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カスタマーサクセスの実現を大きく後押しする、カスタマーコミュニティの重要性

コミュニティを舞台にした、ベンダー対ユーザー、あるいはユーザー対ユーザーのポジティブな体験を生み出す仕組みづくりに力を注ぐことによって生まれる絆は、カスタマーサクセスを実現する鍵といっても過言ではありません。ここにカスタマーコミュニティに熱い視線が注がれる理由があります。

昨今、カスタマーサクセスの重要性が高まりを見せています。これまでは顧客に対して、課題を解決する商品・サービスを販売する売り切り型のビジネスモデルが一般的でした。しかし、SaaS(Software as a Service)に象徴されるクラウド型サービスや、それに伴うサブスクリプション型サービスの普及によって、これらの商品・サービスを取り扱う企業は、顧客に継続して利用してもらう必要が生じています。これはクラウドサービスやサブスク型ビジネスを扱う企業に限らず、売り切り型ビジネスの多くの業種においても顧客との継続的な関係性の維持が重要であることに変わりはありません。
そうした背景から、カスタマーサクセスの重要性を感じている企業が増えているのです。今回は、その中でもカスタマーサクセスの実現を大きく後押しする「カスタマーコミュニティ」についてご紹介していきます。

企業が継続して売り上げを確保し、顧客のLTV(顧客生涯価値)向上やアップセル、クロスセルを実現させていくためには、顧客が満足度の高い状態で商品・サービスの利用を継続し、顧客との関係を持続させていくことが避けては通れない課題です。
そこで今、注目を集めているのが「カスタマーコミュニティ」です。
カスタマーコミュニティは、いわゆるファンマーケティング施策の一つで、商品やサービスを提供する企業が、商品・サービス導入後の利用者である顧客(ユーザー)とのタッチポイントとなるものです。
従来、マーケティングやカスタマーサポートなど個別に分かれていたユーザーとのタッチポイントを、カスタマーサクセスの考えに基づき情報を集約したり専門部署を発足させたりするなどして、商品・サービスを購入/導入した顧客をサポートする取り組みに力を入れる企業が増えています。その方策の一つが、カスタマーコミュニティです。
たとえば、カスタマーコミュニティを通じて、ユーザーの生の声をすくい上げることができるようになるため、それらを商品の改善や新機能の開発に役立てることが可能になります。従来のカスタマーサポートがユーザーのトラブルに、いわば受動的な組織だったのに対して、コミュニティは積極的に顧客との接点を作り出し、情報を集める能動的な組織といえるでしょう。
カスタマーコミュニティを通じてユーザーのエンゲージメントが高まるほど、ユーザー間のコミュニケーションも活発になり、利用する商品・サービスへの愛着が生まれ、強力なファンを生み出すことにもつながります。カスタマーコミュニティ内では勉強会が開かれたり、ユーザー同士でサポートを行ったりすることを通じて、ユーザーの継続的な利用を促進し、ベンダーとの長期的な関係性の構築に効果を発揮するのです。新規顧客の獲得は既存顧客の維持にかかるコストの約5倍必要といわれる「1:5の法則」が物語るように、既存顧客との結びつきを強めるためのリソースを投じることには大きな価値があるといえるでしょう。
コミュニティを舞台にした、企業対ユーザー、あるいはユーザー対ユーザーのポジティブな体験を生み出す仕組みづくりに力を注ぐことによって生まれる絆は、カスタマーサクセスを実現する鍵といっても過言ではないのです。ここにカスタマーコミュニティに熱い視線が注がれる理由があります。

クラウドサービスの多様化

冒頭にも触れたように、SaaSに象徴されるクラウドサービスの多様化に伴い、顧客は自社が抱える課題を解消するためにいくつもの選択肢の中から最適と考えられる商品・サービスを選ぶことができるようになりました。サブスクリプションモデルの商品・サービスは「導入はしてみたけれど、うまく活用できない」と判断されてしまうと、顧客は競合他社に乗り換えることが容易です。売り切り型の場合でも導入のメリットを享受できていないとユーザーが感じれば、次の更新機会を失うことになるでしょう。そのため、仮に乗り換え先の商品・サービスの導入が思い通りに進んだ場合、それまでに築いてきた関係は失われ、将来的に流出した顧客が戻ってくる可能性が低くなってしまうことは想像に難くないことです。

働き方のオンライン化

ビジネスモデルの進化とともに変化した人々の働く環境もカスタマーコミュニティへの関心を高めている理由の一つに挙げられます。社会全体にネットワーク環境が整備されたことにより、現代のワークプレイスは従来のオフィスから仮想空間にまで拡大しました。クラウドサーバーを活用し、チャットツールでコミュニケーションをとり、ウェブ会議システムを利用して商談するように、いつでも、どこでも必要な情報にアクセスし、仕事ができる環境が手に入るようになりました。今後はさらに働き方の環境の変化は加速することが予想されます。 こうした環境の変化は、企業と顧客との距離を縮めただけでなく、顧客間の距離も飛躍的に近づけることになりました。かつてはカスタマーコミュニティも実際に顔を合わせることができる環境が前提でしたが、ネットワーク環境の変化がきっかけとなって、コミュニティのオンライン化も加速しています。 すでにオンラインの掲示板やチャットツールなどを活用して、ユーザー同士がコミュニケーションする機会は増えており、そのやりとりの多くはストックされてきました。それらは新たに加わったコミュニティメンバーにも公開され、必要に応じて過去の情報にアクセスすることも容易です。今、カスタマーコミュニティは、物理的距離を超えたユーザーの交流を実現しています。

自社商品・サービスのブランド化

カスタマーコミュニティは、自社商品やサービスのブランディング強化という側面からも重要視されています。顧客がベンダーの提供する商品やサービスを継続して利用することにメリットを感じなければ、サブスク型、売り切り型を問わず、見直しの対象になるはずです。コミュニティ運営は商品サービスに対する顧客のロイヤルティを高め、顧客の満足度向上に貢献します。その結果、商品やサービスに対する愛着を育み、ブランド価値の上昇にも結びつくのです。 カスタマーコミュニティは、自社商品やサービスのブランディングに直接的に効果を発揮するだけでなく、ユーザーから外部に発信されるメディア効果も加わり、潜在的な新規顧客に向けたブランディングとしてもベンダーにとって有効な手立てといえるでしょう。

カスタマーコミュニティは、「企業主導型」と「ユーザー主導型」の2つに大別することができます。これらはその名が示す通り、コミュニティ運営を企業とユーザーのどちらが主体的に担うのか、という違いを表しています。どちらを選ぶかではなく、コミュニティマーケティングを進めるうえで、この2種類をそれぞれ並走させていくことが求められます。
コミュニティ施策を進めていくにあたり、コミュニティ運営を委ねるユーザーが育っていない初期の段階においては、企業がハブとなり、既存顧客とのタッチポイントの場としての「企業主導型コミュニティ」が大きな役割を担います。
一方、「ユーザー主導型」は、ユーザーが中心となって発足・運営されるものなので、ベンダーを介さず、ユーザー同士が自主的にコミュニケーションや情報交換をする場となります。この場合、企業側は、認定ユーザーグループ制度のような一定の条件を定めて活動を支援したり、商品・サービス情報やイベント情報などを提供したりするなど、ユーザー主導型コミュニティの伴走役となって自立したコミュニティ運営を支援し、ユーザー主導型コミュニティの活性化を後押しすることが主な役割となります。
いずれの場合も、ユーザーコミュニティは企業とユーザーが関係を構築していく場となりますが、企業主導型が直接的に両者のタッチポイントになるのに対して、ユーザー主導型はユーザー同士が商品・サービスを介してつながるという点で、大きな違いがあります。もちろんユーザー主導型のコミュニティに企業側の人材が参加することでコミュニケーションを取ることは可能です。
ですから、カスタマーコミュニティに乗り出す場合、初期には企業主導型のコミュニティを立ち上げ、あわせてユーザー主導型コミュニティが継続的に自走していく環境を整えていく必要があります。カスタマーコミュニティ全体が、永続的に稼働し続けられるように直接的、間接的に関与し続けることが大前提になります。
また、カスタマーコミュニティのスタートに先立って、基本的な規約や既存のカスタマージャーニーにコミュニティとのタッチポイントを盛り込むなど、営業活動全体の流れを見直しておくことで、限られたリソースをコミュニティ運営に投入することができるでしょう。

ここまでお伝えしてきたように、カスタマーコミュニティは、ユーザーと企業をつなぐ貴重な場として、ユーザーの課題解決や成功を後押ししながら、同時に企業側のビジネスの成長にも欠かせない役割を担う存在です。
ぜひ皆さんもカスタマーコミュニティを活用し、カスタマーサクセスの実現と自社のビジネスの拡大に役立ててください。

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