまで別々に活動していた両部門が連携することで化学反応が起こります。

DXが生み出すAI主導の営業テクニック

AIは、膨大なデータを吟味し、そこから有益なパターンなどのインサイトを引き出す際に大きな威力を発揮します。AIサービスが進化すれば、営業データやマーケティングデータをエンドユーザーの立場から評価できるだけでなく、営業テクニックや営業戦略そのものの有効性を評価できるようになります。たとえば、ある顧客層が1年のいつ購買意欲が高まるかといったインサイトだけでなく、現営業戦略が長期的に効果的か、どのプロモーションやバンドル販売(同じ商品をまとめて売る販売方法)が長期的なトレンドに逆行して売上を阻害しているのか、といったことも明らかにできます。
外部ソースからさまざまなデータセットが入手できるようになれば、営業チームの活動履歴だけでなく、市場データもAIで分析できるようになります。そこから相関関係やパターン、さらに偏りなども検知することで、取引先との営業交渉における競争優位性を得られます。AIの導き出したインサイトと営業の知見とを組み合わせることが、営業のDXにおける理想の状態といえるでしょう。

DXの鍵はソーシャルセリング戦略

今やソーシャルメディアはいたるところに存在し、人と人とをつなぐとともに、ニュース、娯楽、ブランドとのやりとりと組み合わさっています。消費者のソーシャルメディア利用が普及したことで、購買プロセスは変化しました。DXで成果を収めるには、ソーシャルセリング戦略(SNSを通じて見込み客との信頼関係を深め、自社商品の購入につなげる営業手法)を取り入れる必要があります。優れた営業担当者にとって、ソーシャルメディアはリード(見込み客)や長期顧客との関係を構築するチャンスにあふれています。また、企業が直接ターゲットに働きかけるのではなく、コミュニティを介してアプローチしていく。近年、こうしたコミュニティマーケティングが注目されています。コミュニティマーケティングとは、企業が自社商品やサービスを利用する顧客を集めたコミュニティを構築し、そのコミュニティの発信力を活用して販売機会を広げていく手法です。この手法は、クチコミによるマーケティングの延長ともいえます。消費者の心理としては、企業が自ら行う広告よりも、その商品の使用者による評価のほうに信頼を感じやすいものです。しかも、SNSが普及した現在では、マスメディアが発する情報よりも、個人発の情報のほうが信頼を集め、購買行動の大きなきっかけになってさえいます。そして、そうした情報を発信する人々の集まり、つまりコミュニティによって新規顧客の拡大を図るのが、コミュニティマーケティングの本質です。

カスタマーサービスにおけるDX事例

デジタル時代においては、ビジネスの他のあらゆる部門と同じく、カスタマーサービスの役割についての既成概念も崩れました。変化はどの部門よりも激しいといえます。
スマートフォンの普及、電子決済システム、需要(消費者)と供給(ギグワーカー)をリアルタイムでマッチングするアプリ。この3つが組み合わさったことで、ほとんどすべての需要をいつでもスマートフォンひとつで満たすことのできる世界が出現しました。Forbes社がいうように「経済全体がウーバー化された」のです。
これこそがDXです。ピザの宅配もタクシーもスマートフォンで注文できる今、ますます多くの企業や業界が、取引の主要な手段としてデジタルチャネルの導入を求められています。これは、カスタマーサービス部門にとっては、顧客の望むチャネルで24時間365日の対応を求められるということを意味します。しかし一方で、多くのビジネスチャンスにつながり、売上を伸ばせるということも意味します。

ソーシャルメディアはカスタマーサービスの新たな拠点

あらゆるソーシャルメディアチャネルで顧客の声に耳を傾けて対応するという作業を、一つひとつスマートフォンでTwitterやInstagramアプリを開いて行うと考えると、大変な作業に思われます。しかし、ソーシャルサービス向けに設計されたさまざまなツールを使えばそれほど難しくはありません。顧客ニーズの割り出し、自社システムへのソーシャルチャネルの連携、さまざまなソーシャルメディアでのブランドセンチメント(市場全体が抱いている印象や心理状態)や活動の測定も簡単です。
デジタル化された世界でビジネスを成功へ導くには、顧客がすでに存在している場所で顧客と出会うということが重要です。顧客ニーズ対応に苦しむか、それとも売上拡大のチャンスに変えるのか。この差は、DXのマインドセットでソーシャルサービスに対応できるかどうかにかかっています。 情報のサイロ化を脱却すれば、部門間のコラボレーションが促進されて、ビジネスにその成果が反映されます。

セルフサービスはカスタマーサービス担当者の心強い味方

かつては健康食品から健康器具、掃除用品まで、電話で通販をしていた時代がありました。商品についての問い合わせからクレームまでのすべてを0120のフリーダイヤルでこなしていました。コンタクトセンターはデジタル時代に入って選択肢が増え、適切なチャネルを使って、さまざまな顧客対応を行えるようになりました。
セルフサービスが良い例です。このユーザー対応ツールを使えば、パスワードのリセット、インシデントの自動記録、サービスリクエスト、ナレッジベースの検索などを行えます。また、チャットサービス、サービスケースに関連した埋め込みソーシャルメディアフィードなどのインタラクティブなサービスを追加することもできます。

カスタマーサービスのDXではAIが重要な役割を担う

サービス部門へのAI導入は、DXの効果を示すわかりやすい事例です。AIチャットボットが顧客からの簡単な質問に対応することで、オペレーターにつながるまでの待ち時間を削減できます。また、オペレーターに割り当てられる簡単な問い合わせが減り、人間の判断を必要とする高度で複雑な問題に集中できるというメリットがあります。それによって担当者の時間を節約できれば、シームレスなカスタマーエクスペリエンス(CX)の構築にもつながります。

DXの実現には、現状の経営課題を明確にし、勝ち残るための長期的な経営戦略を描くことが必要です。また、実際の推進には経営トップによるコミットメントと同時に、社内にDXを推進する体制の整備も不可欠です。
何からどう手をつけていいかわからない…というお客様企業のご要望にお応えするために、お客様企業のDXを推進するためのDX推進スペシャリストチームがご支援します。
DX推進スペシャリストチームは、DX戦略における進めるべきロードマップを提示し、導入すべきソリューションやサービスなどをご提案するとともに、DX推進の具体的なアクションを支援します。ビジネスで勝ち残るためのDXを、トランスコスモスとともに実現しましょう。

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