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FAQの有効活用
によって企業の
コミュニケーションを
大きく進化させる

トランスコスモスの
コンタクトセンター支援サービス

Vol.15

Proz Answers [後編]

FAQを軸として、企業やコンタクトセンターのコミュニケーションを進化させる〈Proz Answers〉。そのソリューションの活用によってもたらされるメリットと、これからのコンタクトセンターのあり方、そしてそこにおける人の役割などについて、引き続き〈Proz Answers〉開発・提供者の網本信幸氏と、トランスコスモスの清水祥之に話を聞きました。

STAFF PROFILE
網本 信幸氏

網本 信幸氏

Proz. 代表取締役

STAFF PROFILE
清水 祥之

清水 祥之

トランスコスモス CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
サービス開発本部
ナレッジ事業開発課
課長

社員からの問い合わせが
99%削減される

〈Proz Answers〉のこれまでの導入成果をお聞かせください。

清水大きな成果を上げたのが、小売店舗チェーンの内部FAQに〈Proz Answers〉をお使いいただいたケースです。大企業では、日常業務の中で社員の皆さんからの問い合わせ事項が膨大に発生します。人事に関する問い合わせは人事部門に、PCに関する問い合わせはITや総務部門に、個々の商品に関する問い合わせはそれぞれの事業部に──。その企業では、そういった問い合わせが月間およそ1万件に及んでいました。

問い合わせを受ける各部門は、業務をこなしながら問い合わせに対応することが大きな負担になっていました。一方、問い合わせをする側も、どの部署に連絡すればいいかわからずに、複数の部門をたらい回しにされるケースがよくありました。

そこで同社は、社員用の問い合わせ窓口を一本化し、かつ自己解決率を高めるためにFAQコンテンツを用意しました。そこでご活用いただいたのが〈Proz Answers〉です。この施策によって、問い合わせをせずに疑問や質問を自己解決できる割合が99%に達しました。つまり、問い合わせ件数が100分の1まで減ったということです。社員の皆さんの疑問や質問がスムーズに解決するようになったこと。各部門に対する電話やメールの問い合わせが激減して、本来の業務に集中できるようになったこと。それが〈Proz Answers〉を活用した内部FAQ施策の大きな成果です。

これは社内向けのFAQの事例ですが、外部のユーザー向けのFAQでも、問い合わせ件数が大幅に減った案件が数多くあります。

〈Proz Answers〉が企業の顧客にもたらすメリットにはどのようなものがありますか。

清水さまざまな点でCX(顧客体験)が向上すると考えられます。過去の問い合わせとそれに対する応対から得られたナレッジをFAQに反映させることで、高い自己解決率につながるFAQが実現します。FAQによって疑問を解決できれば、コンタクトセンターに電話をする際の待ち時間や、対話をする時間、メールやチャットに質問文を書き込む時間が必要なくなります。

 また、〈Proz Answers〉には、インターネット検索結果の上位にFAQページを表示させる機能があります。これも、エンドユーザーの自己解決率を高め、CXを向上させる仕組みの1つと言えます。

コンタクトセンター現場のメリットについてもお聞かせください。

清水まず、内部FAQを活用することによって、問い合わせに対する応答が迅速になり、応対時間を短縮することができます。〈Proz Answers〉導入によって、一件あたりのトータルの応対時間が平均で117秒短縮したコンタクトセンターもあります。また、FAQを見ながら質問に対して適切な返答をすることで、応対品質が向上します。さらに、FAQがあればエスカレーション(オペレーターが答えに迷い、現場管理者に返答内容を確認すること)の回数も減らすことができます。業務が効率化すること、業務品質を上げられること、管理工数が減らせること。その3つが現場のメリットです。





より高付加価値化するオペレーターの業務

〈Proz Answers〉を活用することによって、コンタクトセンターやオペレーターの役割はどう変化すると考えられますか。

網本コンタクトセンターに問い合わせをすることなく、疑問を100%自己解決できることが、エンドユーザーにとっても、お客様企業にとっても理想的です。100%は難しいとしても、そこに可能な限り近づけていこうという流れは今後どんどん進んでいくと思います。そのドライバーになるのが〈Proz Answers〉です。

そのような流れが進むことによって、現場のオペレーターの皆さんの業務は、より付加価値の高い仕事にシフトしていくことになると考えられます。私もトランスコスモス在籍中にオペレーター業務を担ったことがありますが、電話やメールでの問い合わせのうち、ほぼ8割は過去に対応したことのある内容で、まったく新しい問い合わせは2割くらいであったことを覚えています。その8割の部分をFAQ化、あるいはAI化して、残りの2割に注力することがオペレーターの皆さんの仕事になっていくのではないでしょうか。

さらに、その2割の部分も段階的にFAQ化、AI化していくことになると思います。そうなったとしても、人間の知恵によって解決しなければならない領域は絶対に残るはずです。現場の仲間や管理者と話し合い、知恵を出し合って、複雑なお困りごとを確実に解決する、いわば「創造的回答」を生み出していくこと。そこに人の力が発揮されることになると私は考えています。

清水現場の業務が効率化し、工数が削減され、省人化が進むことは間違いないと思います。しかし網本さんが言うように、人の仕事が必要なくなるわけではありません。

トランスコスモスは「People and Technology」というビジョンを掲げています。AIなどのテクノロジーがいかに発展しても、その活用法を設計し、運用する仕事には人があたらなければなりません。また、コンシェルジュ的な仕事、エンドユーザーとの信頼関係を構築する仕事、お客様企業に新しい提案をする仕事、利益創出につながる仕事なども人間が担い続けていく必要があると思います。オペレーターは新しいスキルを身につけていく必要がありますが、それがそれぞれのキャリアアップや仕事のやりがいにつながる。そんなふうに考えています。

コンタクトセンターを
事業成長の拠点とするために

〈Proz Answers〉の今後の取り組みについてお聞かせください。

網本生成AIの活用範囲をどんどん広げていきたいですね。前編でご紹介した〈Proz Answers GenAI シリーズ〉の〈Proz Answers GenAI FAQジェネレーター〉〈Proz Answers GenAI Smart AI Assistフォーム〉〈Proz Answers GenAI AIエージェント〉の3つの機能以外に、AIによるメール文の自動生成なども近いうちに実現できる見込みです。過去の問い合わせ内容とそれに対する返信内容とFAQ。それらをAIが学習し、問い合わせメールに対して最適な文面を自動生成する機能です。オペレーターはAIが作った文章を確認し、返信ボタンを押すだけで問い合わせへの対応が完了します。

3つの機能を紹介する前編記事はこちら

もう1つは、FAQやチャットボットの多言語化です。言語の変換は生成AIが最も得意とする領域の1つです。日本語で作成したFAQを自動で多言語化する。外国語での検索に対応する。チャットボットも多言語に変換する。さらにオペレーターが対応する有人チャットもリアルタイムで外国語に変換する──。そういった機能が近い将来に実用化すると思います。

〈Proz Answers〉の多言語化が進めば、グローバル企業の案件への対応や、トランスコスモスの海外拠点で〈Proz Answers〉を活用することも可能になりますね。

網本海外展開はもちろんですが、現在日本国内に在住している多様な外国人顧客に対応できるようになることも、多言語化の大きなメリットであると考えています。

中長期的な視点で見た場合、〈Proz Answers〉とコンタクトセンターの組み合わせによって、どのような価値を生み出していくことができそうですか。

網本データ連携が1つの鍵になると思います。電話での対話をリアルタイムにテキスト化する〈transpeech (トランスピーチ)〉というソリューションをトランスコスモスは開発しています。そのテキストデータをFAQのデータや過去の問い合わせデータと連携させれば、電話での対応中に必要な情報をオペレーターに伝えたり、質問への答えを提示したりすることが可能になります。それによって、応対時間の短縮化、応対品質の向上などが実現し、CXの向上が期待できます。こういったデータ連携の可能性は、ほかにもたくさんあると思います。

清水コンタクトセンターの「プロフィットセンター化」を実現すること。それが中長期的な目標になると思います。テクノロジーの可能性を追求しながら、人しか担えない領域のクオリティを向上させ、コンタクトセンターをお客様企業の事業成長の拠点にしていくこと。その目標に向けて、〈Proz Answers〉を今以上に有効に活用していきたいと考えています。

最後に、それぞれの個人的なライフビジョンやキャリアビジョンについてお聞かせいただけますか。

清水「人の役に立ちたい」という想いが私の一貫したモチベーションです。しかし、役に立つための方法は日々変化していくと思います。アンテナを張りながら、今の自分に求められていること、今の自分ができることを見極めて、やるべきことに全力で取り組み続けていく。それが私のビジョンです。

網本〈Proz Answers〉を業界標準のソリューションにしていくこと。Proz.という会社を成長させ、世の中により大きな価値を提供できる存在になっていくこと。その2つのビジョンを必ず実現させたいし、実現できると思っています。そのためには、トランスコスモスの皆さんとのコラボレーションがこれからも重要です。二人三脚でどんどん前に進んでいきたいですね。












※記載の内容・役職等などの情報はすべて取材(2025年4月)時点のものです。

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