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音声コンテンツとは?注目される理由や種類、代表的なサービスなどを紹介

最近、ライブ音声配信でコミュニケーションを取り合える「音声SNS」という言葉を耳にする機会が増えました。YouTubeなどの動画配信サービスの次に流行するコンテンツとして、音声コンテンツが注目されています。近年では、音声コンテンツをマーケティング戦略に活用する企業も登場してきています。実際に次々と新しいサービスやアプリなどが発表されていますが、そもそも音声コンテンツについてよく知らない方もいるでしょう。本記事では、今注目の音声コンテンツの種類や代表的なサービスを解説します。

音声コンテンツとは、その名の通り音声を使って発信するメディアのことで、「音声メディア」と呼ばれることもあります。従来はラジオが音声コンテンツの代表的なものでしたが、近年はインターネットでの配信に特化した音声コンテンツが増加。市場拡大とともに、さまざまなサービスが登場しています。大手企業が配信するサービスや個人が配信するもの、ライブ型やオンデマンド型など形式は多種多様で、有名人から一般のユーザーまで多くの人が利用しています。

株式会社オトナルと株式会社朝日新聞社が共同で行った『PODCAST REPORT IN JAPAN ポッドキャスト国内利用実態調査2022』によると、ポッドキャストを月1回以上聴取するポッドキャストユーザーは全体の15.7%、1529歳のZ世代では28.1%と4人に1人がポッドキャストを利用していることが明らかになりました。

2020年3月に「デジタルインファクト」がリリースしたデジタル音声広告の市場調査によると、2019年に7億円だった市場規模は、わずか1年後の2020年に2倍以上の16億円に拡大。さらに、2022年以降急速な市場拡大が進み、2025年には420億円規模になると予測されており、今後もますます成長の余地があると見込まれています。

デジタル音声広告とは「Spotify」などで配信されている音声を主軸とした広告のことで、聴覚にアプローチする広告がどんどん拡大していることから、音声コンテンツ市場の需要が高まっていると考えられるでしょう。音声コンテンツは、オーディオブックなど従来一方通行の音声メディアが多かったものの、音声SNSは「気軽に会話へ参加可能」で、動画と比較してより「ながら視聴」に適しているという特徴があるので、広告市場としても魅力的で市場の拡大が期待されています。

音声コンテンツが注目される理由に、何らかの作業をしながら音声コンテンツを楽しむ人が増えたことが挙げられます。また、音声コンテンツは動画に比べて簡単に制作できる点も理由の1つ。近年は個人で活動するクリエイターが増えていますが、動画を配信するとなるとコストも手間もかかるため、挫折してしまう人は少なくありません。その点、音声コンテンツであればマイクやスマートフォンを用意するだけで、編集も簡単に行えます。制作へのハードルが低いため継続もしやすく、市場が拡大する要因となっているのでしょう。

ビジネストレンドの1つとして注目が集まっている音声コンテンツ。音声コンテンツは、主に以下の6つに分類されます。ここでは、音声コンテンツ・音声メディアの種類や代表的なサービスなどを紹介していきます。

 

4-1.インターネットラジオ

「インターネットラジオ」とは、FMなどの電波ではなく、インターネット上で配信されているラジオ番組のこと。パソコンやスマートフォンなどのさまざまなデバイスで聴けることから、従来のラジオに比べて聴取する年齢層が広くなりました。また、インターネットに接続している環境であれば音質が安定している点や、海外のラジオ番組なども気軽に聴けるようになった点も魅力として挙げられます。

【主なインターネットラジオ】

インターネットラジオで有名なサービスとしては、「radiko」が挙げられるでしょう。日本全国のラジオ局で放送している番組をパソコンやスマートフォンなどで聴けるサービスで、手軽にさまざまなコンテンツを楽しめます。基本的には居住区以外の番組は聴けないものの、有料のプレミアム会員になることで、日本全国のラジオ番組を聴くことも可能です。また、「radiko」に比べると放送局は限られるものの、TBSラジオが提供する「ラジオクラウド」もおすすめのサービスです。好きな番組をダウンロードしてどこでも再生できたり、自分の好きな番組でリストを作れる「マイリスト機能」があったりと、使い勝手がいい点が魅力として挙げられます。

4-2.オーディオブック

「オーディオブック」は本の内容を音声で聴けるサービスで、新しい読書のスタイルとして注目されています。運動や家事をしながら読書を楽しみたい方や、移動時間を有効活用したい方などに人気です。基本的にプロの声優やナレーターが朗読するため、耳なじみが良い点も魅力で、初心者でも利用しやすいでしょう。

【主なオーディオブック】

オーディオブックの有名なサービスには、Amazonが運営する「Audible(オーディブル)」があります。プロのナレーターが朗読した本を聴けるサービスで、オフライン再生も可能。著名な作家の定番タイトルをはじめ多種多様なジャンルの書籍があり、読みたい作品を見つけやすいでしょう。また、株式会社オトバンクが運営する「audiobook.jp」も人気です。日本語書籍が充実しており、週間ランキングなどで注目されている書籍がわかりやすい点が特徴です。

4-3.音楽配信サービス

「音楽配信サービス」とは、インターネットを通じて楽曲を配信すること。「デジタル音楽販売」「オンライン配信」なども同じ意味に使われます。一曲・アルバム毎にダウンロードする形式や、定額制のストリーミングによる聴き放題の形式があります。音楽配信サービスを利用すれば、お気に入りのアーティストの曲や最新曲などが、手軽にパソコンやスマートフォンなどで楽しめます。

【主な音楽配信サービス】

無料プランと有料プランとの主な違いは、広告を非表示にできない点、オフライン再生ができない点、さらに提供曲数にも違いがあります。主な音楽配信サービスは、Apple社が運営しているサブスク音楽配信サービス「Apple Music」、スウェーデンに拠点を持つスポティファイ・テクノロジーが運営している音楽ストリーミングサービス「Spotify」、LINEが運営している音楽配信サービス「LINE MUSIC」、Amazonが運営しているサブスク音楽配信サービス「Amazon Music」、YouTubeが展開しているサブスク音楽配信サービス「YouTube Music」、AWA株式会社(サイバーエージェントとエイベックス・デジタルの共同出資会社)が運営するサブスク音楽配信サービス「AWA」などがあります。

4-4.ポッドキャスト

「ポッドキャスト」は、音声データや動画データなどをインターネット上に公開して配信する仕組みのことで、さまざまなコンテンツを楽しめるサービスです。ニュースやボイスドラマ、英会話など多種多様な番組が配信されており、著名人が制作したコンテンツなども多数用意されています。

【主なポッドキャスト】

代表的なポッドキャストとしてまず挙げられるのは、Apple製品にデフォルトで搭載されている「Apple Podcast」でしょう。視聴者は基本的に無料で音声コンテンツを楽しめ、配信にも費用がかかりません。ダウンロード機能などが充実している点も魅力で、多数のユーザー数を誇ります。また、「Spotify」も高いシェアを誇るプラットフォームの1つ。元々は音楽ストリーミングサービスですが、近年ポッドキャスト番組に力を入れており、400万番組以上を楽しめます。Google製品を多く使う方には「Google Podcast」がおすすめ。スマートスピーカーである「Google Home」で再生可能なことはもちろん、Android端末やパソコンなどでも利用可能です。

4-5.音声配信プラットフォーム

「音声配信プラットフォーム」は、その名の通り音声配信に特化したプラットフォームです。ソフトウェアや特別な機材などを用意しなくとも、簡単に音声コンテンツを配信できる点が特徴で、個人はもちろん企業で参入するユーザーも増えています。うまくファンをつかむことで収益化できたり、インフルエンサーになれたりするため、ビジネスチャンスが多い分野といえるでしょう。なお、視聴者であるリスナーもアプリなどを通して気軽に配信を聴くことができます。

【主な音声配信プラットフォーム】

株式会社stand.fmが運営する「stand.fm」などが知られています。誰でもどこにいても気軽に音声コンテンツを配信できるプラットフォームで、ライブ配信はもちろん、収録放送も可能。「コラボ機能」や質問やメッセージが届く「レター機能」など、便利な機能も充実しています。また、日本最大級の音声配信サービスである「Voicy」も、近年勢いのある音声プラットフォームの1つです。審査通過率5%のため誰でも配信できるわけではありませんが、その分パーソナリティになれると企業スポンサーがつく場合などもあり、ビジネスチャンスが多いでしょう。なお、芸能人や著名人のコンテンツが多数あるため、リスナーとしても十分楽しめます。「とにかく気軽に音声配信をしたい」という方には、「Radiotalk」もおすすめ。スマートフォン1つあれば最短5秒、1タップで簡単に収録をスタートさせられる点が特徴のアプリです。

4-6.音声SNS

画面を見なくても耳で聞くだけで楽しめるコンテンツである「音声SNS」。音声配信をユーザー同士でシェアしたり会話に参加したりするなど、コミュニケーションを取りながら聴くことができるサービスです。音声SNSは「読む」よりも「聴く」方が得意なZ世代を中心に、日本でも広がりつつあります。

音声SNSアプリには、リアルタイムで配信を行えるライブ配信の他、録音しておいた音声データを公開できるオンデマンド配信が存在します。「ながら聴き」できるため、作業用BGMとして、寝る前のリラックスタイムにも最適です。また、企業や有名人以外にも個人で簡単に始めることができるので、最近は一般のユーザーでも配信している方が増えており、注目を浴びています。

主な音声SNS

音声SNSの代表的なサービスとしては、アメリカでスタートした「Clubhouse」が挙げられます。後に日本国内でも大きな話題となったため、名前を聞いたことがある方もいるでしょう。利用者同士で配信を楽しんだり、会話に飛び入り参加したりすることが可能で、自由に音声での交流を楽しめる点が特徴です。また、「X(Twitter)」のサービス「Spaces(スペース)」も類似機能の1つ。ホストと共同ホスト2人を含め最大13人が同時に話せるサービスで、気軽に音声を通して他のユーザーとの交流ができます。

別の作業をしながら「ながら視聴」が楽しめたり、制作にコストがかからなかったりすることから、音声コンテンツ・音声メディアの市場は拡大しています。一口に音声コンテンツといっても、ラジオのように聴くことがメインのサービスから、会話することがメインのサービスまで、さまざまなタイプの音声コンテンツがあります。音声広告の多様性と可能性を広げる意味でも、音声コンテンツ・音声メディアの動向を注視しておく必要がありそうです。

前述の通り音声コンテンツはZ世代と相性がよく、またZ世代はSNSを使った配信力が高いため、音声広告はZ世代に強い訴求効果が期待できます。Z世代を対象とした商品・サービスを提供する企業であれば、活用してみてはいかがでしょうか。

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